サービス付き高齢者向け住宅の防火管理は大丈夫?消防法における扱い

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サ高住の防火管理

サービス付き高齢者向け住宅の防火管理について見ていきます。

2013年、長崎県のグループホームで火災が起き、4人の入居者が亡くなるという惨事が起きました。

このような火災によって介護施設に入居している人が犠牲になってしまう事例は過去にも起こっており、関係者の間では「またか」という思いを抱く人も多いとのこと。

先に紹介した事故はグループホームで起きた事故ですが、もし、サービス付き高齢者向け住宅で起きたらどう対処できるのかと疑問を抱いている人も多いかもしれません。

そこで、現時点における取り組みについて、こちらでご紹介していきましょう。

1.サービス付き高齢者向け住宅の消防法での扱い

サービス付き高齢者向け住宅の場合、まだ介護保険法における規定がありません。このため、居宅扱いにされます。また、高齢者住まい法の中では住宅と規定されるので覚えておきましょう。

一方、防火管理に関する法規である消防法の場合、建物の区分を一般住宅と共同住宅、福祉施設の3種類に分類されます。

ちなみに共同住宅は、いわゆる寄宿舎のような建物が該当します。消防法による分類と、そのほかの社会福祉法や介護保険法の分類とは必ずしも一致しません。

ここでは消防法に絞ってみていきますが、一般住宅と共同住宅に関しては、スプリンクラーの設置義務多防火管理者の配置、避難訓練の義務化といったルールはないので注意してください。ただし、福祉施設に関しては、スプリンクラーの設置などの規定はあります。

2.面積による問題

スプリンクラーの設置は、福祉施設すべてに義務付けられているわけではありません。

実は面積が275平方メートル以上でスプリンクラーの設置義務が出てきます。先に紹介した長崎県のグループホームの場合、面積が270平方メートルだったのでスプリンクラーの設置は法律上義務化されていませんでした。

これが原因となり、家事の規模を大きくし、犠牲者を出したのではないかという声も少なからず存在します。もし、防火管理のしっかりとしているサービス付き高齢者向け住宅に入居するのなら、面積がどのくらいかを確認しておくことが大事です。

自分の命を預ける場所といっても過言ではありませんので、しっかり吟味しておきましょう。

3.途中から福祉施設とみなされる?

サービス付き高齢者向け住宅に関しては、福祉施設に入れるかどうかで判断が分かれることもあります。もし、入居者が元気で自立した生活を送っている人ばかりで構成されていれば、共同住宅扱いになるでしょう。そうなるとスプリンクラーの設置義務は広さに関係なく除外されます。

ただし、消防の査察は届け出通りになっているかどうか確認するために、毎年行われます。年齢を重ねて要介護の入居者が多くなった場合には、福祉施設扱いにされるケースも見られます。そこでスプリンクラーの設置や防火管理者の配置などが新たに要求されることも少なくありません。このように消防署の判断で、その時々の現状に合った体制整備を指導されることは考えられます。

4.防火管理に関する今後の課題

スプリンクラーなど防火設備を完備すれば、入居者を火事から完璧に守れるかというと、少々疑問も残ります。特に要介護者の多いサービス付き高齢者向け住宅の場合、夜間に火事が発生した場合対処しきれないのでは、という指摘も出ています。

通常の介護施設と比較して、少ない人数で切り盛りすることが多いです。その少ない人数のときにもしも火事が発生した場合、すべての入居者を救えるのかが課題になるでしょう。

そこで注目されているのが、周辺地域との連携です。地域と連携して、常に協力できるシステムを構築しておけば、いざというときにスムーズな避難誘導が可能です。

加えて、入居者の死亡事故やスタッフによる虐待といった異変にもいち早く気がつけるはず。今後サービス付き高齢者向け住宅を利用する人も増えるでしょうから、地域全体でケアを行っていく姿勢が求められているのかもしれません。

5.スタッフに確認すること

もし、防火体制がどうなっているか気になるのであれば、見学した時などに職員に説明を求めることが大事です。

詳しく、どのような火事が起きたときに対応をしているのかの説明を求め、納得できたところに入居すべきです。セカンドライフを送る重要な拠点になるので、徹底して条件にこだわって探すことをおすすめします。

年齢を重ねてくると、どうしても足腰の衰えが隠せなくなります。このため、いざというときに迅速に行動へ移せないときも少なくはありません。

また、介護が必要な状態、具体的には車いすがないといけないとか、寝たきりの方など、事故が起きたときに逃げ遅れるリスクも高まってしまうでしょう。

6.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅の防火管理について見てきました。

サービス付き高齢者向け住宅のなかには、入居者の命を救うためのシステムを構築し、定期的に訓練を行って、職員への教育を徹底しているところも見られます。

コンロや電気器具からの出火のほかにも、たばこの不始末といったところが火災の原因として多いです。これらは入居者それぞれが注意していれば、リスクを低くすることも可能かもしれません。

しかし、放火やその疑いによる火事も、例えば、千葉県の2011年度のデータによると2番目に多く報告されています。放火は自分たちでは防ぎきれないので、予防対策がどうなっているかもしっかり確認しておきたいところです。

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