介護施設・シニア向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅の他施設との違いは?今後の課題とは?

サ高住の課題

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の他施設との違い、今後の課題について見て行きます。

かつて高齢者が安心して快適な生活ができるとされていた住宅は、制度の複雑化や介護サービスの不十分さなどにより、問題が多く取り上げられていました。

それを解消し、安心して快適な老後が送れるとされるサービス付き高齢者向け住宅には、大きな期待がかかっています。

ますます増えていくサービス付き高齢者向け住宅ですが、今後の課題とはどういったものがあるのでしょうか?

1.サービス付き高齢者向け住宅の現状

増えつつあると言われているサービス付き高齢者向け住宅ですが、現状ではどのくらいの数があるのでしょうか?

サービス付き高齢者向け住宅の数は、2013年2月の時点では、登録件数は3,143件、総登録数は100,925戸です。一方で特別養護老人ホームの数は、2011年1月の時点で施設数が6,638件、定員数が562,777名、有料老人ホームに関しては2011年7月の時点で、施設数が6,244件、定員数が271,286名です。

この数から見ても分かるように、サービス付き高齢者向け住宅の数はまだまだ少ないものです。

行政においては、特別養護老人ホームの不足分をサービス付き高齢者向け住宅で補充しようとしています。目標としては2025年までには60万戸が目標でしたが、さらに改修や建て替えも含め100万戸に増大させるとも言われています。

2.サービス付き高齢者向け住宅は費用が高い?

有料老人ホームと違い、サービス付き高齢者向け住宅は費用が安い、という印象を持っている人も少なくないのでしょう。確かに、初期費用がかからない住宅もあり、月額にかかる費用も15~25万円です。

賃料は地域によって違うこともあり、都心部に近くなれば高くなります。中には月々に50万円ほどかかるケースも。

現在の年金受給額を見てみると8割の人は年に200万円未満です。その金額では月々に20万円もの支払いは簡単ではありません。現在住んでいる場所が都心であれば、住み慣れた地域で探すのは難しいでしょう。そうなると、賃料が安い地方の住宅を探さなければなりません。

3.認知症の人は受け入れが難しい?

サービス付き高齢者向け住宅の中には、認知症の方でも入居可能な住宅もあります。それは認知症のケアに対する環境が整っているところに限り、現在ではその数は多くはありません。基本的に認知症の方は入居ができない、または入居できても症状が悪化したり、居住者とトラブルなどがあったりした場合は退去しなくてはなりません。

認知症の行動として、暴れたり、徘徊したり、幻覚やせん妄などの症状があると、共同生活が難しくなるため、通常のサービス付き高齢者向け住宅では受け入れが困難なのです。

また、認知症だけでなく、糖尿病などの持病を持っていると、入居できないケースもあります。認知症や糖尿病は年を重ねると増えてくる病気です。そのような疾患を持つ人も多く、さらに増えていくとされている現在、受け入れてくれる住宅が増えることも必要です。

4.住まいだけの役割ではない住宅を

バリアフリー構造を整え、生活しやすいとされるサービス付き高齢者向け住宅ですが、目的としては自立した老後を送ることです。自立した生活を送ることで、体を動かし、他人とコミュニケーションを取ることで、認知症などの予防や介護が必要ない身体づくりをすることも大切。そのためには、事業者は住まいを提供するだけでなく、入居者が社会や地域とコミュニケーションを取れるような組織を作ることも必要とされます。

住宅の整備も大切ですが、入居者が孤独にならず社会や地域とつながりを持てるサポートをすることも今後の課題の一つと言えるでしょう。

5.補助金目当ての悪徳業者に注意

サービス付き高齢者向け住宅を増やすために、国からは新築したり、改修したりするための補助金や融資などを設けています。しかし、中には補助金目当ての業者も出てくる危険性もあります。

それは施設基準やサービス内容などの基準もあいまいな点が多いことが、理由の一つです。登録基準は定められていていますが、内容に関しては事業者ごとに異なり、事業者ごとの基準になっていることも多く、そのせいで本当に必要とされるサービスが提供されていない、などといった問題も出てくると言われています。基準に関するより明確な指針が必要となってくるでしょう。

補助金を目当てとしている業者が運営するサービス付き高齢者向け住宅などを選ばないためにも、入居者はしっかりと選択する目を持つことが大事です。

現在サービス付き高齢者向け住宅を運営している業種もさまざまで、事業者の方針もいろいろです。そのため、サービス内容や建築、環境などにおいてさまざまな違いがあります。それぞれに特徴がありますので、それをしっかりと確認し、自分に適切かどうかを見極めることが必要となります。

6.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の他施設との違い、今後の課題について見てきました。

登録基準がしっかりと守られていることは当然ですが、さらに入居者のためにどのようなサービスを提供してくれるのか、緊急の時や介護度が変わった時の対応はどうか、など内容を確認し、後悔のない住まい選びをしたいものですね。

サービス付き高齢者向け住宅とケアハウス、グループホームを比較する

ケアハウスとグループホーム

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とケアハウス、グループホームを比較して見て行きましょう。

