介護疲れを感じた時にすぐ実践したい3つの具体的対処法

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介護疲れ

介護というのは、される側にとっても精神的な負担が大きいものです。しかし同時に、「介護する側」にとっても、精神的・肉体的・経済的な負担が大きいものでもあります。

今回は、介護疲れについてみていきましょう。

1.介護疲れとは?

介護疲れとは、その名前の通り、介護による疲労が蓄積して疲れ切ってしまうことをいいます。この「負担」は、経済的なもの、精神的なもの、肉体的なものなどがあります。

介護疲れによる殺人や自殺、あるいは虐待といったものは問題視されています。特に虐待は増加傾向にあります。

2.介護疲れの原因

介護疲れの原因はさまざまです。後で詳しく触れる、精神的な疲労や肉体的な疲労が中心ですが、それ以外にも、「自分の時間が思い通りにならない」「プライバシーもなく、常に介護のことで頭が支配される」といった「時間的な制約にまつわる疲れ」もあります。また、介護が続くことによって、看護や介護にかかる費用に生活が圧迫されることもあります。介護のために仕事を辞めると経済的な負担はより大きくなりますが、経済的な不安がある状況というのは精神的にもよくなく、それが疲れの原因となることもあります。

2-1.肉体的な疲れ

老老介護で、特に女性が男性の面倒を見ている、という場合、肉体的な疲れがたまることは、想像に難くありません。入浴の介助や排泄の介助、あるいは褥瘡ケアのための寝返りを打たせる、といったことは、若い人であってもつらいものです。自分自身の体もそれほど丈夫ではないのに、このような介護が必要になった場合、肉体的な負担は極めて大きいと言えるでしょう。

2-2.心理的な疲れ

介護の心理的な疲れは、大きく分けて2つあります。

1つは、「自分が頼りにしてきた相手が、今では自分が介護するべき相手になっている」とう事実との葛藤です。特に、親や配偶者が認知症を患ったという場合、普段は極めて冷静で合理的な判断ができる人であっても、かたくなにそれを認めようとしないこともあります。

もう1つは、「介護はいつ終わるのかわからない」ということでしょう。子どもの世話などは、基本的には成長と同時に少しずつ楽になっていきますが、介護はそうではありません。また、「終わること」を望むということはすなわち、「この人の死を願っているのだ」ということになり、自責の念にさいなまれる人もいます。

このような「自分の内側との葛藤」だけでなく、周囲の人からの心無い言葉に傷つけられたり、時間的な余裕がないことで追い詰められたりすることもあります。

3.介護疲れによる悲惨な事件

介護疲れによる悲惨な事件というのは、後を絶ちません。2015年の2月に、同じ年の認知症患者である妻を介護疲れの末殺害した夫の話などは、記憶に新しいでしょう。

また、検察官側が、加害者の熱心な介護に触れ、執行猶予つきの温情判決が下された京都市伏見の事件なども有名です。

4.介護疲れになりやすい人

介護疲れになりやすい人は、以下のようなパターンに分けられるでしょう。

  • 介護のテクニックを知らない
  • 一人で抱え込んでしまう
  • 介護施設の知識に乏しい

この3つに着目していきます。

4-1.介護テクニックを知らない

専門的な知識を持っている人ならばいざしらず、多くの人は、「初めての介護」にはとまどいを持つのが普通です。特に、「頼りにしていた人が少しずつ変わっていく」という認知症においては、「できないこと」にいらだってしまったり、否定をしたりしてしまいます。

しかしこのようなことを繰り返せば、介護される側は、介護されることを拒否してしまったり、家から飛び出てしったりすることなどを考えてしまいます。その結果、ますます介護がやりにくくなる、という悪循環があるのです。

4-2.一人で抱え込んでしまう

子育てもしていて、家事もこなしており、かつ介護もしている、ということであれば、物理的な時間が不足します。「睡眠」はストレスや疲れを癒す有効な手段ですが、物理的に時間がなければ、この「睡眠時間」さえも圧迫されてしまいます。また、ストレスを解消するための「自分の時間」がとれないのも問題です。自分の時間がとれなくなれば、友人と話をする時間も少なくなるし、相談できるところが少なくなってしまいます。

