認知症

アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

アルツハイマー

アルツハイマーについて見ていきます。

アルツハイマー型認知症は250万人の患者がいるといわれ、もっとも患者数の多い認知症とされています。

しかし、「アルツハイマー」という言葉は聞いたことがあっても、どんな認知症なのかについて知らない人も多いのではないでしょうか?

そこでアルツハイマー型認知症の

  • 概要
  • 前兆
  • 症状
  • 進行
  • 周囲の対応
  • 予防
  • 若年性アルツハイマー

について解説していきます。

気になる点だけ確認してもらうだけでも、アルツハイマー型認知症への理解につながるかと思います。

1.アルツハイマー型認知症とは?

  • もっとも患者数の多い認知症
  • 脳が萎縮する病気
  • 60歳以降に症状が現れる

認知症の中でもっとも患者数が多いとされており、脳の神経細胞が長期間にわたり死んでいき、脳全体が徐々に委縮していく病気です。

そのため、記憶や思考能力が徐々に損なわれ、最終的には単純作業を行う能力さえも失われます。

アルツハイマー型認知症患者のほとんどが60歳以降に初めて症状が現れます。

1-1.日本国内のアルツハイマー型認知症患者数の推移

アルツハイマー型認知症の患者数が増加

  • 患者数は250万人を超える
  • 高齢者の増加に伴い、患者数が増えている

国内のアルツハイマー型認知症患者数は、1995年126万人、2000年156万人、2005年189万人、2010年226万人と年々増え続けています。

2015年は250万人を突破。患者数262万人となりました。

さらに、高齢者人口の増加にともない、今後数十年でより多くの人がアルツハイマー型認知症になると予想されており、2035年には330万人を超えるとされています。

1-2.アルツハイマー型認知症の寿命

アルツハイマー型認知症の寿命は人それぞれ

  • 発症から10~15年以上
  • 人によって期間はさまざま

アルツハイマー型認知症は他の認知症と比較すると、進行がゆっくりとしているため、その寿命は発症から10~15年以上ともいわれています。

とはいえ、あくまで平均的な数値に過ぎず、人それぞれの状態や環境などによって大きく変わってきます。

また、80歳を過ぎてから発症した場合は3~4年といわれています。

2.アルツハイマー型認知症の前触れ・前兆

アルツハイマー型認知症の前触れ

  • 物忘れから始まる
  • 軽度認知障害(MCI)からアルツハイマー型認知症へ移行する
  • 発見は困難

多くのアルツハイマー型認知症は軽い物忘れから始まるといわれています。

認知症と診断される5~7年ほど前から物忘れが多くなります。

アルツハイマー型認知症に移行する前段階として、軽度認知障害(MCI)になるとされていますが、この段階で発見・対策できればアルツハイマー型認知症への移行を止められるといわれています。

アルツハイマー型認知症の前触れ・前兆として見られる具体的な症状は以下のようなものです。

  • 新しいことを覚えられない
  • 人や物の名前が出てこない
  • 気が短くなる
  • スケジュールを立てられない
  • 憂うつになる

2-1.アルツハイマー型認知症になりやすい人は?

肥満女性はアルツハイマー型認知症になりやすい

アルツハイマー型認知症は女性がなりやすい?

以下はアルツハイマー型認知症になりやすい傾向の人です。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 60歳以上の高齢者(高齢になるほどなりやすい)
  • 偏食
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 女性

多く当てはまる人は注意が必要ですが、必ずアルツハイマー型認知症になるというものではありません。

反対に、多くが当てはまらないからといって、アルツハイマー型認知症にならないというものではありません。

3.アルツハイマー型認知症の具体的な症状

アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症は、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。

ここでは、アルツハイマー型認知症の症状の特徴を一緒に確認していきましょう。

3-1.記憶障害

物忘れが起きるようになります。

一般的な物忘れと違い、アルツハイマー型認知症の患者は少し前に起きた事を思い出せません。

会話中に席をはずし、5分後に戻ってきて会話を続けようとしても話題を思い出す事ができないといった例があげられます。

3-2.判断能力の低下

例えば「料理に使う食材を自分で判断出来ない」「部屋の片付け方がわからなくなる」「季節外れで、ちぐはぐな服装をする」などの行動が見られるようになります。

判断力の低下により、悪気なく万引きをしたり、詐欺などの事件に巻き込まれる可能性もあるので注意が必要です。

3-3.見当識障害

見当識障害は、記憶障害と並んで早い段階から現われる症状です。

見当識とは、日付や時間、場所など自分がおかれている状況を認識する能力です。

今日の日付や時間を間違う、通い慣れている場所がわからなくなり、症状が進むと自宅さえもわからなくなります。

また、息子を孫と間違ったり、既に成人した子どもを幼児であると思い込むなど、人に対する認識間違いが起きる事もあります。

3-4.周辺症状

家の中や外をウロウロと歩きまわる「徘徊」と呼ばれる行動がしばしば現れます。

また、大切な物を誰かに盗られたという「物盗られ妄想」を訴え、家族を疑って責めるような症状も見られます。

さらに、薬を嫌がって飲まないなどの「介護拒否」や、家族や自分の顔がわからなくなる事もあります。

4.アルツハイマー型認知症の原因

原因は不明

アルツハイマー型認知症の直接的な原因はまだ解明されていません。

脳に「アミロイドβ」や「タウ」と呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まる事で神経細胞が壊れて減り脳が萎縮するために、身体の機能が失われることがわかっています。

危険因子(アルツハイマー型認知症の発生を高める病気や習慣)としては、

  • 高血圧
  • 高コレステロール
  • 糖尿病などの生活習慣病
  • 偏食
  • ストレス
  • 運動不足
  • 頭部への強い衝撃
  • 慢性期な脳または脳周辺の炎症

などが挙げられます。

5.アルツハイマー型認知症の7つの進行段階

アルツハイマー型認知症の進行段階

  • 不可逆性で時間の経過とともに進行する
  • 7つの進行段階がある

アルツハイマー型認知症は、時間の経過とともに進行する病気で7段階の枠組みに分けられています。

この7段階の枠組みは、ニューヨーク大学薬学部シルバーステイン老化と認知症研究所の臨床部長であるバリー・ライスバーグ博士により考案されました。

5-1.段階(1)正常

記憶能力は低下しておらず、認知機能の障害がない状態です。

5-2.段階(2)年相応(非常に軽度の認知機能の低下)

