しっかり理解しておきたい軽費老人ホームの3つの種類

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軽費老人ホーム

軽費老人ホームについて見ていきます。

軽費老人ホームの種類とそれぞれの特徴について知ることで、他の介護施設との比較検討に役立ててみてはいかがでしょうか。

1.そもそも軽費老人ホームとは?

軽費老人ホームは、経済的な状況や家庭の環境に起因し家族との同居が困難な高齢者向きの老人施設です。自治体が助成する為、経費で入所する事が出来、「軽費老人ホームA型」「軽費老人ホームB型」「ケアハウス(軽費老人ホームC型)」の3つを総称し「軽費老人ホーム」と呼んでいます。この項では検討にあたってのメリット・デメリットやそれぞれのタイプの違いについて紹介をします。

近年よく名前を聞かれる「ケアハウス(軽費老人ホームC型)」は1990年代以降増設され、反面軽費老人ホームA型(以降略称A型とします)、軽費老人ホームB型(以降略称B型とします)はこの年代以降増設がありません。そして2008年には従来あったA型・B型、ケアハウスがケアハウスの類型に統一されました。(現在A型B型は介護者受け入れの為にケアハウスに建て替えるまでの「経過的軽費老人ホーム」とされています)。

1-1.軽費老人ホームにはどんなメリットがある?

軽費老人ホームのメリットは、読んで字の如く自治体からの助成により安い費用で入所する事が出来るという点です。しかし「自宅で生活できない」「親族による介護を受けられない」という点が条件になります。

入所を検討するにあたっては「家族との同居困難、身寄りがない」高齢者の為の制度という点、福祉のライフラインである事を考える必要があります。

1-2.軽費老人ホームのデメリットは?

軽費老人ホームのデメリットは、原則として家族との同居困難者に限定されること、A型B型では年収制限があり、一定以上の収入がある場合には入所の対象とならないという点です。

つまり同居の家族が高齢者の生活の場として軽費老人ホームを検討するというのは考えづらい事となります。

現在主流を占めているケアハウス(従来のC型)には所得制限はありません。しかし入所時に一時金がかかります。

軽費老人ホームは自治体が資金面を助成し、社会福祉法人や医療法人が事業主体となっています。福祉的側面が大きい為年収が高い、家族間の連携があるなどの部分で選択肢がある場合は、民間事業である有料老人ホームを検討する事になります。

1-3.軽費老人ホームの入所基準

軽費老人ホームの入所基準には、原則として「自分の身の回りの世話が出来る事」とされています。また、A型B型の場合、食事サービスの有無が大きな違いですが、自炊前提の軽費老人ホームもあります。

認知症を患うなど他人との共同生活に困難が生じる場合、退所を余儀なくされる事もあります。しかし軽費老人ホームに入所後にも介護を受ける事が出来るケースもあります。
「介護付きケアハウス」は、介護保険の導入により介護1以上に認定された場合でも入所出来るという点が人気を集めています。しかし、その人気ゆえに入所待ちが発生しているのが現状です。

1-4.軽費老人ホームへの入所手続の手順

軽費老人ホームへの入所手続きは、自治体でなく各施設へ行います。入所にあたっては面談等の手続きが必要です。

  • 入所申込書を作成する
  • 面談(来訪または訪問)
  • 必要書類(収入証明書・住民票・健康診断書など)を提出
  • 介護者状況、介護の必要性、要介護度、資産収入額等から総合的判断の上入所決定

以上が大まかな手続きの流れです。状況は申込者の数などにも左右されます。

入所にあたっては事前に下調べをし、必要書類などをしっかりと準備する事が必要です。また、A型B型は建て替えの途上にある為、施設数が減少している反面長期入居者が高齢化しています。その為新規の入居は難しい場合が多いですが、施設によっては定員に満たない場合もあり入居可能な事もあります。

