幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

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幻視症状

レビー小体型認知症の症状について見ていきます。

三大認知症のひとつ、レビー小体型認知症。認知症の種類は数多く、厳密に分類すると数十に及びますが、このレビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症・脳血管性認知症と並んで、発症例が比較的多い種類です。

レビー小体型認知症にはさまざまな症状があるため、別の疾患と勘違いされてしまうことが多くありました。そのため、早期発見が遅れてしまいがちでした。しかし、レビー小体型認知症にも手がかりとなるような特徴を持つ症状はあります。

では、どのような症状の場合に専門医に相談するべきなのか? その点を一緒に学んでいきましょう。

1. レビー小体型認知症の特異な症状

レビー型認知症の症状認知症は少しずつ進んでいく疾患で、周囲がすぐに気が付かないことが多い点が厄介です。とはいえこの疾患の場合、「とてもリアルな幻視・幻覚」が初期症状から目立つという点でアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症とは異なります。

関連記事:レビー小体型認知症とは?第二の認知症と呼ばれる病

2. レビー小体型認知症の主な症状「3徴」

レビー小体型認知症の症状はさまざまですが、中でも、認知機能の動揺・幻視症状・運動機能障害(パーキンソン症状)の3つは発症率が高いです。そのため、これらの症状はレビー小体型認知症の「3徴」と呼ばれています。家族がレビー小体型認知症を患っているかどうかを確かめたいときは、最初にこの3つの症状の有無をチェックするとよいでしょう。

これらの症状は、発症する時期としない時期を繰り返すという特徴を持ちます。1日の中で症状が出たりおさまったりと、短時間で変動するケースもあれば、月単位で変化するなど長期的なケースもあります。

2-1. 認知機能の動揺

認知機能の動揺認知機能とは、目や耳を通して入ってきた情報を正確に認識し、実行に移す際に欠かせない能力全般を指します。判断力や見当識、記憶力や計算力等、この機能に含まれる能力は広範囲に及びます。

レビー小体型認知症を発症して認知機能が不安定になると、以下のような判断ミスを繰り返します。

2-1-1. 人を正しく判断できなくなる場合

「家族のような極めて近しい人物の顔を見極められなくなる」「家族を赤の他人と間違える」といったケースがよく報告されています。

2-1-2. 場所を正しく判断できなくなる場合

「自宅にいながら、どこかよその場所にいるような思い違いをする」「突然、トイレや浴室の場所を思い出せなくなってしまう」といったケースがよく報告されています。

2-1-3. 時間を正しく判断できなくなる場合

「真夏なのに、今が冬であるように思い込んでしまう」、「自身が若かったころに戻ったかのような言動を見せる」といったケースがよく報告されています。

これらの誤った認識が原因で、それまで当たり前のようにできていたことが突然できなくなってしまいます。症状が進むと、誤った認識に基づいたまま判断するようになるため、思い込みが強くなります。

2-2. 幻視症状

幻視症状幻視とは、目の前にないものが実在するように見えてしまうことです。脳の一部(後頭葉)の機能が正常に働かなくなることが原因です。発症者の目には、他人や小動物が映ることが多いようです。「誰もいない場所に向かって話しかけていた」、「何もいないところで必死に払いのけるような行動をしていた」といった例が多く報告されています。知らない人が見えることもあれば、知り合いが見えることもあり、また、小動物が見えるケースでは犬や猫、昆虫や蛇等が多く幻視症状として現れるそうです。

これらの幻視症状は、発症者の妄想を強めてしまうことがあります。知らない異性が見えてしまうことで、「夫(あるいは妻)が自分に隠れて浮気をしている」といった思い違いをしたケースが報告されています。そのほか、幻聴・錯視・変形視といった症状を伴うことがあります。

2-3. 運動機能障害(パーキンソン症状)

こけるパーキンソン病とは、手足の震えや筋肉の固縮のような運動機能の異常をもたらす病気です。このパーキンソン病と共通する症状が相次いでみられることがあります。

2-3-1. 振戦(手足の震え)

