介護サービス

サービス付き高齢者向け住宅のサービスに介護保険サービスは含まれる?

サ高住の介護保険

日本は、国民の4人に1人が65歳以上であるとされ、超高齢化社会と言われています。この問題は日本だけではなく、国際的な問題に発展しており、2050年には世界人口のおよそ2割が65歳以上になると予想されています。

それに伴って介護問題が顕在化しつつあることをご存知でしょうか?少子化が著しく進んでいることも影響し、身体的な負担はもちろん、精神的、そして経済的な負担が急速に加速しています。なかでも経済面に関しては、65歳以上の方1人を支えるのに、65未満の方3人もの人数が必要になっているほど。年金ですべてをまかなうことも難しくなってきています。

そこで、味方になってくれるのが介護保険です。介護保険は、サービス付き高齢者向け住宅に住んでいる方でも適用の対象内となるので、制度を十分に理解しておきましょう。

経済的負担を軽減

サービス付き高齢者向け住宅での支援や介護でも、介護保険の適用は認められています。介護を受ける方の経済的負担を減らすためにもとても重要ポイント。「知らない」といって見逃すわけにはいきません。

例えば、保険適応時と非適応時で、月々の負担が最大「10倍」もの差額が生じます。保険未加入の方が介護費に月20万円かかったとすると、保険加入者は月2万円(1割負担の場合)で済んでしまいます。どれだけの効果があるかが理解できたでしょうか。

実際、介護を受けている方のほとんどが介護保険を利用しています。というのも、介護にかかる費用は決して安いものではないからです。経験した方ならわかると思いますが、介護は簡単なものではなく、体力的にも精神的にも疲労が大きいもの。1回の介護費も大体4000円〜数万円かかります。1日4000円程度でも週に3、4回お願いするとなれば、単純計算で月に5万〜7万円の介護費用が必要です。いくら年金があるからといっても大きな負担になるのは間違いありません。

しかし、保険が適応されれば、その1割(=月々約5000円〜7000円)の支払いで済み、経済的負担は激減します。このように介護保険がもたらす恩恵は多くの人が思っているより随分と大きなものです。では、介護保険についてもう少し掘り下げてみましょう。

2種類の制度

介護保険は大きく2種類に分けることができます。個別に見ていきましょう。

公的介護保険

市町村などが運営するこの保険は、2000年に誕生した比較的新しい福祉制度です。利用者の介護費は実質料金の1割負担で済むという便利なもの。認知度も年々上昇しており、この恩恵を受ける方は増えてきています。

大きな特徴として挙げられるのが被保険者の区分。被保険者が65歳であれば第1号被保険者となり、いかなる理由で介護が必要になったとしてもサービスを受けることができます。40歳〜64歳までの方は第2号被保険者に区分され、介護が必要になったとしても、その原因次第ではサービスを受けられない可能性があります。各市町村ごとに「介護対象となる疾患」が設定されているので、詳しくはお住まいの市町村役場、もしくは入居予定のサ高住が所属する市町村役場で確認してみてください。

民間保険

こちらはその名の通り、民間企業が運営する介護保険です。主に生命保険などを運営している会社が介護用に提供するもので、介護一時金や介護年金など、公的介護保険にはない保険サービスを提供しています。掛け金は生命保険と同様に年齢などで金額が変動、一時金タイプや年金タイプ、終身介護タイプなどと幅広いタイプが揃っています。利用者が希望に合わせたプランを選べる点が大きなメリットとなるでしょう。

サ高住では「支援」「介護」を受ける時に保険が適用される

サービス付き高齢者向け住宅に入居されている方も介護保険を利用する事ができます。ただし、老人ホームとは違い、あくまでも「住居」という立ち位置のため、介護保険が認められるのは外部の支援、介護サービスを受けるときのみ。また、サ高住の中には介護施設などが併設されている場合もありますので、どのサービスが保険の適応範囲内かをヘルパーさんなどに聞いてみるとよいでしょう。

介護保険を利用するためには

介護保険を利用するためには、「要介護認定」を受けなければなりません。要介護認定とは、支援や介護が必要であることを明確にするもの公的な証明です。認定は、お住まいの市町村役場で申請したのちに実施される「訪問調査」の結果次第となります。各市町村により異なりますが、おおよそ30日程度で結果が届くのが一般的。ただ、民間保険会社を利用することをお考えの方は、企業独自の目線で判断されることもあるので、事前に適応範囲を把握しておくといいかもしれません。

ここまでお話してきた通り、介護保険は充実したセカンドライフを送るためには欠かせないポイントです。サ高住に入居した、もしくはこれから入居予定の方はしっかりとチェックしておきましょう。これは皆さんだけでなく、ご子息やご息女などの精神的負担を減らすという意味でも大きな役割を果たします。もし、ご存じなかった方は、できるだけ早期に調べることをおすすめします。

介護予防サービスって何?その種類と内容について

介護予防サービス

「介護サービス」というのは、多くの人が耳にしたことのあるものだと思います。しかし、それ以外にも、「介護予防サービス」というものがあることをご存じでしょうか?

