
サービス付き高齢者向け住宅の外出について見ていきます。
医療や介護のサービスは高齢化が進むにつれて徐々に変化してきています。
最近では病気になったら病院へ行かなければ治療ができない、介護が必要ならば特別養護老人ホームに入居しなければならない、というわけでもなくなってきているのです。
しかし、このようなアナログな考え方は未だ根強く残っています。
例えば「介護が必要=老人ホームへの入居=悠々自適な生活は送れない」といった具合に思い込んでいる方も多いでしょう。
最近では自由度の高い有料老人ホームもありますし、サービス付き高齢者向け住宅に住むという選択肢もあります。
この通称、サ高住と呼ばれる施設は、従来までのスタイルとは全く違いますのでポイントをしっかり把握しておきましょう。
目次(読みたいところまで移動できます)
1.サ高住の自由度について
1-1.老人ホームの外出事情
有料老人ホームでは、外出に関する規制が敷かれていることが多いです。付き添いの方が同伴しなければ外出してはならなかったり、なかには外出が認められなかったりするケースもあります。
外出先で持病の発作が起こってしまうなど、もしものことがあった時に責任を負いきれない、というのが老人ホーム側の本音でしょう。
また、健常者や要介護度数が低い方で自立している方についても、自由に外出できるわけではありません。
しっかりと門限が定められており、その時間外の外出は基本的に厳禁となります。
そのため、ある程度の自由は認められているものの、普通に遊びに出かけるような自由とは程遠いのです。逆にその分の安全性は保たれていると言っても良いですが、どちらを優先するかは個人による部分が大きくなるかもしれません。
1-2.サ高住と老人ホームの違い
サービス付き高齢者向け住宅と老人ホームの一番の違いは、施設であるか、それとも住居であるかという点にあります。
サ高住は住宅ですので一般的なアパート等と同じような扱いです。アパートやマンションに介護が受けられやすいような環境サービスが整えられていると考えてもらってかまいません。
サ高住へ入居することはアパートに入居するのと同じようなものですので、気軽にお選びいただけます。
1-3.サ高住の自由度と外出
サ高住は自宅としての扱いになりますので、老人ホームと比較すると、自由度も格段に上であると言えます。
一応門限が決められている施設も多いですが、これは安否確認をするために必要な処置ですので、サ高住を管理している受付に伝えさえすれば門限外の時間でも外出することは可能です。
このほかにも、サ高住では友人を自宅に招くこともできますし、外泊をすることも容易であるなど、自由度は非常に高いと言えます。
ただ、老人ホームのような24時間体制で万全の介護サービスが受けられるわけではありません。
したがって、サ高住への入居及びデイサービスの利用と生活の自由度は、在宅介護と老人ホームのちょうど中間に位置するとも言えるかもしれません。
しかしながら、上記のような自由度は全てのサ高住に当てはまるというわけではありません。
なかには門限に厳しい住宅もありますし、外出できる時間が他よりも少なく設定されているということもあります。なので、サ高住への入居を考える際には必ずこういったポイントもチェックする必要があるのです。
2.サ高住のサービスの幅
2-1.住宅によってサービスは異なる
法律上では、サ高住は毎日安否確認がされて、また建物の構造がバリアフリーになっていて、かつその他細かな基準さえ守られていれば、この名前を名乗ることができます。
しかし、これらのサービスしか無いサ高住はほぼなく、おおよその場合はこの他にもアピールポイントを持っているものです。
例えば、受付に頼めばデイサービスを手配してくれる制度が整えられていたり、建物自体も基準以上に広々としていて過ごしやすいのが売りだったり、なかには介護事業施設が併設されていることもあります。
言ってしまえば、サービスの幅はピンからキリまであり、お金を支払えば支払う程、良い待遇の住宅に住むことが可能となります。
2-2.必要最低限のサービス
サ高住では必要最低限のサービスを入居者自らが選ぶことができますので、過剰な介護サービスを無理やり受けることはありません。必要な時に必要なだけサービスを利用できる環境になっており、老人ホームと比較すると過ごしやすさは段違いです。自由度も高く、自宅と同義で部屋に住むことができる点も大きな魅力となっています。
老人ホームに入居した際、外出する時には安全のために一定の条件が課せられることが多いですが、これに対しサ高住ではほぼ自由に外出することが可能です。
自宅に住んでいるわけですので当然と言えば当然かもしれません。しかし、安否確認は必ず行わなければなりませんので、門限を設定しているサ高住も多いです。門限に関しては、外出の前に受付に帰宅時間さえ伝えれば良いケースも多いので、やはり、自由度はかなり高いと言えるでしょう。
3.まとめ
サービス付き高齢者向け住宅の外出について見てきました。
基本的にサービス付き高齢者向け住宅全体では外出は問題ありませんが、施設によって、特に高い介護度を受け入れている場合には、制限などの決まりをつくっていることもありますので、入居前に確認するようにしましょう。