手続きは各施設の状況と個別に対応している点を留意すると良いでしょう。

2.軽費老人ホーム3つの種類

軽費老人ホームは、A型、B型及びC型(ケアハウス)に分かれています。2008年以降全てC型のケアハウスと同形式になる方向で建て替えが進んでいますが、現在もA型、C型は機能している為一度全ての違いを把握しておけば検討時に有効です。

以下でそれぞれの特徴をみます。

2-1.軽費老人ホームA型

軽費老人ホームA型は老人福祉法の下、老人ホームとして定められた福祉施設です。
運営補助資金の助成は、地方自治体や国が行います。

2-1-1.軽費老人ホームA型のサービス内容

A型のサービス内容は、自立はしているものの自炊が出来ない高齢者向けの老人ホームです。身の回りの事は自分で対処できるものの、身体能力の低下などにより自立した日常生活を営むことに不安がある方で、入所すれば食事サービスがつくという点がB型との相違です。

2-1-2.軽費老人ホームA型の対象者

対象者は以下の通りです。

  • 60歳以上の高齢者(夫婦の場合、どちらか一方が60歳以上)
  • 家族との同居困難、または身寄りがない事
  • 身の回りの事が自分で出来る
  • 利用者の生活費に充てられる資産・所得・仕送り等合算が施設利用料の2倍程度(35万円以下)

2-1-3.軽費老人ホームA型の利用料

A型の費用は、一般的に生活費と介護サービス費を合算して月々3~17万円程度です。平均では5万円程度と考えて良いでしょう。

生活費の内訳は居住費・サービス提供費・日常生活費・食費となります。

初期費用は0円~数十万円で、必ず初期費用のかかるケアハウス(C型)と異なり特に必要ない場合もあります。

この金額は、負担出来る能力に応じて入居者本人並びに扶養義務者(配偶者・子供等)が負担します。自己負担額がどれ位になるのかは自治体により異なります。

また、福祉的色合いの強いシステムの為、扶養義務者もしくは本人が生活保護対象者などの場合には、サービス提供費が低くなります。この点は検討の際に留意しておくと良いでしょう。

2-1-4.軽費老人ホームA型の設備

A型の設備として、居室は原則として一人入居前提の個室です。施設により夫婦入居用の2人部屋が用意されている事もあります。居室内にトイレが用意され、通常浴室付です。食事サービスがある為キッチンはついていません。そのかわり食事をとる食堂が設置されています。理容室等は外部サービスを利用する必要があります。基本的にバリアフリー設計です。

2-2.軽費老人ホームB型

B型もA型と同じく、老人福祉法の下老人ホームとして定められた福祉施設です。運営等はB型とほぼ同じであり、2008年以降はケアハウス(C型)に建て替えが進んでいるのが現状です。

2-2-1.軽費老人ホームB型のサービス内容

B型のサービス内容はA型のサービスから食事提供を無くしたものです。そのかわりキッチン設備が居室についています。身の回りの事は自分で対処できるものの、身体能力の低下などにより自立した日常生活を営むことに不安がある方、なおかつ自炊が出来る方を対象としています。

2-2-2.軽費老人ホームB型の対象者

対象者はA型と殆ど同じです。食事サービスがつかない為、

  • 60歳以上の高齢者(夫婦の場合、どちらか一方が60歳以上)
  • 家族との同居困難、または身寄りがない事
  • 身の回りの事が自分で出来る(自炊の可能な程度)
  • 利用者の生活費に充てられる資産・所得・仕送り等合算が施設利用料の2倍程度(35万円以下)

2-2-3.軽費老人ホームB型の利用料

施設利用料は、A型に比べると自炊の分費用が少なくなります。入居一時金はかからないかかかっても定額の場合が多く、福祉サービス費を含めても10万円以下程度の施設が一般的です。

2-2-4.軽費老人ホームB型の設備

A型と概ね同じであり、相違点としては自炊の為のキッチン設備が用意されています。食事をつくる事が困難で無い方にとって、自炊は大きな老後の楽しみの一つです。食堂は設置されていません。基本的にバリアフリー設計となっています。

