
地域密着型特別養護老人ホームについて見ていきます。
比較的安い値段で利用できるうえに、症状の悪化によって退所となることがとても少ない特別養護老人ホームは、とても便利なものです。
しかし、この特別養護老人ホームに入所した人が、抱くストレスがあるのも事実です。それについてみていきましょう。
また、これらの解消策として有効とされている「地域密着型特別養護老人ホーム」についてもお話します。
目次(読みたいところまで移動できます)
1.特別養護老人ホームの入所者が抱えるストレスとは?
特別養護老人ホームに入所することにより、さまざまな変化がもたらされます。「環境の変化」というのは、特別養護老人ホームに限らず、大きなストレスとなってのしかかるものです。
1-1.住環境の変化
特別養護老人ホームは、「基本的には住み慣れた家にいて、そこから施設に通う」というものではありません。「住むところ」自体が変わるわけですから、住環境は激変します。
「引っ越し」は、うつ病のきっかけともなるほど、非常に大きなストレスになるものです。
特に、住み慣れた家を離れ、基本的には特別養護老人ホームで最期まで過ごすことになる、というのは、大変な精神的負担でしょう。
1-2.全く異なるコミュニティ
また、住環境の変化に伴い、コミュニティの在り方も変化します。今までは、「家族」「町内の人」が身近な存在であったのに対し、特別養護老人ホームでは、「スタッフ」「入所者」が身近な存在に切り替わります。人間関係の変化によるストレスも、決して軽視できません。
2.そもそも地域密着型特別養護老人ホームとは?
「特別養護老人ホームにおけるストレス」について触れました。しかし、施設に詳しくない人の場合、「そもそも特別養護老人ホームとは何?」という疑問が出てくるでしょう。これについてお話します。
2-1.地域密着型特別養護老人ホームの特徴
特別養護老人ホームは、「家での介護が難しい、中重度の人が入る施設」を指します。
住居型になっており、特段の事情がなければ、最期のときまでここで過ごすことができます。
認知症などにも対応しているため、実質的な「最期の居場所」として利用することができます。
地域密着型特別養護老人ホームは、特に「小規模であり、そこに住んでいる人を対象とした介護サービス」の一つとして、2006年に始まりました。
2-2.地域密着型特別養護老人ホームの入所条件
平成27年4月以降は、「基本的には、要介護3以上」の人が対象となりました。しかし、要介護1~2であっても、経済的な事情を含む、特別な理由があれば利用できます。
入所優先度は、経済的な状況や要介護のレベルなどから総合的に判断されます。
関連記事:入所難易度が高くなっている?特養老人ホームの入所条件とは、入居困難な養護老人ホーム|入居条件とサービス内容について
2-3.地域密着型特別養護老人ホームの料金
公のサービスであるため、料金は安く、入居一時金は発生しません。毎月の費用も10万円~15万円程度です。
3.地域密着型特別養護老人ホームが果たす役割
上では、「地域密着型特別養護老人ホームの特徴」に触れました。ここから、地域密着型特別養護老人ホームの果たす役割も見えてきます。
3-1.住み慣れた地域での生活が続く
名前からもわかるように、地域密着型特別養護老人ホームは、住み慣れた地域で過ごすことのできる施設です。そのため、家族なども足を運びやすく、「まったく知らない土地」で過ごす、という恐怖感はありません。
3-2.小規模が可能にする家庭的なサービス
地域密着型特別養護老人ホームは、30人未満の人数で運営されています。このため、人間関係に慣れることには時間がかかるものの、それ以降は、家族的で家庭的な雰囲気のなかで過ごすことができます。
4.地域密着型サービスが持つ安心感
地域密着型特別養護老人ホームをはじめとする地域密着型サービスは、それ以外のサービスとは違い、「住環境は変化しても、その周囲は変化しにくく、慣れた街並みのなかで過ごすことができる」というメリットや、「人数が多すぎないため、家庭的な雰囲気で過ごせる」という安心感があります。
これは、地域密着型サービスの持つ、大きなメリットです。
5.まとめ
地域密着型特別養護老人ホームについて見てきました。
地域密着型特別養護老人ホームは、「その地域の人を対象としており」「30人未満で運営される」という特徴を持つ特別養護老人ホームです。そのため、住環境の変化や、コミュニティの変化を最小限に抑えることができます。