60歳以上の方が快適に老後を送れる住み家としては、いろいろな選択があります。

中でも需要が多く、戸数が増えているサービス付き高齢者向け住宅にはさまざまなメリットがありますが、それが最もよい選択になるとは限りません。

老後を安心して暮らすための住まいは、以前よりも整備されてきました。ケアハウスやグループホームなども、より快適に生活できる整備が整ってきています。

住宅や施設の内容が類似していてもすべてが同じとは限らないので、自分の身体的なことや将来的なことを見据え、適切な選択をすることが望ましいです。

1.ケアハウスの特徴とメリット

ケアハウスとは1990年に新設されや施設で、経費老人ホーム(C型)と言われる施設です。全室が個室で食事の提供があり、体調や年齢に応じた食事が提供されます。

個室という点でプライバシーも確保され、食事の提供もあり、快適な生活を望める住まいと言えるでしょう。

現在では居室にトイレやキッチンなどが設置されているものもあります。共同設備としてレクリエーション設備なども整備されていることも。

2010年4月には「都市型経費老人ホーム」の設備・運営基準の法改正により、施設の定員が20名以下となり、必要な居室面積も21.6平方メートルから7.43平方メートルになりました。

これにより、ますますケアハウスも増えていくと思われます。

1-.1ケアハウスの選び方

ケアハウスに入居できるのは、60歳以上の個人、または夫婦のどちらかが60歳以上で、家庭の事情などにおいて宅で生活できない方が対象となります。基本的に自立して生活出来る人が対象となりますが、介護が必要となった場合には、サービス付き高齢者向け住宅同様、個人で居宅介護支援事業者と契約することができます。

ただし、認知症などを患い、他の入居者との間にトラブルなどが起こることが予想される場合は、転居しなければならないこともあります。

1-2.ケアハウスの種類

ケアハウスには自立型だけではなく介護型ケアハウスがあります。介護型においては、入浴や食事の介助、機能訓練、高度な医療ケアに対応する施設もあります。

自立型では介護が上がると転居しなければならないことがありますが、介護型であれな、重度の介護状態になった場合でも継続して入居することが可能です。介護型の場合は、65歳以上で要介護度1以上の認定を受けていることが入居対象となります。

どのようなケアが受けられるのか、施設によって異なるので、詳細は確認が必要です。

2.グループホームとは?

認知症高齢者グループホーム、認知症対応型共同生活介護と呼ばれる施設がグループホームです。入居できるのは要介護認定を受けている認知症患者です。

グループホームでは、認知症に対する専門的知識を持つスタッフが、共同生活を送る中で自立に向けて症状の改善を図るためのサポートをします。グループホームでは、介護や機能訓練、レクリエーションなどのサービスを提供する施設です。

少人数に対する対応をするため、一人ひとりへの配慮が行き届くのがメリットです。

認知症に関する専門的なケアを受けることができるのも魅力。ただし、症状が進行し共同生活を営めなくなった場合や、長期間に渡す医療が必要となった場合は退去しなければならないこともあります。

関連記事:グループホームとはどんな施設なのか?8つのポイントから解説

2-1.認知症ケアの難しさ

認知症の人というのは一見、健常者のようで身体的には自立した生活をしていても、時に驚くような行動を取ることがあります。

徘徊や不眠、独り言、せん妄、幻覚、昼夜逆転、虚飾、興奮、抑うつ、不潔行為などの行為によって、共同生活ができなくなることもあるのが、認知症の人やその同居者の悩みです。

サービス付き高齢者向け住宅においては、認知症の人を受け入れているところもりますが、そういった行動により、退去せざると得なくなることもあるのです。

サービス付き高齢者向け住宅においては、認知症患者を受け入れていないところもありますが、積極的な受け入れをしているケースもあります。

そういったところでは、認知症患者のエリアを設け、認知症に対する専門的なケアを提供しています。適切なケアにより、自立を促すサポートをしているのです。

グループホームはまだ施設の数が少なく、すぐに入居できるとは限りません。

その場合には、一時的にでも認知症患者の受け入れを行っているサービス付き高齢者向け住宅を探し、そこを利用しながら、専門的なケアをしてくれるグループホームの入居を待つ、という方法もあります。

どういった住まいが一番適切なのか、というのは身体状態によっても異なります。

また、体は変化していくものですから、病気になり要介護度が上がったり、認知症が発症しさらに進行してしまうことも考えられます。

そうなった時に、どのような対応をしてくれるのか、という点も住まい選ぶにおいては大切なこと。

サービス付き高齢者向け住宅のように、制度が整えられ快適な老後を送れる住宅が増えているとともに、ケアハウスやグループホームなどにおいても、整備が進められています。

それぞれの特徴を知ることで、選択の幅も広がるでしょう。

3.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とケアハウス、グループホームの比較を見てきました。

介護施設選びの検討材料としてお役立て下さい。

サービス付き高齢者向け住宅の運営基準は運営事業者によって異なる?

サ高住の運営基準

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の運営基準について見て行きましょう。

サービス付き高齢者向け住宅を運営するには、事業者が守らなければならない運営基準があります。

もちろんその基準を満たしていない事業者サービス付き高齢者向け住宅の登録をすることができませんし、行政の立ち入り検査などにおいて基準を満たしていない場合は、登録の取り消しなどもあります。

また、運営基準を満たしているからといって、すべてが優良なものかどうかは判断しにくいものです。後悔しない選択をするためにも、運営面における判断もポイントとなるので、入居前の確認が大事です。

1.サ高住の安否確認と生活相談サービスの内容

サービス付き高齢者向け住宅の「サービス」にあたる、居住者の「安否確認」と「生活相談サービス」。これらの内容については基準というものがなく、それぞれの事業者によってさまざまです。

多くの事業者では定期的に居室を訪問するという内容が多く、1日に3回、という頻度で行われていることが多いようです。緊急時の対応に関しては、救急車による搬送のほか、主治医や契約している医療機関への通報、または自ら医療機関に搬送するということも。

