介護施設・シニア向け住宅

しっかり理解しておきたい軽費老人ホームの3つの種類

軽費老人ホーム

軽費老人ホームについて見ていきます。

軽費老人ホームの種類とそれぞれの特徴について知ることで、他の介護施設との比較検討に役立ててみてはいかがでしょうか。

1.そもそも軽費老人ホームとは?

軽費老人ホームは、経済的な状況や家庭の環境に起因し家族との同居が困難な高齢者向きの老人施設です。自治体が助成する為、経費で入所する事が出来、「軽費老人ホームA型」「軽費老人ホームB型」「ケアハウス(軽費老人ホームC型)」の3つを総称し「軽費老人ホーム」と呼んでいます。この項では検討にあたってのメリット・デメリットやそれぞれのタイプの違いについて紹介をします。

近年よく名前を聞かれる「ケアハウス(軽費老人ホームC型)」は1990年代以降増設され、反面軽費老人ホームA型(以降略称A型とします)、軽費老人ホームB型(以降略称B型とします)はこの年代以降増設がありません。そして2008年には従来あったA型・B型、ケアハウスがケアハウスの類型に統一されました。(現在A型B型は介護者受け入れの為にケアハウスに建て替えるまでの「経過的軽費老人ホーム」とされています)。

1-1.軽費老人ホームにはどんなメリットがある?

軽費老人ホームのメリットは、読んで字の如く自治体からの助成により安い費用で入所する事が出来るという点です。しかし「自宅で生活できない」「親族による介護を受けられない」という点が条件になります。

入所を検討するにあたっては「家族との同居困難、身寄りがない」高齢者の為の制度という点、福祉のライフラインである事を考える必要があります。

1-2.軽費老人ホームのデメリットは?

軽費老人ホームのデメリットは、原則として家族との同居困難者に限定されること、A型B型では年収制限があり、一定以上の収入がある場合には入所の対象とならないという点です。

つまり同居の家族が高齢者の生活の場として軽費老人ホームを検討するというのは考えづらい事となります。

現在主流を占めているケアハウス(従来のC型)には所得制限はありません。しかし入所時に一時金がかかります。

軽費老人ホームは自治体が資金面を助成し、社会福祉法人や医療法人が事業主体となっています。福祉的側面が大きい為年収が高い、家族間の連携があるなどの部分で選択肢がある場合は、民間事業である有料老人ホームを検討する事になります。

1-3.軽費老人ホームの入所基準

軽費老人ホームの入所基準には、原則として「自分の身の回りの世話が出来る事」とされています。また、A型B型の場合、食事サービスの有無が大きな違いですが、自炊前提の軽費老人ホームもあります。

認知症を患うなど他人との共同生活に困難が生じる場合、退所を余儀なくされる事もあります。しかし軽費老人ホームに入所後にも介護を受ける事が出来るケースもあります。
「介護付きケアハウス」は、介護保険の導入により介護1以上に認定された場合でも入所出来るという点が人気を集めています。しかし、その人気ゆえに入所待ちが発生しているのが現状です。

1-4.軽費老人ホームへの入所手続の手順

軽費老人ホームへの入所手続きは、自治体でなく各施設へ行います。入所にあたっては面談等の手続きが必要です。

  • 入所申込書を作成する
  • 面談(来訪または訪問)
  • 必要書類(収入証明書・住民票・健康診断書など)を提出
  • 介護者状況、介護の必要性、要介護度、資産収入額等から総合的判断の上入所決定

以上が大まかな手続きの流れです。状況は申込者の数などにも左右されます。

入所にあたっては事前に下調べをし、必要書類などをしっかりと準備する事が必要です。また、A型B型は建て替えの途上にある為、施設数が減少している反面長期入居者が高齢化しています。その為新規の入居は難しい場合が多いですが、施設によっては定員に満たない場合もあり入居可能な事もあります。

手続きは各施設の状況と個別に対応している点を留意すると良いでしょう。

2.軽費老人ホーム3つの種類

軽費老人ホームは、A型、B型及びC型(ケアハウス)に分かれています。2008年以降全てC型のケアハウスと同形式になる方向で建て替えが進んでいますが、現在もA型、C型は機能している為一度全ての違いを把握しておけば検討時に有効です。

以下でそれぞれの特徴をみます。

2-1.軽費老人ホームA型

軽費老人ホームA型は老人福祉法の下、老人ホームとして定められた福祉施設です。
運営補助資金の助成は、地方自治体や国が行います。

2-1-1.軽費老人ホームA型のサービス内容

A型のサービス内容は、自立はしているものの自炊が出来ない高齢者向けの老人ホームです。身の回りの事は自分で対処できるものの、身体能力の低下などにより自立した日常生活を営むことに不安がある方で、入所すれば食事サービスがつくという点がB型との相違です。

2-1-2.軽費老人ホームA型の対象者

対象者は以下の通りです。

  • 60歳以上の高齢者(夫婦の場合、どちらか一方が60歳以上)
  • 家族との同居困難、または身寄りがない事
  • 身の回りの事が自分で出来る
  • 利用者の生活費に充てられる資産・所得・仕送り等合算が施設利用料の2倍程度(35万円以下)

2-1-3.軽費老人ホームA型の利用料

A型の費用は、一般的に生活費と介護サービス費を合算して月々3~17万円程度です。平均では5万円程度と考えて良いでしょう。

生活費の内訳は居住費・サービス提供費・日常生活費・食費となります。

初期費用は0円~数十万円で、必ず初期費用のかかるケアハウス(C型)と異なり特に必要ない場合もあります。

この金額は、負担出来る能力に応じて入居者本人並びに扶養義務者(配偶者・子供等)が負担します。自己負担額がどれ位になるのかは自治体により異なります。

また、福祉的色合いの強いシステムの為、扶養義務者もしくは本人が生活保護対象者などの場合には、サービス提供費が低くなります。この点は検討の際に留意しておくと良いでしょう。

2-1-4.軽費老人ホームA型の設備

A型の設備として、居室は原則として一人入居前提の個室です。施設により夫婦入居用の2人部屋が用意されている事もあります。居室内にトイレが用意され、通常浴室付です。食事サービスがある為キッチンはついていません。そのかわり食事をとる食堂が設置されています。理容室等は外部サービスを利用する必要があります。基本的にバリアフリー設計です。

2-2.軽費老人ホームB型

B型もA型と同じく、老人福祉法の下老人ホームとして定められた福祉施設です。運営等はB型とほぼ同じであり、2008年以降はケアハウス(C型)に建て替えが進んでいるのが現状です。

2-2-1.軽費老人ホームB型のサービス内容

B型のサービス内容はA型のサービスから食事提供を無くしたものです。そのかわりキッチン設備が居室についています。身の回りの事は自分で対処できるものの、身体能力の低下などにより自立した日常生活を営むことに不安がある方、なおかつ自炊が出来る方を対象としています。

2-2-2.軽費老人ホームB型の対象者

対象者はA型と殆ど同じです。食事サービスがつかない為、

  • 60歳以上の高齢者(夫婦の場合、どちらか一方が60歳以上)
  • 家族との同居困難、または身寄りがない事
  • 身の回りの事が自分で出来る(自炊の可能な程度)
  • 利用者の生活費に充てられる資産・所得・仕送り等合算が施設利用料の2倍程度(35万円以下)

2-2-3.軽費老人ホームB型の利用料

施設利用料は、A型に比べると自炊の分費用が少なくなります。入居一時金はかからないかかかっても定額の場合が多く、福祉サービス費を含めても10万円以下程度の施設が一般的です。

