認知症

認知機能が向上する?回想法の3つの効果

回想法

回想法について見ていきます。

認知機能の向上が見込めるのではないか、と言われている方法に「回想法」があります。

1.回想法とは?

「回想法」というのは、1960年ごろから、概念として出てきたものです。年をとると、昔の話を繰り返したり、昔経験したことが「今」起こっているかのように詳細に述べたりする、という行動をとります。この行動は、周囲の人にとっては、ともすればうっとうしく思われがちでした。

しかし研究が進むうち、「昔のことを思い出すことにより、現在の生活や心を豊かにするのではないか」と考えられるようになりました。現在では、認知症予防のための一つの方法となりうるのではないか、という見方も出てきており、高齢者施設などでも導入されています。

「話す」「聞く」というコミュニケーションは、認知症予防において非常に効果的であるため、回想法が取り入れられるようになったのも、自然の流れと言えるでしょう。

関連記事:今日から実践できる!認知症の予防に効果的な16の食材と食事

2.回想法の種類

回想法には、「個人回想法」と「グループ回想法」の2つがあります。

2-1.個人回想法

「個人回想法」とは、その名前の通り、個人で行うものです。しかし、回想法の大きなメリットは「コミュニケーションがとれる」ということですから、高齢者1人だけで、内的に回想をするわけではありません。カウンセラーと1対1で行います。

これには、リハビリのように、日時を決めて行うものと、日常生活で行うものの2種類があります。

2-2.グループ回想法

こちらは、6人~8人のグループで行います。レクリエーション的な意味も含むものであり、童謡を歌ったり、昔の遊びが組み込まれたりすることもあり、「同世代とともに、昔懐かしい時代を語り合う」という趣旨です。

3.回想法がもたらす3つの効果が認知機能の向上につながる

では、この「回想法」は、どのようなメカニズムでもってして、認知機能をあげているのでしょうか?そのメカニズムについてみていきます。

3-1.脳の活性化

記憶を呼び起こし、脳から思い出を引っ張り出すことは、脳を動かすことにつながります。これによって、脳の活性化を図ることができます。

3-2.コミュニケーション意欲の向上

コミュニケーションを持つ、ということは、認知症の予防につながります。これは、脳の血行が促進されるからだと考えられています。また、人と話す機会をたくさん持つことによって、もし認知症になったときでも、すぐに周囲の人が気づき、早期治療に取り組みやすいというメリットがあります。

3-3.心の安定

人間は、誰もが承認欲求を持っています。「自分の話をきちんと聞いてもらえる」ということは、心の安定を図るうえで、非常に有用です。また、昔の話をすることは、自分の人生を振り返ることにもつながり、精神面を充足させます。

4.遠藤医師の回想法スクールエンド

テレビでも取り上げられたものに、北名古屋の遠藤医師による回想法があります。「自分自身について自由に話してください」といっても、なかなか人は話し始めることができません。しかし、「餅つき」のような一つのキーワードを与えることによって、それの思い出話がたくさん出てきます。

人間は年をとって「記憶を失って」いったとしても、昔のことはよく覚えています。この「よく覚えていること」を意識的に引き出す回想法によって、人間は、生理的な機能の高まりや血行促進、精神の充足が得られる、と医師は指摘しています。

5.まとめ

回想法について見てきました。

回想法の3つの効果
1.脳の活性化
2.コミュニケーション意欲の向上
3.心の安定

回想法は、薬を使わない認知症予防の方法です。リスクがなく、心の安定にもつながるという意味で、とても有用です。血行の促進などから、科学的に認知症予防にアプローチできる回想法は、今ではさまざまな高齢者施設で取り入れられています。

その症状もしかして?アルツハイマーが持つ3つの特徴的症状

アルツハイマー 症状

アルツハイマーの症状について見ていきます。

アルツハイマーは、とても難しい病気です。この病気の特徴などについてみていきましょう。

1.アルツハイマーとは?

アルツハイマーとは、認知症の種類のうちの一つです。記憶障害などをもたらす病であり、1907年に、精神科医により報告されました。その原因についてはまだはっきりとは断定できませんが、βアミロイドというタンパク質がたまることによって起こる、と考えられています。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

2.代表的な3つの症状

アルツハイマーには、代表的な3つの症状があります。ここからはそれについてみていきましょう。

2-1.①記憶障害

記憶障害は、アルツハイマーの代表的な症状のうちの一つです。物忘れが頻繁に起こるようになります。スケジュールの管理が難しくなり、約束した日時などを思い出しにくくなります。

この「物忘れ」はしばしば、加齢や疲れによる単純な「思い出せないこと」と間違えられます。しかしアルツハイマーの場合、周りの人から、「この日に約束したよね」「この日の会議のことを覚えている?」と聞かれても、「その約束(会議)があったことそのものを忘れ、思い出せなくなる」という形で見られます。

2-2.②判断能力の低下

判断能力の低下も起こります。これによって、「今までできていたことが分からなくなる」という症状がみられます。代表的なのは、「料理」でしょう。料理というのは、なれてくれば、目分量や感覚で調味料の量がわかるようになります。しかしアルツハイマーを患ってしまうと、今まで作れていた料理が作れなくなったり、極端な味になったりします。これはただの「料理の失敗」で片付けられるものではなく、明らかな異常性がみられるものです。

2-3.③見当識障害

私たちは日常の生活のなかで、意識することなく、「現在いる場所」「今日の日時」などを把握して生きています。アルツハイマーにかかると、それらの認識が乱れてしまいます。これを「見当識障害」と呼びます。

「今日の日付」「今いる場所」などがわからなくなります。また、症状が進むと、一緒に住んでいた家族の顔やその人の立場(娘や夫といった続柄)もわからなくなってしまいます。アルツハイマーが家族にとって非常につらい病気であるのは、「自分の大切な家族が、私のことを認識できなくなる」という、この「見当識障害」によるところもあります。

3.さまざまな周辺症状

上であげた3つの例は、アルツハイマーの代表的な症状です。しかしそれ以外にも、「妄想」が出てくることもあります。よくあるのは、「財布を盗まれた」のような症状です。また、自分の家にいるにも関わらず、「自宅に帰るために」と徘徊が始まったりすることもあります。

4.症状の段階

人にもよりますが、アルツハイマーは、比較的ゆっくりと進行します。しかし不可逆性のものであり、治ることはない、と考えるべきでしょう。ここからは、「進行の段階」についてお話していきます。

関連記事:アルツハイマー型認知症の7つの進行段階とその症状

4-1.きわめて早期(アルツハイマーの前触れ)

言葉が出にくくなったり、軽微な記憶障害が起こったりします。しかしこのような症状というのは、単に「仕事をやめて、人とあまり話さなくなった人」などにも起こりうる症状であるため、その症状は、なかなか周りにはわかりにくいでしょう。

4-2.軽度

迷子になったり、同じ質問を繰り返したりするようになる段階です。忘れ物が増えてくるのもこの段階です。この状況になると、周りの人も、「何かおかしいかな?」と気づき始めます。しかし、自分の親などがアルツハイマーになったとはなかなか受け入れがたいことであるため、病院に連れていくことにためらいを感じるケースもあります。

4-3.中等度

この段階になると、記憶の混乱が起こりやすくなります。妄想などが出てくるのも、中等度以降です。日常生活を自分の力で行うことが難しくなります。

アルツハイマーには、しばしば「周囲への暴力」「大声」などの症状が伴います。これは軽度のときにも起こりうることではありますが、中等度から深刻化していくことが多いです。

4-4.高度

この段階になると、「周囲と関わる能力」そのものが衰え、身体的にも、寝たきりに近い状態になります。体重が減っていったり、飲み込む能力が衰えたりするため、人の手を借りなければ生活することができなくなります。

5.まとめ

アルツハイマーの症状について見てきました。

アルツハイマーの代表的な症状
1.記憶障害
2.判断能力の低下
3.見当識障害

アルツハイマーは、「今まで頼っていた人が変わっていく」という病気であり、親しい人であればあるほど、受け入れることが難しいものです。

しかしアルツハイマーは、徐々に進行していくものです。代表的な症状を知り、早期の段階で受診し、対策に努めるようにしたいものです。

参考:
http://www.ninchisho.jp/kind/01.html
https://info.ninchisho.net/type/t10
http://www.mental-navi.net/ninchisho/rikai/shojo1.html

今日から実践できる!認知症の予防に効果的な16の食材と食事

認知症 予防 食事

認知症を予防する食事について見ていきます。

食事は、人間の生活の根幹となるものです。今回は認知症と食事の関係についてみていきましょう。

1.食生活と認知症の関係性

「認知症を防ぐ食生活」は存在する、というのが、現在の一般的な見方です。それには2通りの考え方があります。

1-1.認知症の危険因子を減らす

その一つが、「危険因子(原因となり得る身体の悪い状態)を減らす」というものです。たとえば高血圧や糖尿病は、認知症の危険因子の一つとなります。これらは食事と密接に関係しているため、これらになりにくい食事を心がけることは、認知症を予防することにもつながります。

1-2.認知症発症の抑制効果

より積極的に働きかけることが可能なのが、この「発症の抑制効果がある食材を取り入れる」ということです。これに関しては、後述の「食材」のところで詳しくお話していきましょう。

2.認知症予防に効果的な16の食材と食事

ここからは、具体的な「食材」についてお話していきます。

2-1.オリーブオイル

オリーブオイルは非常に「健康的な油」であると言われています。オレイン酸で主に構成されているのですが、これは、神経伝達をスムーズにすると言われています。アルツハイマー型認知症の原因物質ではないか?と言われて研究の進んでいるアミロイドβ(タンパク質の一種)を、エクストラバージンオイルが減少させるとも言われており、その有用性が着目されています。

2-2.ココナッツオイル

ココナッツオイルもまた、オリーブオイルに並んで、健康によいとされている油です。脳のエネルギー源として働くことができ、糖尿病の予防にも役立ちます。ただし、ココナッツオイルはオリーブオイルに比べてクセがあり、料理への使用にはちょっとコツが必要です。