生活相談に関しては、介護に関する相談が多いようです。ほかには医療や日常生活に関すること、他の入居者との人間関係や家族に関する悩みも多いようです。

生活支援サービスは、事業者によってさまざまな違いが出てくるものです。通院への付き添いや買い物の代行、清掃代行、ゴミ出しなどを実施しているところも多いようです。

2.サ高住の職員体制について

サービス付き高齢者向け住宅においては、ケアの専門家が最低でも日中に常駐して、安否確認と生活相談サービスを提供するということになっています。

ケアの専門家というのは、社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業所などの職員、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、介護職員初任者研修課程修了者のことです。日中の配置人数としては1人が多いようです。中には3人の配置をしている事業所もあります。

3.独自の運営基準

地域によって運営基準に違いがあります。特に東京都では「高齢者の住居の安定確保に関する法律に規定する基準」のほかに、さらに強化している基準があります。

サービス付き高齢者向け住宅の安否確認サービスと生活相談サービスのほか、救急時対応サービスを実施すること。また、虐待や権利利益の不当な侵害を防止するための対策を講じること、などが決められています。

また緩和している基準もあります。一つは各住戸の面積基準を25平方メートル以上から20平方メートル以上に、また、常駐する資格として、国が定めている資格を有するものに加えて、高齢者向け住宅において生活援助員などの業務に2年以上従事し、入居者への適切なサービスを行うことができると認定された者でも可とする、といった基準になっています。

4.サービス付き高齢者向け住宅を運営するさまざまな業種

サービス付き高齢者向け住宅を運営しているのは、医療・介護関連の事業所だけではありません。電気関連の企業や鉄道会社、不動産会社、建設会社、コンサルティング会社などさまざまな業種が、サービス付き高齢者向け住宅の運営に着手しだしています。

サービス付き高齢者向け住宅の運営基準は業種によっても異なります。特徴的なのは、介護関連の事業所では介護サービスが充実しているところが多く、介護の質も期待できるでしょう。自立よりも介護を重要視していることも多いです。

医療関連の事業所は、さまざまな医療行為に対応しているのがメリットです。医療法人などにおいてバックボーンがしっかりしていて、安心感があります。

不動産会社や建設会社関連においては、住宅の質が高いことが多くあります。部屋も広く、生活しやすい設計となっているところが多いと言えます。

このようにサービス付き高齢者向け住宅は、運営する業種によって、運営方針やサービス内容、どのような点に重点を置いているか、などに違いが出てきます。それぞれの事業者の経営理念や方針、サービス付き高齢者向け住宅に関する考え方なども確認することで、自分に合ったサービス付き高齢者向け住宅を選ぶことができるのではないでしょうか。

かつての65歳以上の方を対象にした住宅においては、基準もあいまいでサービス内容も統一されず、介護支援に関しても義務化されていなかったため、充実したサービスを受けることができない住宅が少なくありませんでした。そういったことからトラブルも後を絶たなかったものです。

それらを改善し、作られたのがサービス付き高齢者向け住宅ですが、運営基準はしっかりとあるものの、内容に関しては事業者によってさまざまです。近年においては、医療や介護関連だけではなく、さまざまな業種が参入し、いろいろな方針や考え方においてサービス付き高齢者向け住宅の運営をしています。それぞれには特徴があり、それぞれメリットやデメリットもあります。運営方針や内容などをしっかりと確認し、自分に合った住宅を見つけることをお勧めします。

5.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の運営基準について見てきました。

入居の検討の際には、事前によく利用者などの声や情報を集め、必ず見学して確認することが重要そうですね。

サービス付き高齢者向け住宅ができた背景とは?超高齢化社会の現状

できること

超高齢化社会の現状、そしてサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のできた背景について見て行きましょう。

「高齢者住まい法」の改正により、60歳以上の方が安心して、安全に暮らせる賃貸住宅がつくられるようになりました。

それがサービス付き高齢者向け住宅です。低料金でサービスも充実している特別養護老人ホームの入居待ちをしている人は50万人以上という現状の中、その希望となるのが、サービス付き高齢者向け住宅です。

こちらでは、このような住宅が必要とされている背景について見ていきましょう。

1.超高齢社会化が進む日本

超高齢社会を迎えている日本では、2025年には65歳以上の人が3600万人を超え、総人口に占める65歳以上の割合は30%を超えると言われています。

1-1.60歳以上のみの家庭が増えている

さらに、核家族化が進んでいる中、60歳以上の人が一人で、または夫婦だけで生活しているケースも少なくないのが現状です。正常に生活ができているうちはまだよくても、誰でも年を取れば体の自由がきかなくなり、買い物にも行けなくなります。

日常生活においても食事の支度や洗濯、掃除などをするのも簡単ではなくなるでしょう。それは食事の宅配サービスなどの利用が増えていることからも分かることです。

1-2.家族だけで支えきれない介護状態の人が増えている

さらに、加齢や病気などで、介護が必要になってくるケースもあります。しかし、夫婦や家族だけで介護をするのは精神的にも身体的にも限界があります。そういった中、介護施設や老人ホームなど、居宅系の住まいに移る、という選択肢がでてくるでしょう。

2.人気が集中している特別養護老人ホーム

家族に迷惑をかけずに心身の安全を守ってくれて、安心して生活できる住み家が欲しい、という希望を叶えてくれる住まいにはさまざまな種類があります。

しかし、要介護2までしか入居できない、賃料が高いなど、条件が合わずに入れないことも多いもの。その中で人気が集中しているのが、特別養護老人ホームです。

2-1.特別養護老人ホームの人気の理由は安さ

特別養護老人ホームの人気の理由の一つは、費用の安さです。公的補助がでる特別養護老人ホームでは、居住費、食費、介護保険の自己負担費用などを含めて10万円程度です。有料老人ホームなどと比べると、非常に低料金で、入浴や食事、排せつなどの介助、健康管理、緊急時の対応などのサービスも充実しています。さらに、介護度の高い人でも入れるというのも魅力ですよね。