2-2-4.軽費老人ホームB型の設備

A型と概ね同じであり、相違点としては自炊の為のキッチン設備が用意されています。食事をつくる事が困難で無い方にとって、自炊は大きな老後の楽しみの一つです。食堂は設置されていません。基本的にバリアフリー設計となっています。

2-3.ケアハウス(軽費老人ホームC型)

2008年以降、軽費老人ホームは統合されケアハウス(C型)に移行しています。ケアハウスの特徴は、「一般(自立)型」と「介護(特定施設)型」に分かれており、後者では軽度から要介護重度の方までが入所できるという点です。この点がA型B型とは大きく異なります。

2-3-1.ケアハウス(軽費老人ホームC型)のサービス内容

サービス内容はA・B型の内容に加え、「介護(特定施設)型」では生活援助、身体介護が含まれます。これは特定施設入居者生活介護の指定に基づきます。機能訓練(いわゆるリハビリ)や医療ケアが充実した施設もありますが、後に触れるようにこのためケアハウスは入所一時金がA・B型に比べて高くなるという点があります。

2-3-2.ケアハウス(軽費老人ホームC型)の対象者

対象者は一般型のケアハウスと介護型のケアハウスで異なります。

  • 一般型…「60歳以上の高齢者または夫婦のどちらかが60歳以上」
  • 介護(特定施設)型…要介護1以上の65歳以上の高齢者

なお、介護型の場合認知症は一部対応しています。共同生活は必須となります。他はA・B型と概ね同じですが、資産関連の制約はありません。

2-3-3.ケアハウス(軽費老人ホームC型)の利用料

利用料で大きく異なるのは、入所の初期費用がA・B型に比べると高いという点です。しかし、一般(自立)型の場合無料の施設もあります。

介護型の場合、施設によっても異なりますが数十万円から数百万円の初期費用と、16,7万から20万円程度の月額利用料がかかります。一般型についても7万~13万程度の月額利用料になります。しかしこちらも、貧困や生活保護などの条件下では少ない方が優先されます。

2-3-4.ケアハウス(軽費老人ホームC型)の設備

ケアハウスは基本的にバリアフリー設計です。また、共同生活室(食堂・リビング兼用)、居室・浴室・トイレなど共同設備が用意されています。原則として個室となりますが、夫婦用の2人部屋のある施設もあります。

3.軽費老人ホームの入所は難しくなっている?

福祉の色合いの強い軽費老人ホームですが、民間運営の老人ホームに比べると金額が安い為人気があります。また、各施設の状況にも左右されます。

しかし、老人ホームや高サ専など様々な形式の老人施設がある現在、必ずしもケアハウスの入居難易度は高くありません。2000年代にかけて入居者数が増加してから落ち着いた為、比較的すんなりと入居できるケースも多いようです。

4.今後はケアハウスの基準に統一される?

ケアハウス(C型)の特徴はバリアフリーと介護設備が整っている点であり、2008年以降は基本的にこの形式で新規に建てられています。また、従来のA・B型は1990年を境に入居者が減り、民間事業者による介護型ケアハウスへの参入(設立や運営)によってC型のケアハウスに統合されていく形になりました。A・B型は今後はケアハウスの基準に統一されます。

5.まとめ

軽費老人ホームについて見てきました。

介護時に名前を聞く「ケアハウス」は、従来軽費老人ホームC型に分類されており、介護対応できる部分が最大のメリットでした。

現在はこの形に統一される形でA・B型からの移行が進んでいます。

その為、軽費老人ホームを検討する時にはケアハウスの項目をみる事がよく、その中でも入所予定者が「一般(自立)型」か「介護(特定施設)型」かの判断が必要です。

後者の入所一時金と入所施設の使用料を確認した上で、入所決定時には直接各施設への申し込みとなります。

そして、現在様々なタイプの老人施設があり、少子高齢化に伴い金額も安くなっています。

金銭的な事情に限れば福祉的要素の強いケアハウスは比較的安い方ですが、サービスと金額の事を考え入所者のコンディションも考慮すると、ケアハウス以外の選択肢も考えられる場合があります。現在はそれほど入所が立て込まない傾向があります。

他の老人施設検討の時と同様、幾つかの選択肢を並列して検討する事が必要です。

なぜできた?サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の目的と定義とは?

サ高住の目的や意義

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の目的と意義について見ていきます。

住み慣れた我が家で一生を過ごしたい、という思いは誰にでもあるでしょう。しかし、年を重ねると体の自由もきかなくなり、病気もしがちになります。

そのような時思うのが「老後は誰が面倒を見てくれるのだろう?」という不安ではないでしょうか?

家族はいるものの世話をかけたくない、しかし一人もしくは夫婦だけで暮らすのは身体的な不安があるという場合考えられるのは介護施設という選択です。

介護施設にはさまざまなタイプがありますが、その中で現在注目されているのが、サービス付き高齢者向け住宅です。

1.サービス付き高齢者向け住宅の目的

介護施設の中でも、利用料が安い特別養護老人ホームは現在、約52万人もの人が入居待ちをしている施設です。

その対策の一つとしてつくられているのが、サービス付き高齢者向け住宅です。

1-1.サ高住入居の対象者は?

入居条件としては「60歳以上の高齢者または要介護・要支援者」「60歳以上の高齢者または要介護者・要支援者の同居者」「要介護認定もしくは要支援認定を受けてい る60歳未満の人」とされています。

要介護度としては軽度までで、自立していて自分の身の回りの世話ができる人が対象者となります。

認知症である場合は、基本的には入居できないケースの方が多いです(※対応可能なサービス付き高齢者向け住宅ももちろんあります)。他にも、感染症にかかっていないことなども条件になっていることもあります。

ただし、自治体や施設によって入居基準が異なりますので、詳細は施設に確認することが必要です。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅での入居者のプライバシーは守られる?サービス付き高齢者向け住宅の5つの入居条件

1-2.介護・医療と連携したサ高住居住者の安全の確保

加齢とともに身体は衰え、今まで住んでいた家では入浴やトイレなどの利用が簡単にできなくなることもありますよね。

また、夫婦だけで住んでいる場合など、「もしどちらかが倒れたら?」という不安を抱えながら生活をしなければなりません。

そういった不安を解消し、安心して生活できる住まいを提供するために制定されたのが「高齢者住まい法」です。サービス付き高齢者向け住宅は、その試みの一つとして推進されているバリアフリー構造の賃貸住宅なのです。

サービス付き高齢者向け住宅は、居室の広さや設備・環境などバリアフリーに整え、さらに専門家による安否の確認、生活相談サービスなどを提供することで、60歳以上の方が安心して過ごせる環境が整っている住宅です。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅の建築基準はどうなっている?サービス付き高齢者向け住宅で行うことのできる医療行為とは?