じっとしているときでも、手や足が震え出してしまいます。

2-3-2.無動

動作全体が緩慢になり、声を大きく出せなくなったり抑揚のない話し方しかできなくなったりと、会話に支障が生じます。そのほか、まばたきの減少を伴うことがあります。

2-3-3.筋肉の固縮

筋肉が固くこわばります。そのため、関節がスムーズに動かなくなります。

2-3-4.姿勢反射障害

立って歩くときに全身のバランスをうまくとれなくなります。だんだん歩幅が小さくなり、小股で歩くようになりま す。悪化すると、何もないところでも躓いてしまい、転んで大けがをしてしまうといった危険性が生じます。

2-3-5.その他

「食事の際に、噛んで飲み込むことがうまくできなくなる」、「大きくてはっきりした字を書けなくなる」といった症状が出る場合も。

2-4. レビー小体型認知症に見られるその他の症状

鬱自律神経障害や記憶障害が出ることもあれば、睡眠中に奇声を発したり激しく暴れまわったりするレム睡眠行動障害という症状が出ることもあります。

2-4-1. 自律神経障害

自律神経は、内臓や血流といった人体の重要な器官の機能をコントロールしています。この機能にトラブルが生じてしまうと、以下のような症状が発生します。

2-4-1-1. 抑うつ

初期の段階で見られる症状のひとつです。うつ状態と誤認されることが多いです。食欲の低下や不眠症、行動意欲の低下にめまいといった症状が中心です。

2-4-1-2.血流に関する障害

血圧の変動が激しくなる、起立性低血圧(立ちくらみ)が頻発する、といった症状があります。

2-4-1-3.発汗障害

多汗症(暑くないときでも、大量の汗が出るという症状)が有名です。また、その反対で汗の量が極端に減ってしまうケースもあります。

2-4-1-4.排尿障害

尿失禁をはじめ、尿の調節ができなくなります。

2-4-1-5.消化機能の障害

便秘やイレウス(腸閉塞)を引き起こすがあります。

2-4-2. 記憶障害

「だんだんと物忘れが激しくなっていく」といった記憶の混乱は、レビー小体型認知症では珍しくありません。ただし、そのほかの症状と同時に進行します。初期段階においては、幻視や認知機能の動揺等と比べると目立たないことが多いです。その点が、アルツハイマー型認知症との大きな違いです。アルツハイマー型認知症の場合は、あくまでも記憶障害が症状の中心になっています。

2-4-3. レム睡眠行動障害

人間の睡眠はレム睡眠・ノンレム睡眠に分けられ、夢を見ている間はレム睡眠に入っていることがほとんどです。レビー小体型認知症になると、このレム睡眠の最中に、夢の内容に合わせた行動を見せることがあります。

睡眠中に大声を出したり、暴れまわったりするようになるのですが、その規模は単なる寝言や、寝相の悪さという範囲を超えています。極端な場合、起き上がって歩き出すことまであります。

3. 早期発見が重要!

早期発見早期発見は、症状改善のケアプランをいち早く立てることができるため、非常に重要です。しかし、レビー小体型認知症は別の疾患と誤解されやすく、早い段階での適切な診療は容易ではありません。そのため、「3徴」の傾向が見られたら、速やかに専門の窓口に相談されることをおすすめします。

レビー小体型認知症には現在、症状に合わせてさまざまな治療法が確立されています。適切な治療法を突き止めるためにも、早期発見による専門医の診察は大切です。

4. まとめ

レビー小体型認知症について見てきました。

早期発見をレビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症と比べると認知度が高くありません。そのため、初期の段階では違う病気と誤解され、適切な診療が遅れる傾向がありました。

しかし、幻視症状をはじめとした特徴があります。アルツハイマー型ほど顕著ではない記憶障害、認知機能や運動機能といったその他の症状も、早期発見の大きな手がかりです。こうした正確な情報を把握し早めに症状を見抜いて、的確な治療に乗り出すことが重要でしょう。

参考:
http://www.kikuchi-nhp.jp/pdf/rebi-syotai201206.pdf
http://www.d-lewy.com/index.html
https://info.ninchisho.net/type/t20
http://www.ninchisho.jp/kind/06.html
http://www.aricept.jp/alzheimer/e-clinician/vol59/no608/sp08_01.html
http://www.juntendo-koshigaya.jp/clinic/neurology/dlb.html
http://www.eisai.jp/medical/region/phar/hospha/2013_3/visual.pdf

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