若年性認知症

アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

アルツハイマー

アルツハイマーについて見ていきます。

アルツハイマー型認知症は250万人の患者がいるといわれ、もっとも患者数の多い認知症とされています。

しかし、「アルツハイマー」という言葉は聞いたことがあっても、どんな認知症なのかについて知らない人も多いのではないでしょうか?

そこでアルツハイマー型認知症の

  • 概要
  • 前兆
  • 症状
  • 進行
  • 周囲の対応
  • 予防
  • 若年性アルツハイマー

について解説していきます。

気になる点だけ確認してもらうだけでも、アルツハイマー型認知症への理解につながるかと思います。

1.アルツハイマー型認知症とは?

  • もっとも患者数の多い認知症
  • 脳が萎縮する病気
  • 60歳以降に症状が現れる

認知症の中でもっとも患者数が多いとされており、脳の神経細胞が長期間にわたり死んでいき、脳全体が徐々に委縮していく病気です。

そのため、記憶や思考能力が徐々に損なわれ、最終的には単純作業を行う能力さえも失われます。

アルツハイマー型認知症患者のほとんどが60歳以降に初めて症状が現れます。

1-1.日本国内のアルツハイマー型認知症患者数の推移

アルツハイマー型認知症の患者数が増加

  • 患者数は250万人を超える
  • 高齢者の増加に伴い、患者数が増えている

国内のアルツハイマー型認知症患者数は、1995年126万人、2000年156万人、2005年189万人、2010年226万人と年々増え続けています。

2015年は250万人を突破。患者数262万人となりました。

さらに、高齢者人口の増加にともない、今後数十年でより多くの人がアルツハイマー型認知症になると予想されており、2035年には330万人を超えるとされています。

1-2.アルツハイマー型認知症の寿命

アルツハイマー型認知症の寿命は人それぞれ

  • 発症から10~15年以上
  • 人によって期間はさまざま

アルツハイマー型認知症は他の認知症と比較すると、進行がゆっくりとしているため、その寿命は発症から10~15年以上ともいわれています。

とはいえ、あくまで平均的な数値に過ぎず、人それぞれの状態や環境などによって大きく変わってきます。

また、80歳を過ぎてから発症した場合は3~4年といわれています。

2.アルツハイマー型認知症の前触れ・前兆

アルツハイマー型認知症の前触れ

  • 物忘れから始まる
  • 軽度認知障害(MCI)からアルツハイマー型認知症へ移行する
  • 発見は困難

多くのアルツハイマー型認知症は軽い物忘れから始まるといわれています。

認知症と診断される5~7年ほど前から物忘れが多くなります。

アルツハイマー型認知症に移行する前段階として、軽度認知障害(MCI)になるとされていますが、この段階で発見・対策できればアルツハイマー型認知症への移行を止められるといわれています。

アルツハイマー型認知症の前触れ・前兆として見られる具体的な症状は以下のようなものです。

  • 新しいことを覚えられない
  • 人や物の名前が出てこない
  • 気が短くなる
  • スケジュールを立てられない
  • 憂うつになる

2-1.アルツハイマー型認知症になりやすい人は?

肥満女性はアルツハイマー型認知症になりやすい

アルツハイマー型認知症は女性がなりやすい?

以下はアルツハイマー型認知症になりやすい傾向の人です。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 60歳以上の高齢者(高齢になるほどなりやすい)
  • 偏食
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 女性

多く当てはまる人は注意が必要ですが、必ずアルツハイマー型認知症になるというものではありません。

反対に、多くが当てはまらないからといって、アルツハイマー型認知症にならないというものではありません。

3.アルツハイマー型認知症の具体的な症状

アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症は、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。

ここでは、アルツハイマー型認知症の症状の特徴を一緒に確認していきましょう。

3-1.記憶障害

物忘れが起きるようになります。

一般的な物忘れと違い、アルツハイマー型認知症の患者は少し前に起きた事を思い出せません。

会話中に席をはずし、5分後に戻ってきて会話を続けようとしても話題を思い出す事ができないといった例があげられます。

3-2.判断能力の低下

例えば「料理に使う食材を自分で判断出来ない」「部屋の片付け方がわからなくなる」「季節外れで、ちぐはぐな服装をする」などの行動が見られるようになります。

判断力の低下により、悪気なく万引きをしたり、詐欺などの事件に巻き込まれる可能性もあるので注意が必要です。

3-3.見当識障害

見当識障害は、記憶障害と並んで早い段階から現われる症状です。

見当識とは、日付や時間、場所など自分がおかれている状況を認識する能力です。

今日の日付や時間を間違う、通い慣れている場所がわからなくなり、症状が進むと自宅さえもわからなくなります。

また、息子を孫と間違ったり、既に成人した子どもを幼児であると思い込むなど、人に対する認識間違いが起きる事もあります。

3-4.周辺症状

家の中や外をウロウロと歩きまわる「徘徊」と呼ばれる行動がしばしば現れます。

また、大切な物を誰かに盗られたという「物盗られ妄想」を訴え、家族を疑って責めるような症状も見られます。

さらに、薬を嫌がって飲まないなどの「介護拒否」や、家族や自分の顔がわからなくなる事もあります。

4.アルツハイマー型認知症の原因

原因は不明

アルツハイマー型認知症の直接的な原因はまだ解明されていません。

脳に「アミロイドβ」や「タウ」と呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まる事で神経細胞が壊れて減り脳が萎縮するために、身体の機能が失われることがわかっています。

危険因子(アルツハイマー型認知症の発生を高める病気や習慣)としては、

  • 高血圧
  • 高コレステロール
  • 糖尿病などの生活習慣病
  • 偏食
  • ストレス
  • 運動不足
  • 頭部への強い衝撃
  • 慢性期な脳または脳周辺の炎症

などが挙げられます。

5.アルツハイマー型認知症の7つの進行段階

アルツハイマー型認知症の進行段階

  • 不可逆性で時間の経過とともに進行する
  • 7つの進行段階がある

アルツハイマー型認知症は、時間の経過とともに進行する病気で7段階の枠組みに分けられています。

この7段階の枠組みは、ニューヨーク大学薬学部シルバーステイン老化と認知症研究所の臨床部長であるバリー・ライスバーグ博士により考案されました。

5-1.段階(1)正常

記憶能力は低下しておらず、認知機能の障害がない状態です。

5-2.段階(2)年相応(非常に軽度の認知機能の低下)

  • 日頃よく使う言葉や名前を忘れる
  • メガネや財布など日用品の置き場所を忘れる

など。

健康診断で問題となることなく、友人や家族も気づかない程度の軽度の認知機能の低下が見られる段階です。

5-3.段階(3)境界状態(軽度の認知機能の低下)

  • 文章を読んでもほとんど覚えていない
  • 家族や友人が気付くほど言葉や名前を思い出せなくなる
  • 職場での作業スピードの低下に同僚が気付く
  • 計画を立て整理する能力が低下する

などの症状が現れたら、初期段階のアルツハイマー型認知症である可能性があります。

5-4.段階(4)軽度(あるいは初期段階)のアルツハイマー型認知症

  • 「100から7ずつ引く」など難しい暗算が解けない
  • 最近起きた出来事を知らない
  • 清算、支払い管理など複雑な作業ができなくなる
  • 自分の生い立ちの記憶が薄れる

などのはっきりとした症状が現れ始めます。

5-5.段階(5)中等度(あるいは中期段階)のアルツハイマー型認知症

  • 「40から4ずつ引く」あるいは「20から2ずつ引く」などの簡単な暗算が解けない
  • 服を選ぶのに助けがいる
  • 場所・日付・曜日・季節がわからなくなる
  • 現住所・電話番号・卒業した大学など大切な情報を思い出せない

などの症状が現れます。

記憶が欠落し、認知機能に障害が現れ、日常生活でサポートが必要となり始めます。

5-6.段階(6)やや高度(あるいは中期段階)のアルツハイマー型認知症

この段階では、記憶障害がかなり進行し,性格が大きく変化し、日常生活に大幅な手助けが必要となります。

  • 最近の経験および出来事や周囲の環境がわからない
  • 自分の生い立ちを完全に思い出せない
  • 配偶者や顔なじみの介護者の名前を忘れる
  • 着衣・トイレに手助けが必要となる
  • 徘徊し迷う事が増える
  • 尿失禁や弁失禁がたびたび起きる
  • 妄想や、幻覚、強迫的または反復的な行動

などの行動的症状が見られるようになります。

5-7.段階(7)高度(あるいは後期段階)のアルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症の最終段階では、患者は環境や状況に応じて反応し会話することができなくなります。

そして、最終的には体を動かす事が出来なくなります。

時には単語や文章を話す事もありますが、食事やトイレなどの日常生活を1人では出来なくなり介護が必要となります。

筋肉が硬直し、嚥下に障害が出る事もあります。

6.アルツハイマー型認知症の人にどう対応したらよいか?