1-3.日本と海外の介護施設の比較

2000年に介護保険制度がスタートし、介護施設などの入居をサポートできる体制を整えつつある日本では、有料老人ホームやグループホームなどの居住系、特別養護老人ホームや老人保健施設なども急増しています。

しかし、現在では特別養護老人ホームなどの入居待ちも多く、65歳以上の人に対する住宅供給率は4.4%です。

この数値を海外と比較してみましょう。

例えば、スウェーデンでは6.4~8%。ナ ーシングホームやアシステッドリビングなどがあるアメリカでは9.5%、デンマークにいたっては11.4%と日本に比べると高比率です。

日本においても、さらなる高齢者住宅の増加を期待したいところです。

1-4.サ高住なら住み慣れた地域で介護サービスを受けながら過ごせる

年を重ねてから、新しい土地で見ず知らずの人と過ごすのは、精神的にもつらいものですよね。

それが嫌で部屋に引きこもってしまうと、認知症などの症状を引き起こすことにもなりかねません。

住み慣れた地域なら、買い物に行くのも出かけるのも便利。同じ住宅に知り合いがいる可能性もあり、安心して暮らすことができますね。

住み慣れた地域で、周囲の人とコミュニケーションを取り、介護サービスを受けながら安心して暮らすということもサービス付き高齢者向け住宅の大切な目的の一つです。

2.サービス付き高齢者向け住宅の定義

サービス付き高齢者向け住宅の定義について説明しましょう。都道府県、政令市、中核市によって登録を認められた事業者のみが経営することが可能。問題が生じた場合は、自治体が介入することもあります。

2-1.サ高住の規模、設備について

段差のない床、車いすで移動しやすい廊下の幅、必要部分の手すり、バリアフリー構造であること。それぞれの専用部分には、水洗トイレ、洗面、キッチン、収納、浴室を完備。床面積は原則として25平方メートルであること、といった条件があります。

2-2.サ高住の「サービス」について

安心して生活するためにケアの専門家が日中常駐していること。ケアの専門家というのは、社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所等の職員、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、介護職員初任者研修課程修了者のことをいう。安否確認と生活相談サービスをすべての居住者に行うこと、となっています。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容ってどんなもの?

2-3.サ高住の契約について

賃貸借契約と利用権方式の契約があり、書面において契約をします。契約により、事業者から一方的な解約や居室変更などができません。

また、新築などの場合、工事完了前に前払い金などを受領しないこと、といった内容も盛り込まれています。基本的には通常の不動産契約と同じように、連帯保証人が求められることが多いです。

60歳以上の人が住宅を借りやすくすることを目的とした「高齢者住まい法」に基づいてつくられているサービス付き高齢者向け住宅。

現在は増え続けていますので、比較的借りやすい状況です。しかし、低価格のものは人気がありますので、条件が合うものを見つけたら早めに検討するようにしましょう。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅の賃貸契約は終身借家権?どんな契約?

3.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅の目的と意義について見てきました。

目的や意義を知っておくことで、契約内容やその仕組みの意味がわかってくるのではないでしょうか。

詳しい背景までは調べなくても、なぜサービス付き高齢者向け住宅ができ、どういった役割を担うかは頭の片隅に入れておきたいところですね。

サービス付き高齢者向け住宅でも防災訓練はしている?

サ高住の防災訓練

サービス付き高齢者向け住宅の防災訓練について見ていきます。

阪神淡路大震災や新潟中越地震、そして記憶に新しい東日本大震災、このように日本各地で大きな災害の起きる可能性があります。

さらに異常気象とよく言われますが、豪雪やゲリラ豪雨、竜巻、台風といったように天候異常による災害もしばしば耳にします。

サービス付き高齢者向け住宅にもこのような災害が直撃する可能性は十分に考えられるでしょう。

そこで、もしものために防災訓練などを行っているかどうか、施設探しをするときには重点を置くべきです。

訓練の頻度や内容、どのような人を対象にしているのか、いざという時のためのマニュアルがしっかりしているかなどは、入所者の命を守るためにも欠かせないポイントです。

1.防災訓練のポイント

訓練の中でポイントになるのは、避難経路の確保でしょう。

避難経路があって、入所者やスタッフがその経路を認識していれば、速やかな避難行動をとれます。

サービス付き高齢者向け住宅の入所者のなかには、体が不自由で自力で避難の難しい人も少なくありません。そのような人を非難させるために、どのようにスタッフが動くかを決めておくことも、いざ本当に災害が起きたときの初期活動を円滑に行うための重要な要素となるでしょう。

2.その後の防災訓練は?

災害が起きて非難をしただけでは不十分です。東日本大震災が記憶に新しいですが、当面は普通の日常生活が送れません。

ライフラインがガタガタになるでしょうし、物資の運搬もスムーズにいかない恐れもあります。そこで水や食料の確保をどうするか、また建物が倒壊しそうなとき、それを防ぐためにスタッフがどう動くかということの訓練を行っているかどうか確認をしましょう。

できれば、周辺の施設や組織とのネットワークがあって、訓練の時にも緊密に連携できていると安全性も高まります。

3.マニュアルを作っているか?

いざという時の備えとして重要なのは、マニュアルの存在です。さまざまな事態を想定して、「こうなったらこう対処する」というものが決められていると、スタッフも行動を起こしやすいです。

特に重視したいのは、情報の発信手段をどうするかです。サービス付き高齢者向け住宅の入所者のなかには、言葉や耳、目の不自由な方もいるかもしれません。

さらに認知症をはじめとして、自分の意志を正確に伝えられない人もいる可能性は考えられます。

このような人に災害情報を正確に伝えるのは通常の手段では不十分です。

目の不自由な人には音声による誘導、情報伝達カードを事前に準備しておく、避難誘導する介助者を取り決めしておくといった準備ができていると安心です。できればマニュアルのあるところは見せてもらって、あらゆる事態に想定できているかどうか確認しましょう。

4.消火訓練をしているか

災害が起きた場合に特に注意しないといけないのが、火災です。特に大震災が起きると、火事が起きて被害に遭うというケースが多々見られます。火災は初期対応が全てです。

そこで、防災訓練のプログラムの中で、消火訓練を実施しているかをチェックしましょう。スタッフなどが消化器の取り扱いに慣れていると、大規模火災に繋がらずに済むかもしれません。

ただし、場合によってはスタッフだけの消化作用では手に負えないこともあるでしょう。そこで訓練の中で、初期消火に失敗したときに消防署に通報し、入居者の避難訓練を行っているかどうかをチェックするのは大切なポイントになります。

5.入所者の初期対応

できることなら無事に、すべての入所者が速やかに避難していきたいものです。しかし、特に大きな施設になればなるほど、その実現は厳しくなってしまうのが現実でしょう。
そこで、けが人や重篤な症状の入所者が出た場合の訓練を実施しているかどうかを事前に確認しましょう。例えば、人工呼吸や心臓マッサージの訓練を日ごろから実施していれば、救急車が到着するまでの心肺蘇生を自前で行えます。

心肺停止状態になると、時間との闘いです。このような訓練を普段からしておけば、救える命も増えるでしょう。

6.入所者の参加

基本的に避難誘導や消火活動などの災害時の作業は、スタッフが中心となって行います。しかし、訓練を実施するときには、入所者の方にも参加していただいた方がもしものために役立つことは間違いありません。

特に何をするわけではないかもしれませんが、災害が起きた時にどのような流れで行動すればいいのか入所者も学習します。

また災害が起きるかもしれないという意識付けもできるので、本当に災害が起きた時に慌てません。

このことから、訓練に入所者が参加するかどうかといったポイントも事前にチェックしておくことをおすすめします。

7.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅の防災訓練について見てきました。

サービス付き高齢者向け住宅選びをするときには、防災体制に関してきちんと確認すべきです。災害が起きたときに、弱者である高齢者が被害者になるリスクは高いです。

そのため、彼らを犠牲にしないためにどうすればいいのかについての問題は施設にとって重要な課題です。

避難などの訓練を常日頃から行っているところは、入所者もスタッフも災害に対する意識が高いと考えられます。

訓練をどのくらいの頻度で行っているか、何を想定した訓練を実施しているかを質問して、そこを施設選びのポイントにするとよいのではないでしょうか?