  • 日頃よく使う言葉や名前を忘れる
  • メガネや財布など日用品の置き場所を忘れる

など。

健康診断で問題となることなく、友人や家族も気づかない程度の軽度の認知機能の低下が見られる段階です。

5-3.段階(3)境界状態(軽度の認知機能の低下)

  • 文章を読んでもほとんど覚えていない
  • 家族や友人が気付くほど言葉や名前を思い出せなくなる
  • 職場での作業スピードの低下に同僚が気付く
  • 計画を立て整理する能力が低下する

などの症状が現れたら、初期段階のアルツハイマー型認知症である可能性があります。

5-4.段階(4)軽度(あるいは初期段階)のアルツハイマー型認知症

  • 「100から7ずつ引く」など難しい暗算が解けない
  • 最近起きた出来事を知らない
  • 清算、支払い管理など複雑な作業ができなくなる
  • 自分の生い立ちの記憶が薄れる

などのはっきりとした症状が現れ始めます。

5-5.段階(5)中等度(あるいは中期段階)のアルツハイマー型認知症

  • 「40から4ずつ引く」あるいは「20から2ずつ引く」などの簡単な暗算が解けない
  • 服を選ぶのに助けがいる
  • 場所・日付・曜日・季節がわからなくなる
  • 現住所・電話番号・卒業した大学など大切な情報を思い出せない

などの症状が現れます。

記憶が欠落し、認知機能に障害が現れ、日常生活でサポートが必要となり始めます。

5-6.段階(6)やや高度(あるいは中期段階)のアルツハイマー型認知症

この段階では、記憶障害がかなり進行し,性格が大きく変化し、日常生活に大幅な手助けが必要となります。

  • 最近の経験および出来事や周囲の環境がわからない
  • 自分の生い立ちを完全に思い出せない
  • 配偶者や顔なじみの介護者の名前を忘れる
  • 着衣・トイレに手助けが必要となる
  • 徘徊し迷う事が増える
  • 尿失禁や弁失禁がたびたび起きる
  • 妄想や、幻覚、強迫的または反復的な行動

などの行動的症状が見られるようになります。

5-7.段階(7)高度(あるいは後期段階)のアルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症の最終段階では、患者は環境や状況に応じて反応し会話することができなくなります。

そして、最終的には体を動かす事が出来なくなります。

時には単語や文章を話す事もありますが、食事やトイレなどの日常生活を1人では出来なくなり介護が必要となります。

筋肉が硬直し、嚥下に障害が出る事もあります。

6.アルツハイマー型認知症の人にどう対応したらよいか?

アルツハイマー型認知症の人への対応

アルツハイマー型認知症にかぎらず、認知症の人には周りのサポートが不可欠です。

家族や周囲の人がアルツハイマー型認知症になった場合、どう対応したらいいのか、考えていきましょう。

6-1.怒らない、許してあげる

アルツハイマー型認知症の人は、同じ話を繰り返すことも多いのですが、怒らずに出来るだけ付き合うようにしましょう。

6-2.約束は書いておく

約束などを忘れないようにカレンダーに書き出したり、メモなどを使うのも有効です。

家族やヘルパーが薬を管理することで、薬の飲み忘れなどを防げます。

1度にたくさん飲んでしまう事もあるので飲み終わるまで見届けましょう。

6-3.迷うことを前提に対策する

外出先で迷わったときのために、連絡先を服に付けたり、小型GPSをポケットに入れるなどの対策をしておきましょう。

徘徊が始まった場合は、鍵を手の届かない場所に格納し、民生委員などにも連絡して協力をしてもらいましょう。

6-4.話を合わせてあげる

幻視や物取られ妄想などの訴えを否定すると興奮する事があるので話を合わせることも大切です。

6-5.お互いに嫌な気持ちにならないように

どちらかが我慢していると、ストレスがたまっていってしまい、後々のトラブルにつながってしまいかねません。

介護の合言葉は「使えるものは使う」。

介護サービスを使えるだけ使い、介護者と介護される側のどちらも快適に過ごせるように気をつけましょう。

7.アルツハイマー型認知症の予防と改善策

アルツハイマー型認知症の予防に運動

  • 予防には生活習慣の見直しが重要
  • 生活習慣の見直しは発症後の改善にもつながる

アルツハイマー型認知症は時間の経過とともに発症の可能性が高まり、絶対にかからないようにする、という方法は現在のところありません。

ただし、生活習慣の見直しによって、認知症発症の予防につながると考えられています。

また、アルツハイマー型認知症は、早期発見、早期治療により進行が緩やかになる事がわかっています。

異変に気付いたらすぐに、認知症専門病院、神経内科、物忘れ外来、老年病内科などに行きましょう。

大きな総合病院が近くにない場合は、かかりつけ医に相談して専門医を紹介してもらうのも良いでしょう。

7-1.生活習慣の改善

脳の状態を良好に保ちアルツハイマー型認知症を予防するには、食習慣や運動習慣を見直すことが大切です。

認知機能を重点的に使うには、知的行動習慣を意識した日々を過ごすことが重要だと言われています。

7-2.食生活の見直し

野菜・果物を食べてビタミンC、E、βカロチンを摂取し、ポリフェノールを含んだ赤ワインを飲みましょう。

青魚やカマンベールチーズを食べると発症リスクが下がるとも言われています。糖尿病患者はアルツハイマーの発症リスクも高いと言われています。

食べる時は腹八分に抑え、甘い物ばかり食べないように注意し、糖尿病を防ぎましょう。喫煙、飲酒も控えるようにしましょう。

関連記事:今日から実践できる!認知症の予防に効果的な16の食材と食事

7-3.定期的な運動

週3日以上の有酸素運動を心がけましょう。食べた後すぐ横になって寝る生活を改善し、日常的に小まめに体を動かす事も有効です。

7-4.十分な睡眠の確保

睡眠不足もまた認知症と関係があるとされています。

ストレスが原因の睡眠不足に注意し、夜更かしし過ぎないで早く寝る習慣をつけましょう。

また、30分未満の昼寝や起床後2時間以内に太陽の光を浴びるのも良いでしょう。

7-5.脳を活性化させる活動

脳の状態を良好に保つため意識的に、文章を書く・読む、囲碁・将棋・マージャンなど頭を使うゲームをするなどの知的行動習慣を身につけましょう。

  • 数日遅れの日記をつける
  • 旅行の計画を立てる
  • 料理を何品か同時進行で作る
  • 新しい事にチャレンジする

など、脳機能を集中的に鍛える行動は、発症を遅らせる効果的な方法であることがわかっています。

8.若年性アルツハイマーとは?

