介護タクシーとは?活用するための7のQ&A

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介護タクシー

「介護タクシー」という言葉を聞いたことはないでしょうか?これは上手に使えば、大変便利なものです。今回はこの「介護タクシー」についてお話していきましょう。

1.介護タクシーとは?その概要

まずは「介護タクシーとはそもそもどのようなものか」ということを考えていきましょう。

1-1.介護タクシーの定義

「介護タクシー」という言葉は、実はかなりのあいまいさを含んだ言葉です。厚生労働省が、「いわゆる介護タクシーの実態調査の結果について」では、下記のものを「介護タクシー」として調査しています。

  1. 介護保険法に基づく指定を受けている指定訪問介護事業者
  2. 通院・外出介助に特化した基準該当訪問介護として市町村が認めている事業者

1-2.介護タクシーの運転手について

介護タクシーの運転手は、ほかのタクシーとはその基本が違います。乗り降りの際の手助けなどを必要とされることが多いため、一般的なタクシーの運転手がそのまま介護タクシーの運転手になる、ということは可能性としては低いと言えます。

多くの場合、介護タクシーの運転手となるのは、訪問看護員2級の資格を有するものです。これが全体の90%を超えています。それ以外には、1級の人員が5%程度、介護福祉士が3%程度、3級の人員が0.5%となっています。

1-3.業務の内容について

上でも挙げましたが、介護タクシーには、「乗り降りの際の手助け」というが入ってきます。これは「身体介護」のなかに含まれるものです。

「乗り降りの際の手助け」というのは、単純に「車から降りるときだけ手伝う」というものではありません。実際に家のなかに入り、健康状態のチェックを行い、着替えを手伝う、というところから始まります。この上で、タクシーにのせ、移動を手助けすることになるのです。場合によっては消灯や火の世話も必要となります。

「家を出られる状態になるまで介助をして」「タクシーに乗せて運び」「目的の施設についたらフォローをし」「場合によっては受け付けなどを手伝う」というところまでが、介護タクシーの業務である、と考えるとよいでしょう。

1-4.介護タクシーの位置づけ

このような観点から見ていくと、介護タクシーというのは、「タクシー」としての注目度よりも、「介護」ということに重きを置かれている、ということがわかるでしょう。あくまで、介護タクシーは、「訪問介護の一つ」なのです。

1-5.利用対象者

介護タクシーは、その性質上、「利用できる人」が限られています。それには5つの条件があります。

  • 支給限度額以内での使用である
  • 要介護1以上の状態である
  • 自宅で生活している
  • 契約をしている
  • 必要性がある

大事なのが「要介護1以上の状態である」ということです。見守りは必要だし、生活の基本能力は衰えているけれども、日常的に人の手を借りなければ生活を営むことが難しいわけではない、という「要支援」の場合は、介護タクシーを利用することはできません。また、「必要性がある」というところからもわかる通り、自分自身でバスなどの公共の交通機関を利用できる、という場合も対象外となります。

1-6.料金体制と介護保険

介護タクシーの料金形態に関しては、少し難しい問題があります。「移送方法」として考えた時に割引は発生するのか?介護のときにかかる料金についてはどうなるのか?など、その規定はそれほど明確ではなく、事業者によって異なるのが普通です。介護保険を利用する場合、1割が利用者の負担となりますが、事前に確認する方がよいでしょう。

2.活用するための7のQ&A

ここらは、より実践的に、「活用する際に出てくるであろう疑問」に答えていくことにしましょう。

Q1.車両の種類は?

A.車いすやベッド(ストレッチャー)を備え付けた「福祉車両」と呼ばれるものと、セダンやワゴンといった一般車両の2つに分けられています。「介護タクシー」という名称上、前者の福祉車両の方が多い、という印象を持つ人も多いでしょう。しかし実際には、後者の、福祉車両ではないものの方が圧倒的多数です。その比率は7:93程度であり、福祉車両はとても少ないと言えます。

Q2.利用可能時間は?

A.介護タクシーは「施設などに向かうための車両」です。そのため、その稼働時間も、基本的には、病院や施設が開いている時間、ということになります。ただし、やむを得ない事情のときなどは、夜に利用することも不可能ではないようです。

Q3.緊急時は利用可能か?

A.基本的には、介護タクシーは完全予約制です。このため、緊急時に利用できる、という考え方は捨てた方がよいでしょう。深夜帯などもそれにあたります。介護タクシーを運転する人員などを考えれば、介護タクシーと緊急時のコールは相性が悪いものだ、ということがわかると思います。突発的な事故の場合は、救急車などを利用するようにしましょう。

Q4.法定代理受領サービスとは?

A.介護タクシーの支払い方法には「法定代理受領サービス」というものもあります。これは、事業者側が、使った利用実績をケアマネージャーに報告して、ケアマネージャーがそれを確認し、国保連合会に請求をかけます。これによって、事業者は、介護報酬を受け取ることができる、というものです。

Q5.介護タクシーに家族の同乗は可能か?

A.「おじいちゃんが心配だから、私も一緒に乗っていきたい」と考えるご家族もおられるでしょう。しかし、原則としてこれはできません。というのも、介護タクシーというのは、「介護の必要性がある人」が乗るものであるため、「介護ができる家族がいるのなら、その人の手を借りて、公共の交通機関などを利用することができるだろう」と判じられるからです。このため、「介護者」がいる介護タクシーは利用できません。

ただし、介護できない家族の場合、特段の事情(医師から説明を聞くなど)があれば認められるケースもあります。

Q6.介護タクシー乗務員はどこまで通院のための介助をしてくれるのか

A.基本的には、介護タクシーも「タクシー」ですから、乗り降りまでの補助までとなるでしょう。しかし場合によっては、受付などの手助けをすることもあるようです。これも事業所によって違いがあります。

Q7.通院先としっかり連携がとれているか?

A.介護タクシーと通院先の連携がとれているかどうか、というのは、やはり事業所によって違いがあると言えるでしょう。病院のスタッフや、担当のケアマネージャーに相談してみるのもよいかもしれません。

3.まとめ

「介護タクシー」という言葉は、かなりあいまいな語句であり、事業所によってプランにばらつきがあるという問題があります。しかし、介護と移動をプロにお願いできる、ということは、大きなメリットです。ケアマネージャーや病院と連携し、上手に選んでいきたいものですね。

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