2-3.ケアハウス(軽費老人ホームC型)

2008年以降、軽費老人ホームは統合されケアハウス(C型)に移行しています。ケアハウスの特徴は、「一般(自立)型」と「介護(特定施設)型」に分かれており、後者では軽度から要介護重度の方までが入所できるという点です。この点がA型B型とは大きく異なります。

2-3-1.ケアハウス(軽費老人ホームC型)のサービス内容

サービス内容はA・B型の内容に加え、「介護(特定施設)型」では生活援助、身体介護が含まれます。これは特定施設入居者生活介護の指定に基づきます。機能訓練(いわゆるリハビリ)や医療ケアが充実した施設もありますが、後に触れるようにこのためケアハウスは入所一時金がA・B型に比べて高くなるという点があります。

2-3-2.ケアハウス(軽費老人ホームC型)の対象者

対象者は一般型のケアハウスと介護型のケアハウスで異なります。

  • 一般型…「60歳以上の高齢者または夫婦のどちらかが60歳以上」
  • 介護(特定施設)型…要介護1以上の65歳以上の高齢者

なお、介護型の場合認知症は一部対応しています。共同生活は必須となります。他はA・B型と概ね同じですが、資産関連の制約はありません。

2-3-3.ケアハウス(軽費老人ホームC型)の利用料

利用料で大きく異なるのは、入所の初期費用がA・B型に比べると高いという点です。しかし、一般(自立)型の場合無料の施設もあります。

介護型の場合、施設によっても異なりますが数十万円から数百万円の初期費用と、16,7万から20万円程度の月額利用料がかかります。一般型についても7万~13万程度の月額利用料になります。しかしこちらも、貧困や生活保護などの条件下では少ない方が優先されます。

2-3-4.ケアハウス(軽費老人ホームC型)の設備

ケアハウスは基本的にバリアフリー設計です。また、共同生活室(食堂・リビング兼用)、居室・浴室・トイレなど共同設備が用意されています。原則として個室となりますが、夫婦用の2人部屋のある施設もあります。

3.軽費老人ホームの入所は難しくなっている?

福祉の色合いの強い軽費老人ホームですが、民間運営の老人ホームに比べると金額が安い為人気があります。また、各施設の状況にも左右されます。

しかし、老人ホームや高サ専など様々な形式の老人施設がある現在、必ずしもケアハウスの入居難易度は高くありません。2000年代にかけて入居者数が増加してから落ち着いた為、比較的すんなりと入居できるケースも多いようです。

4.今後はケアハウスの基準に統一される?

ケアハウス(C型)の特徴はバリアフリーと介護設備が整っている点であり、2008年以降は基本的にこの形式で新規に建てられています。また、従来のA・B型は1990年を境に入居者が減り、民間事業者による介護型ケアハウスへの参入(設立や運営)によってC型のケアハウスに統合されていく形になりました。A・B型は今後はケアハウスの基準に統一されます。

5.まとめ

軽費老人ホームについて見てきました。

介護時に名前を聞く「ケアハウス」は、従来軽費老人ホームC型に分類されており、介護対応できる部分が最大のメリットでした。

現在はこの形に統一される形でA・B型からの移行が進んでいます。

その為、軽費老人ホームを検討する時にはケアハウスの項目をみる事がよく、その中でも入所予定者が「一般(自立)型」か「介護(特定施設)型」かの判断が必要です。

後者の入所一時金と入所施設の使用料を確認した上で、入所決定時には直接各施設への申し込みとなります。

そして、現在様々なタイプの老人施設があり、少子高齢化に伴い金額も安くなっています。

金銭的な事情に限れば福祉的要素の強いケアハウスは比較的安い方ですが、サービスと金額の事を考え入所者のコンディションも考慮すると、ケアハウス以外の選択肢も考えられる場合があります。現在はそれほど入所が立て込まない傾向があります。

他の老人施設検討の時と同様、幾つかの選択肢を並列して検討する事が必要です。

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