64歳以下の人もアルツハイマー型認知症になる可能性があります。

64歳以下のアルツハイマーは若年性アルツハイマーと呼ばれます。

若年性アルツハイマーの患者は、大事な予定を忘れたり、書類に日付を書けないなどの症状の他に、例えばドアが見えているにも関わらず部屋から出られなくなり室内を歩き回るなどの視空間失認が起きることがあります。

8-1.若年性アルツハイマー型認知症を扱った作品

若年性アルツハイマー型認知症と宣告された主人公とその家族を描いた映画をご紹介しましょう。

8-1-1.「アリスのままで」

50歳で若年性アルツハイマーを発症した女性を描いた作品。高名な言語学者でありニューヨークコロンビア大学の教授を務めるアリスは、若年性アルツハイマーを宣告され闘病の日々が始まります。

8-1-2.「ビューティフルレイン」

ある日突然、若年性アルツハイマーと診断される父親と幼い娘の親子愛を描く人間ドラマ。

8-1-3.「明日の記憶」

若年性アルツハイマー型認知症と診断された夫と、それを受け止めいたわる妻。痛みを共有し共に病と闘う夫婦の情愛を描いた感動作。

9.認知症とは?

認知症とは、後天的原因で起こる知能の障害です。

生後、正常に発達した精神機能が減退・消失し正常な日常・社会生活ができなくなる状態を指します。

10.まとめ

アルツハイマーについて見てきました。

アルツハイマー型認知症の原因は未だ不明ですが、予防方法は少しずつ解明されています。

食習慣や運動習慣など、生活習慣全般を見直すことで糖尿病、高血圧、脳卒中などの生活習慣病の発症リスクが低下すると同時に、アルツハイマー型認知症も予防可能であることがわかっています。

自身の生活習慣を今一度見直し、健康的な日々を送るように心がけましょう。

認知症の進行を抑制?症状を緩和するコリンエステラーゼ阻害薬とは?

コリンエステラーゼ阻害薬

コリンエステラーゼ阻害薬について見ていきます。

認知症の多くは、不可逆性です。しかし、「治す」ことはできなくても、その進行を遅らせることはできます。今回は、そんな「遅らせること」を目的として使われている薬のなかから、「コリンエステラーゼ阻害薬」というものを取り上げましょう。

1.コリンエステラーゼとは?

コリンエステラーゼとは、人間の体にある酵素のうちの一つです。これには2種類があり、「真性」と「偽性」に分けられています。ただし、「偽性」とされている方が「偽物である」ということではありません。偽性とは、すい臓などの臓器や結成に含まれているものを指し、真性は赤血球などのなかに含まれているものを指します。優劣ではなく、「どこに含まれているのか」ということの違いです。

1-1.アセチルコリンエステラーゼ

さて、「アセチルコリンエステラーゼ」というものがあります。このアセチルコリンエステラーゼは、「アセチルコリン」という成分を、「酢酸」と「コリン」の2つに分けます。これは、上でいう、「真性コリンエステラーゼ」のことを指します。

1-2.プチリルコリンエステラーゼ

これは上であげた「偽性」のコリンエステラーゼのことです。健康診断などで使われているのはこちらの方です。

2.コリンエステラーゼ阻害薬の作用

コリンエステラーゼ阻害薬の概要を知るためには、まずは、アルツハイマー型認知症のメカニズムを知らなければなりません。

アルツハイマーにおいては、上でも少し触れた、「アセチルコリン」という神経伝達物質が少なくなってしまいます。神経の伝達物質が少ない状態ですと、情報の受け渡しがうまくいかず、認知症が進んでしまうのです。

そこで、上であげた、「アセチルコリンエステラーゼ」の項目に戻ってみましょう。アセチルコリンエステラーゼは、神経伝達物質であるアセチルコリンを分解してしまうのでしたね。

では、認知症を悪化させないためにはどうすればいいのか。それには、アセチルコリンエステラーゼの働きを抑え、アセチルコリンの量を減らさないようにすればいいわけです。このようなことを目的として、コリンエステラーゼ阻害薬は作られています。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

3.コリンエステラーゼ阻害薬の医学的用途

コリンエステラーゼは、認知症だけでなく、重症筋無力症の対処策としても利用されています。

4.認知症治療薬の登場

このような働きを使用して、認知症のための薬が出てきています。

4-1.ドネペジル

「アリセプト」「ドネペジル塩酸塩」という呼び名でも呼ばれます。アルツハイマー型認知症だけでなく、レビー小体型認知症にも効果があるといわれ、ゼリー状のものやシロップ状のものなどもあります。

関連記事:認知症患者の3分の2に有効な薬?アリセプトとは?

4-2.ガランタミン

「レミニール」という商品名を持ちます。アルツハイマー型認知症に効果的とされています。1日2回の服用。

4-3.リバスチグミン

商品名は「イクセロンパッチ」などです。アリセプトと似た作用です。貼り薬としてよく用いられます。

4-4.メマンチン

1週間ごとに薬の量を増やして使って行きます。アリセプトと一緒に使うことができる、ちょっと珍しい種類であり、かつ併用することによって相乗効果を期待することができます。幻覚などの副作用が出ないというメリットはあるのですが、めまいなどがみられることがあります。

5.まとめ

コリンエステラーゼ阻害薬について見てきました。

コリンエステラーゼの作用というのは、かなり難解であり、完全に理解するのは難しいかもしれません。しかし、このコリンエステラーゼが、認知症において、大きな影響を与えているものであることは確かです。また、これらの働きから導き出した薬は、認知症対策として非常に有用であり、いろいろなものが開発されています。上手に利用していきましょう。

認知症患者の3分の2に有効な薬?アリセプトとは?

アリセプト

アリセプトについて見ていきます。

認知症の多くは不可逆性です。しかしながら、不可逆性であっても、役に立つ薬というのはたくさんあります。今回はそのなかから、「アリセプト」を取り上げましょう。

1.アリセプトの概要

まずは、アリセプトとはどういうものか、ということを考えていきましょう。

1-1.アリセプト(ドネぺジル塩酸塩)とは?

