レビー小体型認知症の3つの進行段階と予後|初期~中期~末期

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
レビー小体型認知症のケア

レビー小体型認知症の進行と予後について見ていきます。

レビー小体型認知症にはさまざまな症状が見られ、中には他の病気と誤診されてしまうケースもあるのだとか。

レビー小体型認知症の進行度によってどのような症状の変化があるのか、またどのようにケアをしていけばよいかについてみていきましょう。

1.レビー小体型認知症の進行は速い

レビー小体型認知症の進行

3大認知症と言われる「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」の中でも、レビー小体型認知症は進行が速いと言われていて、発症からの全経過が10年未満とされています。

ただし、症状や進行は個人差が大きく、治療やケアによって進行を遅らせることができると考えられています。

関連記事:レビー小体型認知症とは?第二の認知症と呼ばれる病

2.レビー小体型認知症の進行度別の症状とケア対策

レビー小体型認知症では、進行の初期、中期、末期に症状や身体の状態に変化が見られます。

2-1.レビー小体型認知症の初期症状

初期からさまざまな症状が見られますが、特にレビー小体型認知症で特徴的な症状は「3徴」といわれるものです。

関連記事:幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

2-1-1.レビー小体型認知症の「3徴」

レビー小体型認知症の3徴

「3徴」といわれる3つの特徴的な症状は、

  • 認知機能の動揺
  • 幻視症状
  • 運動機能障害[パーキンソン症状]

の3つの症状です。

上記のいずれかの症状が認められる場合には、レビー小体型認知症を疑った方が良いでしょう。

2-1-1-1.認知機能の動揺とケア対策

「認知機能の動揺」は高頻度で起こりやすい症状で、一日の中で数分から数時間、急にボーッとしたり、はっきりした状態を繰り返したりします。

家族、介護者の方はいまどちらの状態にあるのかを把握することが重要です。

あまり状態が良くない場合は無理に働きかけしないようにしておきましょう。

関連記事:幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

2-1-1-2.幻視とケア対策

幻視症状

レビー小体型認知症の中でも最も特徴的な症状で、人物や動物、虫などの幻視が繰り返し現れます。

本人には本物にしか見えないほど具体的に現れるため、ひどく不安におそわれたり、混乱してしまったりすることもあります。

幻視が見えている方には、「そんなものはいない!」などと否定しないことです。よく話を聞き、その話の内容に合わせて声かけや対応をしてあげるようにしましょう。

そうすることで落ち着きを取り戻すことができます。

例えば、「寝室に知らない人がいる」と言っている場合、「玄関はこちらですよ」と「知らない人」を玄関まで誘導してあげます。

そして、「間違って入ってきちゃったみたいだから、帰ってもらったよ」と本人には説明してあげましょう。

不安を感じると幻視が現れやすくなるため、夕方以降の暗くなる時間帯に多く現れる傾向があります。

屋内を明るく保つよう工夫をしたり、日中に散歩して夜に早い時間に寝られるようにしたりしましょう。

関連記事:幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

2-1-1-3.パーキンソン症状とケア対策

筋肉がこわばることがあり、日常生活の動作が遅くなったり、歩くのがゆっくりになったりすることがあります。

ちょっとしたものにつまづいてしまうことが多くなるので、転倒しないように注意が必要です。

  • 家の中のつまづきやすいものを片づける
  • 後ろから話しかけない(振り向きざまにバランスを崩してしまう)
  • 歩くときは無理せずにステッキ・杖などを使う
  • 手すり、スロープ、滑り止めなどできる範囲で家をバリアフリー化する(介護保険サービスの住宅改修が利用可能な場合も)
  • 動きやすい服装にする