1.介護予防サービスとは?

介護というのは、介護される側にとっても介護する側にとっても大変なものです。そこで、「要介護になる前の段階で気を付けよう」という考えが出てきました。そのためのサービスも打ち出されています。

今回は、介護予防サービスについてみていきましょう。

1-1.「介護予防」って?

上でも軽く触れましたが、「介護予防」というのは、その名前の通り、「介護になる前の段階で、症状の悪化を食い止めよう」とするものです。すでに「要介護状態になってしまった人」をサポートするのも大切ですが、「介護状態にならないようにすること」に重点をおいた、予防型のサポートも大切です。介護予防の概念というのは、後者にあたります。

1-2.介護予防サービスの概要について

何度か繰り返していますが、介護予防サービスは、「要介護の状態にならないように、あるいは悪化しないように」取り組むサービスです。可能ならば、支援や介護が必要とならない状態に戻ることができるようにします。そしてそれが難しいのならば、現状維持の状態を長く続かせるためのサポートを行います。

1-3.どんな人が介護予防サービスの対象になる?

介護予防サービスは、あくまで「予防のためのサービス」です。そのため、現状で、介護の手を必要とするタイプの人には、基本的には行われません。
介護予防サービスが受けられるのは、以下の3タイプの人です。

  1. 要支援1の人
  2. 要支援2の人
  3. 要介護の状態だが、要介護1の区分けに属する人であり、介護予防サービスを受けることによって、現状維持ができたり、状況が改善できたりする可能性が高い人

1-4.地域支援事業の対象者と内容について

「地域支援事業」は、国や都道府県、市町村、そして40歳以上の人が支払う介護保険によって財源が確保されているものであり、その地域に住む人にさまざまな介護予防事業を提供するものです。

名称からもわかるように、これが利用できる人は、その地域の住人だけです。通所型や住居型の介護が用意されています。

2.介護保険サービスの種類

介護保険サービスにはさまざまなものがあります。それについてみていきましょう。

2-1.自宅訪問型

読んで字のごとく、「自宅にヘルパーなどが訪れる」という形式のものです。これにもさまざまな種類があります。

2-1-1.介護予防訪問介護

「身の周りのことは基本的には自分でできるが、若干不便に感じることがある」という人向きのものであり、入浴や食事などの手助けをしてくれます。1回あたり1220円程度で利用できます。

2-1-2.介護予防訪問入浴介護

私たちが何気なく行っている「入浴」という行為は、実は非常に力のいるものです。服を脱いで、髪の毛を洗い、体を洗い、バスタブに入り、そして最後に湯船から出なければなりません。

現在の建築物のバスルームの場合、バスタブも年を取ってからでも使いやすいように工夫されていますが、昔の家だとそのような工夫もされていないことが多いです。しゃがんだりたちあがったりという行動は意外なほどに大変です。
このような大変な「入浴」をサポートするために、介護用のバスタブなどを使って行ってもらえる介護があります。それが、「介護予防訪問入浴介護」です。1回の利用料金は854円です。

2-1-3.介護予防訪問看護

「介護要望訪問介護」と響きは似ていますが、できることに違いがあります。介護の場合、点滴や注射のような医療行為はできません。「介護」ができるのは、あくまで「身の周りの世話」だけです。

そのため、家で点滴などをしている人の場合は、こちらをお願いすることになります。
「どこから派遣されるのか」「時間はどれくらいかかるのか」によって負担額は違いますが、255円~1138円の間です。

2-1-4.介護予防訪問リハビリテーション

自分自身の体を自分の思うように動かすことは、年を取ってくると難しくなります。運動機能の向上や維持を目指して行われるのが、この「訪問リハビリテーション」です。理学療法士(PT)・言語聴覚士(ST)・作業療法士(OT)などが家を訪れ、リハビリサービスを提供します。費用は305円から505円まで。

