レビー小体型認知症とは?第二の認知症と呼ばれる病

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
レビー小体型認知症

レビー小体型認知症について見ていきます。

高齢化の進む日本では年々認知症の人が増えている傾向があります。

その中でもアルツハイマー型認知症に次いで患者数が多いといわれ、「第二の認知症」とも呼ばれる「レビー小体型認知症」という病気が注目されていますが、まだまだ病名も知らない人が多いのが現状です。

そこで、レビー小体型認知症について、

  • レビー小体型認知症とは?(概要)
  • 前触れ・前兆
  • 症状・特徴
  • 原因
  • 進行
  • 治療・改善策
  • 周囲の対応

を解説していきます。

レビー小体型認知症を知るために、気になる点だけでも確認してもらえればと思います。

1.レビー小体型認知症とは?

レビー小体型認知症ってなに?

認知症やアルツハイマーといった単語は聞いたことがあっても、「レビー小体型」については初めて耳にするという方も多いと思われます。

他の認知症にも見られるような症状もあり、「気づかれにくく」「誤解や誤診をされやすい」認知症です。

しかし、実態としては患者数が非常に多いため、レビー小体型認知症の存在を広め、早期発見が行われるようにすることが望まれています。

この「レビー小体」とは、脳に特殊な変化によって溜まってしまうたんぱく質のことです。

このレビー小体は運動機能障害を引き起こすパーキンソン病の人にも見られるものですが、パーキンソン病の場合は脳幹の一部でのみ見られるのに対し、レビー小体型認知症では認知機能を司る大脳皮質全体に出現します。

その症状の特徴からアルツハイマー型の認知症や、パーキンソン病と間違えられるケースもあります。

1-1.どんな人がレビー小体型認知症になりやすい?

レビー小体型認知症は、

  • 75から80歳(が多い)
  • 男性の方が多い(女性の2倍程度の患者)

といった傾向があります。

関連記事:確認しておきたいレビー小体型認知症の原因と症状

1-2.三大認知症とそれぞれの違いとは?

患者数の多い「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」を指して三大認知症と呼ぶことがあります。

これら3つの認知症で認知症患者全体の約85%にもなるといわれています。

認知症の割合

それぞれの認知症の違いは以下の通りです。

  レビー小体型認知症 アルツハイマー型認知症 脳血管性認知症
割合 20% 50% 15%
性差 男性に多い 女性に多い 男性に多い
年齢 75~80歳 65歳~ 50歳~
特徴
  • 認知機能の動揺(変動)
  • 幻視
  • パーキンソン症状
  • 物忘れが多い
  • 人格が変わることがある
  • 脳に萎縮が見られる
  • 過去の脳梗塞が原因になりやすい
  • まだら認知症
  • 片麻痺や神経障害

2.レビー小体型認知症の3つの症状・特徴

レビー小体型認知症には、

  • 認知機能の動揺
  • 幻視・幻覚
  • 運動機能障害

といった特徴的な主だった症状があります。

それぞれの症状について解説していきます。

関連記事:幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

2-1.認知機能の動揺

脳のイメージ

頻度が高い症状で、頭がはっきりしている状態と、ボーッとしている状態を日に何度も繰り返したりします。

判断能力や注意力の低下が見られます。

2-2.リアルな幻視や幻覚

レビー小体型認知症のもっとも特異な症状としてこの幻視・幻覚が挙げられます。

これらはアルツハイマー型でも見られますが、レビー小体型認知症の場合は「布団の周りを5人の人が囲んでいる」といった、本人には現実としか思えないような、かなりリアルな幻視症状が見られます。

また、アルツハイマー型の場合は幻視症状は発症後期から出る場合が多いですが、レビー小体型では初期症状として表れます。

2-3.運動機能障害(パーキンソン症状)

パーキンソン病に似た症状が表れます。

具体的には、

  • 手足の震え
  • 動作が遅くなる
  • 筋肉がこわばる
  • バランスが悪くなる
  • 転倒が多くなる

といった症状です。

寝たきりになってしまうこともあります。

2-4.その他の主だった症状

レビー小体型認知症の精神症状

2-4-1.精神症状

気分・態度の起伏が激しく、普段通りの状態から急に無気力になったり、興奮・錯乱状態になったりということを1日の中で何度も繰り返します。

2-4-2.自律神経障害

自律神経に障害が出るため、失禁してしまったり、便秘になったりしやすくなります。

また、起立性低血圧を起こしやすく、立ちくらみやひどい場合には失神してしまうこともあります。

3.レビー小体型認知症の治療と改善策

薬のイメージ

  • 薬での治療
  • 薬以外の改善策

レビー小体型認知症の特徴として、「薬に過敏になってしまう」ということがあります。

そのため、薬量の加減や併用が非常に難しく、処方の際は医師によく相談することが肝要です。

関連記事:レビー小体型認知症に治療方法はある?どんな薬があるのか?