アリセプトとは、認知症の薬として開発されたものであり、1999年の終わり(10月~11月)に販売が開始されました。アリセプトというのは商品名であり、「ドネペジル塩酸塩」というものです。

現在は、ジェネリック製品もでています。

1-2.アリセプトの種類と剤形

アリセプトは基本的には錠剤です。しかし現在では、細粒タイプの物も出ています。また、それ以外にも、少量の水(唾液でも可)で溶ける、「口腔内崩壊錠」と呼ばれるものや、ゼリータイプ、シロップ状態になっているものもあります。それぞれの嚥下能力の状態などによって使い分けられており、多くの人が飲みやすいように工夫されています。

1-3.アリセプトの承認状況

アリセプトは、15年以上の歴史を持つ薬です。1999年に初めて、アルツハイマー型認知症(当時は「アルツハイマー型痴呆症」と言われていました。この名称が「認知症」に変わるのは、それから5年後のことです)の薬として打ち出されました。当時は錠剤タイプでしたが、2年後には細粒タイプのものが承認されました。

2007年になると、それまでは「軽度~中等度を対象とした薬である」とされていたものが改められ、「高度にもきく」として追加承認をうけました。いまでは、ゼリータイプやシロップタイプもあります。

2.アリセプトの作用基準と効果

少し専門的な話になりますが、作用基準と効果についてみていきましょう。

2-1.作用基準

認知症では、記憶にまつわる能力が低下します。この「記憶」には、アセチルコリンが関わっているのですが、これ働きが落ちて不活性化すると、認知症は進んでしまいます。

このアセチルコリンは、アセチルコリンエステラーゼという物質(酵素)によって分解されます。

つまり、アセチルコリンエステラーゼの働きを妨害すれば、アセチルコリンが減らず、記憶能力の低下を防げる、ということです。アリセプトは、このアセチルコリンエステラーゼの妨害役として開発されました。

関連記事:認知症の進行を抑制?症状を緩和するコリンエステラーゼ阻害薬とは?

2-2.効果

このような作用でもって認知症対策に貢献するアリセプトですから、とても有効ではあります。しかしアリセプトができるのは、当然のことながら、認知症を「治すこと」ではなく、「進行速度を遅らせること」になります。

3.アリセプトの注意点

アリセプトは薬ですから、当然取扱いには注意が必要です。

3-1.アリセプトの副作用

アリセプトの副作用としては、「胃腸」に作用するものがあります。しばしば、食欲が減退したり、嘔吐、下痢などが起こったりすることがあります。場合によっては服薬中止になることも。

また、不自然に会話が増えたり、動き回ったりという症状がみられることもあります。

3-2.アリセプト服用に関する禁忌

心筋梗塞などの病気にかかった場合や、ペースメーカーを使用している人は医師に相談しなければなりません。また、ピペリジン(化合物の一種)誘導体に過敏に反応する人は使えません。

4.レビー小体型認知症に関する適応追加

アリセプトは、アルツハイマー型の認知症にも、レビー小体型の認知症にも効果を示します。アリセプトが「レビー小体型にも効果がある薬だ」と承認されたのは、実はつい最近であり、1年もたっていません。(承認は2014年9月)

関連記事:レビー小体型認知症の3つの特徴と家族がすぐ実践できるケアレビー小体型認知症に治療方法はある?どんな薬があるのか?

5.まとめ

アリセプトについて見てきました。

アリセプトは非常に効果的な薬といわれています。レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症をあわせた総数は、認知症全体の3分の2になると言われています。このように考えると、(禁忌であり使用できない人はいるにせよ)アリセプトは、認知症の人の3分の2に使える、極めて汎用性の高い薬である、と言えるでしょう。

もしかして若年性認知症?チェックしておきたい7つの症状

若年性認知症 20代

若年性認知症の症状について見ていきます。

認知症は、年をとってからなることが圧倒的に多いです。しかし、若年性認知症という形で、若いときに出るものもあります。

1.若年性認知症とは?

若年性認知症とは、一般的に、64歳までにかかる認知症全般のことを指します。これについてみていきましょう。

関連記事:高齢者だけじゃない!40代50代にも忍び寄る若年性認知症とは?

1-1.若年性認知症の特徴

若年性認知症は、男性の方がなりやすいと言われています。なかには可逆性のものもありますが、不可逆性のものの方が割合としては多いです。不可逆性の場合、高齢者が認知症にかかる場合と比べて、その進行は早いと言われています。

1-2.若年性認知症の種類

若年性認知症と若年性アルツハイマーはしばしば混同されますが、若年性アルツハイマーは若年性認知症の一種にすぎません。それ以外にも、レビー小体型や脳血管性障害型などがあります。なお、アルコールのとりすぎによるアルコール性認知症なども含まれます。

関連記事:関係ないと言わず確認しておきたい若年性アルツハイマー3つの危険信号若年性アルツハイマーは20代でも発症する?

1-3.若年性認知症の原因

若年性認知症の原因は一つではありません。脳卒中などによって起こることもあれば、上記であげたアルコールによるものなどもあります。また、アルツハイマー病で、かつ極めて若い世代(20代など)でかかる場合は、遺伝的な要因も大きいと言われています。

2.確認しておきたい7つの症状

若年性認知症は、高齢者のそれとは違い、周囲の人も自分自身も気づきにくいという特徴があります。ここでは、できるだけ早く発見するために、代表的な症状についてお話します。

2-1.基本症状(中核症状)

脳に起こった障害によって引き起こされる症状全般をいいます。この症状は、若年性認知症を患った人ならば、程度の差こそあれ、すべての人に見られるものです。

2-1-1.①記憶障害

若年性認知症の記憶障害は、基本的に、「近い記憶から失われる」と考えてください。昔のことは覚えているのに、ここ数日のことが思い出せなくなることが多いです。

2-1-2.②見当障害

私たちは常に無意識に、「ここがどこか」「今日は何日か」ということを意識して生活しています。しかし若年性認知症が進むと、それらの感覚が失われていきます。

2-1-2.③判断能力・理解力・思考力の低下

「考える力」も衰えていきます。その結果、今まで当たり前にできたことができなくなります。顕著な例が、「料理のときの手順や、食材の用途の喪失」です。

2-2.日的な症状(行動・心理症状)

