榎木孝明氏が30日実践の不食とは?絶対真似してはいけない7つの理由

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不食

俳優の榎木孝明さんが「不食」を30日実践し、記者会見を行ったことで不食に注目が集まっています。

不食実践者とされる人たちは食べなくても済む、健康になる、病気にならないなどと喧伝されていますが、客観的に考えるかぎり、多くの人は真似をしない方がいいと言えるでしょう。

その理由について見ていきます。

※以下には、不食実践者による体験をもとにした内容や独自の考え方が多分に含まれています。筆者の体験談も含め、大半の内容は科学的・医学的に認められないところが多く、専門家の協力無しに実行するには大きなリスクが伴います。ダイエットとして行うには、命を失いかねない危険があるため、安易に真似をされることはおやめください。

目次(読みたいところまで移動できます)

1.榎木孝明さんが実践した「30日不食」の中身とは?

俳優の榎木孝明さんが17日に緊急記者会見を開き、翌18日に30日にわたる「不食」生活を終えることを話しました。

1-1.「30日不食」とはどんな内容だったのか?

榎木さんが30日間にわたって行った「不食」では、飲み物(水やお茶など)を除いて「食べ物を口にしない」ということを実践していました。

研究室に泊まり込み、専門家の監視のもとに行われたこの「実験」。途中で塩分や糖分の補給を勧められたため、「あめ」や「塩あめ」は食べたとのことでした。

1-2.なぜ「30日不食」をやろうと思ったのか?

「食べなくても生きられることを、自分の体で科学的に調べてみたかった」と話した榎木さん。

20代の頃から続けているインドなどへの一人旅では、飲まず食わずで帰国することも多かったらしく、その際にむしろ体調が良くなっていることから「不食」に着目するようになったとのこと。

1-3.不食を実践した結果どうなったのか?

30日の「不食」では以下のような効果・結果が得られたといいます。

  • 体重が80kgから71kgになった
  • 71kgになってからは減っていない
  • 宿便が出た(期間中の排便は3回のみ)
  • 食欲が無くなった(うなぎの蒲焼きのにおいを嗅いでも食べたいと感じなかった)
  • 集中力が増した
  • 本を読むスピードが速くなった
  • セリフ覚えが速くなった
  • 睡眠が深くなり、4時間で十分になった
  • 腰痛が無くなった
  • 運動時の呼吸が(自然に)腹式呼吸になった
  • スタミナが増した

1-4.不食後の食事はどうだったのか?

「不食」明けにホテルで最初の食事をとったそうです。

食事の内容は、小エビ、パンプキンスープ、パテ・ド・カンパーニュ、ほうれん草のクリーム煮。

そして、白ワインも飲みました。いずれのメニューも胃腸をいたわり、少しずつゆっくり食べたそうです。

榎木さんいわく、「素材の味がよくわかる」「食べたものが入っていく感覚がわかる」とのことでとても満足そうだったといいます。

今後は少しずつ食事の量を増やし、1日3食の生活に戻していくようです。

1-5.不食実践後の榎木さんのメッセージ

30日間の「不食」を無事に終えた榎木さんは、「不食」自体に賛否両論があることをわかった上で、非常に重要なメッセージを残しました。

「決して同じマネはしないでください」

2.「不食」とは?

では、そもそも「不食」とはいったいどのようなこと・考え方のことなのでしょうか?

2-1.不食とは何をする(しない)ことなのか?

不食とは、「ものを食べない生活」のことで、決して「食べることを我慢する」のではなく、「食べなくても大丈夫」という状態を目指しているそうです。

「不食」をテーマにした書籍や、東日本大震災などの災害時に起こる一時的な食糧不足などをきっかけに徐々に注目が集まってきている考え方です。

2-2.不食を誰が考えたのか?

「不食」という考え方は『人は食べなくても生きていける』の著者である山田鷹夫さんが最初に提唱しました。

独自の断食療法を確立した甲田光雄医師の影響を受けていると言われています。

2-3.不食はどのくらいの期間行うのか?

基本的には、一定の期間行うという類のものではなく、食べ物を必要としないという生き方・考え方のため、継続的に行われるもののようです。

今回の榎木さんの30日間の不食はあくまで実験としての側面が強いものだったので、短期間で終えています。

2-4.不食と断食や絶食はなにが違うのか?

よく耳にする断食や絶食といった「食べない」ことを意味する言葉と、不食はどのように違うのでしょうか?