2-2.入居待ちは50万人超

しかし、魅力的な施設は人気が出て当然です。入居待ちは全国で約52万人。早くて1年、長いと11年も待たなければ入居できない、というのが現状なのです。

3.受け皿となるサービス付き高齢者向け住宅

上記のように、11年も入居を待つのはどう考えても無理があります。そこでこういった人たちの受け皿の一つとなるのが、サービス付き高齢者向け住宅。

3-1.これまでの高齢者向け住宅

しかし、今までも60歳、65歳以上の方が入れる住宅はありました。高齢者の入居を拒まない高齢者円滑入居賃貸住宅、65歳以上の方を対象にした高齢者専用賃貸住宅、バリアフリー構造などを設置し快適で住みやすい環境を整えた高齢者向け優良賃貸住宅といったものがあったのです。しかし、これらの住宅は制度が複雑でトラブルが多く、バリアフリーなどの環境が整っていない住宅が多い、生活支援サービスなどの義務化がなかったことで、介護や医療との連携が取れていないことなどが問題となっていました。

3-2.いままでの問題を解決するためにうまれた

そういった問題を解消するために、高齢者円滑入居賃貸住宅、高齢者専用賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅を廃止し、一元化したものがサービス付き高齢者向け住宅なのです。

4.増加するサービス付き高齢者向け住宅

有料老人ホームでも、条件が整っていればサービス付き高齢者向け住宅に登録することが可能です。なかでも6万戸あったとされる高齢者専用賃貸住宅などが進んで登録しているようです。

さらに住宅を新築したり、条件に見合った住宅に改修する場合は補助金が出たり、融資が受けられたり、税制の優遇措置があることなどから、医療法人をはじめ、不動産や介護サービス企業などによる登録が増えています。そういった背景において、サービス付き高齢者向け住宅は着実に数を増やしています。

入居者の安否確認が行われること、生活相談などのサービスを提供すること、バリアフリー構造などの環境を整えること、といった条件があり、費用も高くないと言われているサービス付き高齢者向け住宅は、安心して生活ができる住宅です。今後もその数は増えていき、多くの方の受け皿となるに違いありません。

しかし、基本的な条件はあるものの、事業者によって提供される設備や環境などにはさまざまな違いがあります。特にサービスの提供においては、介護サービス施設などが併設されているものもあれば、外部と契約をしなければ受けられないサービスがあるなど、さまざまです。もちろん、費用や支払い方法なども異なります。

5.まとめ

超高齢化社会の現状と、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のできた背景について見てきました。

後悔しないためにも、自分に必要な介護サービスを認識し、それが利用できる住宅を選ぶ必要があります。安心して長く住むことができる住宅が増えているのは非常にうれしいことですが、選択を誤らないように、事前に内容や状況をしっかりとチェックするようにしてくださいね。

グループホームにかかる費用はどのくらい?

グループホーム

「自宅で過ごす老後」というのも素晴らしいものですが、安心・安全で何かあったときにすぐ対処してもらえるグループホームでの老後もよいものです。

グループホームで過ごすときに気になるのが、「お金」の問題です。いったいいくらくらいかかるのか、年金でまかなえるのかなど、不安はつきませんよね。

ここでは、「グループホームとは何か」と、「グループホームにかかる費用」についてみていきます。

1.グループホームとは?

「認知高齢者グループホーム」「認知症対応共同生活介護」が「グループホーム」と呼ばれることもあります。認知症の人が共同で生活を行うための施設の一般的な用語として使われているものです。

ただし、グループホームのなかには、精神障害者を対象としたものもあります。また、グループホームというのは法律的な名称ではないので、一般的なケアハウスを「グループホーム」と呼ぶというケースもあります。

つまり、「認知症対応共同生活介護」は「グループホーム」に含まれますが、「グループホーム」という呼称は精神障害の方の施設やケアハウスにも使われる、ということです。

ただここでは、より一般的な「認知症対応共同生活介護」の方を指して「グループホーム」と呼んでいきましょう。(それ以外の共同生活施設に触れるときは別途記載します)

関連記事:グループホームとはどんな施設なのか?8つのポイントから解説

2.グループホームの費用内訳

グループホームへの入居を検討する際に気になるのが、やはり「費用」ではないでしょうか。入居時のみかかる費用や、毎月継続でかかるものがあります。それぞれについて、わけてみていきましょう。

2-1.入居金(初期費用)

グループホームは入居前(入居時)に、一時金や保証金が発生するのが一般的です。

2-1-1.入居一時金

入居一時金は、入居時に発生するものです。施設によっても違いはありますが、10万円~100万円の間くらいが多い傾向があるようです。

2-1-2.保証金

保証金も入居一時金と同じで、入居時に発生します。この2つを別々の項目にわけているグループホームもありますが、同じような意味で使っていることもあります。場合によっては、入居していた期間に応じて、退却時に返却されることもあります。

保証金にしろ、入居一時金にしろ、これらには共通の一定のルールがあるわけではありません。同じ言葉を使っていても意味合いが違うこともあるので、確認は必要です。

2-2.月額費用

グループホームは、「入居のときに一度お金を納めてしまえば終わり」というわけではありません。アパートやマンションのような賃貸住宅をイメージしてもらえばわかりやすいのですが、グループホームの場合は「場所を借りる」というのが基本にあるため、毎月費用が発生します。

2-1-2.居住費

居住費はイメージしやすいと思います。「そこで生活をするために必要なお金」です。健康な人であってもアパートを借りれば、水道代や電気代といった光熱費、それから家賃がかかりますよね。