2-3.亜麻仁油

オリーブオイルやココナッツオイルはフライパンに敷いて使う使い方が一般的ですが、亜麻仁油はサラダなどに使われることが多いようです。後の「青魚」のところでも詳しく触れるDHAなどが含まれており、この摂取が可能です。アマニ油は、サラダオイルに比べてちょっとお高めなので、上手に摂っていきたいものです。

2-4.えごま油

油はそのカロリーの高さなどから悪役にされがちです。しかし、オリーブオイルやココナッツオイル、アマニ油などからもわかるように、有用に使うこともできます。えごま油も、そんな「お役立ち油」のうちの一つです。ココナッツオイルは認知症のなかでも特にアルツハイマー型に効果的だと言われていますが、えごま油は脳血管性によくきくと言われています。αリノレン酸がDHAに変換されることがその理由です。

2-5.カレー

「カレーが認知症予防にきく」と言われると、多くの人が驚くことでしょう。しかし、カレーを主食とするインドではアルツハイマーの起きる確率が低いと言われています。「クルクミン」という成分がその要因であるとも言われており、特にものごとの認識力に大きな影響を与えると考えられています。

2-6.青魚

「健康によい」と言われて注目される青魚。この青魚に含まれているDHAなどが、脳によい影響を与えると言われています。これは認知症を防ぐだけでなく、コレステロールの低下や血圧の低下にも役立つと言われています。値上がりしたとはいえ価格も手ごろですから、取り入れたいものです。

2-7.コーヒー

続いて、「飲み物」に着目していきましょう。コーヒーは認知症のリスクを下げると言われています。フィンランドなどで10年間の追跡調査が行われました。その結果、MMSE(認知症を判断するための検査として使われている検査方法)の実施時において、コーヒーを飲む習慣のある人は1.2%の低下にとどまるということがわかりました。飲まない人との差はわずか0.2%ではありますが、「飲まない人」と「毎日3杯飲む人」の数値の差は4.3倍にもなります。

ただ、コーヒーに関しては、「飲みすぎはよくない」という見解も出されており、「1日何杯が適当か」ということの答えは出ていません。

2-8.緑茶

緑茶の調査は、70歳以上の高齢者約1000人を対象に行われました。1日2杯以上緑茶を飲む人は、1週間に3杯以下しか飲まない人に比べ、「認知症である」と判断される範囲にあたる割合半分以下だったいう結果が出ています。

2-9.牛乳

子どもの学校給食でも出てくる牛乳は、認知症の予防にも効果的だと考えられています。乳製品の摂取は、まったく乳製品をとらない人とそうでない人を比べると、あきらかな差がでると考えられています。

2-10.カマンベールチーズ

白カビチーズとして有名なカマンベールチーズ。「牛乳」の項でも、「乳製品は認知症に効果がある」としましたが、カマンベールチーズと認知症の研究で、初めて「なぜ」発酵乳製品が効果を示すか、ということが明らかにされました。カマンベールチーズは、抗炎症作用があり、脳内にたまった老廃物を取り除いてくれる効果があるということです。これらは、それぞれ、特に「オレイン酸アミド」と「デヒドエルゴステロール」という成分によって行われます。

ちなみに、白カビチーズではありますが、カマンベールチーズは、チーズのなかでも屈指の食べやすさを誇ります。

参考:アルツハイマー病を予防できる可能性 - カマンベールチーズに原因物質の沈着を抑える成分を発見 -

2-11.チョコレート

高いカロリーと油分から、しばしば悪者にされるのが「チョコレート」。しかし高カカオのチョコレートを食べることにより、脳の海馬に含まれているBDNFの値が上昇すると言われています。アルツハイマーは、海馬が縮こまってしまうため、これに対抗するBDNFの値を増やすことは有効である、と考えられています。

ちなみに、基本となる量は、1日に25グラム。板チョコ3分の1~4分の1程度です。

2-12.卵

完全食としても名高い卵には、「コリン」が多く含まれています。これは、脳の神経の伝達物質のうちの一つです。これを積極的にとることは、記憶力の上昇につながります。卵は使い方もいろいろですから、取り入れやすいですね。

2-13.枝豆

動脈硬化の原因であるとともに、アルツハイマーのリスクを高める要因である「ホモシステイン」という物質があります。これはアミノ酸の一種ですが、枝豆には、これを防ぐ効果があります。

2-14.クルミ

無作為に選んだ447人を対象として行われた調査では、「クルミなどのナッツを含んだ食事をしていた人は、そうではない人に比べて、記憶力が向上する」という結果が出ています。ナッツ類そのものが、抗酸化作用や抗炎症作用をもっている上に、クルミにはポリフェノールも含まれているため、このような結果が出たと考えられています。

2-15.和食

和食は非常にバランスのよい食事です。特に、

  • 青魚が中心であること
  • カロリーをとりすぎないこと
  • 野菜などが盛り込まれていること

がポイントです。ただし、塩分過多になりやすいので、その点には注意が必要です。

2-16.地中海料理

地中海料理も認知症予防に効果的です。

  • 「オリーブオイル」が油の中心
  • 色鮮やかな緑黄色野菜が多い
  • クルミなどのナッツ類をとれる
  • 認知症の予防に効果がある赤ワインなどを飲む習慣がある

しかし、地中海料理はカロリーが高くなりがちです。

3.継続が重要

認知症予防に効果的な食材を知った上で、もう一つ大事なキーワードをお教えします。それが「継続」です。

3-1.うまく継続していくには?

食材や料理は、1度変えたからといって、翌日に効果がでる、というものではありません。そのため、継続することが必要です。

継続するためには、「無理をしないこと」が大切です。毎日の食生活に気を付けることは大切ですが、「上の食材だけしか食べてはいけない」ということはありません。外食だってOKです。ただ、「意識する」「心がける」「情報を集める」ということだけは忘れないでください。そして、買い物をするときに、1食に1品でもいいので、上であげた食材を選ぶところから始めてみてください。

4.まとめ

認知症を予防する食事について見てきました。

認知症を予防する16の食材・食事
1.オリーブオイル
2.ココナッツオイル
3.亜麻仁油
4.えごま油
5.カレー
6.青魚
7.コーヒー
8.緑茶
9.牛乳
10.カマンベールチーズ
11.チョコレート
12.卵
13.枝豆
14.クルミ
15.和食
16.地中海料理

認知症に効果的だと言われる食材は、それだけを食べていれば絶対に認知症にならない、というものではありません。

しかし、取り入れやすい食材も多いですから、1日1食1品からでも摂取を心がけていきたいものです。

グループホームとはどんな施設なのか?8つのポイントから解説

グループホーム

グループホームについて見ていきます。

認知症高齢者グループホームは、認知症の人の増加にともない、施設数を増やしています。

しかし、「グループホーム」と聞いても具体的なイメージがわかない方も少ないないのではないでしょうか?

そこで、グループホームについて、

  • グループホームとは?(概要)
  • サービス
  • 設備
  • メリット・デメリット
  • 選び方
  • 費用
  • 入所条件・利用対象者
  • 入所手続き

といった8つの内容にわけて解説していきます。

認知症の人のご家族など、グループホームに興味をお持ちの方はご参考いただければと思います。

1.グループホームとは?

グループホームの共同生活

  • 認知症の人のための共同住宅
  • 1ユニット9人までの「ユニット制」
  • 認知症の進行をゆるやかにする
  • 認知症の人の家族の負担軽減

グループホームとは、認知症の高齢者の方が共同生活を送るための介護施設です。

認知症の人だけではなく、介護を行うためのスタッフも一緒に生活を送ります。

入居者は少人数(5~9人)単位のユニットでの生活が基本となっていて、現在では最大2ユニット(18名)までの施設しか認められていません。

この人数には介護スタッフも含まれます。

認知症の人たちにも自分でできることは自分でやるようにしてもらい、認知症の進行を少しでも遅らせることが目的となっています。

また、専門スタッフが常駐しているため、家族が安心して預けることができ、家族の介護負担を軽減してくれます。

認知症対応型共同生活介護、認知症高齢者グループホームとも呼ばれます。

2.グループホームのサービス内容

グループホームのサービス

グループホームでは以下のようなサービスがあります。

  • 基本的介護サービス
  • 生活(食事・掃除・洗濯など)支援サポート
  • 機能訓練(リハビリ・レクリエーションなど)
  • 緊急時の対応

認知症に理解のある専門のスタッフと共同生活を送りますが、できるかぎり自分たちのことは自分でやれるようにするため、スタッフはそのサポートをすることがメインとなります。

また、グループホームでは医療行為は原則として行いません。

そのため、常に見守りを必要とする重度の認知症の人は受け入れしないことも多いです。※施設によります

2-1.グループホームでの一日の流れ

各施設によっても異なりますが、以下にグループホームでの一日の流れの一例を紹介します。

■朝

  • 起床
  • 健康チェック
  • 朝食(準備~片付け)
  • 散歩

■昼

  • 昼食(準備~片付け)
  • レクリエーション
  • 昼寝
  • 入浴
  • おやつ
  • 健康チェック

■夜

  • 夕食(準備~片付け)
  • 趣味
  • 共同生活者との団らん
  • 就寝(午後9時頃)

3.グループホームの設備

グループホームのレクリエーション

グループホームの基本的な設備は以下の通りです。

  • 居室(個室・準個室)
  • 食堂(キッチン・ダイニングルーム)
  • リビング
  • トイレ
  • 浴室
  • リハビリ・レクリエーションルーム
  • 健康チェックルーム
  • 洗濯室

自室となる居室を除くと、基本的な設備は共同になっています。

居室内にトイレやキッチンがないグループホームが多いです。

4.グループホームのメリット・デメリット

グループホームのメリット

グループホームを利用する上での、入居するにあたってのメリットとデメリットについて見ていきます。

4-1.グループホームのメリット

  • 認知症の専門スタッフが常駐
  • 認知症のためのレクリエーションやリハビリが充実
  • 少人数のためお互いのことがわかる・覚えておける(家族も)