アルツハイマー型認知症の人への対応

アルツハイマー型認知症にかぎらず、認知症の人には周りのサポートが不可欠です。

家族や周囲の人がアルツハイマー型認知症になった場合、どう対応したらいいのか、考えていきましょう。

6-1.怒らない、許してあげる

アルツハイマー型認知症の人は、同じ話を繰り返すことも多いのですが、怒らずに出来るだけ付き合うようにしましょう。

6-2.約束は書いておく

約束などを忘れないようにカレンダーに書き出したり、メモなどを使うのも有効です。

家族やヘルパーが薬を管理することで、薬の飲み忘れなどを防げます。

1度にたくさん飲んでしまう事もあるので飲み終わるまで見届けましょう。

6-3.迷うことを前提に対策する

外出先で迷わったときのために、連絡先を服に付けたり、小型GPSをポケットに入れるなどの対策をしておきましょう。

徘徊が始まった場合は、鍵を手の届かない場所に格納し、民生委員などにも連絡して協力をしてもらいましょう。

6-4.話を合わせてあげる

幻視や物取られ妄想などの訴えを否定すると興奮する事があるので話を合わせることも大切です。

6-5.お互いに嫌な気持ちにならないように

どちらかが我慢していると、ストレスがたまっていってしまい、後々のトラブルにつながってしまいかねません。

介護の合言葉は「使えるものは使う」。

介護サービスを使えるだけ使い、介護者と介護される側のどちらも快適に過ごせるように気をつけましょう。

7.アルツハイマー型認知症の予防と改善策

アルツハイマー型認知症の予防に運動

  • 予防には生活習慣の見直しが重要
  • 生活習慣の見直しは発症後の改善にもつながる

アルツハイマー型認知症は時間の経過とともに発症の可能性が高まり、絶対にかからないようにする、という方法は現在のところありません。

ただし、生活習慣の見直しによって、認知症発症の予防につながると考えられています。

また、アルツハイマー型認知症は、早期発見、早期治療により進行が緩やかになる事がわかっています。

異変に気付いたらすぐに、認知症専門病院、神経内科、物忘れ外来、老年病内科などに行きましょう。

大きな総合病院が近くにない場合は、かかりつけ医に相談して専門医を紹介してもらうのも良いでしょう。

7-1.生活習慣の改善

脳の状態を良好に保ちアルツハイマー型認知症を予防するには、食習慣や運動習慣を見直すことが大切です。

認知機能を重点的に使うには、知的行動習慣を意識した日々を過ごすことが重要だと言われています。

7-2.食生活の見直し

野菜・果物を食べてビタミンC、E、βカロチンを摂取し、ポリフェノールを含んだ赤ワインを飲みましょう。

青魚やカマンベールチーズを食べると発症リスクが下がるとも言われています。糖尿病患者はアルツハイマーの発症リスクも高いと言われています。

食べる時は腹八分に抑え、甘い物ばかり食べないように注意し、糖尿病を防ぎましょう。喫煙、飲酒も控えるようにしましょう。

関連記事:今日から実践できる!認知症の予防に効果的な16の食材と食事

7-3.定期的な運動

週3日以上の有酸素運動を心がけましょう。食べた後すぐ横になって寝る生活を改善し、日常的に小まめに体を動かす事も有効です。

7-4.十分な睡眠の確保

睡眠不足もまた認知症と関係があるとされています。

ストレスが原因の睡眠不足に注意し、夜更かしし過ぎないで早く寝る習慣をつけましょう。

また、30分未満の昼寝や起床後2時間以内に太陽の光を浴びるのも良いでしょう。

7-5.脳を活性化させる活動

脳の状態を良好に保つため意識的に、文章を書く・読む、囲碁・将棋・マージャンなど頭を使うゲームをするなどの知的行動習慣を身につけましょう。

  • 数日遅れの日記をつける
  • 旅行の計画を立てる
  • 料理を何品か同時進行で作る
  • 新しい事にチャレンジする

など、脳機能を集中的に鍛える行動は、発症を遅らせる効果的な方法であることがわかっています。

8.若年性アルツハイマーとは?

64歳以下の人もアルツハイマー型認知症になる可能性があります。

64歳以下のアルツハイマーは若年性アルツハイマーと呼ばれます。

若年性アルツハイマーの患者は、大事な予定を忘れたり、書類に日付を書けないなどの症状の他に、例えばドアが見えているにも関わらず部屋から出られなくなり室内を歩き回るなどの視空間失認が起きることがあります。

8-1.若年性アルツハイマー型認知症を扱った作品

若年性アルツハイマー型認知症と宣告された主人公とその家族を描いた映画をご紹介しましょう。

8-1-1.「アリスのままで」

50歳で若年性アルツハイマーを発症した女性を描いた作品。高名な言語学者でありニューヨークコロンビア大学の教授を務めるアリスは、若年性アルツハイマーを宣告され闘病の日々が始まります。

8-1-2.「ビューティフルレイン」

ある日突然、若年性アルツハイマーと診断される父親と幼い娘の親子愛を描く人間ドラマ。

8-1-3.「明日の記憶」

若年性アルツハイマー型認知症と診断された夫と、それを受け止めいたわる妻。痛みを共有し共に病と闘う夫婦の情愛を描いた感動作。

9.認知症とは?

認知症とは、後天的原因で起こる知能の障害です。

生後、正常に発達した精神機能が減退・消失し正常な日常・社会生活ができなくなる状態を指します。

10.まとめ

アルツハイマーについて見てきました。

アルツハイマー型認知症の原因は未だ不明ですが、予防方法は少しずつ解明されています。

食習慣や運動習慣など、生活習慣全般を見直すことで糖尿病、高血圧、脳卒中などの生活習慣病の発症リスクが低下すると同時に、アルツハイマー型認知症も予防可能であることがわかっています。

自身の生活習慣を今一度見直し、健康的な日々を送るように心がけましょう。

もしかして若年性認知症?チェックしておきたい7つの症状

若年性認知症 20代

若年性認知症の症状について見ていきます。

認知症は、年をとってからなることが圧倒的に多いです。しかし、若年性認知症という形で、若いときに出るものもあります。

1.若年性認知症とは?

若年性認知症とは、一般的に、64歳までにかかる認知症全般のことを指します。これについてみていきましょう。

関連記事:高齢者だけじゃない!40代50代にも忍び寄る若年性認知症とは?

1-1.若年性認知症の特徴

若年性認知症は、男性の方がなりやすいと言われています。なかには可逆性のものもありますが、不可逆性のものの方が割合としては多いです。不可逆性の場合、高齢者が認知症にかかる場合と比べて、その進行は早いと言われています。

1-2.若年性認知症の種類

若年性認知症と若年性アルツハイマーはしばしば混同されますが、若年性アルツハイマーは若年性認知症の一種にすぎません。それ以外にも、レビー小体型や脳血管性障害型などがあります。なお、アルコールのとりすぎによるアルコール性認知症なども含まれます。

関連記事:関係ないと言わず確認しておきたい若年性アルツハイマー3つの危険信号若年性アルツハイマーは20代でも発症する?