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)に住む13のメリットと5のデメリット

サ高住 メリット

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に住むにあたってのメリットとデメリットについてご紹介します。

超高齢化社会となった日本全国に増え続けている「サ高住」ですが、「名前は聞いたことがあってもどんなものかわからない」「老人ホームとはなにが違うの?」と考えている人も少なくないのではないでしょうか。

本稿では、サ高住に入居する、サ高住で暮らすことにどのようなメリットがあるのか?一方でデメリットにはどのようなことがあるのか、について紹介してまいります。

1.サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは、高齢者単身・夫婦世帯が安心して生活することができる都道府県単位で認可・登録された賃貸住宅で、民間事業者などによって運営されています。原則25㎡以上の床面積とバリアフリー化が義務付けられており、安否確認と生活相談を最低限のサービスとして提供しています。

日中はケアの専門家が常駐しており高齢者が安心して暮らせるよう配慮されています。

関連記事:急増するサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?10の特徴

2.サ高住に住む13のメリット

サ高住は、主に自立あるいは軽度の要介護状態の高齢者を受け入れており、有料老人ホームではなく、一般の賃貸住宅扱いとなります。ここでは「住み替えが容易」「バリアフリー構造」「生活相談が可能」など、サ高住ならではの13のメリットについて一緒に学んでいきましょう。

2-1.入居条件が厳しくなく契約しやすい

サ高住の一番のメリットは、一般的な賃貸住宅に比べて高齢者が簡単に借りることができる点です。利用権方式ではなく賃貸借方式の施設が多いことも特徴です。

入居時に支払う敷金の返還も受けやすく、入居者の権利が守られているので安心して住み続けることができます。入居の基本条件は「60歳以上の高齢者または要介護者・要支援者」「60歳以上の高齢者または要介護者・要支援者の同居者」となっています。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅の5つの入居条件

2-2.住み替えが容易

サ高住への住み替えを検討している方は、一般社団法人移住・住みかえ支援機構が運営する「マイホーム借上げ制度」を活用することができます。

「マイホーム借上げ制度」とは、移住・住みかえ支援機構が、高齢者の所有する住宅を借り上げて子育て世帯等へ転貸する仕組みです。

この制度を利用すれば安定した賃料収入を定期的に得られるので、自宅を売却せずに住み替え資金として活用できます。

2-3.安否確認がついている

サ高住では、ケアの専門家が日中の安否確認を行うことが義務付けられています。定期的に部屋を訪問する、毎食時に確認をするなど、方法は運営会社によってさまざま。中には、日中だけでなく夜間も安否確認を行っているケースもあり、感知センサーやビデオカメラなどのシステム的な安否確認が導入されているサ高住もあります。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅の安否確認サービスとはどんなもの?

2-4.生活相談ができる

サ高住では、介護・生活支援サービス全般の相談や手配、家族からの伝言代行などに生活相談員が対応しています。「電球が切れてしまった」「最寄りのバス停の時刻表を調べてほしい」など日常の困り事全般に対応しています。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅の生活相談員にはどんな役割がある?

2-5.自立も要支援も要介護も受け入れ可

60歳以上であれば、健康な方から軽度の介護や支援が必要な方まで、基本的に誰でも入居が可能です。

「身の回りの世話ができる」「認知症患者ではない」など施設により入居基準はさまざま。中には重篤な持病を持つ患者を受け入れている施設もあるので問い合わせをして確認しましょう。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅の5つの入居条件

2-6.介護サービス事業者を自分で選べる

サ高住はあくまでも「住宅」であるため、介護・医療については外部からのサービスを受けることになります。従って自身に合った介護サービス事業者を選ぶことができる点もメリットと言えるでしょう。

中には、介護サービスを定額で提供しているサ高住もあります。その場合は、介護福祉士やヘルパーが常駐して要介護者をサポートします。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容ってどんなもの?

2-7.バリアフリー構造(介護付き有料老人ホームより細かい基準)

サ高住は、施設全体が床の段差がないバリアフリー構造が義務化されています。78センチ以上の廊下幅にするなど、有料老人ホームより細かい基準が設定されており高齢者が安心して住める構造になっていることも大きなメリットです。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅の建築基準はどうなっている?

2-8.自炊かサービスを利用するか選べる

自炊設備があるサ高住では、自炊と契約制の食事サービスを自由に選択することができます。そのため、自分で料理できる間は自炊して、できなくなったら食事サービスを受けることも可能です。

2-9.家事や洗濯は自分でやるかサービスを受けるか選べる

自立した高齢者は掃除や洗濯を自身で行うか、有料のサービスを利用するか選ぶことができます。介護認定がある場合は、介護保険を利用して訪問介護の生活援助を受けることもできます。特定施設の場合は利用料の中に洗濯・掃除にかかる費用も含まれています。

2-10.プライバシーが守られている(完全個室・個別ポストなど)

完全個室のためプライバシーが守られており、部屋で安心して過ごすことができます。個別ポストを備えている住宅もあり、家具付き、トイレ付き、風呂付きなどさまざまな条件からライフスタイルに合わせて選ぶことができます。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅での入居者のプライバシーは守られる?

2-11.初期費用が少なめ

サ高住は、多くの場合敷金・礼金の初期費用が必要となります。初期費用は0円~数百万円と、有料老人ホームに比べて入居の際にかかる費用負担が少ないこともメリットです。

注意するべきポイントとしては「一般型」と「介護型(特定施設入居者生活介護)」で初期費用が異なることです。

主に自立した人を受け入れる「一般型」は、まずは入居時に初期費用として敷金・礼金を払い込みます。そして、入居後に月額費用として生活費などを自己負担することになります。介護が必要な場合は、訪問サービスなどの事業者を利用し、介護サービス費は自己負担となります。

「介護型」では、初期費用として入居一時金を払い込み、さらに入居後に月額費用として介護サービス費と生活費を負担することになります。介護サービス費は、要介護度などによって異なるので、施設に確認をしましょう。

入居一時金とは、その施設を利用する権利を取得するための費用です。各施設によって償却期間と償却率が定められており、一定期間内に退去した場合は返還金を受け取ることができます。償却期間と償却率は施設によって異なるため、必ず事前に確認しておくことが大切です。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅には入居一時金はあるの?いくらくらい?

2-12.月額費用が低め

月額利用料は10~30万円程度と住宅により異なります。ここでは、東京のサービス付き高齢者向け住宅の自己負担額の一例をご紹介します。

一般型の場合、居住費、食費、その他費用で約17万円。特定施設型では、居住費、食費、その他費用、サービス付き高齢者向け住宅サービス費などで19万円~20万円となります。

また、収入・課税額が低い場合、高額介護サービス費などの補助金が自治体から支給されるケースもあります。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)での生活にかかる費用まとめ

2-13.外出・外泊は自由にできる

サ高住は「自宅」扱いとなりますので健康な高齢者の場合、外出・外泊の制限等はない場合がほとんどです。安否確認のため、門限を設定しているサ高住もありますが、受付に伝えれば門限外であっても外出が可能となります。ただ、軽度の認知症を発症している場合は家族の同意や、GPS機器の携帯を義務付ける施設もあります。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅は自由に外出することはできる?