グループホームは専門スタッフが常駐しているため、認知症の人にとっては安心して過ごせる介護施設です。

特に、認知症の進行を遅らせるために、日々リハビリやレクリエーションが行われます。

また、1ユニット最大9人という少人数での共同生活のため、基本的に顔見知りの人たちとやりとりができます。

4-2.グループホームのデメリット

  • 費用(利用料)が他施設に比べやや高め
  • 医療行為には対応していない
  • 重度の認知症の場合、入居できない(退去を求められることがある)
  • 入居条件がやや厳しめ

月額費用は概ね15~30万円がかかり、他の介護施設と比較しても決して安いとはいえません。

また、認知症の人を対象とした施設ではありますが、医療行為には対応していないため、重度の認知症の場合はそもそも入居ができません。

入居後に症状が進行した場合も、退去を求められることがあります。

5.グループホームの選び方

グループホームの選び方

グループホームを選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • 必ず見学に行く
  • 清潔さ(ゴミの有無・ニオイなど)を確認
  • スタッフの対応を確認
  • 料金の内訳を確認
  • 入居状況を確認

それぞれについてどのようにチェックしていくかを解説していきます。

5-1.必ず見学に行く

広告やインターネット情報だけで入居を決めてしまうと、入居後にトラブルになるケースが非常に多くなります。

5-2.清潔さ(ゴミの有無・ニオイなど)を確認

見学に行った際に、

  • 床にゴミが落ちていないか
  • 嫌なニオイがしないか
  • 施設内の植物が手入れされているか

などをチェックしましょう。

清潔さが保たれていない施設は、入居者への対応も蹴っ知ってい良いとはいえません。

5-3.スタッフの対応を確認

  • 入居者にどのように接しているか
  • 見学者(自分)にどのように接しているか

両方の観点で、気持ちよく過ごせそうかどうかをチェックしましょう。

5-4.料金の内訳を確認

聞きづらいことかもしれませんが、

  • 月にいくらかかるのか
  • 施設費に含まれるものと含まれないもの

をしっかり確認するようにしましょう。

確認しておかないと、実際の入居後に考えていたよりも費用がかかってしまうということがあります。

5-5.入居状況を確認

空きが多い場合、入居のチャンスではありますが、その施設が「人気がない」ということもいえます。

同じ地域内で入居状況に差がある場合は、「待機者がいる・多い」方が無難であるかもしれません。

入居を急いでいないのであれば、人気のグループホームを選びましょう。

6.グループホームの費用

グループホームの費用

グループホームでは、入居の際の初期費用と、毎月の月額費用がかかります。

関連記事:グループホームにかかる費用はどのくらい?

6-1.グループホームの初期費用

入居時にかかる初期費用は「入居一時金」とも呼ばれます。

まったく初期費用がかからないグループホームもあれば、数百万円がかかるところもあります。

初期費用が高めに設定されている場合、その分、月額費用が低めに設定されているケースがあります。

6-2.グループホームの月額費用

毎月かかる費用です。

平均すると15~30万円の範囲内の施設が多いようです。

7.グループホームの入居条件・利用対象者

グループホームの利用対象者

グループホームに入居するためには、以下の条件を満たしていることが条件となります。

  • 65歳以上
  • 要支援2または要介護1以上
  • 認知症
  • ある程度の自立ができ、共同生活に支障がない
  • グループホームと同じ市区町村に住民登録している
  • 収入や資産などが少ないほど優遇されやすい

施設によっては、この他に条件を課していたり、逆に条件をゆるくしているところもありますので、まずはお住まいの自治体や各グループホームに問い合わせされることをおすすめします。

8.グループホームへの入所手続き

グループホームの手続き

各グループホームに直接入所の申し込みをします。

申込書を提出の後、グループホームスタッフの面談を行います。

グループホームによって必要書類は異なりますが、

  • 住民票
  • 健康診断書
  • 所得証明書
  • 診断書

などの提出を求められます。

9.グループホームは地域密着型サービス

地域密着型

グループホームは地域密着型サービスのうちの一つです。

「そこに住む人が、快適で安全で健康にすごせるように」ということを目的としたサービスです。

「転居」というのは、年の若い人であっても大変な負担を感じることですが、認知症などを患った人が引っ越す場合というのは、特に大変です。

このような負担を軽減することも目的として、「自宅や、その周りの生活圏内で介護を行って行こう」という考えのもとで提供されています。

家族もお見舞いなどがしやすく、「生活の場」が大きく変動しないというメリットがあります。

10.まとめ

グループホームについて見てきました。

グループホームの8つのポイント
●グループホームとは?(概要)
●サービス
●設備
●メリット・デメリット
●選び方
●費用
●入所条件・利用対象者
●入所手続き

増加が続く認知症への対策という目的も持ったグループホームは、認知症の人への対応が優れている介護施設です。

その反面、入居条件がやや厳しめであり、月額費用も安いとはいえない施設です。

メリット・デメリットをよく把握し、他の介護施設と比較の上、入居を検討すると良いでしょう。

認知症にはどんな種類がある?認知症種類別の特徴まとめ

認知症の種類

認知症の種類について見ていきます。

「認知症」と聞いて、漠然としたイメージをお持ちの方も多いと思います。実は認知症にはその原因や症状によって、種類が分かれており、それぞれに行うべき対処法も異なっています。

ここではまず、認知症にはどのような種類があるのかについてご紹介していきます。

1.認知症とは?

人間の活動をコントロールしている脳。脳の細胞がいろいろな原因で壊れてしまったり、働きが悪くなると精神や身体に障害が起こります。認知症とは、そのような障害が約6カ月以上継続し日常生活、社会生活を営めない状態を指します。

65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は2012年時点で約462万人、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の高齢者も約400万人いるとされており、65歳以上の4人に1人が認知症とその“予備軍”であることがわかっています。

さらに2015年1月に発表された厚生労働省の推計によると、2025年の認知症患者は今よりもさらに増え700万人を超えるといわれています。これにMCI患者を加えると、近い将来65歳以上の3人に1人が認知症患者とその予備軍となる時代がやってくるのです。

2.認知症の種類とそれぞれの特徴・症状

認知症には「アルツハイマー型認知症」、「血管性認知症」、「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症(ピック病)」などさまざまな種類があり、原因となる病気によって症状が異なります。中でも最も多いとされる代表的な症状は「アルツハイマー型認知症」です。

2-1.アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβやタウと呼ばれるタンパク質が脳に蓄積することで、神経細胞が壊れ脳の委縮が進行し、体の機能も徐々に失われる病気です。男性よりも女性に多く見られます。

早期の診断が可能で、認知症状の起こる数年前には、紙に立体図形が描けない、時計の図に針を記入できないなどの特徴が認められます。

特徴としては、記憶障害により物忘れがひどくなる、判断能力が鈍り不必要な買い物をする、時計が読めなくなる、家の中のトイレの位置がわからなくなるなどの症状が現れます。病状が進行すると、暴言・暴力・徘徊などの問題行動、幻覚症状などが現れ、身体機能が低下し、すべての生活に介護が必要となります。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

2-2.レビー小体型認知症

レビー小体病は、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。認知症全体の2割を占めており、男性の発症率が高く、女性の約2倍と言われています。

脳内に「レビー小体」という特殊なタンパク質が出現し、大脳皮質や脳幹に集まることにより神経細胞が壊れて減少し、認知症の症状が現れます。

アルツハイマーなど他の認知症との大きな違いは、初期の段階で「幻視」が見られることです。「知らない子どもが部屋で遊んでいる」「蛇が部屋にいる」などの幻視が本人にははっきりと見えています。

若い頃と同じように今も働いていると訴えたり、自宅にいながら自分の家ではないと思い込むなどの誤認妄想が見られることもあります。

また、手が震える、筋肉がこわばる、表情が乏しくなるなどパーキンソン病に似た症状が現れるため、パーキンソン病と間違われることもあります。

症状の進行の仕方にも特徴があり、しっかりしている時とぼんやりしている時を繰り返しながら症状が進んでいきます。

うつに似た症状や、食欲がない、眠れないなどの訴えもしばしば見られ、睡眠中に大声を出すなどのレム睡眠行動障害が出ることもあります。

関連記事:レビー小体型認知症の3つの特徴と家族がすぐ実践できるケア

2-3.脳血管性認知症

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害の後遺症として発症し、男性の方が女性よりも多く発症している認知症です。脳血管障害で脳がダメージを受けた部位によって症状が微妙に変わることが特徴です。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの治療を行うことで予防や進行の抑制が可能な認知症です。

脳血管性認知症では、「まだら認知症」と呼ばれる独特の症状が見られます。例えば、物忘れがひどく計算力が低下しているのに、判断力や理解力が正常に保たれているなどの症状があげられます。起きたばかりの出来事をすぐに忘れてしまうほど酷い物忘れがあるのに、理解力が必要な受け答えはしっかりできるなどの、できたりできなかったりする症状を「まだら認知」と呼びます。

また、脳の血流が悪い状態のときは何もできないので、調子の良い時間帯と悪い時間帯があります。朝は1人で何もできなかったのに、お昼を過ぎると介護なして過ごせることもあります。時間帯だけでなく、日によっても症状が変化します。

泣いたり怒ったりなどの感情の変化が激しくなることもあります。さらに、話しづらくなったり、箸や歯ブラシなど日用品の使い方がわからなくなる場合もあります。

2-4.ピック病・前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は前頭葉と側頭葉の委縮によって起こる病気でピック病と呼ばれることもあります。

若い人でも発症する認知症で、原因がいまだ解明されておらず有効な薬も出ていません。アルツハイマー型との違いは、記憶障害よりも人格障害が主な症状として現れることです。そのため性格・行動面の変化が目立つことが特徴です。

同じ言葉を繰り返し発し続ける、決まった時間に家の中を歩きまわる、延々と身体を揺すり続ける、机を叩き続けるなどの行動をとることもあります。

また、食行動にも異常が現れ、毎日同じ料理を食べ続けたり、驚くほど濃い味付けを好んだり、食欲が極端に旺盛になる場合もあります。

他にも、集中力が低下するため落ち着きがなくなる、言葉が出にくくなるため自分から進んで会話をしないこともあります。悪気なく万引きをしてしまうなど反社会的な行動が見られることもあります。

関連記事:働き盛り世代が万引きやモラハラ!? ピック病の症状と2つの対策

2-5.若年性認知症

64歳以下の人が認知症と診断された場合、若年性認知症と呼ばれます。物忘れがひどく仕事でミスが重なっても若いため認知症であることに気付かず、病院で診察を受けてもうつ病や更年期障害と間違われることもあります。発症年齢は平均51歳、女性よりも男性に多く見られる認知症状です。

若年性認知症は、初期の段階で記憶障害や見当識障害が見られます。そのため、大切な予定を忘れてしまったり、書類に今日の日付を書くことができなくなってしまうなどといったことが起きます。また、複数の事柄を一度に考えられなくなるので、部屋の片付けができなくなる、料理の手順がわからなくなる、無謀な車の運転をするといった危険な行動が起きることもあります。

若年性認知症は、脳血管性型とアルツハイマー型が多く、脳血管性型やアルツハイマー型以外にも、前頭側頭葉型やレビー小体型、事故による脳の損傷が原因となる頭部外傷後遺症型、アルコール性の認知症などがあり、現れる症状も型によって違います。

関連記事:高齢者だけじゃない!40代50代にも忍び寄る若年性認知症とは?

