
看取り介護について見ていきます。
「看取り介護」という単語を聞いたことはあるでしょうか。なかには、「耳にしたことがない」という人や、漠然と、「介護をし、最期を看取ること」という認識でいる人もいるかもしれません。今回は、この「看取り介護」についてお話していきましょう。
目次(読みたいところまで移動できます)
1.看取り介護とは?
まずは、「看取り介護とはそもそも何か」について紹介していきます。
1-1.看取り介護の定義
「看取り介護」という言葉の定義は、「施設などで、亡くなる人の精神的な負担を軽くして、最期のときを安らかに過ごせるようにする介護」のことを指します。
この「亡くなる人」の前には、「近い未来に」というものが付きます。つまり、「身体的な状態などから判断して、医療の手を尽くしても回復する未来がない人」が対象となります。
1-2.看取り介護の考え方
終末期医療(ターミナルケア)に分類されるものであり、「苦痛を取り除く」ということを第一の目的とします。本人の意思を重んじ、苦痛を取り除くさまざまな措置が取られます。肉体的な苦痛緩和措置と同じように、精神的な苦痛の緩和措置と考えられているものであり、スタッフは、対象者が穏やかな終焉を迎えられるように尽力します。
2.看取り介護の流れ
看取り介護は、時間をかけて行われます。実際の看取り介護はどのような流れをとるのかをお話します。
2-1.適応期
看取り介護を行ううえで、最初に考えられるものです。このときは、
- 要望の確認
- 本人や家族の気持ちを確認する
- 施設の医療形態の説明
- 連絡方法の確認
- 最期のときの対応
の聞き取りや説明を行います。
「尊厳ある死」という意味や死生観の確立を大切にするものであり、「看取り介護という制度」「看取り介護を行う施設に対する理解」などをしていく過程です。
2-2.安定期
入所半年後以降の段階です。基本的には、上記の「適応期」であげたものと同じ対応がとられますが、「健康状態の確認」や「死ぬことに対する理解や考えをより明確にするための交流を図る」ことを重要視します。
適応期においては、漠然としたものであった「死生観」にもより深く踏み込むものであり、細かく変わっていくであろう家族や本人の意向を、施設側は最大限受け入れる体制を整えています。
2-3.不安定・低下期
体が衰弱していき、肉体的に「死」に近づいていく段階です。この段階になると、「現状を伝えること」「その後どうなるか」「身の周りの世話に、どのような変化があるか」ということを伝えることが必要になってきます。
これらを正確に伝えたうえで、本人や家族がどのように判断するのか、ということを確認していきます。
「死という現実が迫っていること」が突きつけられる段階であるため、本人や家族の心構えも必要になるでしょう。
また、この段階になると、「その人の望み」が最優先されるため、食事なども、本人の望むものが出されるようになります。
2-4.看取り期
手を尽くしても、「回復は見込めない状態」が、この「看取り期」です。施設でできる手当や、看取り介護計画書への同意、そして最期の思い出として会いたい人(会わせたい人)に連絡する、というのがこの段階でできることです。
「亡くなった時にどこに連絡するのか」「亡くなった時に何を着せたいのか」などの確認などもこのときに行われます。お葬式の相談などが行われるのも、このタイミングです。
2-5.看取り
亡くなった時の対応となります。死亡届けの作成や、葬儀会社への現実的な手配などが行われます。最期のときは、できる限り、ご家族に看取られて過ごせるように、手配が行われます。
2-6.看取り後
家族を失った遺族の衝撃というのは、段階を踏んでいたとしても大変なものです。そのため、「看取り後」においては、遺族へのケアが優先されます。場合によっては、職員が葬儀などに参列することもあります。
「看取り介護」は、「介護される人を見送るための介護」だけでなく、「残された遺族に対するケア」も重要視している介護である、と言えるのかもしれません。
3.約7割の特別養護老人ホームで看取り介護が実施されている
特別養護老人ホームは、「最期の住居」ともなるものです。そのため、7割程度のホームで、このような「看取り介護」が行われています。死というのはとてもつらいものですが、看取り介護を受けることは、本人にも、そして残されることになる家族にも、心強いことでしょう。
関連記事:入所難易度が高くなっている?特養老人ホームの入所条件とは
4.まとめ
看取り介護について見てきました。
誰もが避けることのできない「死の瞬間」を、可能な限り穏やかに、そして自分らしく迎えるために、終末医療の「看取り介護」はあります。
特別養護老人ホームの多くで実施されている介護形態であり、家族にとっても、大きな助けとなっています。
参考:
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/committee/list/data/syumatsuki_iryou_houkoku.pdf
http://www.fukushi-kousaikai.or.jp/kawashimahome/sisetu_mitori.htm
看取りと施設で言われ食事と薬がその時点でストップとなり、水分補給は栄養ジュース、家族が与えるジュース、ゼリー飲み物ですでに4ヶ月になります。今月に入って就寝前嘔吐があり水分量を200ccとされました。毎日施設に行き母を見ているのですが自分が殺人をしているような気になり施設に対しても看護師に対しても責任を問わないのですが本人が飲みたい時に飲みたいだけ飲まし欲しいとたのました。 改善されましたが私が夕方帰った後は、朝まで飲ませていないので又看護師に私が帰った後寝る前にまでに水分をお願いした所御家族のような手厚い看護は出来ないし付ききりの対応も出来ないとも言われ不信感を感じています。今の所嚥下には問題は、ありません。看護師は、5時30で退所月1度医師が来ます。こんな状態は当たり前なのでしょうか?