老人ホームのレクリエーションが持っているとても大切な3つの目的

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レクリエーション

老人ホームに足を踏み入れたことがない、という人は、「老人ホームは、介護や身の周りの世話をしてくれるところだ」と思っているのではないでしょうか。もちろんこれも老人ホームが持つ重要な役割ですが、それ以外にも、「レクリエーションを行う」という役割があるのです。

1.老人ホームでは高齢者のためのレクリエーションが行われている

もしあなたが生活するとして、「食べるものもあり、身の周りの世話もしてもらい、入浴などにも不便を感じないけれども、毎日何の刺激もなく、起きて、ご飯を食べて、寝るだけ」という日常に耐えられるでしょうか?

これは極端な例ではありますが、人間が人間らしく生きていくためには、衣食住が満たされることだけでなく、「刺激」が必要になります。それの一つが「レクリエーション」です。

2.レクリエーションには大切な3つの目的がある

老人ホームで行われるレクリエーションには、大きく分けて3つの目的があります。

  1. 身体機能の維持と向上
  2. 脳の活性化
  3. コミュニケーション・趣味の創出

それぞれについてみていきましょう。

2-1.身体機能の維持と向上

筋肉は使わないとどんどん落ちていきます。高齢者が転倒して骨折をし、それが引き金となってねたきりになる、というのは、それほど珍しいことではありません。手足の筋肉を維持するためにも、適度に動くことのできるレクリエーションは非常に重要なのです。

2-1-1.高齢者は運動量が不足しがち

年をとると、すべての行動がゆっくりになります。また、何かをするのにも非常に時間がかかります。このため、周囲の人がよかれと思って先回りしてしまったり、高齢者自身が周りの人に頼ってしまったりします。もちろん無理をする必要はありませんが、このような生活をしていると、運動量が全体的に不足してしまい、上であげたような、「筋肉量の低下」を招いてしまいます。

2-1-2.適度な運動は良質な睡眠をもたらす

高齢者に限ったことではありませんが、体を動かすということは、肉体に心地よい疲労を与えることにつながります。この「疲労」は、良質な睡眠をもたらしてくれます。よく、不眠症の解消策として、有酸素運動などの運動がとりあげられますよね。これは高齢者においても同じです。

2-2.脳の活性化

レクリエーションがもたらす大きなメリットは、この「脳の活性化」です。具体的な例を挙げてみていきましょう。

2-2-1.考える場を創出し、脳を活性化させる

「考えること」は、脳を活性化させることに役立ちます。政治家や物書きなどは常に頭を使い、新しいことに取り組んでいるからか、認知症になりにくいとも言われています。もちろんすべてがこのケースにあてはまるわけではありませんが、「考えること」「手などを動かして取り組むこと」は、脳に良い影響を与えます。

2-2-2.脳の活性化は認知症の予防や認知症状の進行を遅らせることにつながる

1400人以上を対象に行われた調査結果(フィンランド)では、「趣味を持っている人は記憶力などが長く保たれる」ということがわかりました。

また、心理学者のランガーとロウディンの研究では、「◯◯をしましょう」というように「指示」するよりも「今日はどんなことをしたいですか?」と「問いかける」方が、積極的な姿勢などが向上する、という結果が出ています。その差は70%以上にもなります。

レクリエーションのなかでも、「自分で選択し、積極的に取り組む」というレクリエーションは特に有用だという証拠にもなっています。

2-3.コミュニケーション・趣味の創出

さらに、レクリエーションには「コミュニケーションを保つ」という目的もあります。

2-3-1.コミュニケーションは社会参加のきっかけになる

現在では、「高齢者と子どもとの触れ合い」を謳い、園児と高齢者が積極的に関わるというイベントをやっているところもあります。上でも軽く述べましたが、趣味を持つことや社会とかかわりを持つことは、認知症の予防に役立つと考えられています。

3.ジャンル別ごとのレクリエーション

レクリエーションにはさまざまな種類があります。それについてみていきましょう。

3-1.身体を動かすレクリエーション

ダンスなどがこれにあてはまります。無理をする必要はなく、その人その人の身体機能にあわせたやり方で行います。

3-2.頭を使うレクリエーション

パズルや感じのゲームなどがこれです。認知症の予防及び進行防止に特に役立つと言われています。しかし、あまりにも難しすぎるものは逆にストレスとなりますから、ゲームを行う介護者の方は、その人の状態をきちんと把握する必要があります。

3-3.社会貢献につながるレクリエーション

上であげた、「子どもとの触れ合い」などがこれにあたります。よく、「昔の遊びを、おじいちゃんおばあちゃんに習おう!」というものがありますよね。また、手作り品をバザーなどで売るのも、ここに分類されます。

4.ロボットによるレクリエーションとは?

最後に、ちょっと不思議なレクリエーションである、「ロボットとの交流」について紹介しておきましょう。

4-1.会話のできるコミュニケーションロボット・PALROとは

コミュニケーション・PALROは、富士ソフトが生み出したロボットです。このロボットは、「会話できるロボット」であることが最大の特長です。話しかけたら答えてくれ、「踊ってみて」と言われるとダンスをしてくれます。食事に関する豆知識を持っていたりするなど、まるで人間の介護者のように、「ぬくもりのある対応」を返してくれる介護ロボットであり、現在大きな注目を浴びています。

4-2.PALROの活躍

「しゃべること」「コミュニケーションをとること」は、認知症を予防する上で非常に重要です。口を動かすことによって、口の機能を正常に保つことにも役立ちます。彼の踊るダンスがかわいらしく、自分も一緒に踊ってみたくなる、という人もいるのではないでしょうか。

介護される側には、確かな温かさのある対応が。介護する側には、レクリエーション機能の搭載による介護予防の効果を見込めるという利点があります。

日本のロボット技術は世界でも高い評価を受けていますが、PALROの存在は、そのロボット技術と長寿国第一位であるという医療(介護)技術が巡り合ったことにより生み出されたものなのかもしれません。

5.まとめ

人間が人間らしく生きるために、そして健康的に生きるために、レクリエーションはかかせません。運動・頭脳・社会参加、3つの観点からレクリエーションを考え、実施しましょう。また、近年着目されている、介護予防のロボットの能力も知っておくとよいでしょう。

参考:
http://palro.jp/
『マンガで分かる心療内科』第36回「認知症にならない、3つの方法」後編

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