1-3.若年性認知症の原因

若年性認知症の原因は一つではありません。脳卒中などによって起こることもあれば、上記であげたアルコールによるものなどもあります。また、アルツハイマー病で、かつ極めて若い世代(20代など)でかかる場合は、遺伝的な要因も大きいと言われています。

2.確認しておきたい7つの症状

若年性認知症は、高齢者のそれとは違い、周囲の人も自分自身も気づきにくいという特徴があります。ここでは、できるだけ早く発見するために、代表的な症状についてお話します。

2-1.基本症状(中核症状)

脳に起こった障害によって引き起こされる症状全般をいいます。この症状は、若年性認知症を患った人ならば、程度の差こそあれ、すべての人に見られるものです。

2-1-1.①記憶障害

若年性認知症の記憶障害は、基本的に、「近い記憶から失われる」と考えてください。昔のことは覚えているのに、ここ数日のことが思い出せなくなることが多いです。

2-1-2.②見当障害

私たちは常に無意識に、「ここがどこか」「今日は何日か」ということを意識して生活しています。しかし若年性認知症が進むと、それらの感覚が失われていきます。

2-1-2.③判断能力・理解力・思考力の低下

「考える力」も衰えていきます。その結果、今まで当たり前にできたことができなくなります。顕著な例が、「料理のときの手順や、食材の用途の喪失」です。

2-2.日的な症状(行動・心理症状)

中核症状とは違い、これは出てくる人もいれば出てこない人もいます。個人差が大きいです。

2-2-1.④徘徊

「家に戻ろう」「仕事に行こう」などのように、本人には目的があるのですが、「家にいても家に戻ろうして徘徊する」などのような行動が起こります。

2-2-2.⑤妄想

「何かをとられたのではないか」という妄想などにとらわれてしまいます。実際には起こっていないことなのですが、本人の意識としては、それが「真実である」という捉え方になっています。

2-2-3.⑥幻視・幻覚

実際にはそこにないものが見えたり、聞こえたりします。これは本人にとっても大きなストレスです。

2-2-4.⑦抑うつ

本来なら不安になることなどない状況であるのに、強い不安にさいなまれたり、焦燥感にとらわれたりします。

3.早期発見・早期対策が重要

若年性認知症は、上でも述べたように、高齢者のそれに比べると、進行速度が非常に早いです。また、周囲の人も、まさか認知症だとは思わないため、「少し疲れているのだろう」と考えてしまいがちです。

しかし、このようにして見逃していると、症状がもっと進んでから発見することになり、対処が遅れます。進行度が早い若年性認知症だからこそ、早期発見が重要なのです。

関連記事:若年性認知症の予防のために絶対心がけたい12のルール

4.まとめ

若年性認知症の症状について見てきました。

若年性認知症の7つの主な症状
1.記憶障害
2.見当障害
3.判断能力・理解力・思考力の低下
4.徘徊
5.妄想
6.幻視・幻覚
7.抑うつ

若年性認知症は、なかなか気づかれにくい病気です。しかし代表的な症状はいくつかありますから、それに当てはまるようならば、病院に診察にいくようにしましょう。

若年性アルツハイマーは20代でも発症する?

若年性アルツハイマー 20代

若年性アルツハイマーの20代で発症するのかについて見ていきます。

若年性アルツハイマーについて書いた本が賞をとるなどしたことから、これについて知識を得た人も多いのではないでしょうか。

若年性アルツハイマーについてお話していきます。

1.若年性アルツハイマーとは?

アルツハイマーというのは、認知症の一種であり、ほかの認知症と同じように65歳以上の人に多くみられる症状です。

しかしながら、それ以下の年齢の人も、まったく起こらないわけではありません。

関連記事:関係ないと言わず確認しておきたい若年性アルツハイマー3つの危険信号

2.20代でも発症する可能性

若年性アルツハイマーは、「若年性」とついていますが、年齢を重ねるごとに、その罹患者が増えていくのは確かです。特に50代後半から急増します。

ただ、20代でも、発症することはあります。若年性認知症の罹患率は10万人に対し5.45人です。比率としては0.001%にも満たない人数ではありますが、まったくのゼロではありません。ちなみに、18~19歳の場合、10万人に対し、0.8人の割合で現れます。

しかしながら、これは「認知症全体」の数字ですから、「若年性アルツハイマー」に限ると、数はもっと少ないです。数字としてほぼカウントできないほどの少人数の人しかかかっていません。

2-1.初期症状

若年性アルツハイマーの初期症状としては、「頭痛が増える」「人の名前が思い出せない」「約束を思い出せなくなっている」「仕事の効率が悪くなった」などがあります。また、それ以外にも、「住所などの書き間違え」「自己中心的になっている」「いつもの道がわからなくなる」などの症状が考えられます。

若年性アルツハイマーの場合、高齢者のアルツハイマー以上に気づかれにくい、という問題点があるため、これらの症状がでても見過ごされてしまいがちです。

2-2.原因

若年性アルツハイマーの原因に関しては、まだはっきりとわかっていません。アルツハイマーは、アミロイドβというタンパク質がたまることによって起こるとも言われていますが、「なぜたまるか」ということに関しては、まだまだ研究途上です。

ただし、20代などの、きわめて早い時期に起こる若年性アルツハイマーの場合は、遺伝的要因が大きいとも言われています。

3.若年性アルツハイマーについて知っておくべき3つの予備知識

遺伝的要因も関わってきますが、「若年性アルツハイマーになりにくい生活」を送ることは、リスクをさげることにもつながります。

関連記事:若年性認知症の予防のために絶対心がけたい12のルール

3-1.食生活の改善で老廃物を生み出さない

血糖値が高い状態が続くことは、アルツハイマー病のリスクの一つだと考えられています。そのサは4.6倍にもなると言われており、決して無視はできません。そのため、血糖値があがりにくい食生活を心がけることが大切です。油ものの過剰摂取を避け、野菜を中心とした食生活をして、好き嫌いなく食べましょう。

3-2.適度な運動で老廃物を排出する

運動は、βアミロイドを分解してくれる、ネプリライシンなどの酵素を活性化すると言われています。激しい運動をすることは必要なく、有酸素運動を行うだけで大丈夫です。できれば、毎日、30分程度続けましょう。

3-3.良質な睡眠で老廃物をためない

あらゆる疲れや病気において、「睡眠」は極めて有効に働きます。睡眠効率が悪い人は、アルツハイマー病にかかる可能性が5倍にもなると言われており、睡眠のもたらす効果はとても大きいものです。また、昼寝をすることにより、アルツハイマー病の発生リスクは20%にまで下げることができるのだとか。

4.まとめ

若年性アルツハイマーの20代での発症するかについて見てきました。

20代でも、発症することはあります。若年性認知症の罹患率は10万人に対し5.45人です。

若年性アルツハイマーにはわからないことも多く、「このような行動をしていれば、絶対に若年性アルツハイマーにはならない」というような明確な区切りはありません。

しかし、

  • 食生活
  • 運動
  • 睡眠

の3つを、望ましく、理想的な形にしていくことによって、その発症リスクは下げられます。

認知症にはどんな種類がある?認知症種類別の特徴まとめ

認知症の種類

認知症の種類について見ていきます。

「認知症」と聞いて、漠然としたイメージをお持ちの方も多いと思います。実は認知症にはその原因や症状によって、種類が分かれており、それぞれに行うべき対処法も異なっています。

ここではまず、認知症にはどのような種類があるのかについてご紹介していきます。

1.認知症とは?