2-4-1.断食

まず断食は、多くの宗教でも行われている(行う人がいる)行為です。最近では、健康法として行う人が増えていて、「プチ断食」や「fasting(ファスティング)」などが話題になっています。

2-4-2.絶食

絶食は医療的な行為としての意味合いが強く、病気改善や治療を行うために食事を抜いたり制限したりすることを指します。

2-4-3.不食との目的や考え方の違い

ただ、いずれの言葉も「食べない」という行為自体には変わりはなく、あくまでどういう目的があるのか、どういった考えのもとに行うのかという違いしかありません。

2-5.不食はどのように行う?実践者が行っている方法

では、実践者は具体的にどのように不食を行っているのか見ていきましょう。

2-5-1.不食では基本的には何も食べない

不食では、基本的には食べ物を何も口にしないそうです。

ただ、飲み物(水やお茶、青汁など)を飲んでもいいというルールにしていたり、実際には物を食べていても「これは食事ではない」としていたり、とその方法論は実践する人それぞれの考え方によるようです。

2-5-2.徐々に(ステップで)慣れる

一般の人が不食を生活に導入するにあたって、下記のようなステップを踏むことをすすめています。

  1. 朝食を食べない(一日二食)
  2. 寝食を忘れるほどの仕事や趣味を見つける
  3. 徐々に一日一食に慣らしていく

1と3については、身体を慣らすため、ということでよくわかると思います。

2が必要な理由として、「食事をしないと暇になってしまう」ということが挙げられています。

2-6.不食を何のために行うのか?その目的

では不食はいったい何のために行うのでしょうか? 実践することでいったいどんな効果が得られるというのでしょうか?

2-6-1.病気にならない

まず、不食実践者は「食べることが病気を招く」と考えています。そのため、食べないことで病気とは無縁の身体になるといいます。

もともとかかっている病気さえも治してしまうと言われているため、難病を抱えた人がわらにもすがる気持ちで不食を実行する例もあるようです。

2-6-2.若返る

食事は病気だけでなく「老化を招く」というのが不食実践者の主張です。食べることをやめることで身体が若返るといいます。

2-6-3.究極の防災手段

万が一、災害にあい食事をとれないような状況になってしまっても、食事がいらないので生存の可能性が高まるということも言われています。

2-6-4.そもそも食事が必要ない

いままでに挙げた内容は、結果として副次的についてくる(と考えられている)効果です。

不食とは、そもそも食べる必要がない、我慢しているわけではない、という考え方なので、食べる必要がないから食べないというのは当たり前といえば当たり前かもしれません。

3.不食を真似しない方がいい7つの理由

ここまでで不食について大まかに知ることができたかと思われますが、中には「やってみたい」と感じた人もいるかもしれません。

ただ、現時点では真似をしない方がいいと言わざるを得ません。

その理由として以下の7つがあります。

3-1.科学的な根拠に欠ける

科学や医学をもとにした根拠に圧倒的に欠けています。

実践者による不食についての書籍は複数出版されていますが、いずれも「なぜ不食をしても身体的に問題が無いのか」という理由について、客観的な、再現性のある説明がなされていません。

少食や、一定期間の食事制限によって体調の回復や、病気の治療になるケースがあることは事実ですが、人体には外部からの栄養摂取が必要なため、ずっと食べずに生きていけるということは考えにくいです。

3-2.身体的変化に個人差がある

人間の身体にはそれぞれに大きな個体差があります。

同じ環境で育っても、70歳で亡くなる方もいれば、100歳以上でも亡くならない方もいます。

病気がちの人もいれば、風邪ひとつひかない人もいます。

もしかすると不食を実行してもある一定の期間であれば何の問題の無い人もいるかもしれません。

しかし、それは他のみんなにもあてはまるということではありません。

3-3.飢餓と矛盾する

今なお世界のどこかでは飢えに苦しんでいる人たちがいます。残念ながら飢えが原因で亡くなってしまう方も少なくありません。

彼らの主張が正しいというのであれば、食べ物を満足に食べられず飢えてしまっている人たちこそ、健康で長生きするのではないでしょうか。

3-4.実践者は実際は何かしら「食べている」

書籍などを出されている不食実践者の方は、実際には何かしらのものを食べているそうです。

前述の不食提唱者である山田鷹夫さんも宴会などで大酒や大食をされたり、ことあるごとに食事をされたりするといいます。

確かに一般的な人よりかは全体での食べる量は少ないですが、全く食べていないということはないようです。

つまり、不食を提唱している人が、実際にやっているのは「少食」だというわけです。

3-5.少食・不食で健康阻害・病気悪化の例がある

不食や極端な少食を実行することで、健康を害してしまっていた人もいます。病気を治すつもりで始めて悪化してしまったという人もいます。

家族の反対を押し切って不食を実行し、亡くなってしまった女性がヨーロッパでニュースになりました。

参考記事:Swiss Woman Tries to Survive on Light Alone, Starves to Death

3-6.非社会的な生活になる

食事をしなくなると、周囲の人との食事を断るか、一緒に行っても何も食べない、ということになるかと思われます。

コミュニケーションを深める上で一緒に食事をすることは手っ取り早い手段とも言えます。

「同じ釜の飯を食う」「飲みニケーション」という言葉があるように、飲食を共にするということはただ飲み食いをすること以上の効果や影響があると言えるでしょう。

残念なことではありますが、食事を断り続ければ、周囲の心象が悪くなってしまうこともありますし、場合によって疎遠になってしまう可能性もありえます。

3-7.食べることは楽しい・幸せなこと

食欲は人間の生理的欲求の一つで、非常に強い欲求でもあります。

これを満たすことで満足感を得られますし、何よりおいしいものを食べることに幸せを感じる人は少なくないでしょう。

「家族の団らん」と聞いて食事のシーンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

それだけ、「複数人で一緒に食事することは楽しい」というイメージを多くの人が持っているのだと思われます。

そんな生活の中の幸せや楽しみの一つを取り去る必要が本当にあるのでしょうか?