2-6.MCI(軽度認知障害)

認知機能には、記憶、決定、理由づけ、実行などがあります。MCIとは、それら認知機能のうち1つに問題が生じているものの、日常生活は支障がない状態を指します。

厚生労働省は、65歳以上の4人に1人は、認知症及びMCIであると発表しています。
また、MCIを放置すると、5年間で約50%の人が認知症へと症状が進行する可能性があると警鐘を鳴らしています。症状の進行を阻止するためにも、MCIの段階で認知機能の低下に気づき予防対策に取り組むことが大切です。

2-7.正常圧水頭症

正常圧水頭症とは、脳脊髄液が脳室に溜まり周囲の脳が圧迫されて障害を起こす病気です。正常圧水頭症が原因で起こる認知症は、早期に発見すれば脳外科手術で治療が可能です。
早期に歩行障害が現れるとともに、バランスを崩し転倒しやすくなります。集中力、注意力の低下とともに意欲が低下し、抑うつ状態が現れます。また、切迫性の尿失禁が見られることがあり、排尿の回数も増えます。

3.認知症は早期発見が重要

「同じことを何度も言っている」「大切な物を置き忘れることが多くなった」といった症状が見られたら早めに医師に相談しましょう。認知症は完治の難しい病気ですが、適切な治療によって症状の進行を遅らせることができます。

また、早めに治療を開始した場合ほど高い治療効果が得られ、症状もゆっくりと進むことがわかっています。そのため認知症は早期診断・早期治療が重要です。

3-1.早期発見するには?

認知症を早く見つけて対処するためのチェックリストがあるので積極的に活用しましょう。下記は「家族の会」の会員が、日常の暮らしの中で認知症ではないかと思われる言動をまとめたものです。

思い当たる言動・行動が多い場合は迷わず医師に相談しましょう。

家族がつくった 「認知症」早期発見のめやす

もの忘れがひどい
1 今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
2 同じことを何度も言う・問う・する
3 しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
4 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
判断・理解力が衰える
5 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
6 新しいことが覚えられない
7 話のつじつまが合わない
8 テレビ番組の内容が理解できなくなった
時間・場所がわからない
9 約束の日時や場所を間違えるようになった
10 慣れた道でも迷うことがある
人柄が変わる
11 些細なことで怒りっぽくなった
12 周りへの気づかいがなくなり頑固になった
13 自分の失敗を人のせいにする
14 「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた
不安感が強い
15 ひとりになると怖がったり寂しがったりする
16 外出時、持ち物を何度も確かめる
17 「頭が変になった」と本人が訴える
意欲がなくなる
18 下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
19 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
20 ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる

公益社団法人認知症の人と家族の会作成のものを引用)

3-2.認知症にはどんな相談窓口がある?

家族が認知症かもしれないと思ったときは、早めにお住まいの市町村の相談窓口を利用しましょう。ここでは、認知症に関する悩みや疑問を専門家に相談できる窓口をご紹介します。

3-2-1.地域包括支援センター

「地域包括支援センター」は、介護保険法で定められた全国約4000カ所にある相談センターです。病院や介護サービスの情報提供の他に、地域の専門家と連携して総合相談・支援を行い、地域の介護相談の最初の窓口の役目を担っています。認知症の悩みや困り事は、まずは「地域包括支援センター」に相談するのが良いでしょう。

3-2-2.社団法人認知症の人と家族の会

全国47都道府県に支部がある「社団法人認知症の人と家族の会」も相談窓口を設けています。研修を受けた介護経験者が認知症についての相談・疑問への対応、解決に向けてのサポートを行っています。

■認知症の電話相談(社団法人認知症の人と家族の会)

電話受付(月曜~金曜 10:00~15:00)
0120-294-456

【社団法人認知症の人と家族の会ホームページ】
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=146

3-2-3.介護支え合い電話相談(社会福祉法人浴風会)

社会福祉法人浴風会「介護支え合い電話相談」でも相談を受け付けています。介護の経験があり研修を受けた相談員が正確な情報提供を行い、地域ネットワークとの連携支援などを行っています。

■介護支え合い電話相談(社会福祉法人浴風会)

電話受付(月曜~金曜 10:00~15:00)
0120-070-608

【社会福祉法人浴風会ホームページ】
http://www.yokufuukai.or.jp/call/index.html

4.まとめ

認知症の種類について見てきました。

認知症にはさまざまな種類があり、それぞれ違った症状が現れます。中には予防や治療が可能な認知症もあるので、早めに症状に気付き治療を開始することが重要です。完治が難しい認知症であっても早期に適切な治療を施すことによって進行を遅らせることが可能です。

認知症についての相談は、市町村に設置されている「地域包括支援センター」などの電話相談窓口で受け付けています。「認知症かもしれない」と少しでも不安を感じたら迷わず相談しましょう。

参考:
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a01.html
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a05.html
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html
http://www.ninchishoucare.com/kind/
https://info.ninchisho.net/type
http://www.isshogaiine.com/about/type.html
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=2196
https://info.ninchisho.net/check
http://sodan.e-65.net/check/
http://www.mental-navi.net/ninchisho/shindan/sohki.html
http://www.yokufuukai.or.jp/call/index.html

関係ないと言わず確認しておきたい若年性アルツハイマー3つの兆候

若年性アルツハイマー

若年性アルツハイマーについて見ていきます。

年を重ねると、アルツハイマー型認知症にかかる確率は高くなります。

しかし、それ以外にも、若年性アルツハイマーと呼ばれるものがあります。

些細なことでイライラするようになった、物忘れがひどくなったなど、身近で起こるそれらの現象が、実は若年性アルツハイマーの可能性を指していることも・・・・・・。

若年性アルツハイマーは、非常に気づかれにくい病気です。

いち早く発見するためにも、この病気を予兆する3つの兆候を確認しておきましょう。

1.高齢者でなくてもアルツハイマーになる?

  • 若年性アルツハイマーは64歳以下の人に見られる症状
  • 若年性の認知症は10万人に3.7人程度の割合で見られる

若年性アルツハイマーとは、その名前の通り、若い世代がなる病気です。

64歳以下の人にアルツハイマー病の症状が見られるものであり、その割合は男性の方が多いと言われています。

ただし、発症率はそれほど高くなく、若年性アルツハイマーを含む若年性認知症は、10万人に3.7人程度の割合にとどまります。(アルツハイマー病は「認知症」の一種です)

2.若年性アルツハイマーの原因と症状

物忘れ

2-1.若年性アルツハイマーの原因

アルツハイマー型認知症の原因が、はっきりと「これだ」と断定されていないのと同様に、「このような行動をしたら、絶対に若年性アルツハイマーになる」「親が若年性アルツハイマーを患っていたなら、その子どもも絶対に若年性アルツハイマーになる」と言い切れていないのが現状です。

しかしながら、頭部に大きなけがを負ったり、脳血管の病気で患ったりする可能性が高いと言われています。

2-2.若年性アルツハイマーの症状

若年性アルツハイマーには、65歳以降のアルツハイマー病に見られる、記憶障害などが起こり得ます。

特に、「迷子」「今日の日付がわからなくなる」「人を正しく認知できなくなる」などの症状が起こります。

3.若年性アルツハイマーは早期発見と早期対策が鍵

ほかの病気同様、若年性アルツハイマーも、早期発見と早期対策が大切です。

若年性アルツハイマーは、認知症の中でも特に早期発見が重要視されています。

しかしながら、若年性アルツハイマーの早期発見には難しい理由があります。

3-1.若年性アルツハイマーの早期発見が難しい理由とは?

若年性アルツハイマーの場合、高齢者の方が患うアルツハイマー病に輪をかけて、周囲や本人が「アルツハイマー病だ」と気づくのが難しいです。

その理由として、異常に気づいたとしてもうつ病などと混同されやすいことがあげられます。

高齢ではないことから、まさかアルツハイマーではないだろうと、症状の似たうつ病の可能性に注視してしまうのです。

自分の親、あるいは子どもなどが、まだまだ元気で若いのにアルツハイマー病を患っていると気づける人は極めて少数でしょう。

しかし、うつ病であるにせよ若年性アルツハイマーであるにせよ、またそれ以外の病気であるにせよ、いつもと違うという異常が起きたときには、思い切って診察を受けることが大切です。

若年性アルツハイマーの場合、年齢的に会社の管理職的ポストについている人も多いため、会社の人が気づく、ということもあります。

3-2.なぜ若年性アルツハイマーは早期対策が重要なのか?