これは一概に「◯◯円」と決められるものではありません。一般的なアパートやマンションでも設備や立地によって費用がかわるように、グループホームでも、施設によって違いがあります。ただ、一般的には、10万円~30万円程度が多いようです。

2-2-2.食費

グループホームとアパートには違いもあります。それが「食費」です。グループホームの場合、その人の体調や介護状況に応じて、メニューが決められます。基本的には朝昼晩の3食がでますが、これも施設によって違います。

2-2-3.介護サービス費(介護保険一時負担金)

グループホームとアパートでは共通点もあれば相違点もあります。そのなかでもっとも大きいのは、この「介護サービス費」でしょう。グループホームに入居している人の多くは、なんらかの支援を必要としています。そのため、介護サービス費が発生します。

これは、介護の状態や地域によって金額に変動があります。土地代が高いところなどは、介護状況による算出に加えて、最大で20%の金額が上乗せされます。しかし国からの補助を受けられて自己負担金額は1割になりますから、地域差や介護状況による差を加味しても、1か月あたり15900円~28728円です。

2-3.その他

その他、おむつの費用や美容院代などがかかることもあります。

3.グループホームで毎月かかる費用の例

仮に、月額費用(居住費+食費)が15万円だと仮定しましょう。

また、介護状況は「要介護3」で、大阪(16%の上乗せ)に住んでいると考えます。また、「その他の費用」として100-0円が発生するとします。

これらの条件で計算すると、毎月かかる費用は以下のようになります。

月額費用15万円+1000円+要介護3のときの1か月の介護報酬199800×1.16×自己負担額0.1=174177円(小数点以下四捨五入)

4.グループホームでの費用の違いの理由は?

「それほど金銭的な余裕がない」という人の場合、グループホームごとに違う費用の理由を知りたい、と思うはずです。ここからは、「なぜグループホーム間で費用に違いが生じるのか?」ということを見ていきましょう。

4-1.地域・立地

グループホームの費用は、地域や立地によって影響をうけます。ここには2つの理由があります。

まず一つ目は、一般的なアパートやマンションのような価値観からの理由です。一概には言えませんが、基本的には、便利なところにある施設の方が高い傾向にあります。

もう一つは、グループホームならではの話です。一つ目の理由は、「一概に言えない」としましたが、こちらの理由の方は厳密に定められています。

「グループホームで毎月かかる費用の例」では具体例に触れましたが、介護サービスは地域によって「介護度に料金が上乗せされる」という仕組みがあります。

もっとも高いのが東京23区であり、一般的な介護度に20%の上乗せ料金が発生します。

続いて、東京の狛江市・多摩市、神奈川の横浜・川崎市、大阪府の大阪市などが16%の増額となっています。

4-2.設備

また、グループホームによって設備も違います。ホテルなどと同じで、設備が整っていれば整っているほど、費用は高くなる傾向にあります。

4-3.スタッフの充実

利用者が認知症であるという関係上、グループホームに求められる人員基準は非常に厳しいです。

1人の介護職員が3人の利用者を受け持っています。また、夜間にも必ず1人以上の介護職員が在籍します。

加えて、認知症介護についての経歴が3年以上あるもの、厚生労働省の指導を受けた計画作成担当者が必要です。

これだけでもかなり充実した内容ですが、スタッフと利用者の割合を1:2にするなどの措置をとっているところなどですと、人件費はさらにかさむでしょう。

4-4.その他

上であげたのは代表的なものです。そのほか、食事の充実などによって料金が変わることもあるでしょう。・

5.入居前に考えたい資金計画

ここまで、グループホームに必要な費用についてみてきました。

しかし、単純に、知識だけをため込んでいても、実際に自分の身に置き換えてみると大きなずれが生じてしまった、というケースもあります。

5-1.資金計画表

このような「ずれ」を防ぐために大切なのは、資金計画表を実際に作ってみることです。

5-2.初期費用の確認

そして最後に、初期費用を今一度確認してください。初期費用はもっとも大きな出費となるからです。一時金などのところは、納得がいくまで問い合わせるとよいでしょう。

5-3.月々の収入と支出の確認

「グループホームに払う金額をねん出できるか」ということを考えるのも大切です。

国民年金制度は高齢化社会によってゆらぎつつありますし、もらえる金額は決して多くはありません。

貯金ゼロの状態でグループホームに入ることになると、早々に破綻するでしょう。このため、「月々の収入」と「支出」のバランスをとることも大切です。

「まだ入る段階ではない」という若い世代の場合でも、「今後いくら貯めればいいのか」を知るためにも、資金計画を立てることをおすすめします。

6.まとめ

誰もが住みやすく、誰もが安心して生活を送れるために利用するグループホーム。

それぞれのグループホームで費用は大きく違います。

経済的な不安も払しょくするために、しっかりと入居計画を立てたいですね。

介護施設と高齢者住宅にはどんな種類がある?代表的14タイプまとめ

介護施設の種類

「老いてからはどこに住むか」という選択肢は、現在では非常に多くなっています。

今回は、代表的な14種類の介護施設について特徴をまとめました。

それぞれについてみていきましょう。

1.「老後の住まい」としての施設・住宅

老後の住まいは、介護に特化したものから、シニア向けに工夫が凝らされた住宅まで、多岐にわたります。

介護の状況やライフスタイルにあわせて選びたいところです。

2.代表的な14種類の介護施設・高齢者住宅

特に代表的な14種類の介護施設・高齢者住宅について考えていきましょう。

2-1.老人ホーム

「老後の住まい」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのがこの選択肢ではないでしょうか。しかし、一口に「老人ホーム」といっても、実はその種類はさまざまです。