3.サ高住で考えられる5つのデメリット

多くのメリットがあるサ高住ですが、デメリットが全くないわけではありません。次は、サ高住のデメリットについて順番に学んでいきましょう。

3-1.契約時に連帯保証人を求められる

サ高住では入所手続き時に、一般的な不動産契約同様、連帯保証人が求められます。現状では、連帯保証人がいない高齢者が入れる施設は多くはありません。中には、成年後見人制度が必須となる施設もあります。

3-2.介護・医療の費用は別途必要

先に述べたように、サ高住で必ずついているサービスは、安否確認と生活相談のみである点は注意が必要です。

介護・医療については外部からのサービスを受けることになるため、訪問介護などの介護サービスを利用する場合は、利用した分だけ事業者に費用を支払います。

多くの介護が必要になると費用も高額になります。そのため、介護サービスや医療処置が多く必要になった場合の対応や費用について十分に確認した上で事業者を選ぶことが大切です。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅で行うことのできる医療行為とは?サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容ってどんなもの?

3-3.要介護度が重度の場合、退去を求められることも

要介護度が高くなった場合、退去を求められることはサ高住の大きなデメリットと言えるでしょう。入居時には自立だったとしても、入居後に体調を崩したりして介護度が重くなることは十分に考えられます。そのような場合は、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームへの住み替えを検討しなければならないこともあります。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅で退去させられることはある?

3-4.夜間に職員がいないケースも

夜間に職員がいなくなり、緊急時は緊急通報システムによって外部の警備会社などにつないでいる施設も多く見られます。夜間の見守り体制が十分でない点もサ高住のデメリットの1つと言えます。

3-5.「サービス」の内容は各事業者でバラバラ

談話のできる共用スペースやカラオケなどの設備が充実している施設や、クリスマス会などの季節ごとのイベントやサークルなどの催しものを開催する施設、小旅行を企画する施設もあり、サ高住が提供するサービスはさまざまです。中には、フィットネスルームなど、高級ホテル並みの共用設備を備えていたり、ペットを飼うことが許されている施設もありライフスタイルの充実を図りたい高齢者のニーズに応えています。

介護サービスや医療ケア対応なども運営事業者によってばらつきがあるので、希望するサービスが受けられるかどうか事前にしっかりと確認しましょう。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容ってどんなもの?

4.サ高住は見極めが肝心

このように、サ高住は運営事業者によって提供するサービス内容や対応する介護度なども大きく異なり選択肢の幅が非常に広いことが特徴です。設備等のハード面だけでなく、介護サービス、安心できるサポートサービスの有無などをしっかりと確認し、自身の健康状態やニーズに合った施設の見極めが重要となります。

4-1.入居前に聞き漏れがないようにする

月額費用、希望のエリア、医療行為に関する要件など確認事項はたくさんあるので、事前にチェックポイントを把握しておき、聞き漏らさないようにしましょう。希望条件を、リストにまとめておくのも良いでしょう。施設選びを手助けしてくれる良い紹介会社を探して利用するのもおすすめです。無料で利用でき、条件に合った施設を探してもらえます。施設見学に同行してもらえるので質問漏れがなくなり、聞きにくい事も代わりに聞いてもらえるメリットがあります。

4-2.毎月どれくらいかかるのか試算しておくこと

月額利用料の内訳は、賃料、管理費・共益費、水道光熱費などになります。賃料は、近隣の賃貸マンション・アパートなどの家賃相場を基準としている施設が多いため、都心部のサ高住は賃料が高く、地方都市の賃料は低く抑えられています。

また、管理費・共益費は居室以外の共用スペースの維持にかかる費用で、広いレクリエーションルームなどがあるサ高住は割増になることが多いです。

水道光熱費についても、冬場の暖房費が割増になる施設もあるので注意が必要です。食費は、基本的には月額料金が最初から提示されている場合がほとんどで3〜5万円の範囲内で収まります。

さらに、必須サービスである安否確認や生活相談の費用も必要です。管理費の中に含まれているのか、別払いとなるのか確認しておきましょう。

有料老人ホームと同様、介護保険1割自己負担額は必要です。介護の必要のない場合には、介護保険はかかりません。

いずれにせよ、入居後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、毎月どのぐらいの費用が必要となるのか事前にしっかりと把握しておくことが重要です。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)での生活にかかる費用まとめ

5.まとめ

サ高住のメリットとデメリットについて見てきました。

急速な高齢化を見据え、高齢者が安心して暮らせる住まいとして平成23年度に制度化されたサ高住。空き物件も比較的簡単に見つけることができますが、低価格帯の物件は人気があるため、気に入った物件が見つかった場合は早めの申し込みを検討しましょう。

サ高住は入居基準や提供サービス、利用料などがさまざまです。施設探しの際は、エリアや周辺環境、資金計画など自身の条件を整理し、確認漏れがないように注意しましょう。必要であれば紹介会社なども活用し、納得するまで見学・体験入居を重ねることで自身にぴったりの施設を見つけることができるはずです。

参考URL:
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=99914
http://www.minnanokaigo.com/search/sakoujyu/private/
http://www.minnanokaigo.com/guide/type/sakoujyu/

ショートステイにかかる料金の目安は?料金を決める4つの条件

ショートステイ 料金

ショートステイの料金について見ていきます。

「ショートステイ」というのは、大変便利なシステムのうちの一つです。今回は、この「ショートステイ」に着目していきます。

1.ショートステイとは?

ショートステイとは、その名前の通り、短期間だけ、高齢者福祉施設に入所できるサービスのことを指します。この「短期間だけ」という言葉には明確な区切りがあり、「連続使用で30日以内」とされています。

ショートステイを利用する理由は特に問われず、本人の状態や、介護者の精神的及び肉体的疲労を軽減するためなど、個々人(個々の家庭)によります。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅でショートステイは利用できる?

2.ショートステイの料金を4つの条件から考える

この、便利なショートステイを使うためには、いくらお金が必要なのでしょうか?
そしてそれを決定する要素は何なのでしょうか?

2-1.条件①施設の種類

施設の種類によって、値段は変わります。大まかな区切りは「単独型施設か」「併設型施設か」ということです。

特養(特別養護老人ホーム)に、ショートステイのための設備がくっついていないものを前者、併設されているものを後者として判断します。当然、併設されているところの方が金額は安いです。

関連記事:介護施設と高齢者住宅にはどんな種類がある?代表的14タイプまとめ

2-2.条件②利用する部屋のタイプ

利用する部屋のタイプによっても、料金は変わります。もっとも高いのは、「ユニット型個室」と呼ばれるものであり、「個室+共有スペース」で成り立っているものです。続いて、相部多である「多床室」がきます。もっとも安いのは、従来の個室型(一部屋ずつ独立しているタイプ)です。

2-3.条件③要介護度

要介護度が重くなれば、料金は高くなります。要介護1の人と要介護度5の人の場合、300円程度の差額が生まれます。

関連記事:要介護度7つの状態区分はどのようにわかれる?それぞれの支援限度額は?介護認定基準とは?要介護認定されるまでの4つのステップ

2-4.条件④利用日数

すべてのサービスは、「何日使ったか」によって計算されるため、当然ながら、日数が長くなれば、料金は高くなります。

3.各条件を組み合わせた料金

このように、ショートステイの料金というのは、4つの要素によって決まります。それぞれから割り出される具体的な金額についてみていきましょう。

3-1.単独型施設の場合

単独型の施設の場合、641円~1013円で推移します。これは日額ですから、実際には、これに「利用日数」がかけ算されます。

たとえば、要介護2で相部屋、25日の利用だとすると、料金は、794円×25=19850円となります。

3-2.併設型施設の場合

併設型施設の場合、607円~979円で推移します。一例ですが、要介護3の人がユニット型個室で15日間利用した場合、12720円となります。

4.その他自己負担となる費用

これに加えて、送迎費用や療養食などが加算されることもあります。しかしそれらのサービスの料金は非常に安く、12円~50円程度です。

5.まとめ

ショートステイの料金について見てきました。

ショートステイの料金
・単独型施設の場合…1日あたり641円~1013円
・併設型施設の場合…1日あたり607円~979円

ここまで、ショートステイの料金についてみていきました。これらを見て、あなたはどのように思ったでしょうか。おそらく多くの人が、「意外に安い」と感じたことでしょう。

ショートステイは介護保険がきくため、非常に安く利用できます。ぜひ、気軽な気持ちで利用してみてくださいね。

認知症と密接な関係?脳細胞を死滅させる老人斑とは?