2-1-5.介護予防居宅療法管理指導

「80歳になっても20本の自分の歯を維持しよう」という標語が掲げられている通り、口のなかの健康というのは、非常に重要です。歯が丈夫であれば、食事もおいしく食べることができます。介護予防居宅療法管理指導とは、このような「口内の健康」を保つために行われます。また、それ以外にも、栄養の管理や、療養をするために必要な指導なども行ってもらえます。

医師や歯科医師、薬剤師、栄養管理士、歯科衛生士、看護師などによって行われます。
「医師の場合は料金が高いのではないか?」と心配する人もいるかもしれませんが、もっとも費用がかさむのは、病院の薬剤師に来てもらう方法です。
ただし、そうはいっても、自己負担額は350円~550円です。

2-2.通所型

今までは、「来てもらう形」を紹介しました。ここからは、「通う形」をしょうかいしましょう。

2-2-1.介護予防通所介護

多くの人が「介護」と聞いたときに真っ先に思い浮かべるであろう「デイサービス」がこれにあたります。施設に赴き、入浴などのサービスを受けられます。簡単な機能訓練も行えます。

ちなみに、混同しがちな「機能訓練」と「リハビリ」ですが、この2つには違いがあります。リハビリは医師の指導のもと、理学療法士・作業療法士・看護師・言語聴覚士のような「専門職」が行うものです。対して、機能訓練の場合は、介護職であっても行うことができます。リハビリの場合は、特に「機能の改善」が目的とされますが、機能訓練の場合は「予防」「現状維持」が主な目的となります。1か月あたり2099円~4430円。

2-2-2.介護予防通所介護

デイサービスに続いて、よく耳にするのが「デイケア」という単語です。介護予防通所介護は、この「デイケア」にあたります。

デイサービスとは違い、「医師の指導に基づき、通うこと」がデイケアの特徴です。
このときに受けられるのは、「リハビリ」です。機能訓練とリハビリの違いは上で触れたとおりです。

専門家の指導になるので、費用はデイサービスよりも若干高くなります。1か月あたり2412円~5053円。

2-3.入所型

「施設に入所」というと、「老人ホームに住むこと」をイメージする人もいるかもしれません。しかし実際には、ごく短期間だけ入る、ということもできます。それが、短期入所型です。「ショートステイ」という名称で呼ばれることもあります。

2-3-1.介護予防短期入所生活介護

福祉施設に一時的に入所するものです。上記で述べた「デイサービス」が入所型になったようなものに近いかもしれません。排泄を含めた身の周りの世話や機能訓練をお願いすることができます。施設によって若干の差はありますが、564円~806円で1日間利用できます。

2-3-2.介護予防短期入所療養介護

こちらは「デイケア」の入所型に近いと言えるかもしれません。医師の指導に基づいたリハビリを受けることができます。また、医療的なフォローも受けられます。料金は1日当たり619円~895円です。

3.まとめ

介護サービスだけでなく、「要介護の度合が重くならないために受ける」という介護予防サービスも非常に重要です。要支援1~要介護1の人までが対象となるこれらは、かなり充実しており、さまざまなサービスがあります。訪問型、通所型、入所型……。自分や家族のライフスタイルにあわせて、賢く使っていきたいですね。

参考:
http://homonkango.net/about/expense/feature/difference.html
http://ichigoichie-care.com/%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%93%E3%83%AA%E3%81%A8%E6%A9%9F%E8%83%BD%E8%A8%93%E7%B7%B4%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84/
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05kaig.nsf/0/0c132016746a8e7c49257140002bd56b/$FILE/gaiyo1.pdf
http://www.kaigo-town.jp/insurance/_050_00prevent.html
http://news.kaigonohonne.com/article/263

介護タクシーとは?活用するための7のQ&A

介護タクシー

「介護タクシー」という言葉を聞いたことはないでしょうか?これは上手に使えば、大変便利なものです。今回はこの「介護タクシー」についてお話していきましょう。

1.介護タクシーとは?その概要

まずは「介護タクシーとはそもそもどのようなものか」ということを考えていきましょう。

1-1.介護タクシーの定義

「介護タクシー」という言葉は、実はかなりのあいまいさを含んだ言葉です。厚生労働省が、「いわゆる介護タクシーの実態調査の結果について」では、下記のものを「介護タクシー」として調査しています。