高齢者のアルツハイマー病とは違い、若年性アルツハイマーの場合、その進行速度が速いと言われています。

症状の進行速度が速い分、早めの対策が非常に有効であり、重要となるのです。

早期発見―早期対策を講じることによって、その進行速度を大きく鈍らせることができます。

そのため、できる限り早く専門医にかかる必要があるでしょう。

若年性アルツハイマーを完全に治すことはできませんが、薬の助けなどを借りることによって症状の進行を遅らせることはできます。

4.若年性アルツハイマーに見られる3つの兆候

情緒不安定

若年性アルツハイマーは「早期発見―早期対策」が非常に重要です。

そのため、若年性アルツハイマーに起こる、初期の身体的・精神的・性格の変化といった3つの兆候を学んでおきましょう。

これらに合致するところが多ければ若年性アルツハイマーの可能性が高く、また、若年性アルツハイマーでなかったとしてもそれ以外の治療を必要とする病気が隠れている可能性があります。

どちらにしろ、兆候を見極めることによって、早期発見の可能性を高めましょう。

4-1.➀身体的初期症状

  • 日付がわからなくなる
  • 気がつくと、目的地とは違う場所にいる
  • 今まできちんとできていた仕事が、ものすごく長い時間をかけなければできなくなる
  • 物をよく紛失する。そして、紛失した場所を思い出せなかったり、なくすまでの行動を思い返せなかったりすることが頻繁に起こる
  • 距離感の喪失

4-2.②精神的初期症状

  • 人と会いたくなくなる
  • 鏡に映る自分を、「自分自身である」と認識できず、他人であるかのように感じてしまう
  • 物事に対して積極的に取り組めなくなる

4-3.➂性格の変化

  • 特に問題がない状況においても、異常に混乱する
  • 不安などに支配される
  • そのような性格ではなかったのに、突如として暴力や暴言が起きる

これらの症状が見られる=若年性アルツハイマーである、ということではありませんが、上記で述べた変化に多くあてはまる場合、注意が必要です。

もしかしてと疑いを持つことが、早期発見につながるという意識を忘れないようにしましょう。

これら3つの兆候が出ている場合、これから紹介する若年性アルツハイマーの診断テストで、より詳しくチェックすることをおすすめします。

5.若年性アルツハイマーの診断テスト

診断テスト

ここでは診断テストを2つ紹介します。

5-1.MMSE検査

MMES検査は、1975年にアメリカのフォルスタイン夫妻によって生み出された知能検査です。11の質問に分けられており、合計で30点です。

質問は多岐にわたりますが、基本的には、

  • 今日はどんな日?(季節や年月日)
  • ここはどこ?
  • 検査する側が言った言葉を復唱してください
  • 数字の引き算
  • 2つ前のテストの単語を繰り返してください
  • (物を指し示しながら)この品物の名前を答えてください
  • 私(検査する側)の口にした文章を復唱してください
  • 私(検査する側)の指示に従って行動してください
  • 文章を読み、その通りに行動してください
  • 文章を自由に書いてみてください
  • 例題のある図形と同じ形を書いてください

といった設問に答えていきます。

27点以上ならば問題はなく、21点以下の場合は若年性アルツハイマーの可能性があります。

参考:MMSE検査シート

5-2.長谷川式簡易知能評価スケール

MMES検査はアメリカ生まれですが、こちらは日本生まれです。

MMES検査同様、病院において広く使われている形式ではありますが、その内容は、MMES検査と共通する部分もあります。

こちらは9つの質問項目からなり、満点は30点です。

  • あなたの歳を教えてください
  • 今日はどんな日?(年月日など)
  • ここはどこ?
  • 私(検査する側)が言った言葉を復唱してください
  • 数字の引き算
  • 2つ前のテストの単語を繰り返させる
  • 品物を5つ見せ、それをいったん隠すので、その品物が何だったかを答えてください
  • 野菜の名前を思いつくかぎり述べてください

といった質問があります。

このテストの場合、20点以下で若年性アルツハイマーが疑われます。

これらの診断テストは、インターネット上で診断することが可能です。

参考:長谷川式簡易知能評価スケール

6.若年性アルツハイマーを予防するには

若年性アルツハイマーの予防

若年性アルツハイマーの早期発見と早期対策だけではなく、「若年アルツハイマーになりにくくなる予防方法」についても見ていきましょう。

6-1.生活習慣を改善する

血糖値が高い状態が続いてしまうと、糖尿病と一緒に若年性アルツハイマーを発症させやすくしてしまいます。

糖尿病患者やその予備軍ともいえる人は、健康な人よりもおよそ5倍ほどアルツハイマー病の発症リスクを背負ってしまうそうです。

高血糖を招きやすい食生活は改善した方がよいでしょう。

また、喫煙と過度な飲酒も気をつけるべき生活習慣です。

喫煙は若年性アルツハイマーだけではなく、脳血管性認知症のリスクも高めてしまうと判明されており、過度な飲酒は脳の認知機能を低下させると指摘されています。

適度な飲酒と禁煙によって、若年性アルツハイマーの予防に繋げていきましょう。

6-2.昼寝を取り入れる

若年性アルツハイマーにおいて睡眠、特に昼寝は有効に働きます。

睡眠のもたらす効果はとても大きいもので、睡眠不足になると脳に大きな負担をかけてしまい、若年性アルツハイマーになる確率を引き上げます。

しかし、毎日昼寝を取ることで、アルツハイマー病の発症リスクを20%にまで下げることができると報告されています。

13時から15時の間で、30分以内のうたた寝が良いとされています。

6-3.運動の習慣をつける

海馬の萎縮や神経伝達組織の機能低下を起こす現象に、運動が有効であると指摘されています。

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を定期的におこなうと効果的です。

ポイントは、軽い運動を適宜おこなうことで、30分程度の運動をできれば毎日続けてみましょう。

趣味として楽しみながらおこなうとより効果的です。

7.若年性アルツハイマーの方への対応

若年性アルツハイマーの対応

若年性アルツハイマーは65歳以下の人に見られるもので、働き盛りの世代でも発症します。

家族や友人はもちろん、職場にいる同僚や上司が突然発症することもあるため、若年性アルツハイマーの人と関わる機会は十分にあると言えるでしょう。

若年性アルツハイマーの周辺症状には、周囲の調整や理解が必要で、迷子にならないようGPS機能のついたものを身に付けさせたり、何度も予定の確認をとってあげたり、また、本人の話を否定せずに聴いてあげることが非常に重要です。

迷子や物忘れなどを責めたてることは、本人にとっての精神的な打撃が大きく、うつ傾向が悪化してしまったり、怒って介護拒否を起こしたりしてしまいます。

認知症のケアは一人で行うことができません。

できる限りのサポートに加え、話を十分に聴いてあげることで、気持ちを支えてあげましょう。

8.まとめ

若年性アルツハイマーについて見てきました。

この記事のまとめ

1.若年性アルツハイマーは高齢者ではなくても発症する

2.身体・精神的初期症状と性格の変化は危険信号

3.早期発見・早期対策が重要

4.MMSE検査と長谷川式簡易知能評価スケールを試してみよう

若年性アルツハイマーを患う人の数は、非常に少ないです。

しかしその分、種々の症状がでていても、それと気づかないことが大きな問題です。

若年性アルツハイマーは早期発見と早期対策が非常に重要です。

その判断基準となる3つの危険信号にあてはまる人は、診断テストを一度試してみください。

また、専門医にかかることをおすすめします。

 

参考:
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0319-2.html
http://ansinkaigo.jp/press/archives/943
http://yoshiya-hasegawa.com/pdf/test/manual.pdf

認知症の人向けのグループホーム|安心の専門性

認知症対応型グループホーム

認知症の人向けにつくられたグループホームについて見ていきます。

年を重ね、体も不自由になり一人で、もしくは同年代の夫婦だけで暮らすのが不安になると介護施設などで生活することを考えます。

しかし、施設によってはさまざまな入居条件があり、希望通りの施設に入居できないことも。特に認知症と診断されている場合、入居できる施設には制限があります。

そこで認知症の方に適した施設として、認知症対応型グループホームがあります。どのような施設なのか、紹介しましょう。

1.認知症対応型グループホームとは?

認知症対応型グループホームとは、認知症の方を対象にした、認知症に対する専門的なケアを提供する施設です。できる限り自立した日常生活を送ることを目的とし、食事や入浴などの日常生活のサポート、機能訓練などを行います。施設では、1つの住居に5~9人の利用者がスタッフとともに過ごします。

費用としては初期費用と月額利用料が必要です。施設の場所や設備などによって金額はさまざまですが、初期費用としては0~数百万円、月額利用料は15~30万円程度です。都心部に近いほど、高くなる傾向にあります。

施設形態としては、一軒家やアパート型、施設型などさまざまで、居室、浴室・トイレなどの共同設備、食堂、リビング、さらに機能訓練室などが設けられています。

1-1.グループホームではどのようなサービスを受けることができる?

共同生活においては、入浴や排せつ、食事、その他日常生活上の介護、機能訓練などが行われます。リハビリテーションやレクリエーションなどを行いながら、自立を目指したサポートをしてくれます。

認知症のケアは専門知識がないと難しいものです。誤った対応をすることで、認知症がますます進行してしまうことも。また、知識がないことでどう対応していいか分からず、コミュニケーションが不足することも、認知症を進行させてしまう原因の一つとなります。

専門のスタッフがいる認知症対応型グループホームでは、入居者の症状や能力などに応じて、料理や掃除などを行い、自立した生活を支援します。共同生活をすることで、自宅で過ごすように、アットホームな雰囲気の中で生活できるのが魅力です。

1-2.グループホームの入居条件は?

