認知症患者の3分の2に有効な薬?アリセプトとは?

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アリセプト

アリセプトについて見ていきます。

認知症の多くは不可逆性です。しかしながら、不可逆性であっても、役に立つ薬というのはたくさんあります。今回はそのなかから、「アリセプト」を取り上げましょう。

1.アリセプトの概要

まずは、アリセプトとはどういうものか、ということを考えていきましょう。

1-1.アリセプト(ドネぺジル塩酸塩)とは?

アリセプトとは、認知症の薬として開発されたものであり、1999年の終わり(10月~11月)に販売が開始されました。アリセプトというのは商品名であり、「ドネペジル塩酸塩」というものです。

現在は、ジェネリック製品もでています。

1-2.アリセプトの種類と剤形

アリセプトは基本的には錠剤です。しかし現在では、細粒タイプの物も出ています。また、それ以外にも、少量の水(唾液でも可)で溶ける、「口腔内崩壊錠」と呼ばれるものや、ゼリータイプ、シロップ状態になっているものもあります。それぞれの嚥下能力の状態などによって使い分けられており、多くの人が飲みやすいように工夫されています。

1-3.アリセプトの承認状況

アリセプトは、15年以上の歴史を持つ薬です。1999年に初めて、アルツハイマー型認知症(当時は「アルツハイマー型痴呆症」と言われていました。この名称が「認知症」に変わるのは、それから5年後のことです)の薬として打ち出されました。当時は錠剤タイプでしたが、2年後には細粒タイプのものが承認されました。

2007年になると、それまでは「軽度~中等度を対象とした薬である」とされていたものが改められ、「高度にもきく」として追加承認をうけました。いまでは、ゼリータイプやシロップタイプもあります。

2.アリセプトの作用基準と効果

少し専門的な話になりますが、作用基準と効果についてみていきましょう。

2-1.作用基準

認知症では、記憶にまつわる能力が低下します。この「記憶」には、アセチルコリンが関わっているのですが、これ働きが落ちて不活性化すると、認知症は進んでしまいます。

このアセチルコリンは、アセチルコリンエステラーゼという物質(酵素)によって分解されます。

つまり、アセチルコリンエステラーゼの働きを妨害すれば、アセチルコリンが減らず、記憶能力の低下を防げる、ということです。アリセプトは、このアセチルコリンエステラーゼの妨害役として開発されました。

関連記事:認知症の進行を抑制?症状を緩和するコリンエステラーゼ阻害薬とは?

2-2.効果

このような作用でもって認知症対策に貢献するアリセプトですから、とても有効ではあります。しかしアリセプトができるのは、当然のことながら、認知症を「治すこと」ではなく、「進行速度を遅らせること」になります。

3.アリセプトの注意点

アリセプトは薬ですから、当然取扱いには注意が必要です。

3-1.アリセプトの副作用

アリセプトの副作用としては、「胃腸」に作用するものがあります。しばしば、食欲が減退したり、嘔吐、下痢などが起こったりすることがあります。場合によっては服薬中止になることも。

また、不自然に会話が増えたり、動き回ったりという症状がみられることもあります。

3-2.アリセプト服用に関する禁忌

心筋梗塞などの病気にかかった場合や、ペースメーカーを使用している人は医師に相談しなければなりません。また、ピペリジン(化合物の一種)誘導体に過敏に反応する人は使えません。

4.レビー小体型認知症に関する適応追加

アリセプトは、アルツハイマー型の認知症にも、レビー小体型の認知症にも効果を示します。アリセプトが「レビー小体型にも効果がある薬だ」と承認されたのは、実はつい最近であり、1年もたっていません。(承認は2014年9月)

関連記事:レビー小体型認知症の3つの特徴と家族がすぐ実践できるケアレビー小体型認知症に治療方法はある?どんな薬があるのか?

5.まとめ

アリセプトについて見てきました。

アリセプトは非常に効果的な薬といわれています。レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症をあわせた総数は、認知症全体の3分の2になると言われています。このように考えると、(禁忌であり使用できない人はいるにせよ)アリセプトは、認知症の人の3分の2に使える、極めて汎用性の高い薬である、と言えるでしょう。

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