  1. 介護保険法に基づく指定を受けている指定訪問介護事業者
  2. 通院・外出介助に特化した基準該当訪問介護として市町村が認めている事業者

1-2.介護タクシーの運転手について

介護タクシーの運転手は、ほかのタクシーとはその基本が違います。乗り降りの際の手助けなどを必要とされることが多いため、一般的なタクシーの運転手がそのまま介護タクシーの運転手になる、ということは可能性としては低いと言えます。

多くの場合、介護タクシーの運転手となるのは、訪問看護員2級の資格を有するものです。これが全体の90%を超えています。それ以外には、1級の人員が5%程度、介護福祉士が3%程度、3級の人員が0.5%となっています。

1-3.業務の内容について

上でも挙げましたが、介護タクシーには、「乗り降りの際の手助け」というが入ってきます。これは「身体介護」のなかに含まれるものです。

「乗り降りの際の手助け」というのは、単純に「車から降りるときだけ手伝う」というものではありません。実際に家のなかに入り、健康状態のチェックを行い、着替えを手伝う、というところから始まります。この上で、タクシーにのせ、移動を手助けすることになるのです。場合によっては消灯や火の世話も必要となります。

「家を出られる状態になるまで介助をして」「タクシーに乗せて運び」「目的の施設についたらフォローをし」「場合によっては受け付けなどを手伝う」というところまでが、介護タクシーの業務である、と考えるとよいでしょう。

1-4.介護タクシーの位置づけ

このような観点から見ていくと、介護タクシーというのは、「タクシー」としての注目度よりも、「介護」ということに重きを置かれている、ということがわかるでしょう。あくまで、介護タクシーは、「訪問介護の一つ」なのです。

1-5.利用対象者

介護タクシーは、その性質上、「利用できる人」が限られています。それには5つの条件があります。

  • 支給限度額以内での使用である
  • 要介護1以上の状態である
  • 自宅で生活している
  • 契約をしている
  • 必要性がある

大事なのが「要介護1以上の状態である」ということです。見守りは必要だし、生活の基本能力は衰えているけれども、日常的に人の手を借りなければ生活を営むことが難しいわけではない、という「要支援」の場合は、介護タクシーを利用することはできません。また、「必要性がある」というところからもわかる通り、自分自身でバスなどの公共の交通機関を利用できる、という場合も対象外となります。

1-6.料金体制と介護保険

介護タクシーの料金形態に関しては、少し難しい問題があります。「移送方法」として考えた時に割引は発生するのか?介護のときにかかる料金についてはどうなるのか?など、その規定はそれほど明確ではなく、事業者によって異なるのが普通です。介護保険を利用する場合、1割が利用者の負担となりますが、事前に確認する方がよいでしょう。

2.活用するための7のQ&A

ここらは、より実践的に、「活用する際に出てくるであろう疑問」に答えていくことにしましょう。

Q1.車両の種類は?

A.車いすやベッド(ストレッチャー)を備え付けた「福祉車両」と呼ばれるものと、セダンやワゴンといった一般車両の2つに分けられています。「介護タクシー」という名称上、前者の福祉車両の方が多い、という印象を持つ人も多いでしょう。しかし実際には、後者の、福祉車両ではないものの方が圧倒的多数です。その比率は7:93程度であり、福祉車両はとても少ないと言えます。

Q2.利用可能時間は?

A.介護タクシーは「施設などに向かうための車両」です。そのため、その稼働時間も、基本的には、病院や施設が開いている時間、ということになります。ただし、やむを得ない事情のときなどは、夜に利用することも不可能ではないようです。

Q3.緊急時は利用可能か?

A.基本的には、介護タクシーは完全予約制です。このため、緊急時に利用できる、という考え方は捨てた方がよいでしょう。深夜帯などもそれにあたります。介護タクシーを運転する人員などを考えれば、介護タクシーと緊急時のコールは相性が悪いものだ、ということがわかると思います。突発的な事故の場合は、救急車などを利用するようにしましょう。

Q4.法定代理受領サービスとは?

A.介護タクシーの支払い方法には「法定代理受領サービス」というものもあります。これは、事業者側が、使った利用実績をケアマネージャーに報告して、ケアマネージャーがそれを確認し、国保連合会に請求をかけます。これによって、事業者は、介護報酬を受け取ることができる、というものです。

Q5.介護タクシーに家族の同乗は可能か?