人間の活動をコントロールしている脳。脳の細胞がいろいろな原因で壊れてしまったり、働きが悪くなると精神や身体に障害が起こります。認知症とは、そのような障害が約6カ月以上継続し日常生活、社会生活を営めない状態を指します。

65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は2012年時点で約462万人、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の高齢者も約400万人いるとされており、65歳以上の4人に1人が認知症とその“予備軍”であることがわかっています。

さらに2015年1月に発表された厚生労働省の推計によると、2025年の認知症患者は今よりもさらに増え700万人を超えるといわれています。これにMCI患者を加えると、近い将来65歳以上の3人に1人が認知症患者とその予備軍となる時代がやってくるのです。

2.認知症の種類とそれぞれの特徴・症状

認知症には「アルツハイマー型認知症」、「血管性認知症」、「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症(ピック病)」などさまざまな種類があり、原因となる病気によって症状が異なります。中でも最も多いとされる代表的な症状は「アルツハイマー型認知症」です。

2-1.アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβやタウと呼ばれるタンパク質が脳に蓄積することで、神経細胞が壊れ脳の委縮が進行し、体の機能も徐々に失われる病気です。男性よりも女性に多く見られます。

早期の診断が可能で、認知症状の起こる数年前には、紙に立体図形が描けない、時計の図に針を記入できないなどの特徴が認められます。

特徴としては、記憶障害により物忘れがひどくなる、判断能力が鈍り不必要な買い物をする、時計が読めなくなる、家の中のトイレの位置がわからなくなるなどの症状が現れます。病状が進行すると、暴言・暴力・徘徊などの問題行動、幻覚症状などが現れ、身体機能が低下し、すべての生活に介護が必要となります。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

2-2.レビー小体型認知症

レビー小体病は、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。認知症全体の2割を占めており、男性の発症率が高く、女性の約2倍と言われています。

脳内に「レビー小体」という特殊なタンパク質が出現し、大脳皮質や脳幹に集まることにより神経細胞が壊れて減少し、認知症の症状が現れます。

アルツハイマーなど他の認知症との大きな違いは、初期の段階で「幻視」が見られることです。「知らない子どもが部屋で遊んでいる」「蛇が部屋にいる」などの幻視が本人にははっきりと見えています。

若い頃と同じように今も働いていると訴えたり、自宅にいながら自分の家ではないと思い込むなどの誤認妄想が見られることもあります。

また、手が震える、筋肉がこわばる、表情が乏しくなるなどパーキンソン病に似た症状が現れるため、パーキンソン病と間違われることもあります。

症状の進行の仕方にも特徴があり、しっかりしている時とぼんやりしている時を繰り返しながら症状が進んでいきます。

うつに似た症状や、食欲がない、眠れないなどの訴えもしばしば見られ、睡眠中に大声を出すなどのレム睡眠行動障害が出ることもあります。

関連記事:レビー小体型認知症の3つの特徴と家族がすぐ実践できるケア

2-3.脳血管性認知症

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害の後遺症として発症し、男性の方が女性よりも多く発症している認知症です。脳血管障害で脳がダメージを受けた部位によって症状が微妙に変わることが特徴です。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの治療を行うことで予防や進行の抑制が可能な認知症です。

脳血管性認知症では、「まだら認知症」と呼ばれる独特の症状が見られます。例えば、物忘れがひどく計算力が低下しているのに、判断力や理解力が正常に保たれているなどの症状があげられます。起きたばかりの出来事をすぐに忘れてしまうほど酷い物忘れがあるのに、理解力が必要な受け答えはしっかりできるなどの、できたりできなかったりする症状を「まだら認知」と呼びます。

また、脳の血流が悪い状態のときは何もできないので、調子の良い時間帯と悪い時間帯があります。朝は1人で何もできなかったのに、お昼を過ぎると介護なして過ごせることもあります。時間帯だけでなく、日によっても症状が変化します。

泣いたり怒ったりなどの感情の変化が激しくなることもあります。さらに、話しづらくなったり、箸や歯ブラシなど日用品の使い方がわからなくなる場合もあります。

2-4.ピック病・前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は前頭葉と側頭葉の委縮によって起こる病気でピック病と呼ばれることもあります。

若い人でも発症する認知症で、原因がいまだ解明されておらず有効な薬も出ていません。アルツハイマー型との違いは、記憶障害よりも人格障害が主な症状として現れることです。そのため性格・行動面の変化が目立つことが特徴です。

同じ言葉を繰り返し発し続ける、決まった時間に家の中を歩きまわる、延々と身体を揺すり続ける、机を叩き続けるなどの行動をとることもあります。

また、食行動にも異常が現れ、毎日同じ料理を食べ続けたり、驚くほど濃い味付けを好んだり、食欲が極端に旺盛になる場合もあります。

他にも、集中力が低下するため落ち着きがなくなる、言葉が出にくくなるため自分から進んで会話をしないこともあります。悪気なく万引きをしてしまうなど反社会的な行動が見られることもあります。

関連記事:働き盛り世代が万引きやモラハラ!? ピック病の症状と2つの対策

2-5.若年性認知症

64歳以下の人が認知症と診断された場合、若年性認知症と呼ばれます。物忘れがひどく仕事でミスが重なっても若いため認知症であることに気付かず、病院で診察を受けてもうつ病や更年期障害と間違われることもあります。発症年齢は平均51歳、女性よりも男性に多く見られる認知症状です。

若年性認知症は、初期の段階で記憶障害や見当識障害が見られます。そのため、大切な予定を忘れてしまったり、書類に今日の日付を書くことができなくなってしまうなどといったことが起きます。また、複数の事柄を一度に考えられなくなるので、部屋の片付けができなくなる、料理の手順がわからなくなる、無謀な車の運転をするといった危険な行動が起きることもあります。

若年性認知症は、脳血管性型とアルツハイマー型が多く、脳血管性型やアルツハイマー型以外にも、前頭側頭葉型やレビー小体型、事故による脳の損傷が原因となる頭部外傷後遺症型、アルコール性の認知症などがあり、現れる症状も型によって違います。

関連記事:高齢者だけじゃない!40代50代にも忍び寄る若年性認知症とは?

2-6.MCI(軽度認知障害)

認知機能には、記憶、決定、理由づけ、実行などがあります。MCIとは、それら認知機能のうち1つに問題が生じているものの、日常生活は支障がない状態を指します。

厚生労働省は、65歳以上の4人に1人は、認知症及びMCIであると発表しています。
また、MCIを放置すると、5年間で約50%の人が認知症へと症状が進行する可能性があると警鐘を鳴らしています。症状の進行を阻止するためにも、MCIの段階で認知機能の低下に気づき予防対策に取り組むことが大切です。

2-7.正常圧水頭症

正常圧水頭症とは、脳脊髄液が脳室に溜まり周囲の脳が圧迫されて障害を起こす病気です。正常圧水頭症が原因で起こる認知症は、早期に発見すれば脳外科手術で治療が可能です。
早期に歩行障害が現れるとともに、バランスを崩し転倒しやすくなります。集中力、注意力の低下とともに意欲が低下し、抑うつ状態が現れます。また、切迫性の尿失禁が見られることがあり、排尿の回数も増えます。

3.認知症は早期発見が重要

「同じことを何度も言っている」「大切な物を置き忘れることが多くなった」といった症状が見られたら早めに医師に相談しましょう。認知症は完治の難しい病気ですが、適切な治療によって症状の進行を遅らせることができます。

また、早めに治療を開始した場合ほど高い治療効果が得られ、症状もゆっくりと進むことがわかっています。そのため認知症は早期診断・早期治療が重要です。

3-1.早期発見するには?

