
老人斑について見ていきます。
年をとると浮かんでくる「老人斑」ですが、これには実はいろいろな側面があります。これについてお話していきましょう。
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1.老人斑とは?
老人斑とは、年齢を重ねることにより、肌などに出てきやすくなるシミのようなものです。茶色をしており、顔などにもよく浮き出ます。
この老人斑は、アルツハイマー型認知症とも関係があると言われています。
1-1.老人斑の構成
老人斑は、アミロイドβと呼ばれるものをその主成分としています。これはしばしば「Aβ」とも略されるものです。この老人斑は、後述するアルツハイマー型認知症と密接なかかわりがあります。
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1-2.アミロイドβとタウタンパク質
アミロイドβが少したまっただけで、すぐにアルツハイマー型認知症が始まるわけではありません。アミロイドβがたまり始めて、10年ほどすると、「タウタンパク質」という成分が頭にたまり始めます。
これらは両方とも、徐々にたまり続けます。そして、アルツハイマー型認知症として「発症」に至るのです。
1-3.シミ(老人性色素斑)とは違う
老人性色素斑と老人斑は、しばしば混同されます。しかしこの2つには違いがあります。老人性色素斑は紫外線などが原因でできてくるものであり、レーザーなどによってある程度対策(処置)が可能です。また、日焼け対策などを行うことで、その発生を最小限に抑えることができます。その「原因」からしてまったく違うので、老人性色素斑と老人斑は明確に区別されます。
2.老人斑がもたらす影響
老人斑はアミロイドβを主成分にしていますが、単純に「見た目にシミのような形が浮き出る」というだけではすみません。この老人斑は、神経の伝達機能を邪魔してしまいます。結果として、神経細胞にダメージをもたらしてしまいます。このようなことから、老人斑は非常に問題が大きいものなのです。
2-1.大脳皮質に沈着
老人斑は特に、大脳皮質の神経細胞に付着します。老人斑は神経の伝達機能を邪魔するもの。これにより、神経細胞がダメージを受けやすくなってしまうのです。
2-2.脳細胞の死滅を起こす
「老人斑が脳細胞を殺すのか、それとも脳細胞が死んだ結果として老人斑が出るのか」というのは、なかなか難しい問題であり、見解も分かれています。ただ、それでも、老人斑と脳細胞の死滅に関係があるのは間違いがないようです。
3.アルツハイマー型認知症の関係とは?
老人斑とアルツハイマー型認知症には密接な関係があります。アルツハイマー型認知症は、老人斑の主成分であるアミロイドβやタウタンパク質によって起こると考えられているからです。
4.不要なたんぱく質を貯めないためには?
アルツハイマー型認知症にならないためには、周囲の人たちと積極的に触れ合ったり、運動をしたり、睡眠を取ったりすることが望ましいと言われています。これは、アルツハイマー型認知症に限らず、「求められる、健康的な生活」そのものであるため、健康な状態で長生きするためにも有用です。
5.まとめ
老人斑について見てきました。
老人斑がもたらす影響
1.大脳皮質に沈着し、神経細胞がダメージを受ける
2.脳細胞の死滅を起こす
アルツハイマー型認知症や老人斑の作用については、まだまだ分かっていないことが多いのも確かです。しかしどちらも、アミロイドβとタンパク質やタウタンパク質というものが悪い影響を与えていることは確かです。
これらを完全に「排除する生活」というのはなかなか難しいものです。しかしながら、運動をしたり、コミュニケーションをとったり、睡眠をしっかりとったりすることで、これらのリスクは下げることができると言われています。健康的で、かつ長い寿命を手に入れるためにも、今日からさっそく取り組んでいきたいものですね。