老人斑

老人斑について見ていきます。

年をとると浮かんでくる「老人斑」ですが、これには実はいろいろな側面があります。これについてお話していきましょう。

1.老人斑とは?

老人斑とは、年齢を重ねることにより、肌などに出てきやすくなるシミのようなものです。茶色をしており、顔などにもよく浮き出ます。

この老人斑は、アルツハイマー型認知症とも関係があると言われています。

1-1.老人斑の構成

老人斑は、アミロイドβと呼ばれるものをその主成分としています。これはしばしば「Aβ」とも略されるものです。この老人斑は、後述するアルツハイマー型認知症と密接なかかわりがあります。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

1-2.アミロイドβとタウタンパク質

アミロイドβが少したまっただけで、すぐにアルツハイマー型認知症が始まるわけではありません。アミロイドβがたまり始めて、10年ほどすると、「タウタンパク質」という成分が頭にたまり始めます。

これらは両方とも、徐々にたまり続けます。そして、アルツハイマー型認知症として「発症」に至るのです。

1-3.シミ(老人性色素斑)とは違う

老人性色素斑と老人斑は、しばしば混同されます。しかしこの2つには違いがあります。老人性色素斑は紫外線などが原因でできてくるものであり、レーザーなどによってある程度対策(処置)が可能です。また、日焼け対策などを行うことで、その発生を最小限に抑えることができます。その「原因」からしてまったく違うので、老人性色素斑と老人斑は明確に区別されます。

2.老人斑がもたらす影響

老人斑はアミロイドβを主成分にしていますが、単純に「見た目にシミのような形が浮き出る」というだけではすみません。この老人斑は、神経の伝達機能を邪魔してしまいます。結果として、神経細胞にダメージをもたらしてしまいます。このようなことから、老人斑は非常に問題が大きいものなのです。

2-1.大脳皮質に沈着

老人斑は特に、大脳皮質の神経細胞に付着します。老人斑は神経の伝達機能を邪魔するもの。これにより、神経細胞がダメージを受けやすくなってしまうのです。

2-2.脳細胞の死滅を起こす

「老人斑が脳細胞を殺すのか、それとも脳細胞が死んだ結果として老人斑が出るのか」というのは、なかなか難しい問題であり、見解も分かれています。ただ、それでも、老人斑と脳細胞の死滅に関係があるのは間違いがないようです。

3.アルツハイマー型認知症の関係とは?

老人斑とアルツハイマー型認知症には密接な関係があります。アルツハイマー型認知症は、老人斑の主成分であるアミロイドβやタウタンパク質によって起こると考えられているからです。

4.不要なたんぱく質を貯めないためには?

アルツハイマー型認知症にならないためには、周囲の人たちと積極的に触れ合ったり、運動をしたり、睡眠を取ったりすることが望ましいと言われています。これは、アルツハイマー型認知症に限らず、「求められる、健康的な生活」そのものであるため、健康な状態で長生きするためにも有用です。

関連記事:アルツハイマー型認知症を予防するための3つの知識

5.まとめ

老人斑について見てきました。

老人斑がもたらす影響
1.大脳皮質に沈着し、神経細胞がダメージを受ける
2.脳細胞の死滅を起こす

アルツハイマー型認知症や老人斑の作用については、まだまだ分かっていないことが多いのも確かです。しかしどちらも、アミロイドβとタンパク質やタウタンパク質というものが悪い影響を与えていることは確かです。

これらを完全に「排除する生活」というのはなかなか難しいものです。しかしながら、運動をしたり、コミュニケーションをとったり、睡眠をしっかりとったりすることで、これらのリスクは下げることができると言われています。健康的で、かつ長い寿命を手に入れるためにも、今日からさっそく取り組んでいきたいものですね。

高専賃からサ高住へはどう変わったのか?7つの項目で徹底比較!

高専賃

高専賃について見ていきます。

高齢者用の設備というのは、現在では数多く存在しています。それぞれに特色を打ち出しているのですが、今回はそのなかから、「高専賃」というものを取り上げてみます。

1.高専賃とは?

高専賃とは、「高齢者専用賃貸住宅」の略称です。これについて詳しくお話しています。

1-1.概要と特徴

この高専賃というのは、国土交通省が管轄していました。高齢になるとアパートなども借りにくくなるため、高齢者が「住宅難民」になるのを防ぐために作られたものであり、「高齢者が入居を希望した時、それを拒否しない」というスタイルを維持する賃貸住宅に都道府県が認可を与えるようになりました。

1-2.高齢者専用賃貸住宅登録制度ができた背景

この高専賃ができた背景は、「亡くなられるとアパートなどの資産価値が下がる」「保証人が見つかりにくい」ということを理由に、入居を断るケースが多かったからと考えられています。また、高齢化社会や核家族化などによって、独居の高齢者が増えたことなどから、「受け入れられる住宅」と「入りたいと思う高齢者の数」のバランスがとれなくなった、という問題もあると考えられています。

ただし、現在は、この「高専賃」という制度はありません。次から述べる「サ高住」ができたことによって、姿を消しました。

2.サービス付き高齢者向け住宅

高専賃は優れた制度ではありましたが、問題点もありました。その問題点を解消できたのが、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。

関連記事:急増するサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?10の特徴

2-1.概要と特徴

サ高住とは、高専賃と同じように、「高齢者向けの住宅」でありながら、高専賃とは違い、敷地面積などに条件がつけられています。

2-2.サービス付き高齢者向け住宅制度ができた背景

「サ高住」は、「サービス付き高齢者向け住宅制度」の略称です。高専賃の場合、広さや設備に条件がなかったため、「高齢者の入居を拒まなければ、その住居環境が問われることはない」という欠点がありました。

しかしこれでは、高齢者向けの住宅としては不便であるかもしれない、というリスクが残ります。そのため、「サ高住」という考えが生まれました。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅ができた背景とは?超高齢化社会の現状

3.高専賃とサ高住の比較

上記でも述べましたが、高専賃とサ高住の違いは、「条件や目的、あるいはサービスに違いがある」ということです。

3-1.目的の比較

いずれも、「高齢者が借りやすい賃貸住宅」ではありますが、サ高住の方が、高齢者が生きやすく、生活しやすくなっています。

関連記事:なぜできた?サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の目的と定義とは?

3-2.設備の比較

高専賃の方は明確な基準がありませんから、サ高住についてみていきましょう。サ高住の場合、トイレや洗面台がきちんと設けられていること、そしてバリアフリーであること、と定められています。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅の建築基準はどうなっている?