認知症を早く見つけて対処するためのチェックリストがあるので積極的に活用しましょう。下記は「家族の会」の会員が、日常の暮らしの中で認知症ではないかと思われる言動をまとめたものです。

思い当たる言動・行動が多い場合は迷わず医師に相談しましょう。

家族がつくった 「認知症」早期発見のめやす

もの忘れがひどい
1 今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
2 同じことを何度も言う・問う・する
3 しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
4 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
判断・理解力が衰える
5 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
6 新しいことが覚えられない
7 話のつじつまが合わない
8 テレビ番組の内容が理解できなくなった
時間・場所がわからない
9 約束の日時や場所を間違えるようになった
10 慣れた道でも迷うことがある
人柄が変わる
11 些細なことで怒りっぽくなった
12 周りへの気づかいがなくなり頑固になった
13 自分の失敗を人のせいにする
14 「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた
不安感が強い
15 ひとりになると怖がったり寂しがったりする
16 外出時、持ち物を何度も確かめる
17 「頭が変になった」と本人が訴える
意欲がなくなる
18 下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
19 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
20 ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる

公益社団法人認知症の人と家族の会作成のものを引用)

3-2.認知症にはどんな相談窓口がある?

家族が認知症かもしれないと思ったときは、早めにお住まいの市町村の相談窓口を利用しましょう。ここでは、認知症に関する悩みや疑問を専門家に相談できる窓口をご紹介します。

3-2-1.地域包括支援センター

「地域包括支援センター」は、介護保険法で定められた全国約4000カ所にある相談センターです。病院や介護サービスの情報提供の他に、地域の専門家と連携して総合相談・支援を行い、地域の介護相談の最初の窓口の役目を担っています。認知症の悩みや困り事は、まずは「地域包括支援センター」に相談するのが良いでしょう。

3-2-2.社団法人認知症の人と家族の会

全国47都道府県に支部がある「社団法人認知症の人と家族の会」も相談窓口を設けています。研修を受けた介護経験者が認知症についての相談・疑問への対応、解決に向けてのサポートを行っています。

■認知症の電話相談(社団法人認知症の人と家族の会)

電話受付(月曜~金曜 10:00~15:00)
0120-294-456

【社団法人認知症の人と家族の会ホームページ】
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=146

3-2-3.介護支え合い電話相談(社会福祉法人浴風会)

社会福祉法人浴風会「介護支え合い電話相談」でも相談を受け付けています。介護の経験があり研修を受けた相談員が正確な情報提供を行い、地域ネットワークとの連携支援などを行っています。

■介護支え合い電話相談(社会福祉法人浴風会)

電話受付(月曜~金曜 10:00~15:00)
0120-070-608

【社会福祉法人浴風会ホームページ】
http://www.yokufuukai.or.jp/call/index.html

4.まとめ

認知症の種類について見てきました。

認知症にはさまざまな種類があり、それぞれ違った症状が現れます。中には予防や治療が可能な認知症もあるので、早めに症状に気付き治療を開始することが重要です。完治が難しい認知症であっても早期に適切な治療を施すことによって進行を遅らせることが可能です。

認知症についての相談は、市町村に設置されている「地域包括支援センター」などの電話相談窓口で受け付けています。「認知症かもしれない」と少しでも不安を感じたら迷わず相談しましょう。

参考:
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a01.html
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a05.html
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html
http://www.ninchishoucare.com/kind/
https://info.ninchisho.net/type
http://www.isshogaiine.com/about/type.html
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=2196
https://info.ninchisho.net/check
http://sodan.e-65.net/check/
http://www.mental-navi.net/ninchisho/shindan/sohki.html
http://www.yokufuukai.or.jp/call/index.html

関係ないと言わず確認しておきたい若年性アルツハイマー3つの兆候

若年性アルツハイマー

若年性アルツハイマーについて見ていきます。

年を重ねると、アルツハイマー型認知症にかかる確率は高くなります。

しかし、それ以外にも、若年性アルツハイマーと呼ばれるものがあります。

些細なことでイライラするようになった、物忘れがひどくなったなど、身近で起こるそれらの現象が、実は若年性アルツハイマーの可能性を指していることも・・・・・・。

若年性アルツハイマーは、非常に気づかれにくい病気です。

いち早く発見するためにも、この病気を予兆する3つの兆候を確認しておきましょう。

1.高齢者でなくてもアルツハイマーになる?

  • 若年性アルツハイマーは64歳以下の人に見られる症状
  • 若年性の認知症は10万人に3.7人程度の割合で見られる

若年性アルツハイマーとは、その名前の通り、若い世代がなる病気です。

64歳以下の人にアルツハイマー病の症状が見られるものであり、その割合は男性の方が多いと言われています。

ただし、発症率はそれほど高くなく、若年性アルツハイマーを含む若年性認知症は、10万人に3.7人程度の割合にとどまります。(アルツハイマー病は「認知症」の一種です)

2.若年性アルツハイマーの原因と症状

物忘れ

2-1.若年性アルツハイマーの原因

アルツハイマー型認知症の原因が、はっきりと「これだ」と断定されていないのと同様に、「このような行動をしたら、絶対に若年性アルツハイマーになる」「親が若年性アルツハイマーを患っていたなら、その子どもも絶対に若年性アルツハイマーになる」と言い切れていないのが現状です。

しかしながら、頭部に大きなけがを負ったり、脳血管の病気で患ったりする可能性が高いと言われています。

2-2.若年性アルツハイマーの症状

若年性アルツハイマーには、65歳以降のアルツハイマー病に見られる、記憶障害などが起こり得ます。

特に、「迷子」「今日の日付がわからなくなる」「人を正しく認知できなくなる」などの症状が起こります。

3.若年性アルツハイマーは早期発見と早期対策が鍵

ほかの病気同様、若年性アルツハイマーも、早期発見と早期対策が大切です。

若年性アルツハイマーは、認知症の中でも特に早期発見が重要視されています。

しかしながら、若年性アルツハイマーの早期発見には難しい理由があります。

3-1.若年性アルツハイマーの早期発見が難しい理由とは?

若年性アルツハイマーの場合、高齢者の方が患うアルツハイマー病に輪をかけて、周囲や本人が「アルツハイマー病だ」と気づくのが難しいです。

その理由として、異常に気づいたとしてもうつ病などと混同されやすいことがあげられます。

高齢ではないことから、まさかアルツハイマーではないだろうと、症状の似たうつ病の可能性に注視してしまうのです。

自分の親、あるいは子どもなどが、まだまだ元気で若いのにアルツハイマー病を患っていると気づける人は極めて少数でしょう。

しかし、うつ病であるにせよ若年性アルツハイマーであるにせよ、またそれ以外の病気であるにせよ、いつもと違うという異常が起きたときには、思い切って診察を受けることが大切です。

若年性アルツハイマーの場合、年齢的に会社の管理職的ポストについている人も多いため、会社の人が気づく、ということもあります。

3-2.なぜ若年性アルツハイマーは早期対策が重要なのか?

高齢者のアルツハイマー病とは違い、若年性アルツハイマーの場合、その進行速度が速いと言われています。

症状の進行速度が速い分、早めの対策が非常に有効であり、重要となるのです。

早期発見―早期対策を講じることによって、その進行速度を大きく鈍らせることができます。

そのため、できる限り早く専門医にかかる必要があるでしょう。

若年性アルツハイマーを完全に治すことはできませんが、薬の助けなどを借りることによって症状の進行を遅らせることはできます。

4.若年性アルツハイマーに見られる3つの兆候

情緒不安定

若年性アルツハイマーは「早期発見―早期対策」が非常に重要です。

そのため、若年性アルツハイマーに起こる、初期の身体的・精神的・性格の変化といった3つの兆候を学んでおきましょう。

これらに合致するところが多ければ若年性アルツハイマーの可能性が高く、また、若年性アルツハイマーでなかったとしてもそれ以外の治療を必要とする病気が隠れている可能性があります。

どちらにしろ、兆候を見極めることによって、早期発見の可能性を高めましょう。

4-1.➀身体的初期症状

  • 日付がわからなくなる
  • 気がつくと、目的地とは違う場所にいる
  • 今まできちんとできていた仕事が、ものすごく長い時間をかけなければできなくなる
  • 物をよく紛失する。そして、紛失した場所を思い出せなかったり、なくすまでの行動を思い返せなかったりすることが頻繁に起こる
  • 距離感の喪失