入居には条件があります。65歳以上で要支援2、または要介護1以上の介護認定を受けていること、施設と同じ自治体に住民票があること、となっています。施設によっても異なりますが、要介護支援2以上の認定を受けていれば若年性認知症でも入居が可能です。

また、医療施設などは充実していないため、医療ケアが必要になったり、認知症の症状が進行したりして一人で着替えや食事、排せつなどができなくなった場合は、退去しなければならないこともあります。

1-3.認知症対応型グループホームを利用するメリット

さまざまな介護施設や60歳以上の方を対象にした住宅がある中で、認知症患者に対応している施設は多いとは言えません。入居できたとしても、症状によっては退去となることがあります。

認知症の症状には、徘徊や独語、拒食や興奮、せん妄、不潔行為、不眠などといったものがあり、一見正常に見えても時として予想できない行動に出ることがあります。退去となる要因としては、暴れたり、大声を出したり、幻覚や思い込みなどによって入居者に迷惑をかけたり、トラブルの原因となったりして、共同生活は不可能、と判断されることです。

そういった可能性がある場合は、認知症対応型グループホームのような、専門的知識を持つスタッフがいる施設の方が安心して生活することができます。

専門施設では、少人数で親しい関係を作ることで、行動障害や生活上のつまずきを軽減し、心身の状態を穏やかにすることができるのです。家庭的な雰囲気の中で、日常生活を送ることで認知症の改善や防止を目指すのが、認知症対応型グループホームです。

認知症患者に対して専門スタッフが適切な関わりをすることで、混乱を軽減し、心を安らかに保つことができることは、認知症の改善において非常に大切なことです。

認知症対応型グループホームであっても、認知症の症状が重かったりすると入居が困難な場合もあります。しかし、実際に利用したら症状が緩和された、ということも考えられます。最初から無理だとあきらめずに、施設に相談してみるといいでしょう。適切なアドバスをしてもらえるはずです。

認知症の家族をケアするのは、身体的にも精神的にも大変なことです。特に徘徊などをするようになると、1日中付き添っていなければならない、ということもあります。認知症に対する専門的な知識がないと、どのように対応していいか分からず、それが認知症を進行させてしまうこともあるのです。

2.まとめ

認知症に対応したグループホームについて見てきました。

認知症対応型グループホームであれば、専門的知識を持つスタッフが適切な関わりをしながら、見守り、ケアをしてくれます。家族にとっても安心して任せることができますね。費用も安くはなく、施設の数も多くはありませんが、ご本人も家族も快適に安心して生活できるためにも、そういった施設を探してみるのも必要なことでしょう。

アルツハイマー型認知症を予防するための3つの知識

アルツハイマーの予防

4人に1人が65歳以上という高齢社会を迎えている日本で、認知症はとても難しい問題の一つです。そのなかで、アルツハイマー型認知症は、遺伝子レベルでの研究が進められているものの、治療法がまだ判明せず、発症する前に予防することが非常に重要だと言われています。今回はこのアルツハイマー型認知症について、予防という観点から、絶対に知っておきたい3つの知識を紹介します。

1.そもそもアルツハイマー型認知症って何?

過去から現在にしたがって、認知症の患者数は増え続けています。「昔に比べて平均寿命が延びたのだから、その分認知症患者が増えるのは当たり前だ」と思う人がいるかもしれません。しかしこの増加は、決して絶対数だけの変化ではありません。実は、「65歳以上の人口が占める認知症の割合」自体が増え続けており、単純な数の増加だけの問題ではないのです。1955年には6.9%にすぎなかった割合が、いまでは8.4%に上っています。

認知症にはさまざまな種類があります。そのなかでも、アルツハイマー型認知症はその比率がもっとも大きく、全体の約半数にもなると言われています。

1-1.アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症は、その進行度によって症状が違います。進行度別に見ていきましょう。

1-1-1.軽度

アルツハイマー型認知症の初期段階です。この段階では、

  • 現在の日時が答えられなくなる
  • 買い物のときに、支払いがうまくいかなくなる。また、本来ならば不要であるものを買ってしまう
  • 同じ質問を何度も繰り返してしまう
  • 物をなくしやすい
  • 感情や性格に変化が起こる
  • 今まで時間をかけずにできていたことなのに、時間がかかるようになる

などの特徴が見られます。アルツハイマー型認知症は徐々に進んでいく上に、上記であげた症状は、アルツハイマー型認知症を患っていない人でも見られるものです。そのため、周りや本人も、症状の変化に気づきにくいというリスクがあります。

1-1-2.中度

軽度より症状が進んでいる状態です。この段階では、

  • 迷子になりやすくなる
  • 記憶障害を起こす
  • よく知っている相手なのに、誰だかわからなくなる
  • その場にそぐわない行動(大声をあげるなど)をとってしまう
  • 徘徊を繰り返す
  • 新しいことを記憶できなくなる

などの特徴が見られます。迷子になるという症状は、軽度の段階でも見られますが、中度の段階になると頻度が増加します。論理的な処理ができなくなるのが特徴です。

1-1-3.重度

重度になると、今までのような問題行動も起きにくくなり、寝たきりに近い状態へと変化していきます。この段階では、

  • コミュニケーションがとれなくなる
  • 体重が極端に減る
  • 食事をうまく飲み込めなくなる
  • 寝ている時間が多くなる
  • 排泄に障害を抱える

などの特徴が見られます。中度の段階で起きる、相手が誰だかわからなくなるという症状は、重度の段階でかなりひどくなります。

1-2.アルツハイマー型認知症の原因

このような症状が出るアルツハイマー型認知症の原因は、いったいどのようなものなのでしょうか。

1-2-1. 明確な原因は不明

アルツハイマー型認知症の原因について正確に議論するとなれば、その原因は不明ということになります。「このような行動をとり、このような病気にかかったりすればアルツハイマー型認知症である」といった明確な判断基準は解明されていません。ただ、その原因やメカニズムに関する研究は進んでいるため、判断材料となりうる要素は見つかっています。

1-2-2.アミロイドβ仮説

その1つが、アミロイドβと呼ばれるものです。老人斑(加齢とともに出てくるものであり、茶褐色の斑点が体に浮き出るもの。別名「アミロイド斑」)を作ると言われているものに、アミロイドβというものがあります。これは老人斑を作るだけでなく、神経にも影響を及ぼすと考えられています。アミロイドβは特殊なたんぱく質なのですが、これが脳に蓄積していくと、脳神経細胞の死につながります。この脳神経細胞の死滅が、認知症の原因の要素だと考えられています。

1-3.アルツハイマー型認知症になりやすい人

アルツハイマー型認知症の確定的な原因はわかっていませんが、どのような人がなりやすいか、ということは研究によってある程度解明されています。では、どのような人がこの病気にかかりやすいのでしょうか。

1-3-1.60代以上の高齢者

アルツハイマー型認知症の出現率は、10代においては数えられないほど少なく、40代においても0.025%以下の有病率にとどまっています。50代ですら、その有病率は0.1%にすら達しません。しかし、60代で1.5%、70代になると前半で3.6%、後半で7.1%と格段に割合が飛躍します。80代後半になると27.3%まで急増します。増加率は、年齢を重ねるにつれ大きくなっています。

1-3-2.生活習慣の改善が望まれる人

生活習慣をおろそかにしている人は、アルツハイマー型認知症の発症率が高いです。具体的には、糖尿病や高血圧を伴っている人、運動不足の人、乱れた食生活・睡眠サイクルを抱える人は、注意が必要です。特に、糖尿病患者と高血圧患者(収縮期血圧160以上)の場合、正常の人に比べて約2倍もアルツハイマー型認知症を患いやすいという結果が出ています。

2.アルツハイマー型認知症予防のための3つの知識

以上を踏まえた上で、アルツハイマー型認知症を予防するために知っておくべき3つの知識を見ていきましょう。

2-1.①適度な運動をする

運動はとても有効な予防法です。運動をすると、アミロイドβを分解する酵素が活性化され脳神経細胞の死滅を防いだり、体内の酸化ストレスを減少させたりします。現代では、年齢を重ねると運動不足の傾向が強まり、こうした効果を得ることができなくなりがちです。そのため、アルツハイマー型認知症の発症率は高くなってしまいます。

2-1-1.効果的と言われている運動方法

運動不足を解消し、アルツハイマー型認知症を予防するためには、以下の点を意識すると効果的です。

  • ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をする
  • 激しい運動の継続は避ける
  • 30分程度の軽い運動を週3~4回、できれば毎日行う
  • 楽しみながら運動をする

普段から運動をしているという人ならばともかく、そうではない人の場合、激しい運動は逆効果になります。散歩などの有酸素運動を行いましょう。また、高血圧の人は運動が逆効果となることがあるので、医師の診断を仰ぎましょう。

2-2.②十分な睡眠をとる

睡眠中、脳はたまった老廃物を排出する機能が働きます。その際に、アルツハイマー型認知症の原因の要素だと考えられているアミロイドβも排出されます。しかし、睡眠不足が続くと、このアミロイドβが蓄積され脳神経細胞の死滅につながり、アルツハイマー型認知症の発症を高める可能性があります。実際に、アメリカのワシントン大学の研究グループによると、睡眠効率が悪い人は最大で5倍以上も発症する可能性が高いと報告されています。

2-2-1.効果的と言われている睡眠

高齢になるほど睡眠の質が下がり、睡眠障害を起こす人は多くなります。なので、良質な睡眠をとるために日中の活動量を増やしましょう。上記であげたような運動を定期的に行うことで、上手に睡眠を導入しましょう。運動不足も解消できるため、運動と睡眠を合せて改善することは、アルツハイマー型認知症予防にとても効果的です。

2-2-2.昼寝が認知症リスクを下げる

睡眠についてはもう1つ、昼寝の習慣が予防に効果的だとされています。30分以内の適度な昼寝は、アルツハイマー型認知症の発症リスクを5分の1に下げると報告されています。

2-3.③食事

ビタミンEの多い食物は、アルツハイマー型認知症の発症を抑制する結果が報告されています。その他には、ビタミンB群、ビタミンC、βカロチン、カルシウム、亜鉛、鉄などのミネラル、青魚に多く含まれるDHAが予防につながるとされています。具体的には、

  • サンマなどの青魚(DHA)
  • キウィフルーツ、ほうれんそう(ビタミンE、C)
  • ゴマ(抗酸化物質セサミン)

などがあげられます。

2-3-1.緑茶・ワインが効果的?