2-1-1.有料老人ホーム

これはその名前の通り、有料の老人ホームです。基本的にはどのような団体が運営しているものであれ、費用は発生します。

しかし、一般的に、「有料老人ホーム」といった場合は、民間業者が運営しているものを指します。

2-1-1-1.①介護付き有料老人ホーム

認知症にも対応できる、介護付きの有料老人ホームです。

介護レベルが重度であっても入ることができ、しかも希望すれば比較的簡単に入ることができます。

ただし、料金は少々高め。

2-1-1-2.②住宅有料老人ホーム

軽度の認知症までは対応できたり、中程度の介護度には対応してくれたりするものです。

介護者が常駐しないため、費用は「介護付き有料老人ホーム」よりは若干お買い得。

その一方、症状が悪化した場合は、退去などを迫られることも。

2-1-1-3.③健康型有料老人ホーム

介護がまったくなされないわけではありませんが、基本的な考え方としては、「家事などの煩雑なことをスタッフに任せられる」というものがあります。

スポーツジムなどの設備が整っており、食事の世話などもしてもらえるため、どちらかというとホテルのイメージに近いかもしれません。

費用が高めですが、この形式の場合、「介護を必要としないこと」が基本となるため、重度の介護状態になってしまうと、退去が求められます。

2-1-2.軽費老人ホーム

民間ではなく、自治体などによって管理されている老人ホームです。

民間とは違い、補助金を受けることができるため、安い料金で利用できます。

2-1-2-1.④軽費老人ホームA型

軽費老人ホームは3つの種類があります。

いずれの場合でも、民間の有料老人ホームに比べればかなり割安です。

「A型」の方は、生活の見守りに加えて、食事の世話をお願いできます。

2-1-2-2.⑤軽費老人ホームB型

A型の場合、食事の世話をスタッフが行います。しかしB型の場合は、自分で賄うことになります。

その分、月額費用がとても安く、A型の費用の25%~50%で利用できます。

2-1-2-3.⑥軽費老人ホームC型(ケアハウス)

軽費老人ホームのなかでも、「ケアハウス」に分類されるものです。

一般型(自立はしているものの、一人で生活するには少し不安が残る人を対象とするもの)と介護型に分けられていますが、いずれも費用は安く、月額利用料は7万円~20万円程度です。

2-2.介護保険施設

日常生活において、何らかの手助けが必要となる人が主に利用する施設です。

2-2-1.⑦介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

介護度が進んでも退去を求められることなく住み続けられるのが、この「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」です。

なかなか入居できない代わりに、一度入ってしまえば長く利用することが可能です。

人生の最後の居場所としての利用価値が高く、初期費用も発生しません。

2-2-2.⑧介護老人保健施設

重度の介護が必要となる人であっても受け入れてもらえるのが最大のメリットです。

介護老人福祉施設同様、入居金は必要ありません。

また、医学的なケアもしっかりしてもらえる上に、利用料金は安いです。

ただし、3か月に1度というとても短いスパンで入居継続の可否が決められるため、長期の利用は難しいでしょう。

2-2-3.⑨介護療養型医療施設

重度の介護が求められる人でも入居可能です。

ただし、ここはあくまで「療養のための」施設であり、位置づけとしては「医療機関」にあたります。

医療機関である以上、状態が改善すれば退去する必要があります。

「病気で入院していたけれど、居心地がいいからずっといたい」というのはできない、と考えるとわかりやすいかもしれません。

2-2-4.⑩介護療養型老人保健施設

介護療養型老人保健施設はしばしば、「新型老健」とも呼ばれます。

流動食を管を使って摂取したり、痰を吸い出したりといった行為が可能です。

介護療養型医療施設との違いは、介護療養型老人保健施設の場合、「病院に入り、専門的な治療を必要とするほどではない人を対象としている」というところにあります。

2-2-5.認知症グループホーム

「グループホーム」という名称はさまざまなところで使われている単語ではありますが、主に認知症の方を対象とした施設を指すことが多いようです。

対象者が認知症の人なので、それに対する手厚いフォローが望めます。

認知症に関する知識なども豊富なスタッフがそろい、安心して任せられるでしょう。

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2-3.⑫シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは便宜上の呼び方であり、明確な定義が存在するものではありません。

ただ、いずれの場合でも、「高齢者にとって住みやすいかどうか」を念頭に作られています。

家事を委託できたり、設備が整っていたりするため、要支援の段階の高齢者には住みやすいでしょう。

また、今まで紹介してきた施設とは違い、分譲型であるため、「資産」として運用することが可能です。

しかし、重度の介護には対応していないケースが多いです。

2-4.賃貸住宅

「シニア向け分譲マンションは確かにいいんだろうけれども、そんなお金はない」という人におすすめなのが、賃貸住宅です。

高齢者を対象としたものは、賃貸住宅であっても、高齢者が住みやすいようにという理念のもとで作られています。

2-4-1.⑬シルバーハウジング

シルバーハウジングは、公営住宅のうちの一つです。

バリアフリーになっているほか、緊急通報装置なども用意されています。

サービスに関しては、それぞれ特色があります。

デイサービスなどのような介護サービスを受けられるものもあれば、安否確認や「何かあったときに連絡したりサポートしたりする」という程度にとどまっているものもあります。