中核症状とは違い、これは出てくる人もいれば出てこない人もいます。個人差が大きいです。

2-2-1.④徘徊

「家に戻ろう」「仕事に行こう」などのように、本人には目的があるのですが、「家にいても家に戻ろうして徘徊する」などのような行動が起こります。

2-2-2.⑤妄想

「何かをとられたのではないか」という妄想などにとらわれてしまいます。実際には起こっていないことなのですが、本人の意識としては、それが「真実である」という捉え方になっています。

2-2-3.⑥幻視・幻覚

実際にはそこにないものが見えたり、聞こえたりします。これは本人にとっても大きなストレスです。

2-2-4.⑦抑うつ

本来なら不安になることなどない状況であるのに、強い不安にさいなまれたり、焦燥感にとらわれたりします。

3.早期発見・早期対策が重要

若年性認知症は、上でも述べたように、高齢者のそれに比べると、進行速度が非常に早いです。また、周囲の人も、まさか認知症だとは思わないため、「少し疲れているのだろう」と考えてしまいがちです。

しかし、このようにして見逃していると、症状がもっと進んでから発見することになり、対処が遅れます。進行度が早い若年性認知症だからこそ、早期発見が重要なのです。

関連記事:若年性認知症の予防のために絶対心がけたい12のルール

4.まとめ

若年性認知症の症状について見てきました。

若年性認知症の7つの主な症状
1.記憶障害
2.見当障害
3.判断能力・理解力・思考力の低下
4.徘徊
5.妄想
6.幻視・幻覚
7.抑うつ

若年性認知症は、なかなか気づかれにくい病気です。しかし代表的な症状はいくつかありますから、それに当てはまるようならば、病院に診察にいくようにしましょう。

若年性アルツハイマーは20代でも発症する?

若年性アルツハイマー 20代

若年性アルツハイマーの20代で発症するのかについて見ていきます。

若年性アルツハイマーについて書いた本が賞をとるなどしたことから、これについて知識を得た人も多いのではないでしょうか。

若年性アルツハイマーについてお話していきます。

1.若年性アルツハイマーとは?

アルツハイマーというのは、認知症の一種であり、ほかの認知症と同じように65歳以上の人に多くみられる症状です。

しかしながら、それ以下の年齢の人も、まったく起こらないわけではありません。

関連記事:関係ないと言わず確認しておきたい若年性アルツハイマー3つの危険信号

2.20代でも発症する可能性

若年性アルツハイマーは、「若年性」とついていますが、年齢を重ねるごとに、その罹患者が増えていくのは確かです。特に50代後半から急増します。

ただ、20代でも、発症することはあります。若年性認知症の罹患率は10万人に対し5.45人です。比率としては0.001%にも満たない人数ではありますが、まったくのゼロではありません。ちなみに、18~19歳の場合、10万人に対し、0.8人の割合で現れます。

しかしながら、これは「認知症全体」の数字ですから、「若年性アルツハイマー」に限ると、数はもっと少ないです。数字としてほぼカウントできないほどの少人数の人しかかかっていません。

2-1.初期症状

若年性アルツハイマーの初期症状としては、「頭痛が増える」「人の名前が思い出せない」「約束を思い出せなくなっている」「仕事の効率が悪くなった」などがあります。また、それ以外にも、「住所などの書き間違え」「自己中心的になっている」「いつもの道がわからなくなる」などの症状が考えられます。

若年性アルツハイマーの場合、高齢者のアルツハイマー以上に気づかれにくい、という問題点があるため、これらの症状がでても見過ごされてしまいがちです。

2-2.原因

若年性アルツハイマーの原因に関しては、まだはっきりとわかっていません。アルツハイマーは、アミロイドβというタンパク質がたまることによって起こるとも言われていますが、「なぜたまるか」ということに関しては、まだまだ研究途上です。

ただし、20代などの、きわめて早い時期に起こる若年性アルツハイマーの場合は、遺伝的要因が大きいとも言われています。

3.若年性アルツハイマーについて知っておくべき3つの予備知識

遺伝的要因も関わってきますが、「若年性アルツハイマーになりにくい生活」を送ることは、リスクをさげることにもつながります。

関連記事:若年性認知症の予防のために絶対心がけたい12のルール

3-1.食生活の改善で老廃物を生み出さない

血糖値が高い状態が続くことは、アルツハイマー病のリスクの一つだと考えられています。そのサは4.6倍にもなると言われており、決して無視はできません。そのため、血糖値があがりにくい食生活を心がけることが大切です。油ものの過剰摂取を避け、野菜を中心とした食生活をして、好き嫌いなく食べましょう。

3-2.適度な運動で老廃物を排出する

運動は、βアミロイドを分解してくれる、ネプリライシンなどの酵素を活性化すると言われています。激しい運動をすることは必要なく、有酸素運動を行うだけで大丈夫です。できれば、毎日、30分程度続けましょう。

3-3.良質な睡眠で老廃物をためない

あらゆる疲れや病気において、「睡眠」は極めて有効に働きます。睡眠効率が悪い人は、アルツハイマー病にかかる可能性が5倍にもなると言われており、睡眠のもたらす効果はとても大きいものです。また、昼寝をすることにより、アルツハイマー病の発生リスクは20%にまで下げることができるのだとか。

4.まとめ

若年性アルツハイマーの20代での発症するかについて見てきました。

20代でも、発症することはあります。若年性認知症の罹患率は10万人に対し5.45人です。

若年性アルツハイマーにはわからないことも多く、「このような行動をしていれば、絶対に若年性アルツハイマーにはならない」というような明確な区切りはありません。

しかし、

  • 食生活
  • 運動
  • 睡眠

の3つを、望ましく、理想的な形にしていくことによって、その発症リスクは下げられます。

確認しておきたいレビー小体型認知症の原因と症状

レビー小体型認知症 原因

レビー小体型認知症の原因について見ていきます。

認知症にはさまざまな種類があります。アルツハイマー、脳血管性、レビー小体型認知症など。今回はレビー小体型認知症の原因についてお話していきます。

1.レビー小体型認知症とは?

レビー小体型認知症は、幻覚が見えるという特異な認知症です。これが、アルツハイマー型との大きな違いです。しかしレビー小体型認知症の割合は、認知症全体の20%程度を占めるものであり、決して珍しいものではありません。男性に多い病であり、その男女比は2:1だと言われています。

関連記事:レビー小体型認知症とは?第二の認知症と呼ばれる病

2.レビー小体型認知症の原因

では、この「レビー小体型認知症」の原因は何なのでしょうか?