3-3.サービスの比較

サ高住では、「安否確認や生活相談サービスがあること」が規定としてあります。

3-4.費用の比較

これに関しては、サ高住も高専賃も一概には言えません。施設ごとに異なります。

関連記事:サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)での生活にかかる費用まとめ

3-5.メリットの比較

そもそも現在は、高専賃がありません。ただ、高専賃の発展形がサ高住ですから、メリットはサ高住の方が大きいでしょう。

関連記事:サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)に住む13のメリットと5のデメリット

3-6.デメリットの比較

高専賃の弱点であった、「設備が統一化されておらず、必ずしも高齢者に優しいものではない」という点は、サ高住によって、大きく改善しました。そのため、サ高住の方が、デメリットが少ないと言えます。

関連記事:サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)に住む13のメリットと5のデメリット

3-7.トラブルの比較

サービスなどが統一化されていなかった高専賃と比べると、サ高住の方は「最低限必要なサービス」が定められていますから、総じて、サ高住の方がトラブルが少ないと言えるでしょう。

4.まとめ

高専賃について見てきました。

かつてあった「高専賃」という単語や制度は、今は「サ高住」という単語や制度に変わりました。統一化された規定がなかった高専賃とは違い、サ高住は一定の基準がありますから、サ高住は高専賃の発展形と言えるでしょう。

参考:
http://kosenchin.jp/DefNews.aspx?listno=223
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000005.html
http://www.minnanokaigo.com/guide/type/sakoujyu/
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1386123204498.html

3つの利用条件から判断できるデイサービス料金の目安とは?

デイサービス 料金

デイサービスの料金について見ていきます。

便利なサービスである「デイサービス」。これの利用料金は、何によって決まるのでしょうか?

1.デイサービスの料金には何が含まれる?

デイサービスの料金に含まれるのは、入浴や食事といった基本的な日常生活の世話です。機能訓練などが受けられるところもありますし、口の機能の向上なども提供されています。それらのすべてを合算したものを、「デイサービスの料金」としてお話していきます。

1-1.デイサービスの料金の計算式

デイサービスの料金は、

「デイサービスを受ける際の費用」+「食費」+日用品などの「その他」の項目

という計算式によって求められます。

1-2.サービス提供料金は3つの条件によって変わる

食費や日用品などはわかりやすいのですが、「デイサービスを受ける際の費用」というのがよくわからない、という人もいるでしょう。

これは3つの要素から求められます。それが、「要介護度」「施設の規模」「利用時間」です。

1-2-1.要介護度

要介護度が重ければ重いほど、利用にはお金がかかります。これは要介護度によってきちんと定められています。利用時間が同じであっても、要介護1の人と要介護5の人では、かかる費用が違います。(最大で546円の差額)

関連記事:要介護度7つの状態区分はどのようにわかれる?それぞれの支援限度額は?介護認定基準とは?要介護認定されるまでの4つのステップ

1-2-2.施設の規模

また、「施設の規模」によっても金額は変わります。これは、「その施設を利用している人の平均人数」によって求められます。1か月の利用者の数が少なければ、施設は、その少ない人数の報酬で施設をまかなわなければいけませんから、金額を少し高めに設定する必要があります。反対に、多くの人が利用しているのであれば、(語弊がある言い方ではありますが)薄利多売の方式で、一人ひとりにかかる負担は少なくなります。

といっても、その差額はそれほど大きくはなく、最大で1日あたり186円程度にとどまります。(要介護5で、900人以上の「大規模Ⅱ」と、300人までの「小規模」を比較した場合)

1-3-3.利用時間

利用時間が長ければ、当然料金は高くつきます。最大の差額が生まれるのは、小規模型通所介護施設で要介護5の人が利用する場合で、603円の差額が生まれます。(3~5時間のときと7~9時間のときを比較した場合)

2.3つの条件から見るサービス提供料金

上で挙げた「施設の規模」でも軽く触れましたが、もう少しここについて詳しく見ていきましょう。

2-1.小規模型通所介護施設を利用した場合

施設を利用する人が、月に300人未満の施設を指します。もっとも料金が高く、426円~1281円の間で推移します。

2-2.通常規模型通所介護施設を利用した場合

毎月の使用者が300人~750人未満の規模の施設です。380円~1144円の間で料金が推移します。

2-3.大規模(I)型通所介護施設を利用した場合

比較的規模の大きい施設を指します。利用人数は、750人~900人未満です。かかる料金は、374円~1125円です。

2-4.大規模(II)型通所介護施設を利用した場合

もっとも規模が大きいもので、900人以上が利用する施設がこれにあたります。料金はもっとも安く、364円~1095円で利用できます。

3.その他の加算について

そのほか、「個別機能訓練を行う場合」「入浴介助を行う場合」「栄養改善」「口の機能向上」「若年性認知症者に対するケア」「時間延長」などによって料金が積み重なります。また、同一建物の場合は、減額措置も受けられます。

「加算される」といっても、その自己負担額はそれほど大きくはありません。50円~250円で推移します。

4.まとめ

デイサービスについて見てきました。

デイサービスの料金
「デイサービスを受ける際の費用」+「食費」+日用品などの「その他」の項目
という計算式によって求められます

デイサービスの場合、介護保険が適用されるため、自己負担額はそれほど大きくはありません。ただ、それでも、頻繁に使うと、料金がかさむこともあります。念のため確認しておくとよいでしょう。

入所者が抱える大きなストレス、地域密着型特別養護老人ホームが取り除く?

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地域密着型特別養護老人ホームについて見ていきます。

比較的安い値段で利用できるうえに、症状の悪化によって退所となることがとても少ない特別養護老人ホームは、とても便利なものです。

しかし、この特別養護老人ホームに入所した人が、抱くストレスがあるのも事実です。それについてみていきましょう。

また、これらの解消策として有効とされている「地域密着型特別養護老人ホーム」についてもお話します。

1.特別養護老人ホームの入所者が抱えるストレスとは?

特別養護老人ホームに入所することにより、さまざまな変化がもたらされます。「環境の変化」というのは、特別養護老人ホームに限らず、大きなストレスとなってのしかかるものです。

1-1.住環境の変化

特別養護老人ホームは、「基本的には住み慣れた家にいて、そこから施設に通う」というものではありません。「住むところ」自体が変わるわけですから、住環境は激変します。

「引っ越し」は、うつ病のきっかけともなるほど、非常に大きなストレスになるものです。

特に、住み慣れた家を離れ、基本的には特別養護老人ホームで最期まで過ごすことになる、というのは、大変な精神的負担でしょう。

1-2.全く異なるコミュニティ

また、住環境の変化に伴い、コミュニティの在り方も変化します。今までは、「家族」「町内の人」が身近な存在であったのに対し、特別養護老人ホームでは、「スタッフ」「入所者」が身近な存在に切り替わります。人間関係の変化によるストレスも、決して軽視できません。

2.そもそも地域密着型特別養護老人ホームとは?