関連記事:幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

2-1-2.「3徴」以外の症状

2-1-2-1.認知機能障害や記憶障害とケア対策

レビー小体型認知症の認知機能障害

他の認知症と同様に、物忘れのような記憶障害や、判断力の欠如、注意力の散漫などが目立ってくるようになります。

認知機能の障害が見られる場合には、ゆっくりとしたスピードで話をするように気をつけましょう。

また、一度にたくさんのことを伝えたりせず、ひとつひとつ説明し、必要があれば繰り返し確認するようにしましょう。

運動をしたり、他人との交流がこういった認知機能障害の進行を和らげることもあるので、症状が落ち着いている間は、積極的に外出をしてもいいかもしれません。

2-1-2-2.レム睡眠行動障害とケア対策

レム睡眠行動障害

睡眠中に寝言とは思えないような大声を出したり、手足をバタバタと激しく動かしたりすることがあります。

症状が出たら、部屋を明るくし、起こしてあげるようにしましょう。

ただし、身体をゆすったり、叩いたりして無理に起こしてしまうと、夢と現実の区別がつかなくなってしまい、ひどく混乱してしまうことがあるので、懐中電灯を顔に当てるなどの工夫が必要です。

また、ベッドから落ちてケガなどしないように、ベッドの周りにクッションを置いたり、柵を設置したりしましょう。

転落しないように、布団に寝るのもひとつの方法です。

2-1-2-3.うつ症状とケア対策

うつのような症状が見られ、「元気がない」「食欲がない」ということがあります。

うつ症状は、レム睡眠行動障害と同様にレビー小体型認知症の最初期に見られる傾向があります。

これらの症状が同時期に確認されるようになった場合は、認知症の専門医に相談されることをおすすめします。

うつに対しては、絶対に本人の意思に反して無理をさせるようなことのないよう注意してください。

「がんばれ」「自分でやれ」などと対応しないようにしましょう。

関連記事:幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

2-2.レビー小体型認知症の中期の症状

この段階になると、日常生活の中で支援を必要とする場面が出て(増えて)きます。

目を離せない状態が続くので、家族だけで面倒を見ている場合は無理をせず、ケアマネージャーなどに相談されることをおすすめします。

2-2-1.パーキンソン症状の悪化とケア対策

レビー小体型認知症のパーキンソン症状

歩行が困難になり、一人で外出しようとすると転倒してしまう危険性が高いです。

外出には付き添いが必須です。

また、付き添いをしても通行する道によっては困難に感じられることがあると思われますので、目的地までどのように向かうと負担が少ないのかを事前に考えておくことが大切です。

時には多少の遠回りをしてでも、負担の少ない方を選ぶようにしましょう。

2-2-2.認知機能障害の進行とケア対策

認知機能障害について、より悪化の傾向が見られます。徐々に認知機能が低下してしまう時間帯の方が長くなってきます。

この影響もあり、幻視で見た内容からネガティブな妄想をしてしまうことがあります。妄想に伴って暴れるようなこともあるので、注意が必要です。

本人の言うことを否定したり、動きを制止しようとしたりするのはかえって余計に興奮・混乱してしまう原因となりやすいため、できるかぎり見守ることが重要です。

ある程度の「慣れ」が必要になるかと思われますが、対応が困難と感じたら専門家に相談するようにしましょう。

2-3.レビー小体型認知症の末期の症状

認知機能障害が進行し、物事の判別などが非常に困難になるケースが多く見られます。

パーキンソン症状の影響もあり、車いす生活や寝たきり生活になってしまうこともあります。

末期に症状が重くなることが多いため、場合によっては入院して治療を行うことも。

この段階になると家族が行えるケアは生活の支援などに限定されるかもしれません。

3.レビー小体型認知症の予後

レビー小体型認知症の予後

レビー小体型認知症の平均的な罹患期間は3~7年程度と幅はあるものの、他の認知症に比べて短い傾向があることが確認されています。

ただし、寿命まで初期症状のままであるケースもあれば、1~2年で症状が一気に悪化してしまうケースもあるため、非常に個人差があるといえます。

少なくとも早期に発見、対策することで進行の緩和は見込めますので、小さな変化も見過ごさず、専門家・専門機関に相談するようにしましょう。

4.まとめ

レビー小体型認知症の進行と予後について見てきました。

ケアのポイントは、「本人の意思の尊重」です。

無理はさせず、否定をせず、共感・同意・協力を行っていけるようにし、少しでも困難に感じたり、ストレスを感じたりした場合は、他者の助けを借りることが本人や家族のためになることを覚えておきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*