
若年性認知症の症状について見ていきます。
認知症は、年をとってからなることが圧倒的に多いです。しかし、若年性認知症という形で、若いときに出るものもあります。
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1.若年性認知症とは?
若年性認知症とは、一般的に、64歳までにかかる認知症全般のことを指します。これについてみていきましょう。
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1-1.若年性認知症の特徴
若年性認知症は、男性の方がなりやすいと言われています。なかには可逆性のものもありますが、不可逆性のものの方が割合としては多いです。不可逆性の場合、高齢者が認知症にかかる場合と比べて、その進行は早いと言われています。
1-2.若年性認知症の種類
若年性認知症と若年性アルツハイマーはしばしば混同されますが、若年性アルツハイマーは若年性認知症の一種にすぎません。それ以外にも、レビー小体型や脳血管性障害型などがあります。なお、アルコールのとりすぎによるアルコール性認知症なども含まれます。
関連記事:関係ないと言わず確認しておきたい若年性アルツハイマー3つの危険信号、若年性アルツハイマーは20代でも発症する?
1-3.若年性認知症の原因
若年性認知症の原因は一つではありません。脳卒中などによって起こることもあれば、上記であげたアルコールによるものなどもあります。また、アルツハイマー病で、かつ極めて若い世代(20代など)でかかる場合は、遺伝的な要因も大きいと言われています。
2.確認しておきたい7つの症状
若年性認知症は、高齢者のそれとは違い、周囲の人も自分自身も気づきにくいという特徴があります。ここでは、できるだけ早く発見するために、代表的な症状についてお話します。
2-1.基本症状(中核症状)
脳に起こった障害によって引き起こされる症状全般をいいます。この症状は、若年性認知症を患った人ならば、程度の差こそあれ、すべての人に見られるものです。
2-1-1.①記憶障害
若年性認知症の記憶障害は、基本的に、「近い記憶から失われる」と考えてください。昔のことは覚えているのに、ここ数日のことが思い出せなくなることが多いです。
2-1-2.②見当障害
私たちは常に無意識に、「ここがどこか」「今日は何日か」ということを意識して生活しています。しかし若年性認知症が進むと、それらの感覚が失われていきます。
2-1-2.③判断能力・理解力・思考力の低下
「考える力」も衰えていきます。その結果、今まで当たり前にできたことができなくなります。顕著な例が、「料理のときの手順や、食材の用途の喪失」です。
2-2.日的な症状(行動・心理症状)
中核症状とは違い、これは出てくる人もいれば出てこない人もいます。個人差が大きいです。
2-2-1.④徘徊
「家に戻ろう」「仕事に行こう」などのように、本人には目的があるのですが、「家にいても家に戻ろうして徘徊する」などのような行動が起こります。
2-2-2.⑤妄想
「何かをとられたのではないか」という妄想などにとらわれてしまいます。実際には起こっていないことなのですが、本人の意識としては、それが「真実である」という捉え方になっています。
2-2-3.⑥幻視・幻覚
実際にはそこにないものが見えたり、聞こえたりします。これは本人にとっても大きなストレスです。
2-2-4.⑦抑うつ
本来なら不安になることなどない状況であるのに、強い不安にさいなまれたり、焦燥感にとらわれたりします。
3.早期発見・早期対策が重要
若年性認知症は、上でも述べたように、高齢者のそれに比べると、進行速度が非常に早いです。また、周囲の人も、まさか認知症だとは思わないため、「少し疲れているのだろう」と考えてしまいがちです。
しかし、このようにして見逃していると、症状がもっと進んでから発見することになり、対処が遅れます。進行度が早い若年性認知症だからこそ、早期発見が重要なのです。
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4.まとめ
若年性認知症の症状について見てきました。
若年性認知症の7つの主な症状
1.記憶障害
2.見当障害
3.判断能力・理解力・思考力の低下
4.徘徊
5.妄想
6.幻視・幻覚
7.抑うつ
若年性認知症は、なかなか気づかれにくい病気です。しかし代表的な症状はいくつかありますから、それに当てはまるようならば、病院に診察にいくようにしましょう。
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