「特別養護老人ホームにおけるストレス」について触れました。しかし、施設に詳しくない人の場合、「そもそも特別養護老人ホームとは何?」という疑問が出てくるでしょう。これについてお話します。

2-1.地域密着型特別養護老人ホームの特徴

特別養護老人ホームは、「家での介護が難しい、中重度の人が入る施設」を指します。

住居型になっており、特段の事情がなければ、最期のときまでここで過ごすことができます。

認知症などにも対応しているため、実質的な「最期の居場所」として利用することができます。

地域密着型特別養護老人ホームは、特に「小規模であり、そこに住んでいる人を対象とした介護サービス」の一つとして、2006年に始まりました。

2-2.地域密着型特別養護老人ホームの入所条件

平成27年4月以降は、「基本的には、要介護3以上」の人が対象となりました。しかし、要介護1~2であっても、経済的な事情を含む、特別な理由があれば利用できます。

入所優先度は、経済的な状況や要介護のレベルなどから総合的に判断されます。

関連記事:入所難易度が高くなっている?特養老人ホームの入所条件とは入居困難な養護老人ホーム|入居条件とサービス内容について

2-3.地域密着型特別養護老人ホームの料金

公のサービスであるため、料金は安く、入居一時金は発生しません。毎月の費用も10万円~15万円程度です。

3.地域密着型特別養護老人ホームが果たす役割

上では、「地域密着型特別養護老人ホームの特徴」に触れました。ここから、地域密着型特別養護老人ホームの果たす役割も見えてきます。

3-1.住み慣れた地域での生活が続く

名前からもわかるように、地域密着型特別養護老人ホームは、住み慣れた地域で過ごすことのできる施設です。そのため、家族なども足を運びやすく、「まったく知らない土地」で過ごす、という恐怖感はありません。

3-2.小規模が可能にする家庭的なサービス

地域密着型特別養護老人ホームは、30人未満の人数で運営されています。このため、人間関係に慣れることには時間がかかるものの、それ以降は、家族的で家庭的な雰囲気のなかで過ごすことができます。

4.地域密着型サービスが持つ安心感

地域密着型特別養護老人ホームをはじめとする地域密着型サービスは、それ以外のサービスとは違い、「住環境は変化しても、その周囲は変化しにくく、慣れた街並みのなかで過ごすことができる」というメリットや、「人数が多すぎないため、家庭的な雰囲気で過ごせる」という安心感があります。

これは、地域密着型サービスの持つ、大きなメリットです。

5.まとめ

地域密着型特別養護老人ホームについて見てきました。

地域密着型特別養護老人ホームは、「その地域の人を対象としており」「30人未満で運営される」という特徴を持つ特別養護老人ホームです。そのため、住環境の変化や、コミュニティの変化を最小限に抑えることができます。

サービス付き高齢者向け住宅の防火管理は大丈夫?消防法における扱い

サ高住の防火管理

サービス付き高齢者向け住宅の防火管理について見ていきます。

2013年、長崎県のグループホームで火災が起き、4人の入居者が亡くなるという惨事が起きました。

このような火災によって介護施設に入居している人が犠牲になってしまう事例は過去にも起こっており、関係者の間では「またか」という思いを抱く人も多いとのこと。

先に紹介した事故はグループホームで起きた事故ですが、もし、サービス付き高齢者向け住宅で起きたらどう対処できるのかと疑問を抱いている人も多いかもしれません。

そこで、現時点における取り組みについて、こちらでご紹介していきましょう。

1.サービス付き高齢者向け住宅の消防法での扱い

サービス付き高齢者向け住宅の場合、まだ介護保険法における規定がありません。このため、居宅扱いにされます。また、高齢者住まい法の中では住宅と規定されるので覚えておきましょう。

一方、防火管理に関する法規である消防法の場合、建物の区分を一般住宅と共同住宅、福祉施設の3種類に分類されます。

ちなみに共同住宅は、いわゆる寄宿舎のような建物が該当します。消防法による分類と、そのほかの社会福祉法や介護保険法の分類とは必ずしも一致しません。

ここでは消防法に絞ってみていきますが、一般住宅と共同住宅に関しては、スプリンクラーの設置義務多防火管理者の配置、避難訓練の義務化といったルールはないので注意してください。ただし、福祉施設に関しては、スプリンクラーの設置などの規定はあります。

2.面積による問題

スプリンクラーの設置は、福祉施設すべてに義務付けられているわけではありません。

実は面積が275平方メートル以上でスプリンクラーの設置義務が出てきます。先に紹介した長崎県のグループホームの場合、面積が270平方メートルだったのでスプリンクラーの設置は法律上義務化されていませんでした。

これが原因となり、家事の規模を大きくし、犠牲者を出したのではないかという声も少なからず存在します。もし、防火管理のしっかりとしているサービス付き高齢者向け住宅に入居するのなら、面積がどのくらいかを確認しておくことが大事です。

自分の命を預ける場所といっても過言ではありませんので、しっかり吟味しておきましょう。

3.途中から福祉施設とみなされる?

サービス付き高齢者向け住宅に関しては、福祉施設に入れるかどうかで判断が分かれることもあります。もし、入居者が元気で自立した生活を送っている人ばかりで構成されていれば、共同住宅扱いになるでしょう。そうなるとスプリンクラーの設置義務は広さに関係なく除外されます。

ただし、消防の査察は届け出通りになっているかどうか確認するために、毎年行われます。年齢を重ねて要介護の入居者が多くなった場合には、福祉施設扱いにされるケースも見られます。そこでスプリンクラーの設置や防火管理者の配置などが新たに要求されることも少なくありません。このように消防署の判断で、その時々の現状に合った体制整備を指導されることは考えられます。

4.防火管理に関する今後の課題

スプリンクラーなど防火設備を完備すれば、入居者を火事から完璧に守れるかというと、少々疑問も残ります。特に要介護者の多いサービス付き高齢者向け住宅の場合、夜間に火事が発生した場合対処しきれないのでは、という指摘も出ています。

通常の介護施設と比較して、少ない人数で切り盛りすることが多いです。その少ない人数のときにもしも火事が発生した場合、すべての入居者を救えるのかが課題になるでしょう。

そこで注目されているのが、周辺地域との連携です。地域と連携して、常に協力できるシステムを構築しておけば、いざというときにスムーズな避難誘導が可能です。

加えて、入居者の死亡事故やスタッフによる虐待といった異変にもいち早く気がつけるはず。今後サービス付き高齢者向け住宅を利用する人も増えるでしょうから、地域全体でケアを行っていく姿勢が求められているのかもしれません。

5.スタッフに確認すること

もし、防火体制がどうなっているか気になるのであれば、見学した時などに職員に説明を求めることが大事です。

詳しく、どのような火事が起きたときに対応をしているのかの説明を求め、納得できたところに入居すべきです。セカンドライフを送る重要な拠点になるので、徹底して条件にこだわって探すことをおすすめします。

年齢を重ねてくると、どうしても足腰の衰えが隠せなくなります。このため、いざというときに迅速に行動へ移せないときも少なくはありません。

また、介護が必要な状態、具体的には車いすがないといけないとか、寝たきりの方など、事故が起きたときに逃げ遅れるリスクも高まってしまうでしょう。

6.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅の防火管理について見てきました。

サービス付き高齢者向け住宅のなかには、入居者の命を救うためのシステムを構築し、定期的に訓練を行って、職員への教育を徹底しているところも見られます。

コンロや電気器具からの出火のほかにも、たばこの不始末といったところが火災の原因として多いです。これらは入居者それぞれが注意していれば、リスクを低くすることも可能かもしれません。

しかし、放火やその疑いによる火事も、例えば、千葉県の2011年度のデータによると2番目に多く報告されています。放火は自分たちでは防ぎきれないので、予防対策がどうなっているかもしっかり確認しておきたいところです。