介護サービスの種類について見ていきます。
「介護サービス」と一口にいっても、その種類は非常に豊富で、網羅するのが難しいほどです。
今回はこの「介護サービス」を、少しでもわかりやすくするために、分類してお話していきましょう。
1.介護サービスとは?
介護サービスというのは、とても簡単に言えば、「介護や支援を必要とする人が受けられるサービス全般」のことです。当然、介護の度合いや環境、希望によって受けるべき・受けたい・受けられるサービスは変わってきます。
2.24種類の介護サービス
何度も述べていますが、介護サービスにはさまざまな種類があります。ここではその特徴をざっくりとお話ししましょう。
2-1.介護の相談・ケアプラン作成
介護の相談やケアプランの作成は、あらゆる介護サービスの基本となるものです。介護サービスを受けるには、まずは「相談」から始まる、と考えておくとよいでしょう。
2-1-1.居宅介護支援
ケアマネージャーが作成するものです。その人の自宅を訪れ、「できる限り、今の家で、居を移すことなく、生活を営めるように」という目的のもと、プランを作成します。このときに作成した、「必要とされるであろう介護サービスの計画」などを基本に、日々の生活の在り方を検討します。
2-2.自宅に訪問
自宅まで来てもらって介護サービスを受けるタイプです。
2-2-1.訪問介護
生活全般のサポートをするものです。食事や掃除、あるいは日常生活を送る上で必要な買い物業務、入浴介護などがこちらに分類されます。
2-2-2.訪問入浴
これには2通りの考えがあります。「バスタブやお湯などを持ち込んで行う、訪問入浴介護」と、「自宅の風呂などを使って行う、訪問介護のサービスとしての入浴介護」です。
関連記事:訪問入浴介護ってどんなサービス?料金や利用方法について
2-2-3.訪問看護
訪問看護と訪問介護は違います。介護が「身の周りの世話」にとどまるのに対し、訪問介護は医療的なケアを行います。カテーテルの管理などがこれに当たります。
2-2-4.訪問リハビリ
身体の機能の向上や維持を目的としたリハビリを実施します。
2-2-5.夜間対応型訪問介護
「夜の間の介護」に対応しています。排泄など、夜中であっても介護が必要なことがここに含まれます。また、安否の確認なども行われます。これは、「夜間である」ということもあり、要支援のレベルの人は使えず、対象となるのは要介護以上の人です。
2-2-6.定期巡回・随時対応型訪問介護看護
「時間などを制限せず、できるだけフレキシブルに対応しよう」というのがこの定期巡回・随時対応型訪問介護看護の考え方です。介護と看護は高齢者支援の場合明確にわけられますが、この定期巡回・随時対応型訪問介護看護の場合は、一体化しており、利用者の困惑が少ないのも嬉しいポイントです。対象者は要介護以上。
2-3.施設に通う
自宅で介護を受けるのではなく、施設まで行ってサービスを受けるタイプです。
2-3-1.通所介護(デイサービス)
高齢者施設に通って、身の周りの世話をお願いする、というものです。もっともよく知られているのは、この「デイサービス」かもしれません。
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2-3-2.通所リハビリ
「デイケア」とも呼ばれるものです。施設に通う、ということではデイサービスと同様であり、入浴などに関してはサービスも同じです。しかし通所リハビリの場合、「機能の向上や維持を目的としたリハビリが行われる」という点で、大きな特徴があります。ちなみに、デイサービスでも機能訓練を行っているところがあります。
しかしデイケアの場合は、「作業療法士や言語聴覚士、理学療法士が必須である」という条件があるのに対し、デイサービスの場合は、「これらの資格を持った人が従事することは、必ずしも必須ではない」という違いがあります。
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2-3-3.療養通所介護
「医療との連携」が最大の特長です。認知症や重度の要介護者、常時観察を擁する患者などを対象としたものであり、これが大きな違いとなっています。
2-3-4.認知症対応通所介護
名前の通り、認知症の患者さんを対象としたものです。介護の度合いは問われず、認知症を患っている人の場合は、要支援であっても利用できます。
2-4.訪問・通い・宿泊を組み合わせる
介護は、「これ以外選べない」というものではありません。さまざまな選択肢を組み合わせることができます。
2-4-1.小規模多機能型居宅介護
基本的には、「施設に通うこと」を中心にします。しかし、場合によっては施設に宿泊したり、訪問介護をうけたりすることができます。
2-4-2.複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)