3-1.レビー小体型認知症に効果的なアリセプト

レビー小体型認知症を完全に治す、進行を止める特効薬はいまのところありません。

しかし、アリセプト(コリンエステラーゼ阻害薬)というアルツハイマー型認知症に用いられていた薬が、レビー小体型認知症にも効果があることがわかっています。

特に認知機能の低下・変動、幻視症状に対して有効と考えられていて、2014年9月よりレビー小体型認知症の治療薬として保険が適用となっています。

ただし、副作用によって怒りっぽくなるなど攻撃性が増す場合や、認知機能の低下が進んでしまうということもあるようなので、処方医とはその量なども含めてちゃんと相談するようにしましょう。

関連記事:認知症患者の3分の2に有効な薬?アリセプトとは?

3-2.各症状に応じた薬での緩和も可能

パーキンソン症状には抗パーキンソン病薬、自律神経障害には血圧コントロールが用いられることがあります。

ただし、薬量の加減や併用については調節が難しいため、専門医と相談しましょう。

3-3.薬以外の治療

軽い運動

疲れない程度の軽い運動を行うことで、自律神経障害を和らげる効果があるとも。

また、昼間に身体を動かし夜間に睡眠をきちんととることで、夜に表れやすい幻視症状を避けることにもつながります。

また、周辺症状については積極的な社会参加によって改善が見られることもあるので、デイサービスや「認知症カフェ」を訪れるというのも一つの手段と言えるでしょう。

4.レビー小体型認知症の人に対して家族ができる対応・介護

レビー小体型認知症の人に対して、家族や周りの人がどのように対応していけば良いのでしょうか?

幻視、認知機能の変動、パーキンソン症状といった症状ごとに対応方法を見ていきます。

関連記事:レビー小体型認知症の3つの進行段階と予後|初期~中期~末期

4-1.「幻視」に対する対応・介護

panic

  • 本人には幻視が「現実」、否定はしない
  • 室内環境を整える

幻視が見えたり、話の内容が間違っていたりしても、認知症の人にとってはそれが「現実」という認識です。むやみに否定してしまうと、怒ってしまったり、こちらからのお願いに非協力的になってしまったりと悪影響しかありません。

まずは話に付き合い、不安を取り除いてあげることが先決です。「知らない人がいる」と言うのであれば、「申し訳ないのですが、家を間違っていますので、帰ってもらえますか?」と玄関まで誘導したりなど、話の内容に合わせましょう。

夕方以降の薄暗いときに不安が増大し、幻視をすることが増えます。部屋だけでなく廊下など家の中全体を極力明るく保てるようにしてみましょう。

また、室内で色が目立つものも幻視の原因となることが多いので、レビー小体型認知症の人が過ごす居室や寝室にものをあまり置かないようにしましょう。

4-2.「認知機能の変動」に対する対応・介護

  • 状態の悪いときはそっとしておく
  • 規則正しい生活を送る

しっかりしているときと、別人のように反応がないときがあります。

状態が優れないときにはできるだけそっとしておくようにしましょう。

そのために、いまどちらの状態にあるのか、ということを把握できるように普段から観察しておきましょう。

いずれの症状も疲れたり不安を感じる夜に起きやすいです。

夜の時間を短くできるよう、規則正しく早寝早起きをして、早めに就寝できるような生活を心がけましょう。

早寝のためにも、健康状態を維持するためにも、適度な運動は大事なことです。

4-3.「パーキンソン症状・自律神経障害」に対する対応・介護

  • できる範囲でバリアフリーを
  • 特に注意すべきは階段・風呂・トイレ

ちょっとしたものでもつまづきやすくなったり、よけるのが苦痛に感じられてしまいます。

家の中に生活する上で「障害物」となるものはないか確認し、取り除けるようにしましょう。

可能であれば手すりをつけたり、玄関先にスロープを設置するのも良いでしょう。

また、レビー小体型認知症は運動機能が低下しているのみならず、起立性低血圧(立ちくらみ)による転倒も考えられるため、入浴後や排泄後にも注意してみてあげることが重要です。