4-2.②精神的初期症状

  • 人と会いたくなくなる
  • 鏡に映る自分を、「自分自身である」と認識できず、他人であるかのように感じてしまう
  • 物事に対して積極的に取り組めなくなる

4-3.➂性格の変化

  • 特に問題がない状況においても、異常に混乱する
  • 不安などに支配される
  • そのような性格ではなかったのに、突如として暴力や暴言が起きる

これらの症状が見られる=若年性アルツハイマーである、ということではありませんが、上記で述べた変化に多くあてはまる場合、注意が必要です。

もしかしてと疑いを持つことが、早期発見につながるという意識を忘れないようにしましょう。

これら3つの兆候が出ている場合、これから紹介する若年性アルツハイマーの診断テストで、より詳しくチェックすることをおすすめします。

5.若年性アルツハイマーの診断テスト

診断テスト

ここでは診断テストを2つ紹介します。

5-1.MMSE検査

MMES検査は、1975年にアメリカのフォルスタイン夫妻によって生み出された知能検査です。11の質問に分けられており、合計で30点です。

質問は多岐にわたりますが、基本的には、

  • 今日はどんな日?(季節や年月日)
  • ここはどこ?
  • 検査する側が言った言葉を復唱してください
  • 数字の引き算
  • 2つ前のテストの単語を繰り返してください
  • (物を指し示しながら)この品物の名前を答えてください
  • 私(検査する側)の口にした文章を復唱してください
  • 私(検査する側)の指示に従って行動してください
  • 文章を読み、その通りに行動してください
  • 文章を自由に書いてみてください
  • 例題のある図形と同じ形を書いてください

といった設問に答えていきます。

27点以上ならば問題はなく、21点以下の場合は若年性アルツハイマーの可能性があります。

参考:MMSE検査シート

5-2.長谷川式簡易知能評価スケール

MMES検査はアメリカ生まれですが、こちらは日本生まれです。

MMES検査同様、病院において広く使われている形式ではありますが、その内容は、MMES検査と共通する部分もあります。

こちらは9つの質問項目からなり、満点は30点です。

  • あなたの歳を教えてください
  • 今日はどんな日?(年月日など)
  • ここはどこ?
  • 私(検査する側)が言った言葉を復唱してください
  • 数字の引き算
  • 2つ前のテストの単語を繰り返させる
  • 品物を5つ見せ、それをいったん隠すので、その品物が何だったかを答えてください
  • 野菜の名前を思いつくかぎり述べてください

といった質問があります。

このテストの場合、20点以下で若年性アルツハイマーが疑われます。

これらの診断テストは、インターネット上で診断することが可能です。

参考:長谷川式簡易知能評価スケール

6.若年性アルツハイマーを予防するには

若年性アルツハイマーの予防

若年性アルツハイマーの早期発見と早期対策だけではなく、「若年アルツハイマーになりにくくなる予防方法」についても見ていきましょう。

6-1.生活習慣を改善する

血糖値が高い状態が続いてしまうと、糖尿病と一緒に若年性アルツハイマーを発症させやすくしてしまいます。

糖尿病患者やその予備軍ともいえる人は、健康な人よりもおよそ5倍ほどアルツハイマー病の発症リスクを背負ってしまうそうです。

高血糖を招きやすい食生活は改善した方がよいでしょう。

また、喫煙と過度な飲酒も気をつけるべき生活習慣です。

喫煙は若年性アルツハイマーだけではなく、脳血管性認知症のリスクも高めてしまうと判明されており、過度な飲酒は脳の認知機能を低下させると指摘されています。

適度な飲酒と禁煙によって、若年性アルツハイマーの予防に繋げていきましょう。

6-2.昼寝を取り入れる

若年性アルツハイマーにおいて睡眠、特に昼寝は有効に働きます。

睡眠のもたらす効果はとても大きいもので、睡眠不足になると脳に大きな負担をかけてしまい、若年性アルツハイマーになる確率を引き上げます。

しかし、毎日昼寝を取ることで、アルツハイマー病の発症リスクを20%にまで下げることができると報告されています。

13時から15時の間で、30分以内のうたた寝が良いとされています。

6-3.運動の習慣をつける

海馬の萎縮や神経伝達組織の機能低下を起こす現象に、運動が有効であると指摘されています。

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を定期的におこなうと効果的です。

ポイントは、軽い運動を適宜おこなうことで、30分程度の運動をできれば毎日続けてみましょう。

趣味として楽しみながらおこなうとより効果的です。

7.若年性アルツハイマーの方への対応

若年性アルツハイマーの対応

若年性アルツハイマーは65歳以下の人に見られるもので、働き盛りの世代でも発症します。

家族や友人はもちろん、職場にいる同僚や上司が突然発症することもあるため、若年性アルツハイマーの人と関わる機会は十分にあると言えるでしょう。

若年性アルツハイマーの周辺症状には、周囲の調整や理解が必要で、迷子にならないようGPS機能のついたものを身に付けさせたり、何度も予定の確認をとってあげたり、また、本人の話を否定せずに聴いてあげることが非常に重要です。

迷子や物忘れなどを責めたてることは、本人にとっての精神的な打撃が大きく、うつ傾向が悪化してしまったり、怒って介護拒否を起こしたりしてしまいます。

認知症のケアは一人で行うことができません。

できる限りのサポートに加え、話を十分に聴いてあげることで、気持ちを支えてあげましょう。

8.まとめ

若年性アルツハイマーについて見てきました。

この記事のまとめ

1.若年性アルツハイマーは高齢者ではなくても発症する

2.身体・精神的初期症状と性格の変化は危険信号

3.早期発見・早期対策が重要

4.MMSE検査と長谷川式簡易知能評価スケールを試してみよう

若年性アルツハイマーを患う人の数は、非常に少ないです。

しかしその分、種々の症状がでていても、それと気づかないことが大きな問題です。

若年性アルツハイマーは早期発見と早期対策が非常に重要です。

その判断基準となる3つの危険信号にあてはまる人は、診断テストを一度試してみください。

また、専門医にかかることをおすすめします。

 

参考:
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0319-2.html
http://ansinkaigo.jp/press/archives/943
http://yoshiya-hasegawa.com/pdf/test/manual.pdf

高齢者だけじゃない!40代50代に忍び寄る若年性認知症で知っておくべき8つの知識

若年性認知症とは?

若年性認知症について見ていきます。

「認知症」というと、「お年寄りの病気」「70歳、80歳になってからかかる病気」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、実際には、認知症は、若い世代にも起きている病気なのです。

働き盛りの世代が若年性認知症になると、家族は精神面・子育て面・経済面で非常に大変だということに察しがつくと思います。

若年性認知症で悩む事態をできる限り避けるために、実際の症状や特徴、予防に関する知識などは知っておいた方が良いでしょう。

そこで今回は、「若年性認知症」について知っておくべき知識を8つ紹介します。

1.①若年制認知症の平均発症年齢は51歳

中年女性と娘

「若年性認知症」とは、その名前の通り、「若年」に起きる病気です。

「若年」とは64歳以下の人のことで、65歳以上の高齢者が患う「認知症」とは区別されます。

 

 

若年性認知症を患う平均年齢は、51歳だと言われ、10万人あたり48名(小数点以下四捨五入)がこの病気を患うとされています。

2000人に対して約1人の割合で起こるものですから、その頻度は決して高くはありません。

しかし、それゆえに、医療機関などにかかっても、発見されにくいという問題があります。

若年性認知症の症状は、記憶障害から始まることが一般的です。

51歳という年齢は、会社のなかでも管理職の地位についていることが多い年齢のため、大事な会議のスケジュールを忘れてしまっていたり、会議の存在自体を忘れてしまったりしてしまいます。

