
非定型抗精神病薬について見ていきます。
「抗精神病薬」というと、「自分とはまったく関係のないものだ」と思う人も多いのではないでしょうか。
しかし、その認識は必ずしも正しいわけではありません。今回は、抗精神病薬についてみていきます。
目次(読みたいところまで移動できます)
1.抗精神病薬とは?
そもそも、抗精神病薬とはどういったものを指すのでしょうか。それについてまずは未定行きます。
1-1.従来型抗精神病薬
抗精神病薬には、幻覚などの症状や不安な気持ちを押さえたり、モチベーションを上昇させたりする効果が見込めます。この抗精神病薬は、1950年代にはすでに打ち出されており、一般的に「従来型抗精神病薬」と呼ぶものは、1950年~1999年までに作られた薬を指します。(ただし、「1980年ごろから、従来型意外の非定型型抗精神病薬が使われ始めた」とする説もあります)
1-2.新規抗精神病薬
新規抗精神病薬は、「非定型抗精神病薬」とも呼ばれるものです。主に3つに分けられており、従来の薬と同じくらいか、それ以上の効果を持って、陽性症状に作用します。こちらの場合、陰性の症状に対するアプローチ能力や、認知症に対しても効果があると言われています。
ちなみに、わかりにくい「陽性」「陰性」の違いですが、陽性は、幻覚や妄想が起こったり、支離滅裂な会話をしたりといった、比較的「外側」に向かう症状を指します。対して陰性は、感情の低下や意欲がわかないなどの症状をさします。
2.定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬の比較
上でも軽く触れましたが、ここからは、定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬の違いを紹介することにします。
2-1.従来型
名前からもわかる通り、昔からある形の薬です。この薬は、かつては大変頼りにされていました。
2-1-1.作用
従来型の抗精神病薬は、ハロペリドールなどがその代表例です。陽性の症状には特によく聞き、妄想や幻覚などの症状を軽減するために役立ちました。
2-1-2.副作用
従来型の抗精神病薬の場合、陽性タイプの症状にはよくきくのですが、陰性の場合は効果が薄く、その上、一部の分裂症患者には効果がないと言われていました。また、生理が止まったり、性欲減退などの副作用が出たりする人もいました。
2-2.新規型
新規型は、従来型の後にでてきたものです。そのため、基本的には、従来型よりもメリットが大きいです。
2-2-1.作用
陰性症状においてもよくきき、アプローチが可能です。そのため、従来の抗精神病薬では改善が難しかった症状にもよくききます。
2-2-2.副作用
どんな薬であっても、薬である以上、副作用から逃げることは難しいと言われています。抗非定型抗精神病薬の場合は、太ったり、口や喉が非常に乾いたりするなどの症状がみられます。
3.非抗精神病薬の主な3つのタイプ
非抗精神病薬には、大きく分けて3つの種類があります。
3-1.SDA系
セロトニンとドーパミンに関係する薬です。ドーパミンが増えすぎると、陽性症状(妄想など)が出やすくなります。そこで、ドーパミンの受容体をブロックする、という作用を薬に持たせます。これによって、陽性症状を抑えることが可能になるのです。
3-2.MARTA系
セロトニンとドーパミンの受容体だけでなく、それ以外の神経伝達にも働きかけて、陽性状態を抑えるものです。陰性症状に対しても、きちんと対応できます。
3-3.DSS系
これは、単純に「量を抑える」だけでなく、「足りなかったらもっと量を出すように」という指示をドーパミンに出せます。
この理屈からもわかるように、陰性にも陽性にも効果があります。
4.ライフスタイルに合わせた選択
薬の選び方というのは、実にさまざまです。それぞれに特徴がありますから、どのような薬を使うべきか、というのは、よく話し合った方がよいでしょう。
5.まとめ
非定型抗精神病薬について見てきました。
抗精神病薬には、認知症に対抗する力もあると言われています。しかし抗精神病薬には複数の種類がありますし、薬は副作用もあるもの。「周囲の家族が認知症だから」「認知症になりたくないから」という理由で薬を自己判断で飲むのはやめ、まずは医師に相談しましょう。
参考:
http://www.mh-net.com/lecture/kusuri/kouseis.html
http://www.mental-navi.net/togoshicchosho/rikai/shojo1.html
http://www.mental-navi.net/togoshicchosho/rikai/shojo2.html
http://www.smilenavigator.jp/tougou/medicine/explanation/exp02_02.html
http://www.smilenavigator.jp/tougou/medicine/explanation/exp02_03.html