
膠原病の初期症状について見ていきます。
「膠原病」という言葉は、多くの人が耳にしたことのあるものでしょう。しかしその実態については、「よく知らない」という人も多いのではないでしょうか。
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1.膠原病とは?
意外に思われるかもしれませんが、「膠原病」という名前は、「疾患名」という位置づけとしては使われていません。膠原病の原因はわかっておらず、「原因が不明であるのに、特徴的なさまざまな身体的な異常が起こり得る」という状態を指しているのです。
膠原病というのは、「疾患名」ではなく、「病気における、新しい意識・新しい考え方」とも言うべきものです。特定の臓器にのみ起こるものではなく、さまざまな臓器が、同時期に異常をきたすという状況を表す言葉として使われるのが本来の形です。
なお、この「膠原病」という単語は、1942年ごろから使われるようになりました。
2.具体的な6つの初期症状
さて、それでは、この膠原病にはどのような症状があるのでしょうか。
2-1.発熱
37度程度の発熱が続きます。しかし、「ずっとそれだけの熱がある」ということではなく、1日の限られた時間だけ熱が出るとか、逆に高熱が続いたりするなど、症状はさまざまです。
2-2.痺れ
指先などにおいて、痺れがみられることがあります。ほかの病気と区別しにくい形で出ることが多いようです。
2-3.レイノー現象
指先の色が、いきなり変色します。「何色に変わるのか」というのはケースバイケースで、紫色、赤色、白色などがあります。
2-4.関節や筋肉の痛み
風邪などを引いたときに関節が痛んだ、という人もいるのではないでしょうか。このような症状が、さまざまなところで起こります。同時併発することも。
2-5.皮膚症状
顔を中心に、身体全体に発疹や紅斑が表れます。多くの場合は痛みは伴いませんが、一部の箇所(ひじや脚など)に表れる場合は痛く感じることがあります。
2-6.リンパ腺の腫れ
ワキだけでなく、首などのリンパ線も腫れることがあります。しかし、「強烈な痛み」をもたらすことは、それほど多くはないと言われています。
3.膠原病に分類される病気
膠原病のなかに分類される病気は、実にさまざまです。よく耳にする、「悪性関節リウマチ」や通風(偽痛風)なども、この膠原病に含まれています。それ以外にも、アレルギー性疾患や、骨粗しょう症なども含まれています。
しかし、膠原病の特に特徴的なのは6つの病気です。そのなかでも、「全身性エリテマトーデス」「強皮症」「多発性禁煙及皮膚筋炎」「血栓性多動脈円」は、特定疾患治療研究対象疾患と定められています。
4.症状が続く場合、膠原病の可能性あり
上記であげた症状は、膠原病でなくても、なる可能性があるものです。たとえば、風邪やインフルエンザでも同じような症状がみられます。
しかし、膠原病の場合、「時間が経てば治る」というものではなく、長く続きがちです。
4-1.風邪との違い
上記でも述べましたが、膠原病と風邪は、「続く期間」というのが大きく違います。風邪であれば治るであろうだけの療養期間を経ても治らないときは、膠原病を疑いましょう。
4-2.専門医のいる医療機関がおすすめ
膠原病というのは、ほかの病気と似ている症状が多く、なかなか見分けがつきません。しかし、だからこそ、専門医にかかり、しっかりと診断してもらうことが重要になってきます。
膠原病の専門医の数はそれほど少なくありませんから、受診する先の選択肢には事欠かないでしょう。
5.まとめ
膠原病の初期症状について見てきました。
膠原病の6つの初期症状
1.発熱
2.痺れ
3.レイノー現象
4.関節や筋肉の痛み
5.皮膚症状
6.リンパ腺の腫れ
「原因がわからない」という膠原病は、確かに不安なものです。しかし、出てくる症状を知り、専門医に話をすることで、上手に付き合っていくことができます。