基本的には「介護施設」の位置づけではないので、要介護の度合いが進んだ人の場合は難しいでしょう。

また、「医療機関」でもないため、病院のような治療は受けられません。

2-4-2.⑭サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、非常に新しい考え方です。

このサービス付き高齢者向け住宅の登録が始まったのは、平成23年の10月です。

国土交通省と厚生労働省がとりまとめている「高齢者住まい法」によってスタ-トしました。

このサービス付き高齢者向け住宅は、

  • 25㎡以上の広さであること(例外はあります)
  • 基本的に、台所や水洗トイレ、バスルーム、洗面スペース、収納スペースが専有部分にあること
  • 手すりが備え付けられていたり、段差がない床になっていたりするなど、バリアフリー構造になっていること
  • 安否確認及び生活に関する相談を受けられるサービスがあること
  • 専門家が建物内にいること(夜間は任意)
  • 敷金や家賃、サービスに関する対価以外は発生しない
  • 入居後3か月以内に退去や入居者の死亡があった場合、前払い金が返還されること

などの条件があります。

費用は設備によって大きく異なります。安いところから高いところまであるため、一概に「安い」とも「高い」とも言い切ることができません。

ただ、料金面でも選択肢が多いのは嬉しいポイントです。

このタイプの住居の場合、「サービスは受けられるけれども、そのサービスはあくまで『訪問介護』のレベルにとどまる」ということは覚えておかなければなりません。

常に介護スタッフがいて、きめ細やかな対応を望めるか、というとそうではありません。

これは、シルバーハウジングにも共通しているデメリットであり、シニア向け賃貸住宅の特徴と言えます。

3.まとめ

「老後の住居」というのは、主に14の種類に分けられます。

それぞれ特徴とメリット・デメリットがあるので、慎重に選ぶようにしましょう。今現在の状況も大切ですが、「今後のこと」や「費用」も考えて、後悔のない選択をしたいものです。

サービス付き高齢者住宅の概要とは?どのような制度から生まれた?

サ高住の制度や概要

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の制度と概要について見て行きましょう。

有料老人ホームは高い、サービス付き高齢者向け住宅は要介護度が高いと入居できない、または認知症の人は入れない、などといった印象を持たれている方も多いでしょう。

しかし、有料老人ホームにも低価格のものはありますし、サービス付き高齢者向け住宅であっても、介護サービスを手厚くしている所や認知症の人のことを考えた環境を整えているところもあります。

イメージだけにとらわれず、制度や概要について、よく把握することも大切なことです。

1.サービス付き高齢者向け住宅ができた経緯

年を重ねると身体の自由がきかなくなったり、転倒などが原因でケガをしたり、起き上がれなくなったりすることもあります。一人で、もしくは夫婦だけで生活をするのは、不安がつきまとうもの。そういった人たちが安心して住める住宅への需要が高まっているのが、日本の現状です。

そういった現状を改善するために、「高齢者住まい法」の改正によって生まれたのが、サービス付き高齢者向け住宅です。

サービス付き高齢者向け住宅は、国土交通省・厚生労働省が所管する「高齢者住まい法」に基づく制度で、介護・医療と連携し、60歳以上の方が安心して生活できる要素を組み込んだ賃貸住宅です。

これまでも高齢者向けの住宅というのは存在していました。しかし、介護が必要となった場合に住み替えが必要だったりするなど、医療・介護事業者との連携がうまくできていなかったのが現実です。

行政の指導も行き届かず、さまざまなトラブルが発生していました。住まいの制度が複雑であったことも、トラブルの原因と言えるでしょう。

そういった問題を改善するために「高齢者住まい法」の制度が改正され、サービス付き高齢者向け住宅ができたのです。

2.「高齢者住まい法」制度の内容は?

サービス付き高齢者向け住宅の特徴は、身体のことを考えたハード面と安心して暮らせる見守りサービスです。

施設面においては段差のない床、手すりの設置、車いすなどを使うにあたって不自由さがない廊下の幅の確保などといったバリアフリー構造であることが一つ。

また、各専用部分の床面積が、原則25平方メートル以上であること。ただし居間や食堂、キッチンそのほかの住宅の部分が共同して利用するため十分な面積を有する場合は18平方メートル以上です。さらに各専用部分に、キッチン、水洗トイレ、収納設備、洗面設備、浴室を備えたものであること、といった条件があります。

安心して生活できるためのサービスというのは、安否確認・生活相談サービスを入居者全員に行うこと、ということ。

社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所などの職員、医師や看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、介護職員初任者研修課程修了者といったケアの専門家が行ってくれます。

サービス付き高齢者向け住宅には、さらにこういったサービスの他、医療・介護・生活支援サービスが併設されているケースもあります。

また、長期入院を理由として事業者から一方的に解約ができない、敷金や家賃、サービス対価以外の金銭を徴収しないなど居住者が安心して住むことができる契約をすることが定められています。

3.サービス付き高齢者向け住宅登録事業者に対する制度の概要

サービス付き高齢者向け住宅の登録事業者に対しても、さまざまな義務を課しています。誤解を招くような広告をしないこと、契約を結ぶ前にサービスの内容や費用について書面を用意し、説明すること、登録事項の情報開示、契約に従ったサービスを提供すること、などが義務付けられています。

行政は事務所や住宅への立ち入り検査をし、業務に関して改善する点について指示をしたり、もし違反や登録基準に不適合の場合には登録を取り消したりすることもあります。

また、サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進するため、住宅の供給者には融資や補助などの制度もあります。住宅や施設の建設、改修などに対する補助を民間事業者、医療法人、社会福祉法人、NPOなどに国が直接行います。

もちろん、サービス付き高齢者向け住宅として10年以上登録する、必要となる家賃が近傍同種の住宅とあまりにかけ離れていない、などといった条件をクリアしていなければなりません。他にも、融資の実施、税制における優遇措置もあります。