A.「おじいちゃんが心配だから、私も一緒に乗っていきたい」と考えるご家族もおられるでしょう。しかし、原則としてこれはできません。というのも、介護タクシーというのは、「介護の必要性がある人」が乗るものであるため、「介護ができる家族がいるのなら、その人の手を借りて、公共の交通機関などを利用することができるだろう」と判じられるからです。このため、「介護者」がいる介護タクシーは利用できません。

ただし、介護できない家族の場合、特段の事情(医師から説明を聞くなど)があれば認められるケースもあります。

Q6.介護タクシー乗務員はどこまで通院のための介助をしてくれるのか

A.基本的には、介護タクシーも「タクシー」ですから、乗り降りまでの補助までとなるでしょう。しかし場合によっては、受付などの手助けをすることもあるようです。これも事業所によって違いがあります。

Q7.通院先としっかり連携がとれているか?

A.介護タクシーと通院先の連携がとれているかどうか、というのは、やはり事業所によって違いがあると言えるでしょう。病院のスタッフや、担当のケアマネージャーに相談してみるのもよいかもしれません。

3.まとめ

「介護タクシー」という言葉は、かなりあいまいな語句であり、事業所によってプランにばらつきがあるという問題があります。しかし、介護と移動をプロにお願いできる、ということは、大きなメリットです。ケアマネージャーや病院と連携し、上手に選んでいきたいものですね。

介護保険と年齢|保険料支払いとサービス利用は何歳から?

介護保険

誰もが耳にしたことのある「介護保険」。しかし、「名前は知っているけれど、どういうものかよくわかっていない」という人も多いのではないでしょうか。

今回は、介護保険とは何か、そしてそれにまつわるお金の話をしていきましょう。

1.介護保険とは?

介護保険とは、その名前の通り、介護制度を保障する保険のことです。介護や医療にかかる費用というのは、非常に高額です。そのため、個人で支払っていくことには限度があります。また、経済的な格差によって、受けられるサービスが大きく違ってきてしまうでしょう。
また、経済的に問題がなかったとしても、近くに助けてくれる親族などがいないこともいます。

このような、介護にまつわる不安を、みんなが納めた保険料で賄おう、という考え(制度)が、「介護保険」なのです。

2.介護保険料の支払い年齢|何歳から?

介護保険料は何歳から払い始めるのか、というところから見ていきましょう。国民年金は20才から納付義務があります。そのため、「介護保険料も20才からだろう」と思う人もいるのではないでしょうか。しかし、介護保険料を納め始める年齢は20才ではなく、40歳以上が対象です。

2-1.普通徴収

介護保険の納め方は、2種類あります。一つが、「普通徴収」です。まずはこちらから見ていきましょう。

こちらは、納付書によって納める形です。後述する、「特別徴収対象」となっていない限りは、この形式での納付です。

2-2.特別徴収

特別徴収は、普通徴収とは条件が違います。この「特別徴収」という言葉は、国民健康保険や後期高齢者医療制度なども対象となります。しかしここでは、「介護保険の特別徴収」にのみ焦点を当てましょう。

介護保険において、特別徴収の対象となるのは、年に18万円以上の年金をもらっている65歳以上の第一号被保険者です。言い換えれば、これに当たらない人はすべて「普通徴収」となります。

3.介護サービスを利用できる年齢|何歳から?

今までは「納める側」としての年齢を見てきました。ここからは、「納めた介護保険料を利用して、介護サービスを受けられる年齢」についてみていきましょう。これには2通りの分け方があります。

3-1.第1号被保険者(65歳以上)とは?

2000年から2013年までに1.4倍に膨れ上がったのが、こちらの分類の方です。「高齢者」に分類される年齢である65歳以上の人が対象となります。この年齢に達すると、どんな病気が原因であっても、「要介護の状態である」と認定されれば介護保障の対象となります。

3-2.第2号被保険者(40~65歳未満)

しかし、上のような区分だけでは、「若くて病気に苦しんでいる」という人をフォローすることができません。そのため、「第2号被保険者」という区分が設けられています。
これは65歳以下の人であっても、一部の病気の場合は制度の利用ができる、というものです。

この「一部の病気」は、「通常、老化によって起こると考えられている16の病気」を対象としています。たとえば、リウマチ。骨折を起こすほどの重度の骨粗しょう症。糖尿病により網膜症などや脳血管疾患などが対象となります。また、40歳以上64歳未満で患った認知症も対象となります。この世代の認知症を扱った小説なども出ており、目を通した人も多いのではないでしょうか。

3-3.適用除外者

大多数の人は、上の2つにあてはまるでしょう。しかしごく一部の人に関しては、「適用除外者」という扱いになります。この条件はシンプルです。

  • 海外に住んでいて、日本に住所を置いていない人
  • 日本に在留する期間が3か月未満で、日本国籍ではない者
  • 適用除外施設にいる人

「適用除外施設」とは、ハンセン病療養所や障碍者支援施設、一部の福祉施設などです。

3-4.7段階の要介護認定とは?