2-1.特殊なたんぱく質の塊「レビー小体」

レビー小体型認知症の原因は、レビー小体が集中することだと言われています。レビー小体は、アルツハイマーを引き起こす「アミロイドβ」と同じような「タンパク質」に分類されるものです。このレビー小体が、人間の脳において重要な役割を示す大脳皮質や脳幹に集うことによって、レビー小体型認知症が起こると考えられています。

2-2.脳の委縮

レビー小体型認知症を患うと、側頭葉や側頭葉などが委縮していきます。これらは、記憶やさまざまな情報をさばくことに使われている部分ですから、ここが委縮することによって、「情報の処理ができなくなる」という状態になります。幻視や幻覚といったことは、これらによって起きると考えられています。

3.レビー小体型認知症の症状

ここからは、より細かく、レビー小体型認知症の症状についてみていきましょう。

関連記事:幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

3-1.レビー小体型認知症の「3微」

レビー小体型認知症の代表的な症状は、「3微」と呼ばれています。これは、「幻視」「認知機能の動揺」「パーキンソン症状」の3つです。

3-1-1.幻視

レビー小体型認知症のもっとも代表的な症状は、やはりこれでしょう。普通は見えないはずのものが見える、というのが大きな特徴です。また、錯覚が起きることもあります。

これらは周囲の人には見えないため、「何を言っているんだ」と否定してしまいがち。しかし否定されることによって、さらに本人は追い詰められてしまいます。

3-1-2.認知機能の動揺

レビー小体型認知症の場合、症状が進んでも、「意識がはっきりとしており、極めて明瞭であるとき」と、「ぼんやりしていて、理解ができないとき」というのが口語に訪れることがよくあります。「徐々に進んでいく」という症状ではないため、周囲の人のとまどいも大きいです。

3-1-3.パーキンソン症状

パーキンソン病に酷似した症状がでてきます。体の動きが病的に硬くなってしまったり、逆に震え(多くの場合は手)が止まらなくなったりします。また、自律神経機能に障害がみられるようになり、排泄などがうまくいかなくなることもあります。

4.レビー小体が蓄積する理由

レビー小体型認知症になるのを避けたい、と考える人は当然多いでしょう。しかしながら、このレビー小体型認知症が「なぜ」たまるのか、ということは、現在は研究途上であり、まだはっきりしたことはわかっていません。ただ、遺伝的な要因は少ないのではないか、とは考えられています。

5.レビー小体型認知症研究会

認知症自体がそうではありますが、レビー小体型認知症もまだまだ研究途上の病気です。また、「認知機能の動揺」や「幻視」によって、周りの人たちがなかなか理解しにくい病気であることも確かです。

しかし現在は、「レビー小体型認知症研究会」というページが開かれており、さまざまな知識を紹介しています。一度覗いてみるとよいでしょう。

6.まとめ

レビー小体型認知症の原因について見てきました。

レビー小体型認知症の原因
「レビー小体」が集中することだと言われています。レビー小体は、アルツハイマーを引き起こす「アミロイドβ」と同じような「タンパク質」に分類されるものです。

アルツハイマー型認知症と同じく、認知症の代表的な例である「レビー小体型認知症」。幻覚が見えたり、症状の出方がバラバラであったりするため、周囲の人にとってもなかなか理解しにくい病気です。しかしながら、この病気を正しく理解することにより、対策も講じやすくなります。まずは知ることから始めましょう。

参考:
http://www.d-lewy.com/
http://shizunami-kokoro-clinic.com/ninchi/lewy/
http://sodan.e-65.net/basic/ninchisho/lewy.html
https://info.ninchisho.net/mci/k30

認知症と密接な関係?脳細胞を死滅させる老人斑とは?

老人斑

老人斑について見ていきます。

年をとると浮かんでくる「老人斑」ですが、これには実はいろいろな側面があります。これについてお話していきましょう。

1.老人斑とは?

老人斑とは、年齢を重ねることにより、肌などに出てきやすくなるシミのようなものです。茶色をしており、顔などにもよく浮き出ます。

この老人斑は、アルツハイマー型認知症とも関係があると言われています。

1-1.老人斑の構成

老人斑は、アミロイドβと呼ばれるものをその主成分としています。これはしばしば「Aβ」とも略されるものです。この老人斑は、後述するアルツハイマー型認知症と密接なかかわりがあります。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

1-2.アミロイドβとタウタンパク質

アミロイドβが少したまっただけで、すぐにアルツハイマー型認知症が始まるわけではありません。アミロイドβがたまり始めて、10年ほどすると、「タウタンパク質」という成分が頭にたまり始めます。

これらは両方とも、徐々にたまり続けます。そして、アルツハイマー型認知症として「発症」に至るのです。

1-3.シミ(老人性色素斑)とは違う

老人性色素斑と老人斑は、しばしば混同されます。しかしこの2つには違いがあります。老人性色素斑は紫外線などが原因でできてくるものであり、レーザーなどによってある程度対策(処置)が可能です。また、日焼け対策などを行うことで、その発生を最小限に抑えることができます。その「原因」からしてまったく違うので、老人性色素斑と老人斑は明確に区別されます。

2.老人斑がもたらす影響

老人斑はアミロイドβを主成分にしていますが、単純に「見た目にシミのような形が浮き出る」というだけではすみません。この老人斑は、神経の伝達機能を邪魔してしまいます。結果として、神経細胞にダメージをもたらしてしまいます。このようなことから、老人斑は非常に問題が大きいものなのです。

2-1.大脳皮質に沈着

老人斑は特に、大脳皮質の神経細胞に付着します。老人斑は神経の伝達機能を邪魔するもの。これにより、神経細胞がダメージを受けやすくなってしまうのです。

2-2.脳細胞の死滅を起こす

「老人斑が脳細胞を殺すのか、それとも脳細胞が死んだ結果として老人斑が出るのか」というのは、なかなか難しい問題であり、見解も分かれています。ただ、それでも、老人斑と脳細胞の死滅に関係があるのは間違いがないようです。

3.アルツハイマー型認知症の関係とは?

老人斑とアルツハイマー型認知症には密接な関係があります。アルツハイマー型認知症は、老人斑の主成分であるアミロイドβやタウタンパク質によって起こると考えられているからです。

4.不要なたんぱく質を貯めないためには?

