サービス付き高齢者向け住宅の5つの入居条件

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
サービス付き高齢者向け住宅 入居条件

サービス付き高齢者向け住宅の入居条件について解説していきます。

1.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?

近年社会の高齢化が急激に進み、一人暮らしの高齢者や夫婦のみの世帯も増えています。サービス付き高齢者向け住宅はそんな世帯が安心して居住できるよう、バリアフリーなどの設備を有し生活サービスと連携した賃貸等の住まいです。

国土交通省・厚生労働省管轄の「高齢者住まい法」の改正により、平成23年10月から登録が始まりました。

1-1.サービス付き高齢者向け住宅登録の背景・目的

少子高齢化が進む我が国において、高齢者は年々増加しています。高齢者施設では居住権(利用権)契約を結ぶ老人ホームが代表的ですが、サービス付き高齢者向け住宅は稀に利用権契約もあるものの賃貸契約の物件が多数を占めます。従って初期費用も敷金・礼金です。

老人ホームと異なり高額な入居一時金が不要という点は、自立から軽度までの要介護が必要な方にとって大きな検討材料となっています。

この住宅には60歳という比較的若い年齢から、生活に不安を抱える人が入居出来ます。原則として終身の入居が可能であり、事業主から一方的な解約はできません。ただし要介護度については高いと入居が難しく、医療サービスについては確約ではないという点を考慮する必要があります。

サービス付き高齢者向け住宅の供給には、安心して過ごせる高齢者の住空間を確保する目的があります。面積と設備は生活に不自由が無いよう定められ、バリアフリーの規定があります。

「高齢者住まい法」改正前の高齢者向け住宅提供は「高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)高齢者専用賃貸住宅(高専賃)高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)」の3つに分けられ、加齢を理由に高齢者が入居拒否されないなどの配慮がありました。しかし高齢者の暮らしを支える各種サービスの提供は登録の条件事項にはありませんでした。

平成23年10月からの登録で、バリアフリーと共に生活上のサービスを提供する住宅が「サービス付き高齢者向け住宅」とされ、改正前の住宅が一本化された形になります。

この住宅には政令で定められたケアの専門家が日中常駐し、安否確認サービスと生活相談サービスを行います。結果高齢者の心身の不安は軽減され、安心して居住、生活する事が出来ます。物件によっては外部から介護・医療のサービスの提供を受けられるケースもあります。

2.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の5つの入居条件

サービス付き高齢者向け住宅には入居条件が定められています。自立から要介護認定の60歳以上の人の他、介護保険法に規定する要介護認定、もしくは要支援認定を受けている60歳未満の人、その家族等が条件です。以下でそれぞれの条件を詳しくみます。

2-1.①60歳以上

日本では世界保健機構と同等に高齢者を65歳からと定め、後期高齢者を75歳からとしています。サービス付き高齢者向け住宅には、通常の高齢者定義からは5歳若い60歳から入居出来ます。細則は自治体によって異なりますが、基本的に認知症には対応していません。

2-2.②介護保険法に規定する要介護認定もしくは要支援認定を受けている60歳未満の者

40歳から64歳までの方で、以下の特定疾病に該当する場合要介護認定を受ける事が出来ます。また、要支援認定は、介護の必要は無いが日常生活に軽微な支障をきたしており、将来介護が必要になる可能性がある場合です。

いずれも介護保険を利用して各種介護サービスを受ける事が出来ます。しかし、サービス付き高齢者向け住宅にはケアの専門家が日中常駐していますが、全ての物件に医師や看護師が常駐している訳ではありません。

契約時には介護付き有料老人ホームとの違いを検討し、疾病を治療する為のルートを必要に応じて確保しましょう。

特定疾病

  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病【パーキンソン病関連疾患】
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

2-3.同居者

同居者は基本的に「60歳以上の高齢者または要介護者・要支援者の同居者」です。高サ住には人気の単身者用間取り以外にも、夫婦などで住む事を前提とした間取りの物件があります。

2-3-1.③配偶者

配偶者は内縁の妻など「届出を行っていないものの事実上の夫婦と同様の関係にある者」が含まれます。

2-3-2.④60歳以上の親族

60歳以上の年齢であれば、親族の入居が認められます。

2-3-3.⑤要介護認定もしくは要支援認定を受けている60歳未満の親族

要支援認定・要介護認定があれば60歳未満の親族の入居が認められます。物件は必ずバリアフリーの仕様となっている為、心身への負担を軽減しながら過ごす事が出来ます。

3.地域や住居によっても異なることがある

サービス付き高齢者向け住宅の条件は、地域や物件によって大きく異なります。原則として自立から軽度の要介護者を受け入れるかたちですが、自治体によってはある程度進んでしまった症状にも対応出来るよう細則に定めている場合もあります。

サービス付き高齢者向け住宅利用の動機として、それまで過ごしてきた地域や環境を大きく離れず暮らせるという点は重要です。入居者は物件を検討する際、自治体の取り決めをよく確認する必要があります。