小規模多機能型居宅介護に看護サービスを組み合わせたもの、と理解するとわかりやすいでしょう。介護だけでなく、看護の観点からもサービスを受けられます。
2-5.短期間の宿泊
「老人ホームへの入所」は、「永続的なもの」である、と考える必要はありません。短い期間での入所もあります。
2-5-1.短期入所生活介護(ショートステイ)
食事の世話などをしてもらえる施設への短期入所です。介護する側、介護される側、両方の気分転換としてもどうぞ。
関連記事:ショートステイにかかる料金の目安は?料金を決める4つの条件
2-5-2.短期入所療養介護
介護だけでなく、看護やリハビリを受けることもできる短期の入所サービスです。
2-6.施設などで生活
施設などでの生活は、「居を移す」ということですから、非常に大きな意味を持ちます。
2-6-1.介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
「特養」とも呼ばれるものです。競争率は高いものの、一度入ってしまえば、介護度が進んでも、退去する必要はあまりありません。
関連記事:入所難易度が高くなっている?特養老人ホームの入所条件とは
2-6-2.介護老人保健施設
「老健」とも呼ばれるものです。リハビリなどを重視し、「家に帰ること」を目的として訓練が行われます。
関連記事:「特養」と「老健」はどう違う?理解しておきたいその違いとは?
2-6-3.介護療養型医療施設
名称からもわかるように、「医療との連携」がとれており、長期間の療養にも対応しています。
2-6-4.特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホームなど)
「介護認定を受けた人間であり、かつこれらの設備で暮らしている人間が利用できる介護」を指します。これらは施設によっても考え方が違うので、事前に確認しておきましょう。
2-7.地域密着型サービス
名前の通り、その地域に暮らす人が恩恵を受けられるものです。
2-7-1.認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症を患った人が入ることのできるものです。一般的に「グループホーム」と呼ばれますが、この名称自体は認知症対応型共同生活介護でなくても使えます。
関連記事:グループホームとはどんな施設なのか?入居の際の5つのポイント
2-7-2.地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
要介護以上の人が使えるものであり、30名以下の特養が日常的な介護を必要とする人にサービスを提供します。やれることは、身の周りの世話から、療養、機能訓練までです。
2-7-3.地域密着型特定施設入居者生活介護
こちらは、有料老人ホームや軽費老人ホームが提供するサービスで、身の周りの世話をお願いできます。
関連記事:しっかり理解しておきたい軽費老人ホームの3つの種類
2-8.福祉用具を使う
福祉事業の一環として、「道具(用具)の貸出や販売」もされています。
2-8-1.福祉用具貸与
福祉用具というのは、買うとなかなか高額になるもの。しかしこれらは、レンタル品として借りることができます。しかも、1割負担です。
2-8-2.特定福祉用具販売
1年間で10万円以内なら、1割負担で福祉用具を買える、というもの。対象品目は5つで、「便座」「自動排泄処理装置の交換部品」「入浴の補助をするための道具」「浴槽」「移動用リフトのつり具」です。
3.まとめ
介護サービスの種類について見てきました。
24種類の介護サービス
1.居宅介護支援
2.訪問介護
3.訪問入浴
4.訪問看護
5.訪問リハビリ
6.夜間対応型訪問介護
7.定期巡回・随時対応型訪問介護看護
8.通所介護(デイサービス)
9.通所リハビリ
10.療養通所介護
11.認知症対応通所介護
12.小規模多機能型居宅介護
13.複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)
14.短期入所生活介護(ショートステイ)
15.短期入所療養介護
16.介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
17.介護老人保健施設
18.介護療養型医療施設
19.特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホームなど)
20.認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
21.地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
22.地域密着型特定施設入居者生活介護
23.福祉用具貸与
24.特定福祉用具販売
介護サービスの種類24種類で、それぞれに違いがあります。自分に必要なサービスを選びましょう。
参考:
http://www.kaigokensaku.jp/publish/