アルツハイマー型認知症にならないためには、周囲の人たちと積極的に触れ合ったり、運動をしたり、睡眠を取ったりすることが望ましいと言われています。これは、アルツハイマー型認知症に限らず、「求められる、健康的な生活」そのものであるため、健康な状態で長生きするためにも有用です。

関連記事:アルツハイマー型認知症を予防するための3つの知識

5.まとめ

老人斑について見てきました。

老人斑がもたらす影響
1.大脳皮質に沈着し、神経細胞がダメージを受ける
2.脳細胞の死滅を起こす

アルツハイマー型認知症や老人斑の作用については、まだまだ分かっていないことが多いのも確かです。しかしどちらも、アミロイドβとタンパク質やタウタンパク質というものが悪い影響を与えていることは確かです。

これらを完全に「排除する生活」というのはなかなか難しいものです。しかしながら、運動をしたり、コミュニケーションをとったり、睡眠をしっかりとったりすることで、これらのリスクは下げることができると言われています。健康的で、かつ長い寿命を手に入れるためにも、今日からさっそく取り組んでいきたいものですね。

認知症の改善にも?知っておきたい非定型抗精神病薬の正しい知識

非定型抗精神病薬

非定型抗精神病薬について見ていきます。

「抗精神病薬」というと、「自分とはまったく関係のないものだ」と思う人も多いのではないでしょうか。

しかし、その認識は必ずしも正しいわけではありません。今回は、抗精神病薬についてみていきます。

1.抗精神病薬とは?

そもそも、抗精神病薬とはどういったものを指すのでしょうか。それについてまずは未定行きます。

1-1.従来型抗精神病薬

抗精神病薬には、幻覚などの症状や不安な気持ちを押さえたり、モチベーションを上昇させたりする効果が見込めます。この抗精神病薬は、1950年代にはすでに打ち出されており、一般的に「従来型抗精神病薬」と呼ぶものは、1950年~1999年までに作られた薬を指します。(ただし、「1980年ごろから、従来型意外の非定型型抗精神病薬が使われ始めた」とする説もあります)

1-2.新規抗精神病薬

新規抗精神病薬は、「非定型抗精神病薬」とも呼ばれるものです。主に3つに分けられており、従来の薬と同じくらいか、それ以上の効果を持って、陽性症状に作用します。こちらの場合、陰性の症状に対するアプローチ能力や、認知症に対しても効果があると言われています。

ちなみに、わかりにくい「陽性」「陰性」の違いですが、陽性は、幻覚や妄想が起こったり、支離滅裂な会話をしたりといった、比較的「外側」に向かう症状を指します。対して陰性は、感情の低下や意欲がわかないなどの症状をさします。

2.定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬の比較

上でも軽く触れましたが、ここからは、定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬の違いを紹介することにします。

2-1.従来型

名前からもわかる通り、昔からある形の薬です。この薬は、かつては大変頼りにされていました。

2-1-1.作用

従来型の抗精神病薬は、ハロペリドールなどがその代表例です。陽性の症状には特によく聞き、妄想や幻覚などの症状を軽減するために役立ちました。

2-1-2.副作用

従来型の抗精神病薬の場合、陽性タイプの症状にはよくきくのですが、陰性の場合は効果が薄く、その上、一部の分裂症患者には効果がないと言われていました。また、生理が止まったり、性欲減退などの副作用が出たりする人もいました。

2-2.新規型

新規型は、従来型の後にでてきたものです。そのため、基本的には、従来型よりもメリットが大きいです。

2-2-1.作用

陰性症状においてもよくきき、アプローチが可能です。そのため、従来の抗精神病薬では改善が難しかった症状にもよくききます。

2-2-2.副作用

どんな薬であっても、薬である以上、副作用から逃げることは難しいと言われています。抗非定型抗精神病薬の場合は、太ったり、口や喉が非常に乾いたりするなどの症状がみられます。

3.非抗精神病薬の主な3つのタイプ

非抗精神病薬には、大きく分けて3つの種類があります。

3-1.SDA系

セロトニンとドーパミンに関係する薬です。ドーパミンが増えすぎると、陽性症状(妄想など)が出やすくなります。そこで、ドーパミンの受容体をブロックする、という作用を薬に持たせます。これによって、陽性症状を抑えることが可能になるのです。

3-2.MARTA系

セロトニンとドーパミンの受容体だけでなく、それ以外の神経伝達にも働きかけて、陽性状態を抑えるものです。陰性症状に対しても、きちんと対応できます。

3-3.DSS系

これは、単純に「量を抑える」だけでなく、「足りなかったらもっと量を出すように」という指示をドーパミンに出せます。

この理屈からもわかるように、陰性にも陽性にも効果があります。

4.ライフスタイルに合わせた選択

薬の選び方というのは、実にさまざまです。それぞれに特徴がありますから、どのような薬を使うべきか、というのは、よく話し合った方がよいでしょう。

5.まとめ

非定型抗精神病薬について見てきました。

抗精神病薬には、認知症に対抗する力もあると言われています。しかし抗精神病薬には複数の種類がありますし、薬は副作用もあるもの。「周囲の家族が認知症だから」「認知症になりたくないから」という理由で薬を自己判断で飲むのはやめ、まずは医師に相談しましょう。

参考:
http://www.mh-net.com/lecture/kusuri/kouseis.html
http://www.mental-navi.net/togoshicchosho/rikai/shojo1.html
http://www.mental-navi.net/togoshicchosho/rikai/shojo2.html
http://www.smilenavigator.jp/tougou/medicine/explanation/exp02_02.html
http://www.smilenavigator.jp/tougou/medicine/explanation/exp02_03.html

コグニサイズって何?認知症予防のための運動

コグニサイズ

コグニサイズについて見ていきます。

認知症予防のためには、運動が有効だと言われています。そのなかから、今回は「コグニサイズ」というものを取り上げましょう。

1.コグニサイズとは?

コグニサイズとは、国立長寿医療研究センターが開発した運動のうちの一つです。認知症予防に効果的だと言われているプログラムをもとに組み立てています。

1-1.認知症予防を目的とした取り組み

平均寿命が延びていることなども一因となり、認知症の患者さんは増えています。そのため、認知症を予防するための取り組みがたくさんなされています。コグニサイズも、そのなかのうちの一つです。

関連記事:今日から実践できる!認知症の予防に効果的な16の食材と食事

1-2.国立長寿医療健康センターが開発

国立長寿医療センターが開発したコグニサイズは、「cognition」と「exercise」という言葉を組み合わせた造語が語源です。これはそれぞれ、「認知/認識」と「運動」という意味を持つ言葉です。

しっかりとしたエビデンスを元に作られたこの運動は、2015年に、普及拡大する、と同センターにより発表されました。

2.コグニサイズはどんな動きをする?