もちろん、このような「度忘れ」は、健康な人でも起こりうることです。

しかし若年性認知症の場合、他者からそう指摘されても、「ああ、そうだった、思い出した!」ということがなく、ただの度忘れとは大きく症状が違います。

また、ひどくなってくると、現在自分がいる場所や「今日」の日付が認知できなくなってしまいます。

2.②若年性認知症の種類

「若年性認知症」と一口に言っても、その種類はさまざまです。

それを見てみましょう。

2-1.脳血管性型

脳血管型の若年性認知症は、脳の病気によって引き起こされることが多いものです。

脳梗塞などがその代表例であり、悪化と改善を繰り返します。

脳血管性型の場合、その人の「性格」自体には大きな変化がない反面、発症して数年のうちに亡くなるケースが多く、とても危険な病気です。

脳血管性型を起こす原因である脳梗塞などは、糖尿病や高コレステロール、あるいは高血圧が発症リスクである、と考えられています。

50代に入ると、これらの数値が異常になる人も増えてきますが、若年性認知症は、生活習慣とも無縁ではないのです。

2-2.アルツハイマー型

アルツハイマー型若年性認知症

脳の細胞というのは、毎日少しずつ減少していきます。

これ自体は、健康な人にも見られる症状です。

しかし、アルツハイマーを患ってしまうと、この「減少のスピード」が恐ろしく早くなってしまいます。

これによって、知能の低下などが起きると考えられています。

アルツハイマー型の厄介なところは、このような「メカニズム」はわかっていても、「では、アルツハイマーを起こすその病気や原因は何か?」は不明である、ということです。

アルツハイマー型の場合、知能の低下だけでなく、その人の性格そのものまで大きく変化させることがあります。

ただ、アルツハイマー型の「若年性認知症」の場合、脳血管性型に比べると平均寿命は長く、10年~15年ほどです。

※ただし、個人差が大きく、ケアやリハビリなどで進行を遅らせることに成功しているケースは多く見られます

2-3.その他

上で挙げた2つが、若年性認知症の代表的な種類です。

しかしそれ以外にも、頭部に傷を受ける(たとえば転倒して頭をぶつけるなど)ことによって起きる「頭部外傷性認知症」、アルコールの大量飲酒によって起こる「アルコール性認知症」などがあります。

 

 

3.③若年性認知症になりやすい人

 

肥満

若年性認知症を完全に防ぐことはできません。

アルツハイマー型のように、その原因がはっきりと特定されていないものもあるからです。

しかし、脳血管性型の若年性認知症は、脳梗塞に代表される「病気」が原因の一つとなっています。

脳梗塞を起こす原因もさまざまですが、そのなかの一つに、「生活習慣」があることは、すでに述べたとおりです。

つまり、

  • 塩分の多い食事
  • ストレスが多い
  • 偏食傾向
  • カロリーのとりすぎ
  • 睡眠時間が短い
  • 喫煙者
  • 大量のアルコールを飲む

という生活をしている(習慣がある)人は、若年性認知症になる可能性が高いと言えます。

このような生活は、生活習慣病を引き起こし、そこから脳梗塞などの病気につながり、最終的に若年性認知症につながっていくからです。

4.④ 若年性認知症の初期症状と特徴

若年性認知症は、初期症状として、「スケジュール管理がうまくいかなくなる」「伝言が伝わりにくくなる」「通いなれた道でも迷うようになる」「同じ服、同じ行動などを繰り返すようになる」といったものが現れます。

また、物事に対する関心や意欲が下がっていくのも特徴の一つです。

これらの症状が出た後でも、「つい度忘れした」「近ごろストレスがたまって疲れているんじゃないの?」と、本人も周りも見過ごしてしまいがちなのが、若年性認知症の怖さです。

しかし、このときに、自分(あるいは家族)の異常に気付き、対策をしていけば、若年性認知症に対抗していくことができます。

5. ⑤若年性認知症の治療方法

若年性認知症の対策には、早期発見と早期治療が大切です。

5-1.早期発見が重要

早期発見を

若年性認知症は、「患う前の状態」に戻ることはできません。

しかし、早期に発見することによって、進行を遅らせることはできます。

自分自身、あるいは自分の家族(特に夫や両親などのように「頼るべき相手」)が若年性認知症である、ということを認めるのは、とても勇気のいることです。

しかし、早い段階で「若年性認知症である」と知ることができれば、その後の治療に重要なのです。

5-2.早期治療

アルツハイマー型の場合、進行を遅らせる薬が処方されます。

また、完全に「治す」ことはできなくても、リハビリや生活習慣の改善による対策を講じることもできます。

この「早期治療」のときにキーになるのは、医療機関と家族の連携です。

自分たちだけで抱え込まず、必ず病院の門戸をたたくようにします。

5-3.リハビリが進行を遅らせる

「リハビリ」というと、骨折などをした人が、元の運動機能を取り戻すために行うものであるように思いがちです。

しかし、若年性認知症にも、リハビリは有効です。

軽い運動をしたり、音楽を聞いたり、思い出話をしたり、手や頭を使ったりするゲームを、日常生活に取り込みます。

また、家族が認知症を患うと、心配のあまり、家事や仕事を先回りしてやってしまう人もいます。

しかし、「何もすることがない状態」というのは認知症を悪化させる要因になるので、可能な限り、家事などをお願いするようにしましょう。

ただし、火を使う料理などは危険も大きいため、必ず誰かが付き添うようにします。また、無理強いは禁物です。

6.⑥若年性認知症を予防する方法

若年性認知症の予防

「絶対に若年性認知症にならない方法」はありません。

しかし、規則正しい生活をし、節制に努め、ストレスの少ない生活をすることによって、若年性認知症になるリスクを減らすことはできます。

若年性認知症は、本人だけでなく、家族の負担も大きい病です。

生活習慣を見直すとともに、早期発見に努めるようにしましょう。

関連記事:若年性認知症の予防のために絶対心がけたい12のルール

7.➆若年性認知症の介護

若年性認知症は、その病気を患った本人がもっとも苦しいです。

しかし、それを支える家族もまた、苦しむのも事実です。

家族が患者さんをサポートするのと同時に、家族にも、行政のサポートが必要なのです。

7-1.認知症の人には家族のサポートが不可欠

家族の笑顔

認知症を患った人にとって、家族のサポートは絶対に欠かすことができないものです。

上で挙げた「リハビリ」の例がその最たるものですが、日常生活で起こりがちなトラブルを助け、見守り、時には手助けをする必要がでてきます。

迷子対策やスケジュール管理の方法を考えたり、医療機関と打ち合わせをしたり、時には暴力的な言葉や意味の分からない言葉も否定せずに受け止めたりする、という心構えと働きが必要になります。

また、働き盛りの大黒柱が若年性認知症を患ったとき、経済的な面を考えることも大切です。

経済的負担を軽減する方法として、「傷病手当金」「障害年金」などが利用できますので、積極的に使って行きましょう。

8.⑧若年性認知症において覚えておきたい制度

このように、家族には「やらなければならないこと」がたくさんあります。

また、若年性認知症の場合、家族の精神的なダメージもとても大きいものです。

これらを「なくす」ことはできません。

しかし、行政などのサポートを受けることで、負担を軽減することはできます。

そして、それは家族のみならず、患者さん本人にとっても良い影響を与えるはずです。

8-1.自立支援医療制度

厚生労働省は、「自立支援医療制度」という制度を定めています。

若年性認知症を患う年齢の人の場合、医療費は原則として3割負担です。

しかし、この自立支援医療を利用すれば、指定された病院(医療機関)での自己負担金額が1割になります。

上記でも触れたように、金銭的な負担はとても大きいものです。

これらの制度は遠慮するようなことなく利用するようにしましょう。

8-2.社会保障制度

また、障害者手帳の交付を受けることで、税金面などの負担が軽くなったり、交通費が減免されたりといった措置を受けることができます。

「障害者手帳」というと、「体に何らかの障害がある人に交付されるもの」というイメージが強いと思われますが、実際には、認知症(アルツハイマー型)の場合でも交付されます。