「なんらかの助けが必要である」と認定されれば、介護保険の対象となります。しかし、受けられるサービスは、その人の状況によって異なります。これは7段階に分けられています。1つずつ見ていきましょう。

要支援1…もっとも程度が軽いものです。身の周りの世話は自分でほとんどでき、日常生活に不便はありません。しかし、立ち上がるときなどに、つかまるものなどが必要になることもあります。また、お風呂などにおいて、一部分で、人の手を借りる必要があることもあります。

要支援2…「自力で立つこと」が若干不安定である人がここに分類されます。身の周りのことは自分でできますが、週に数回程度は、入浴介護が必要になるケースがこちらです。

要介護1…ここからは、「支援」ではなくなります。人の手が日常的に必要となる状態です。要介護1の場合は、「身体を清潔に保つこと」「服の着脱」「部屋の掃除」「薬を飲むこと」「お金の管理」などのうちのどれかにおいて、1日に1回以上の介護が必要となります。

要介護2…上記であげた5つのうち、2つ以上の分野での介護が必要な状態です。また、起き上がるときにも、自力だけでは難しくなっており、人の手を借りることが求められます。

要介護3…上記であげた5つのうち、3つ以上の分野での介護が必要な状態です。この状態になると、寝返りを打つことも困難です。また、この段階から、日常生活の「行動」のみではなく、その人の性質に関わる問題が出てくるケースが含まれます。たとえば、介助に対して抵抗をしたり、今まではそんな人ではなかったにも関わらず暴言を吐いたりするなどです。暴力が伴うこともあります。

要介護4…この状態になると、1日に1回だけでなく、複数回の介護が求められます。姿勢を維持したり、食事をとったり、排泄をしたりといった基本的な行動においても、人の手が必要です。植物状態の人もここに分類されます。

要介護5…もっとも重い状態です。自分で姿勢を維持することほとんどできず、身の周りの介護を行う回数が1日に5回以上に及びます。

3-5.扶養を受けている人が介護保険サービスを利用できる年齢は?

「専業主婦などで、扶養に入っている人の場合はどうなるか」ということを疑問に思う人もいるでしょう。自分自身で介護保険料を納めていないので、介護保険サービスを受けられる年齢に制約がかかる、と考える人もいるかもしれません。

しかし、この点については心配はいりません。扶養に入っているということは、配偶者などがその分の介護保険料を納めている、ということになるからです。そのため、扶養家族であろうとなかろうと、上の「介護保険サービスを利用できる年齢」とまったく同じ待遇が受けられます。

3-6.特定被保険者とは?

特定被保険者制度は、少し厄介です。できるだけわかりやすく解説していきましょう。
基本的には、扶養されている立場の人は自分自身では保険料を納めることはありません。しかし、

  • 被保険者の人が40歳~64歳までの第2号被保険者ではなく
  • かつ被扶養者に40歳~64歳までの人がいる場合

というケースになると、話は厄介です。

この場合、「扶養している人」の方は、保険対象外ですから、介護保険料を納める必要はありません。しかし、介護保険料を納めていないため、扶養している家族が介護サービスを必要とした場合、「何もお金を納めていないのに、サービスだけを受けられる」という状態に陥ってしまいます。これでは公平さを欠きますよね。

そのため、「特定被保険者」という制度が出てきます。これは、上のケースでいう、「本人は第2号被保険者ではないけれど、第2号被保険者に当てはまる人を扶養している人」に介護保険料を納めてもらうという仕組みです。

4.まとめ

介護保険は非常に入り組んでいます。
ただ、

  •  40歳から納め始めるもの
  • 65歳以上で支援が必要になった人なら、原因を問わずに受け取れる
  • 40歳~64歳までの人の場合は、16の疾患にかかった場合はサービスを受けられる
  • 受けられるサービスは介護度によって違う
  • 保険を納める形には、普通徴収と特別徴収がある
  • 自分自身は第2号被保険者ではないけれど、第2号被保険者を扶養している人には「特定被保険者」という制度がある

ということだけでも押さえておけば、理解はスムーズに進むでしょう。