また、緑茶がアルツハイマー型認知症の予防に効果的である、という見解が出されています。マウスを対象とした研究で、アミロイドβの抑制につながるという結果が出ています。

ポリフェノールなどを含むため、健康に良いと言われているワインもまた、アルツハイマー型認知症に効果的だと言われています。適量の飲酒をする人は、そうではない人に比べて長生きであるという研究も出ています。

3.まとめ

記憶や行動、人格に変化が起きるアルツハイマー型認知症は、年齢を重ねるとともに誰にでも起こりうるもので、完全に避けることは難しいでしょう。

しかし、生活習慣や生活スタイルを見直すことによって「予防すること」は可能です。運動・睡眠・食事から予防するという意識を、日常生活に取り入れることを強くおすすめします。

参考:
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yxlj-att/2r9852000001yy9n.pdf
http://allabout.co.jp/gm/gc/313828/
http://www.ninchisho.jp/prevention/01.html
http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/post_3.html
http://www.bri.niigata-u.ac.jp/~idenshi/research/ad_1.html
http://adinfo.tri-kobe.org/worldwide-alzheimers-information/symptoms.html
http://www.kawaguchi-hp.or.jp/save_lnk/lnk_K7EvVK.pdf
http://news.wustl.edu/news/Pages/Extra-sleep-fixes-memory-problems-in-flies-with-Alzheimers-like-condition.aspx

幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

幻視症状

レビー小体型認知症の症状について見ていきます。

三大認知症のひとつ、レビー小体型認知症。認知症の種類は数多く、厳密に分類すると数十に及びますが、このレビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症・脳血管性認知症と並んで、発症例が比較的多い種類です。

レビー小体型認知症にはさまざまな症状があるため、別の疾患と勘違いされてしまうことが多くありました。そのため、早期発見が遅れてしまいがちでした。しかし、レビー小体型認知症にも手がかりとなるような特徴を持つ症状はあります。

では、どのような症状の場合に専門医に相談するべきなのか? その点を一緒に学んでいきましょう。

1. レビー小体型認知症の特異な症状

レビー型認知症の症状認知症は少しずつ進んでいく疾患で、周囲がすぐに気が付かないことが多い点が厄介です。とはいえこの疾患の場合、「とてもリアルな幻視・幻覚」が初期症状から目立つという点でアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症とは異なります。

関連記事:レビー小体型認知症とは?第二の認知症と呼ばれる病

2. レビー小体型認知症の主な症状「3徴」

レビー小体型認知症の症状はさまざまですが、中でも、認知機能の動揺・幻視症状・運動機能障害(パーキンソン症状)の3つは発症率が高いです。そのため、これらの症状はレビー小体型認知症の「3徴」と呼ばれています。家族がレビー小体型認知症を患っているかどうかを確かめたいときは、最初にこの3つの症状の有無をチェックするとよいでしょう。

これらの症状は、発症する時期としない時期を繰り返すという特徴を持ちます。1日の中で症状が出たりおさまったりと、短時間で変動するケースもあれば、月単位で変化するなど長期的なケースもあります。

2-1. 認知機能の動揺

認知機能の動揺認知機能とは、目や耳を通して入ってきた情報を正確に認識し、実行に移す際に欠かせない能力全般を指します。判断力や見当識、記憶力や計算力等、この機能に含まれる能力は広範囲に及びます。

レビー小体型認知症を発症して認知機能が不安定になると、以下のような判断ミスを繰り返します。

2-1-1. 人を正しく判断できなくなる場合

「家族のような極めて近しい人物の顔を見極められなくなる」「家族を赤の他人と間違える」といったケースがよく報告されています。

2-1-2. 場所を正しく判断できなくなる場合

「自宅にいながら、どこかよその場所にいるような思い違いをする」「突然、トイレや浴室の場所を思い出せなくなってしまう」といったケースがよく報告されています。

2-1-3. 時間を正しく判断できなくなる場合

「真夏なのに、今が冬であるように思い込んでしまう」、「自身が若かったころに戻ったかのような言動を見せる」といったケースがよく報告されています。

これらの誤った認識が原因で、それまで当たり前のようにできていたことが突然できなくなってしまいます。症状が進むと、誤った認識に基づいたまま判断するようになるため、思い込みが強くなります。

2-2. 幻視症状

幻視症状幻視とは、目の前にないものが実在するように見えてしまうことです。脳の一部(後頭葉)の機能が正常に働かなくなることが原因です。発症者の目には、他人や小動物が映ることが多いようです。「誰もいない場所に向かって話しかけていた」、「何もいないところで必死に払いのけるような行動をしていた」といった例が多く報告されています。知らない人が見えることもあれば、知り合いが見えることもあり、また、小動物が見えるケースでは犬や猫、昆虫や蛇等が多く幻視症状として現れるそうです。

これらの幻視症状は、発症者の妄想を強めてしまうことがあります。知らない異性が見えてしまうことで、「夫(あるいは妻)が自分に隠れて浮気をしている」といった思い違いをしたケースが報告されています。そのほか、幻聴・錯視・変形視といった症状を伴うことがあります。

2-3. 運動機能障害(パーキンソン症状)

こけるパーキンソン病とは、手足の震えや筋肉の固縮のような運動機能の異常をもたらす病気です。このパーキンソン病と共通する症状が相次いでみられることがあります。

2-3-1. 振戦(手足の震え)

じっとしているときでも、手や足が震え出してしまいます。

2-3-2.無動

動作全体が緩慢になり、声を大きく出せなくなったり抑揚のない話し方しかできなくなったりと、会話に支障が生じます。そのほか、まばたきの減少を伴うことがあります。

2-3-3.筋肉の固縮

筋肉が固くこわばります。そのため、関節がスムーズに動かなくなります。

2-3-4.姿勢反射障害

立って歩くときに全身のバランスをうまくとれなくなります。だんだん歩幅が小さくなり、小股で歩くようになりま す。悪化すると、何もないところでも躓いてしまい、転んで大けがをしてしまうといった危険性が生じます。

2-3-5.その他

「食事の際に、噛んで飲み込むことがうまくできなくなる」、「大きくてはっきりした字を書けなくなる」といった症状が出る場合も。

2-4. レビー小体型認知症に見られるその他の症状

鬱自律神経障害や記憶障害が出ることもあれば、睡眠中に奇声を発したり激しく暴れまわったりするレム睡眠行動障害という症状が出ることもあります。

2-4-1. 自律神経障害

自律神経は、内臓や血流といった人体の重要な器官の機能をコントロールしています。この機能にトラブルが生じてしまうと、以下のような症状が発生します。

2-4-1-1. 抑うつ

初期の段階で見られる症状のひとつです。うつ状態と誤認されることが多いです。食欲の低下や不眠症、行動意欲の低下にめまいといった症状が中心です。

2-4-1-2.血流に関する障害

血圧の変動が激しくなる、起立性低血圧(立ちくらみ)が頻発する、といった症状があります。

2-4-1-3.発汗障害

多汗症(暑くないときでも、大量の汗が出るという症状)が有名です。また、その反対で汗の量が極端に減ってしまうケースもあります。

2-4-1-4.排尿障害

尿失禁をはじめ、尿の調節ができなくなります。

2-4-1-5.消化機能の障害

便秘やイレウス(腸閉塞)を引き起こすがあります。

2-4-2. 記憶障害

「だんだんと物忘れが激しくなっていく」といった記憶の混乱は、レビー小体型認知症では珍しくありません。ただし、そのほかの症状と同時に進行します。初期段階においては、幻視や認知機能の動揺等と比べると目立たないことが多いです。その点が、アルツハイマー型認知症との大きな違いです。アルツハイマー型認知症の場合は、あくまでも記憶障害が症状の中心になっています。

2-4-3. レム睡眠行動障害

人間の睡眠はレム睡眠・ノンレム睡眠に分けられ、夢を見ている間はレム睡眠に入っていることがほとんどです。レビー小体型認知症になると、このレム睡眠の最中に、夢の内容に合わせた行動を見せることがあります。

睡眠中に大声を出したり、暴れまわったりするようになるのですが、その規模は単なる寝言や、寝相の悪さという範囲を超えています。極端な場合、起き上がって歩き出すことまであります。

3. 早期発見が重要!

早期発見早期発見は、症状改善のケアプランをいち早く立てることができるため、非常に重要です。しかし、レビー小体型認知症は別の疾患と誤解されやすく、早い段階での適切な診療は容易ではありません。そのため、「3徴」の傾向が見られたら、速やかに専門の窓口に相談されることをおすすめします。

レビー小体型認知症には現在、症状に合わせてさまざまな治療法が確立されています。適切な治療法を突き止めるためにも、早期発見による専門医の診察は大切です。

4. まとめ

レビー小体型認知症について見てきました。

早期発見をレビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症と比べると認知度が高くありません。そのため、初期の段階では違う病気と誤解され、適切な診療が遅れる傾向がありました。

しかし、幻視症状をはじめとした特徴があります。アルツハイマー型ほど顕著ではない記憶障害、認知機能や運動機能といったその他の症状も、早期発見の大きな手がかりです。こうした正確な情報を把握し早めに症状を見抜いて、的確な治療に乗り出すことが重要でしょう。

参考:
http://www.kikuchi-nhp.jp/pdf/rebi-syotai201206.pdf
http://www.d-lewy.com/index.html
https://info.ninchisho.net/type/t20
http://www.ninchisho.jp/kind/06.html
http://www.aricept.jp/alzheimer/e-clinician/vol59/no608/sp08_01.html
http://www.juntendo-koshigaya.jp/clinic/neurology/dlb.html
http://www.eisai.jp/medical/region/phar/hospha/2013_3/visual.pdf

高齢者だけじゃない!40代50代に忍び寄る若年性認知症で知っておくべき8つの知識

若年性認知症とは?