 

9.まとめ

若年性認知症について見てきました。

若年性認知症で知っておくべき8つの知識

1.①若年制認知症の平均発症年齢は51歳
2.②若年性認知症の種類
3.③若年性認知症になりやすい人
4.➃若年性認知症の初期症状と特徴
5.⑤若年性認知症の治療方法
6.⑥若年性認知症を予防する方法
7.➆若年性認知症の介護
8.⑧若年性認知症において覚えておきたい制度

まずは「自分も認知症になる可能性がある」という意識を持つことです。

加齢とともに、疲れやすくなったり、視力が落ちたり、といった衰えを感じる人は増えると思います。

それに伴い、さまざまな病気のリスクも増えていきます。

その中の一つに若年性認知症があり、誰にでも罹患の可能性が潜んでいます。

若年性認知症について事前に知っておき、自分の身体に気を使い、少しでも病気のリスクを遠ざけられるようにしましょう。

若年性認知症の予防のために絶対心がけたい12のルール

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「認知症は高齢者に特有の病気」というイメージをお持ちの方も少なくないかもしれません。実際に65歳以上の高齢者に認知症は多く見られますが、65歳未満の「若年層」にも3.8万人の認知症の人がいると厚労省の調査により推定されています。

「若年層」にも無視できない病気となった認知症。実は、生活習慣の見直しで予防できることがわかっています。12の予防方法をまとめましたので、日々の中で意識してみてください。

1.若年性認知症とは

若年性認知症とは若年層に発症する認知症のことですが、「若年」とは65歳未満のことを指しています。10代~30代で発症するケースもまれにありますが、多くは40代以降、特に50代での発症がピークといわれています。やや男性の方が多く見られます。

1-1.若年性認知症の原因疾患割合

若年性認知症の原因疾患となるのは以下の通りです。

若年性認知症の原因疾患内訳

65歳以上の高齢者の認知症割合はアルツハイマー型が約半分を占めますが、若年性認知症の場合脳血管性認知症が最も多く見られるようです。

1-1-1.脳血管性認知症とは?

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、脳動脈硬化などが原因となって起こる認知症です。これらの脳内血管の病気によって、神経細胞が死滅し、認知症状に影響を与えると考えられています。

1-1-2.アルツハイマー型認知症とは?

若年性アルツハイマーアルツハイマー型の認知症は、脳内に異常なたんぱく質が蓄積してしまうことで、神経細胞が破壊されて減少していってしまうことによって発症すると考えられています。

2.若年性認知症を予防する12のルール

多くの場合、若年性認知症の発症の原因は生活習慣にあると考えられており、実際に初期症状の人の生活習慣を変えることで症状に改善が見られるケースも認められています。

2-1.塩分をとりすぎない

塩分控えめの食事塩分のとりすぎは高血圧を招きますが、高血圧は脳血管性認知症の危険因子の一つです。塩分控えめの食事を心がけることで、高血圧にならないようにしましょう。

2-2.糖質をとりすぎない

糖尿病になると、脳動脈硬化が起こりやすくなります。認知症の発症可能性が高まってしまうので、糖尿病の原因となる糖質をとりすぎないようにしましょう。

2-3.肥満にならないようにする

肥満30代で肥満の人は、肥満でない人と比較すると認知症の発症リスクが3.5倍という調査結果があります。ちなみに40代では1.7倍、50代では1.5倍でした。

肥満は高血糖、高血圧、脂質異常など認知症の危険因子となりうる要素が重なっているため、食生活や運動習慣を見直し、肥満にならないようにしましょう。

2-4.動物性脂肪をとりすぎない

動物性脂肪(主に牛肉・豚肉やバターなど)のとりすぎは高血圧や動脈硬化につながりやすく、認知症発症のリスクを高めます。

血管疾患が増えやすくなるとして、コレステロールが多い食材(主に鶏卵、魚卵など)も避けるべきとの説もあります。しかし、近年血管疾患とコレステロールの関連性が疑われる調査結果も発表されています。

2-5.よく噛んで食べる

咀嚼が多い(よく噛んで食べる)人は、脳がよく刺激され、認知症が起きにくいとの調査結果があります。歯の数が少ない高齢者の方が、海馬と呼ばれる脳の記憶中枢の容積が小さいということもあり、口腔機能と脳の関連性が推測されています。

目安として一口につき、飲み込むまでに30回程度は噛むようにするといいでしょう。また、歯みがきなどの歯のケアも忘れないようにしましょう。

2-6.青魚を食べる

青魚魚にはドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)という脂が含まれ、特にイワシなどの青魚に多く含まれています。このDHAとEPAは、血流を改善する効果があるとされていて、動脈硬化や高血圧、脳梗塞など予防できると考えられています。

積極的に青魚を食べる習慣をつけましょう。

2-7.野菜、果物を食べる

緑黄色野菜脳の活性化にミネラルやビタミンは不可欠といわれていますが、これらを摂取できる緑黄色野菜や果物も意識的に食べたい食材です。

2-8.少しきつめの有酸素運動をする

週3回程度の運動、それもちょっと汗ばむくらいのややきつめの運動を行うようにしましょう。運動が認知機能の向上に役立つことは多くの研究によって明らかになっていますが、少しきつめに行うことで体内のミトコンドリアの活性化に好影響を与えると考えられています。

適度な運動また、運動をしながら簡単な計算問題などを行うと脳に負荷がかかり活性化されるため、こちらも認知症予防に一役を買います。

例えば、見かけた車のナンバーをうまく計算して答えを10にする、ということをしながらウォーキングやジョギングを行うのは非常に効果的です。

2-9.喫煙を控える

喫煙者の認知症リスクの高さはデータが示していて、1日11~40本の喫煙者と非喫煙者を比較すると約1.4倍、1日40本以上の喫煙の場合は2.1倍リスクが高まるという結果が出ています。

喫煙者は本数を少なく、できることなら禁煙することで認知症予防をしましょう。

2-10.お酒を飲みすぎない

大量飲酒アルコールの大量摂取は脳の萎縮を招きやすく、認知症の原因になってしまうと考えられています。ただし、少量の飲酒(1週間に350mlのビールを1~6本程度)は、まったく飲まない層に比べて認知症の可能性が低いという調査結果もあり、「飲酒はしない方がいい」とは言い切れません。

2-11.睡眠時間をしっかりとる

睡眠時間が短いと認知症リスクが高まることが知られています。睡眠時間が1時間短いと認知機能が0.67%低下するとしている調査結果もあります。

認知症予防のためには、7~8時間程度の睡眠がよいとされています。また、30分程度の昼寝も認知症予防に効果的と考えられているので、睡眠は積極的にとるようにしましょう。

2-12.他者とのコミュニケーションをとる

人との交流脳を活性化させることは認知症予防に非常に重要な要素ですが、人とのコミュニケーションは脳に刺激を与え、活性化させる効果があります。難しい話をする必要はありません。世間話やうわさ話といった会話でもいいので、積極的に外に出て、他者と会話などのコミュニケーションをとるように心がけましょう。

3.まとめ

認知症予防には、生活習慣、特に規則正しい生活、バランスのとれた食事、適度な運動が重要なことがおわかりになったかと思います。「なんだ、そんなことか。よくいわれていることだ」と感じたかもしれませんが、長年染み付いた「習慣」を変えるというのは非常に難しいことです。少しずつでも意識して、認知症リスクを遠ざけるような生活習慣にしていきましょう。

参考:
http://www.t-pec.co.jp/health-news/2013/10.html
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0319-2.html
http://www.city.ichikawa.lg.jp/wel02/1111000054.html