4-4.限界まで無理をしない

症状が進行するにつれ、家族や周囲の支援なしには生活ができなくなってきます。

それに応じて、家族の介助・介護の負担も増していくことでしょう。

「自分の家族なのだから自分の手で助けたい」という気持ちはすばらしいかもしれませんが、介助・介護する側の人間が疲弊してしまっては元も子もありません。

限界が来る前に各種専門機関に相談するようにし、決して無理はしないようにしましょう。

5.レビー小体型認知症の前触れ・前兆

レビー小体型認知症の前兆として表れるのは、

  • 睡眠時の異常(大きな寝言、手足の激しい動き)
  • うつ症状

といった症状です。

特に睡眠時の異常は、レビー小体型認知症を発症する10年以上前から表れるケースもあるとのことです。

まるで起きて興奮しているかのような行動をとっているにもかかわらず、本人に記憶がない場合などは医師の診断を受けた方が良いでしょう。

6.レビー小体型認知症の原因

レビー小体型認知症のはっきりとした原因はいまのところわかっていません。

レビー小体型認知症は、大脳皮質に「レビー小体」という異常なタンパク質が蓄積することで発症することは解明されていますが、なぜ「レビー小体が蓄積するのか」が判明していないためです。

仮説として、加齢によって、

  • ミトコンドリアに異常が起こる
  • 遺伝子が損傷する

などが考えられていますが、まだ研究段階です。

関連記事:確認しておきたいレビー小体型認知症の原因と症状

7.認知症は早期発見が重要

認知症の症状の改善や進行を防ぐためには早く気づくことが非常に重要です。

早期発見によってケアプランも早く立てることができ、環境を整えるということにも寄与します。

7-1.早期発見するには?

先に挙げた「3徴」の傾向が見られたら、レビー小体型認知症の疑いがあると考えられます。

7-2.「レビー小体型認知症なのでは?」と思ったらすぐ診断

認知症の専門の窓口に相談されることをおすすめします。

未だ医師の中でもその症状や対応方法について詳しく広まっていないという事情もあり、誤った診断を受けてしまう可能性も否定できません。

全国に設置されている「認知症疾患医療センター」や、「地域包括支援センター」の窓口に相談しましょう。

自分の住む地域から近い専門機関がわからない場合は、市区町村などの自治体の窓口に相談すれば紹介してもらえます。

8.レビー小体型認知症の進行

レビー小体型認知症の初期から後期にかけて、症状には以下のような移り変わりがあります。

関連記事:レビー小体型認知症の3つの進行段階と予後|初期~中期~末期

8-1.レビー小体型認知症の初期に見られる傾向「3徴」

レビー小体型認知症の3徴

レビー小体型認知症の3つの特徴的な症状(1.認知機能の動揺 2.幻視症状 3.運動機能障害[パーキンソン症状])を指し、「3徴」ともいいます。

この3徴は比較的初期から見られる症状です。

3つの内、2つ以上に当てはまる場合はレビー小体型認知症を疑ったほうが良いでしょう。

また、3徴以外では以下のような症状も見られます。

  • レム睡眠行動障害…睡眠中に大声で寝言を言ったり、手足を激しく動かしたりする
  • うつ症状…うつのような症状が見られ、「元気がない」「食欲がない」
  • 便秘…自律神経に障害が出るため、がんこな便秘にかかってしまう

8-2.レビー小体型認知症の中期に見られる傾向

中期の段階になると、日常生活の中で他者の支援を必要とする場面が出て(増えて)きます。

  • パーキンソン症状の悪化…歩行が困難になり、一人で外出しようとすると転倒の危険が増える
  • 認知機能低下の時間が長くなる…認知機能の変動についてより悪化の傾向が見られる

8-3.レビー小体型認知症の後期に見られる傾向

パーキンソン症状が悪化し、車いすを必要とするケースが多くなります。

また、認知機能は常に悪い状態となってしまいます。常に介助が必要な状態です。

9.まとめ

レビー小体型認知症について見てきました。

レビー小体型認知症の7つのポイント
●概要
●前触れ・前兆
●症状・特徴
●原因
●進行
●治療・改善策
●周囲の対応

レビー小体型認知症について知り、その進行段階に応じた対応ができるようにしていきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*