核家族化が進み、60歳以上の方が一人で住んでいる、夫婦で住んでいる、という家庭は増え続けています。

しかし、住んでいる家がすべてバリアフリー構造で安心して、楽に生活できている住宅かというとそうではないでしょう。確かに現在ではバリアフリー住宅にする家庭もありますが、経済的なことなどで、家全体をかえるのは簡単なことではありません。

高齢者住まい法は、年を取っても安心して快適に過ごせる住宅を増やすこと、安全に暮らせる住宅を用意すること、を重要視したもので、その試みの一つがサービス付き高齢者向け住宅です。サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー構造を採用することで、要介護者を増やさない予防策になりえます。

4.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の制度と概要について見てきました。

つくられた経緯などは、サ高住を選ぶ直接的なポイントにはならないかもしれませんが、費用や契約内容、ルールなどを知る上でも知っておいて損はないのではないでしょうか。

自分にぴったりのサービス付き高齢者向け住宅の選び方のポイント

サ高住の選び方

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の選び方について見ていきます。

2011年10月からスタートしたサービス付き高齢者向け住宅。ケアの専門家が常駐するという、60歳以上の人が安心して住める住宅設備です。

今後はさらに増えていくことが期待されていますが、その内容は多岐にわたります。条件や定義などはあるものの、地域などによって可能なこと、不可能なことが異なるのが現状です。

そういった状況の中で、どのようなサービス付き高齢者向け住宅を選ぶべきなのでしょうか?

1.サービス内容についての確認

サービス付き高齢者向け住宅は、自立した人向けの住宅、という印象があるかと思います。確かにサービス付き高齢者向け住宅が必ずしなければならないのは、住人の安否確認と生活相談サービスだけです。

基本的に要介護3以上の人にとっては、向いていないと思われる住宅でしょう。 しかし、一般的な賃貸住宅と変わらずプライバシーが保たれ、自立した生活を送ることができるうえに、安否確認や生活相談が受けられるため、必要なケアが生じた場合は、相談できるという安心の上で生活することができます。

そういった生活を希望する人にとっては、サービス付き高齢者向け住宅は適切な住宅と言えます。

では、「介護を必要とする人は、サービス付き高齢者向け住宅には住むことができないのか?」というとそうではありません。サービス付き高齢者向け住宅は、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを受けることが可能になります。

また、施設によって入浴や排せつ、食事介助など一部の介護サービスを提供する住宅もあります。

サービス内容は住宅によってさまざまなのが現状です。どの程度の介護サービス・医療を受けられるのかを確認することが、選び方の大きなポイントとなるでしょう。

2.入院など身体状況に変化があった場合は?

自立した生活ができている状態の時には問題はありませんが、病気になって入院することになったり、身体の状態が変化し要介護になったり、要介護度が変わることもありますよね?

そのような場合には、どのような対応をするのかも確認しておくことが大切です。

なかでも認知症の方に関しては、住宅によってとられる対応に違いがあります。最初から認知症の方は入居できないという条件を設けているところもある一方で、認知症の方専用の部屋やエリアを設置し、安全に暮らせる環境を整えているところもあります。

もし、認知症が現れた場合のことも考え、その時の対応を確認しておくことも忘れないようにしましょう。

3.場所・環境についての確認

毎日の生活は楽しく、充実して過ごしたいものです。そのためには、どういった立地でどのような環境にあるのかも、選び方の大切なポイントの一つ。

まず、スーパーや金融機関、病院などは近くにあるか。または、サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容に、買い物代行などのサービスが入っているかどうかも確認した方がよいでしょう。

「住み慣れた地域で老後を迎えたい」という思いが本人にあれば、地元のサービス付き高齢者向け住宅を選ぶのがよいでしょう。

しかし、住み慣れた地域にそういった住宅がない、空きがないなど、希望に沿えない場合も出てきます。その場合、どの程度の距離で探すかが大切。あまりに離れていると、家族や知人の足も遠のいてしまうからです。

特にご家族の顔はできるだけ頻繁に見たいもの。近くてアクセスのよい立地のところを選びたいところです。

4.費用面においての確認

有料老人ホームに比べると、サービス付き高齢者向け住宅は費用が安い傾向にあります。

有料老人ホームの中には入居する際に、何百万、何千万円といった費用がかかるところも少なくないので、それに比べると入居時には30万~40万円、月々には賃料や水道光熱費、管理料などがあるとはいえ、比較的安い費用で入居できるケースが多いです。

しかし、賃料や管理費は住宅によって異なります。最初に必要な費用も敷金・礼金が必要なケースや前払い家賃などを設けているケースもあり、支払い方法や費用もさまざまです。

最初にどのくらいの費用がかかり、月々の支払いがどの程度になるのかを、しっかりと確認することが大切ですね。

5.見学をして雰囲気を知る

安心して楽しく暮らせるかどうかは、住宅の雰囲気にもよります。住んでいる人がどういった人たちか、スタッフと住人との関係はどうか、建物の雰囲気はどうかなどはパンフレットやネットでは伝わりません。条件に合うところが見つかったら、見学に行ってみましょう。

快適な日々を過ごすためには、自分に合った住宅を選ぶことが必要です。そのためには、体の状態、介護の必要性などを含め、自分の状態をしっかりと確認することです。

そのうえで、都会的な場所に住みたい、自然の豊かな場所がいい、または趣味が楽しめる場所や娯楽施設が整っているところがいい、部屋は広い方がいいなどといった希望について考えましょう。

その中で何を優先するかを決めて、快適に生活できる住まいを選んでください。

6.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅の選び方について見てきました。

比較的転居が行いやすいサービス付き高齢者向け住宅ではありますが、事前に必要な条件を絞り込み、必ず見学に行くようにしましょう。