若年性認知症について見ていきます。

「認知症」というと、「お年寄りの病気」「70歳、80歳になってからかかる病気」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、実際には、認知症は、若い世代にも起きている病気なのです。

働き盛りの世代が若年性認知症になると、家族は精神面・子育て面・経済面で非常に大変だということに察しがつくと思います。

若年性認知症で悩む事態をできる限り避けるために、実際の症状や特徴、予防に関する知識などは知っておいた方が良いでしょう。

そこで今回は、「若年性認知症」について知っておくべき知識を8つ紹介します。

1.①若年制認知症の平均発症年齢は51歳

中年女性と娘

「若年性認知症」とは、その名前の通り、「若年」に起きる病気です。

「若年」とは64歳以下の人のことで、65歳以上の高齢者が患う「認知症」とは区別されます。

 

 

若年性認知症を患う平均年齢は、51歳だと言われ、10万人あたり48名(小数点以下四捨五入)がこの病気を患うとされています。

2000人に対して約1人の割合で起こるものですから、その頻度は決して高くはありません。

しかし、それゆえに、医療機関などにかかっても、発見されにくいという問題があります。

若年性認知症の症状は、記憶障害から始まることが一般的です。

51歳という年齢は、会社のなかでも管理職の地位についていることが多い年齢のため、大事な会議のスケジュールを忘れてしまっていたり、会議の存在自体を忘れてしまったりしてしまいます。

もちろん、このような「度忘れ」は、健康な人でも起こりうることです。

しかし若年性認知症の場合、他者からそう指摘されても、「ああ、そうだった、思い出した!」ということがなく、ただの度忘れとは大きく症状が違います。

また、ひどくなってくると、現在自分がいる場所や「今日」の日付が認知できなくなってしまいます。

2.②若年性認知症の種類

「若年性認知症」と一口に言っても、その種類はさまざまです。

それを見てみましょう。

2-1.脳血管性型

脳血管型の若年性認知症は、脳の病気によって引き起こされることが多いものです。

脳梗塞などがその代表例であり、悪化と改善を繰り返します。

脳血管性型の場合、その人の「性格」自体には大きな変化がない反面、発症して数年のうちに亡くなるケースが多く、とても危険な病気です。

脳血管性型を起こす原因である脳梗塞などは、糖尿病や高コレステロール、あるいは高血圧が発症リスクである、と考えられています。

50代に入ると、これらの数値が異常になる人も増えてきますが、若年性認知症は、生活習慣とも無縁ではないのです。

2-2.アルツハイマー型

アルツハイマー型若年性認知症

脳の細胞というのは、毎日少しずつ減少していきます。

これ自体は、健康な人にも見られる症状です。

しかし、アルツハイマーを患ってしまうと、この「減少のスピード」が恐ろしく早くなってしまいます。

これによって、知能の低下などが起きると考えられています。

アルツハイマー型の厄介なところは、このような「メカニズム」はわかっていても、「では、アルツハイマーを起こすその病気や原因は何か?」は不明である、ということです。

アルツハイマー型の場合、知能の低下だけでなく、その人の性格そのものまで大きく変化させることがあります。

ただ、アルツハイマー型の「若年性認知症」の場合、脳血管性型に比べると平均寿命は長く、10年~15年ほどです。

※ただし、個人差が大きく、ケアやリハビリなどで進行を遅らせることに成功しているケースは多く見られます

2-3.その他

上で挙げた2つが、若年性認知症の代表的な種類です。

しかしそれ以外にも、頭部に傷を受ける(たとえば転倒して頭をぶつけるなど)ことによって起きる「頭部外傷性認知症」、アルコールの大量飲酒によって起こる「アルコール性認知症」などがあります。

 

 

3.③若年性認知症になりやすい人

 

肥満

若年性認知症を完全に防ぐことはできません。

アルツハイマー型のように、その原因がはっきりと特定されていないものもあるからです。

しかし、脳血管性型の若年性認知症は、脳梗塞に代表される「病気」が原因の一つとなっています。

脳梗塞を起こす原因もさまざまですが、そのなかの一つに、「生活習慣」があることは、すでに述べたとおりです。

つまり、

  • 塩分の多い食事
  • ストレスが多い
  • 偏食傾向
  • カロリーのとりすぎ
  • 睡眠時間が短い
  • 喫煙者
  • 大量のアルコールを飲む

という生活をしている(習慣がある)人は、若年性認知症になる可能性が高いと言えます。

このような生活は、生活習慣病を引き起こし、そこから脳梗塞などの病気につながり、最終的に若年性認知症につながっていくからです。

4.④ 若年性認知症の初期症状と特徴

若年性認知症は、初期症状として、「スケジュール管理がうまくいかなくなる」「伝言が伝わりにくくなる」「通いなれた道でも迷うようになる」「同じ服、同じ行動などを繰り返すようになる」といったものが現れます。

また、物事に対する関心や意欲が下がっていくのも特徴の一つです。

これらの症状が出た後でも、「つい度忘れした」「近ごろストレスがたまって疲れているんじゃないの?」と、本人も周りも見過ごしてしまいがちなのが、若年性認知症の怖さです。

しかし、このときに、自分(あるいは家族)の異常に気付き、対策をしていけば、若年性認知症に対抗していくことができます。

5. ⑤若年性認知症の治療方法

若年性認知症の対策には、早期発見と早期治療が大切です。

5-1.早期発見が重要

早期発見を

若年性認知症は、「患う前の状態」に戻ることはできません。

しかし、早期に発見することによって、進行を遅らせることはできます。

自分自身、あるいは自分の家族(特に夫や両親などのように「頼るべき相手」)が若年性認知症である、ということを認めるのは、とても勇気のいることです。

しかし、早い段階で「若年性認知症である」と知ることができれば、その後の治療に重要なのです。

5-2.早期治療

アルツハイマー型の場合、進行を遅らせる薬が処方されます。

また、完全に「治す」ことはできなくても、リハビリや生活習慣の改善による対策を講じることもできます。

この「早期治療」のときにキーになるのは、医療機関と家族の連携です。

自分たちだけで抱え込まず、必ず病院の門戸をたたくようにします。

5-3.リハビリが進行を遅らせる

「リハビリ」というと、骨折などをした人が、元の運動機能を取り戻すために行うものであるように思いがちです。

しかし、若年性認知症にも、リハビリは有効です。

軽い運動をしたり、音楽を聞いたり、思い出話をしたり、手や頭を使ったりするゲームを、日常生活に取り込みます。

また、家族が認知症を患うと、心配のあまり、家事や仕事を先回りしてやってしまう人もいます。

しかし、「何もすることがない状態」というのは認知症を悪化させる要因になるので、可能な限り、家事などをお願いするようにしましょう。

ただし、火を使う料理などは危険も大きいため、必ず誰かが付き添うようにします。また、無理強いは禁物です。

6.⑥若年性認知症を予防する方法

若年性認知症の予防

「絶対に若年性認知症にならない方法」はありません。

しかし、規則正しい生活をし、節制に努め、ストレスの少ない生活をすることによって、若年性認知症になるリスクを減らすことはできます。

若年性認知症は、本人だけでなく、家族の負担も大きい病です。

生活習慣を見直すとともに、早期発見に努めるようにしましょう。

関連記事:若年性認知症の予防のために絶対心がけたい12のルール

7.➆若年性認知症の介護

若年性認知症は、その病気を患った本人がもっとも苦しいです。

しかし、それを支える家族もまた、苦しむのも事実です。

家族が患者さんをサポートするのと同時に、家族にも、行政のサポートが必要なのです。

7-1.認知症の人には家族のサポートが不可欠

家族の笑顔

認知症を患った人にとって、家族のサポートは絶対に欠かすことができないものです。

上で挙げた「リハビリ」の例がその最たるものですが、日常生活で起こりがちなトラブルを助け、見守り、時には手助けをする必要がでてきます。

迷子対策やスケジュール管理の方法を考えたり、医療機関と打ち合わせをしたり、時には暴力的な言葉や意味の分からない言葉も否定せずに受け止めたりする、という心構えと働きが必要になります。

また、働き盛りの大黒柱が若年性認知症を患ったとき、経済的な面を考えることも大切です。

経済的負担を軽減する方法として、「傷病手当金」「障害年金」などが利用できますので、積極的に使って行きましょう。

8.⑧若年性認知症において覚えておきたい制度

このように、家族には「やらなければならないこと」がたくさんあります。

また、若年性認知症の場合、家族の精神的なダメージもとても大きいものです。

これらを「なくす」ことはできません。

しかし、行政などのサポートを受けることで、負担を軽減することはできます。

そして、それは家族のみならず、患者さん本人にとっても良い影響を与えるはずです。

8-1.自立支援医療制度

厚生労働省は、「自立支援医療制度」という制度を定めています。

若年性認知症を患う年齢の人の場合、医療費は原則として3割負担です。

しかし、この自立支援医療を利用すれば、指定された病院(医療機関)での自己負担金額が1割になります。

上記でも触れたように、金銭的な負担はとても大きいものです。

これらの制度は遠慮するようなことなく利用するようにしましょう。

8-2.社会保障制度

また、障害者手帳の交付を受けることで、税金面などの負担が軽くなったり、交通費が減免されたりといった措置を受けることができます。

「障害者手帳」というと、「体に何らかの障害がある人に交付されるもの」というイメージが強いと思われますが、実際には、認知症(アルツハイマー型)の場合でも交付されます。

 

9.まとめ

若年性認知症について見てきました。

若年性認知症で知っておくべき8つの知識

1.①若年制認知症の平均発症年齢は51歳
2.②若年性認知症の種類
3.③若年性認知症になりやすい人
4.➃若年性認知症の初期症状と特徴
5.⑤若年性認知症の治療方法
6.⑥若年性認知症を予防する方法
7.➆若年性認知症の介護
8.⑧若年性認知症において覚えておきたい制度

まずは「自分も認知症になる可能性がある」という意識を持つことです。

加齢とともに、疲れやすくなったり、視力が落ちたり、といった衰えを感じる人は増えると思います。

それに伴い、さまざまな病気のリスクも増えていきます。

その中の一つに若年性認知症があり、誰にでも罹患の可能性が潜んでいます。

若年性認知症について事前に知っておき、自分の身体に気を使い、少しでも病気のリスクを遠ざけられるようにしましょう。