介護疲れと密接な関係のある「介護うつ」では、「一人で頑張りすぎてしまう人」「人に頼るのが苦手な人」「真面目な人」が患いやすいとされています。「ほどほど」で切り上げることができませんし、また、「できない自分」をせめてしまうことが、介護疲れを加速させます。

4-3.介護施設の知識不足

介護施設には、さまざまなものがあります。介護レベルや利用する日数に応じて形態はかわりますが、その種類は非常に豊富です。そのため、リラックスのために、これらの施設を利用して、一時的に預かってもらうということはそれほど難しいことではありません。

しかし、これらの施設の知識がなかったり乏しかったりすると、「家で介護すること」が当たり前になってしまい、施設を利用しようとしません。その結果として、介護疲れはますます加速するのです。

「知識」というのは、一つの「武器」です。知ることによって、介護疲れに対抗していくことができるのです。

5.具体的な対処法

ここまでは「概要」でしたが、ここからはより実践的な方法を学ぶようにしましょう。

5-1.①肉体的対処法

もっとも簡単なのは、1人の介護者がすべてを負担せず、家族の手などを借りることです。特にメインとなる介護者が女性の場合、男性の手を借りることができるのは非常に大きなメリットです。

また、現在は、「立ち上がりの補助」「寝返り」などを学べる動画や介護教室などがあります。これらを参考に、「体に負担のかからない介護のやり方」を学ぶのもよいでしょう。

5-2.②心理的対処法 周囲を頼る・専門機関に相談

一つ覚えておいてほしいのは、介護される側の行動というのは、介護者を困らせることを目的としているのではない、ということです。それはあくまで「症状」の一種なのです。また、メインとなる介護者1人だけで抱え込まなければならない問題ではなく、「相談すれば誰かが助けてくれる」というものなのです。

5-2-1.保険センター

地域にある保健センターに相談に行くことは、自分の現状を知る上でも役立ちます。保健センターの場合、明確に「介護疲れである」「介護うつである」「専門的な施設を探したい」というような目的があっていく必要はなく、現状を吐き出し、整理し、相談できる、という特徴があります。

5-2-3.高齢者相談センター

「シルバー110番」とも呼ばれ、各都道府県に1つずつ用意されています。相談料は無料であり、電話で相談できます。面接なども行ってくれますし、専門的なアドバイスが期待できます。

5-3.③両方の対処法 施設の利用

心理的な負担も肉体的な負担も軽くしてくれる、という意味では、施設の利用が有効です。特に認知症の場合は、特養・老健やグループホームなどがよく使われます。

5-3-1.特養・老健

特養は「特別養護老人ホーム」と呼ばれるものであり、長期間にわたる入所が可能です。「最後の居場所」としても使える場所で、要介護の度合が進んだ人でも受け入れてくれます。

対して老健は「介護老人保健施設」と呼ばれるものであり、3か月に1回の判定が行われ、長期入所は難しいものの、機能訓練は特養に比べて厚いという特徴があります。

5-3-2.グループホーム

認知症患者でも対応しており、機能訓練もしっかりあります。専門的知識を有した職員が常駐するため、安心感もあるでしょう。料金に関しては施設ごとに異なるため、チェックが必要です。

グループホームも特養・老健も、「必ず利用しなければならない」というものではありません。しかし、その存在を知り、「いざというときには頼れる」という選択肢を持つことは、介護疲れを軽減するための大きな要素となります。

6.まとめ

介護疲れというのは、介護する側にとってもされる側にとっても悲劇です。そのため、介護には精神的な負担と肉体的な負担、さらには経済的な負担もあり、それを軽減するための処置が必要である、と考えておかなければなりません。専門的な施設の知識を持っておくのも、そのうちの一つです。

参考:
https://info.ninchisho.net/care/c100
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072782.html
http://www.sankei.com/affairs/news/150208/afr1502080015-n1.html

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