ここからは、具体的なコグニサイズの「動き」についてみていきましょう。

2-1.コグニステップ

「自分の両足でしっかりと立ち、数字を数え、3の倍数のときに手をたたく」というものです。

また、あわせて、

  1. 右足を出して
  2. それを戻し
  3. 次に左足を出して
  4. それを戻す

というステップも組み合わせます。

2-2.コグニラダー

コグニラダーというのは、はしごを使って行うものです。4色のはしごを使い、これを床に置きます。

はしごには4つの枠がありますが、一つの枠内で足踏みをしていきます。また、それ以外にも、「特定の色のときに、足を外に出す」などの課題があることもあります。

2-3.コグニウォーク

しりとりなどをしながら行う早足でのウォーキングを指します。頭の運動にもなるため、これも認知症予防に効果的です。

3.コグニサイズを行う際の注意点

運動量能力、特に高齢者のそれは、個人によって大きな差があるものです。そのため、コグニサイズを行っているときでも、人によってつらさを感じたり、大きな負荷になったりすることがあるでしょう。また、転んだり、それ以外の怪我をしたりする可能性もあります。このようなときは無理をせず、しっかり休むようにしましょう。また、水分補給も大切です。

加えて、コグニサイズには、「慣れ」が生じます。慣れてしまうと、刺激が少なくなってしまうのでしょう。そのため、新たな課題を作っていくことも大切です。

4.まとめ

コグニサイズについて見てきました。

具体的なコグニサイズの動き
1.コグニステップ…左右の足を交互に出しながら数字を数え、3の倍数のときに手をたたく
2.コグニラダー…床に置いたはしごの一つの枠内で足踏み
3.コグニウォーク…しりとりなどをしながら行う早足でのウォーキング

認知症予防のためのコグニサイズは、毎日やることで効果があがりやすくなります。誰にでもできる運動ですから、ぜひ取り組んでみてください。

アルツハイマー型認知症の7つの進行段階とその症状

アルツハイマー型認知症 症状

アルツハイマー型認知症の症状について見ていきます。

認知症には、さまざまな種類があります。そのなかの一つである「アルツハイマー型認知症」に着目していきましょう。

1.アルツハイマー型認知症はどんどん進行していく

認知症のなかには、「治る認知症」もあります。しかし、治る認知症は、割合としては全体の15パーセントであり、頭のなかに脳髄液がたまったタイプや、事故などで頭を打ち付けた際にできた血栓による認知症などの、限られたタイプです。それ以外のものは、進行速度などや症状には違いがみられますが、不可逆性です。そして、アルツハイマー型認知症も、この「不可逆性の認知症」に当てはまります。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

2.アルツハイマー型認知症は進行状況によって7段階に分けられる

さて、このアルツハイマー型認知症ですが、これは進行状況によって、7つの段階に分けられています。

2-1.段階①正常段階

通常の状態です。アルツハイマー型認知症の症状は見られません。

2-2.段階②年相応(非常に軽度の認知機能の低下)

年を取ると、誰でも物忘れが多くなります。その段階です。ただ、この段階のときは、「症状」としてはっきりわかるものではありません。

2-3.段階③境界型(軽度の認知機能低下)

この段階から、「アルツハイマー型認知症である」と言われるようになります。周囲の人も気づき始めます。

「この人はだれか」ということが分からなくなったり、新しく知り合った人を覚えられなくなったり、スケジュール管理能力が落ちていったりします。

2-4.段階④軽度(あるいは初期段階)

段階3よりも明確にわかり始める段階です。3桁の安産ができなくなったり、経理事務などの能力が減退したりします。これらに伴い、引きこもりがちになったり、人と触れ合うことにためらいを感じるようになります。

2-5.段階⑤中等度(あるいは中期段階)

この段階になると、人の手による支援が必要になります。現在の日時が思い出せなかったり、2桁の暗算ができなくなったりするため、仕事はもとより、日常生活を営むことも難しくなります。

しかし身体的な機能、身の周りのことを自分で行うこと自体には問題なく、習慣化している行動については、サポートは必要としません。

2-6.段階⑥やや高度(あるいは中期段階)

ここしばらくの記憶があいまいであり、排泄にも手助けが必要となります。近親者の顔は忘れてしまいますが、「近親者か、否か」の違いは判ります。また、自分の名前までは喪失しないことが多いようです。

人格的な変化が現れるのはこの段階です。

2-7.段階⑦高度(あるいは後期段階)

日常生活のほぼすべてを、人にゆだねている状態です。寝たきりなどになることもあり、自分自身のコントロールはほぼできません。食事をとることのみならず、「飲み込むこと」にも問題がでてきます。・

3.低い段階での発見と段階に応じた対応が必要

アルツハイマー型認知症は、確かに治らない病気です。しかし、薬などによって、進行を遅らせることができます。

家族にとって、「大切な人がアルツハイマー型認知症になった」ということを認めるのは、勇気がいることです。しかし早期に気づき、対応していくことは、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせることに寄与します。

4.進行段階とアルツハイマー型認知症の寿命の関係性

アルツハイマー型認知症と寿命の関係については、いろいろと意見が出されています。若年性アルツハイマー型認知症の場合は10~15年と言われていますが、高齢者のアルツハイマー型認知症の場合、「平均寿命」に関しては諸説あり、断定するのが難しいのが現状です。7年~15年程度とも言われていますが、個人差によるでしょう。

5.まとめ

アルツハイマー型認知症の症状について見てきました。

アルツハイマー型認知症の症状の進行7段階
1.正常段階
2.年相応(非常に軽度の認知機能の低下)
3.境界型(軽度の認知機能低下)
4.軽度(あるいは初期段階)
5.中等度(あるいは中期段階)
6.やや高度(あるいは中期段階)
7.高度(あるいは後期段階)

アルツハイマー型認知症の場合、7段階にわけられています。早期に発見―治療することによって進行を遅らせることはできますが不可逆性の病です。早めに気づいて対処していくことが重要となります。