4.断食(1日2食)体験談

実は、「不食」ではありませんが、筆者は1日2食、いわゆる「プチ断食」を実践していた時期があります。何かの参考になさっていただければ幸いです。

4-1.目的(なぜ始めたか?)

健康そのものに興味があったことと、放っておくと何時間でも寝てしまうので、その長い睡眠時間を減らしたいと思い、いくつかの書籍を参考にし実践してみました。

4-2.具体的行動(何をしたのか?)

まず、1日2食にして朝食を抜くということです。

もともと朝食は食べないこともあったので、この点についてはそこまで難しくありませんでした。

また、食事の際には魚以外の動物性たんぱく質を避けるようにしていました。

肉や乳製品、卵などが対象です。大好きなから揚げが食べられないのは辛すぎるので、このルールはややゆるめで行っていました。

「少量ならOK」「昼食か夕食、どちらか一方ならOK」といった感じです。

他に食事で気をつけることは「腹八分目」でした。

お腹いっぱいにならないように食べ、もし腹八分目を迎えてもまだ料理が残っている場合は残すようにしていました。

そして、水を2リットル飲むということも行っていました。

午前中は食事をしない代わりに水を多めに飲むことを心がけていました。

4-3.経過・結果(どうだったか?どうなったか?)

4-3-1.体重の増減

体重は55kg(BMI18)が、一カ月弱で48kg(BMI15.7)まで落ち、その後50kg前後(BMI16.3)で落ち着くようになりました。

BMIを見ていただくとわかりますが、もともと痩せ型だったのにもかかわらず、さらに痩せてしまい、見た目にも不健康そうな状態になってしまいました。不思議だったのは、一旦48kgまで落ちきった後に食事量を増やさなくても、体重が増えたことでした。内臓の栄養吸収率が上がって同じ量を食べても、今までより栄養がたくさんとれているとも考えられますが、実際のところはわかっていません。

4-3-2.健康状態

風邪を引くなど病気にかかった記憶はありません。内臓の調子が良いというのが非常によくわかり、食べたものが身体の中のどの辺りを通っているかがわかりました。

摂取エネルギーは減りましたが、趣味のランニングでバテるということはありませんでした。ちなみにこの時期にフルマラソンの大会に出場し、完走しています。

4-3-3.睡眠時間

一番の目的であった睡眠時間を減らすことですが、残念ながらまったく適いませんでした。日によってはむしろ猛烈な眠気が襲い、一日中寝てしまったこともありました。それがプチ断食の影響だったかは判明していません。

4-3-4.その他

「空腹が心地いい」という感覚がありました。午前中に空腹の状態で水をたくさん飲むと、胃や腸の中を通っていくのがわかるので、内臓を掃除しているような気持ちになり、より心地よく感じられました。空腹時には非常に集中力が増し、夢中で物事に没頭できたように思います。それに、空腹になればなるほど集中力が増したようにも思えました。

味覚が敏感になり、薄味でも満足できるようになったと思います。以前よりも食べ物がとてもおいしく感じられました。

4-4.どうしてやめたのか?

最初の理由は就職です。実践していたのは大学生のときで、就職後にやめることになりました。というのも、社会人が1日2リットルも水を飲むのは非常に難しく、量を確保することだけでなく、トイレの回数が多いことも難点でした。

もう一つの理由として、付き合いのためです。食事を制限することで、異質な存在と見られたり、周囲から食事に誘われにくくなってしまったり、一緒に食事をしていても(一人だけ肉を食べなかったりするので)変な空気になってしまったり、ということを経験しました。社会人としてマイナスの方が大きいと感じました。

最後の理由は、太りたかったためです。成長期の頃からずっと痩せ型で、自分の中でコンプレックスだったので、ずっと太りたいという気持ちがありました。当然、1日2食で一般的な男性より少ない食事量(摂取カロリー)だったので、今より太るのは難しいと思い、プチ断食を断念しました。

4-5.実践した感想

(プチ)断食によるメリットはいくつかありましたが、一般的な社会人が実践するにはとてもハードルが高いように感じました。

身体的な改善を求めて行ったことですが、「これくらい(の食事量)でやめておこう」と考えられる自制心が身についたことは意外な効果として驚いています。

5.まとめ

「何も食べない」という行為は極めて危険なので、個人の判断で(専門家などの協力を得ずに)不食を行うことは絶対に避けてください。

参考:
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20150617-OHT1T50055.html
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20150618-OHT1T50218.html

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