また、物件が特定施設入居者生活介護の指定を受けていれば、介護保険サービスを提供する為、有料老人ホームと同等の高度なサービスを受けられます。物件に介護サービスの事務所が併設している場合もあります。この辺りは不動産オーナーや民間運営会社が、どのようなスタンスでサービス付き高齢者向け住宅を運営するかにもよります。

介護付き有料老人ホームの戸数が多い現状ですが、選択の幅が広い為サービス付き高齢者向け住宅の戸数は年々増加しています。

従来の介護付き有料老人ホームは、主に厚生労働省の管轄による老人福祉施設でした。しかしサービス付き高齢者向け住宅は厚生労働省と国土交通省の共管の為、後者による「住まい」の整備という点がより丁寧に考えられています。

面積はトイレがついて最低18㎡という取り決めがあり、バリアフリーの基準を満たしている必要があります。逆に基準を満たせば他の不動産物件と同じく、間取りの工夫や付帯サービスを整える事で利回り良く運営出来る為、オーナーとしてはその点で他の物件との差別化をはかります。常駐するケア専門家に医者や看護師といった医療関係者が居る物件、食事サービスの充実している物件など千差万別の為、入居者が軽度要介護でも多少の愁訴などは希望に見合った物件を手配する事で吸収できる可能性もあります。運営業者が医療インフラを整えている場合、疾病の治療も可能な場合があります。また、ペット可物件なども存在します。

重要なのは住宅手配時に仲介をしてくれる業者など、物件の実情を知る人から出来るだけ情報を開示してもらう事です。共用部分の雰囲気などは通常の賃貸住宅と同じように内覧をし、入居者本人の目で確かめると良いでしょう。

3-1.重度要介護

要介護の方でもサービス付き高齢者向け住宅に居住出来ますが、原則として軽度要介護までとされています。また入居時に軽度の要介護でも、重度化したり寝たきりなどの場合やむを得ず介護施設に移るケースも出てきます。その際にも通常の賃貸物件と同じよう敷金の返却で退去出来るのが手続き上楽な点です。

サービス付き高齢者向け住宅の場合、身体的な条件の変化で一方的に契約を打ち切られる事はありませんが、入居者の介護度が重度化し入居者自身が生活上不便な場合、退去要因になります。また、長期入院の場合なども家賃以外の諸経費が嵩む為退去要因になります。翻って言えば、入居検討時に幾ら医療サービスの充実した物件でも、重度要介護の方の場合老人ホームを検討した方がいい場合もあります。

3-2.認知症

サービス付き高齢者向け住宅で、まれに認知症の方にも対応している物件があります。しかし原則としては軽度要介護までの為、入居者の症状に合わせて老人ホームなど福祉の充実した物件を検討する必要があります。また、認知症の場合暴力・暴言・徘徊などの症状を伴う事があり、賃貸住宅というサービス付き高齢者向け住宅の性質上、退去要因となる可能性があります。

認知症として知られる症状は①アルツハイマー症候群②脳血管障害③レビー小体病の三つの割合が大きく、脳という人体の司令塔としての役割を持つ組織の病変の為、本人のパーソナリティも困難に伴い大きく変容します。薬餌療法などが発達する一方、脳組織の病変を治療するだけでは説明のつかない幻覚や妄想などを伴うケースがある為、医療の適切な判断のもと心理症状を取り除いていく必要もあります。

サービス付き高齢者向け住宅では、介護保険サービスを提供する事務所が併設されていても医療サービスは確定的なものではありません。部屋に入室する際のカギのナンバーを忘れてしまう等、共同住宅で過ごす上で困難が生じた場合にも退去要因になります。

運営会社の考え方や方針は様々な為、入居を検討する際には充分確認をした方が良いでしょう。

4.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅は、面積やバリアフリーといった物件のハード面を国土交通省、ケアの専門家による安否確認サービスと生活相談サービスを厚生労働省が管轄した自由度の高い住宅です。プライバシーを守りながら自立した生活を送りたい高齢者の場合、自分の選んだ物件のサービス概要を細かく把握しておけば安心して生活を送る事が出来ます。反面、グループホームなどには備わっている共同性はありません。

現況単身者での入居が人気という点に一人で暮らす高齢者が増えている現状が反映されています。見守りシステムで安否の確認と生活相談が出来るという点は最低限守られていますが、孤立しないようにする為には積極的に情報摂取し、ライフスタイルを確立していく必要があります。

政府方針として、特別養護老人ホームの不足を補うためにサービス付き高齢者向け住宅を助成しています。今後戸数が増える中、どのタイプの物件に入居しどんなサービスを受ければ無理のない余生を送れるか、十分検討していく必要があります。

元々居住形式の選択肢が多い事はサービス付き高齢者向け住宅の魅力です。しかし高齢者は身体的条件が大幅に変わる可能性もある為、検討時にも物件の成り立ちと同じく福祉的な側面と居住のハードの二面を考慮していく必要があります。

紹介を受けた物件をそのまま鵜呑みにするのではなく、入居者の健康状態を棚卸ししながら出来るだけ現地を内覧していく姿勢が必要です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*