サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅のサービスに介護保険サービスは含まれる?

サ高住の介護保険

日本は、国民の4人に1人が65歳以上であるとされ、超高齢化社会と言われています。この問題は日本だけではなく、国際的な問題に発展しており、2050年には世界人口のおよそ2割が65歳以上になると予想されています。

それに伴って介護問題が顕在化しつつあることをご存知でしょうか?少子化が著しく進んでいることも影響し、身体的な負担はもちろん、精神的、そして経済的な負担が急速に加速しています。なかでも経済面に関しては、65歳以上の方1人を支えるのに、65未満の方3人もの人数が必要になっているほど。年金ですべてをまかなうことも難しくなってきています。

そこで、味方になってくれるのが介護保険です。介護保険は、サービス付き高齢者向け住宅に住んでいる方でも適用の対象内となるので、制度を十分に理解しておきましょう。

経済的負担を軽減

サービス付き高齢者向け住宅での支援や介護でも、介護保険の適用は認められています。介護を受ける方の経済的負担を減らすためにもとても重要ポイント。「知らない」といって見逃すわけにはいきません。

例えば、保険適応時と非適応時で、月々の負担が最大「10倍」もの差額が生じます。保険未加入の方が介護費に月20万円かかったとすると、保険加入者は月2万円(1割負担の場合)で済んでしまいます。どれだけの効果があるかが理解できたでしょうか。

実際、介護を受けている方のほとんどが介護保険を利用しています。というのも、介護にかかる費用は決して安いものではないからです。経験した方ならわかると思いますが、介護は簡単なものではなく、体力的にも精神的にも疲労が大きいもの。1回の介護費も大体4000円〜数万円かかります。1日4000円程度でも週に3、4回お願いするとなれば、単純計算で月に5万〜7万円の介護費用が必要です。いくら年金があるからといっても大きな負担になるのは間違いありません。

しかし、保険が適応されれば、その1割(=月々約5000円〜7000円)の支払いで済み、経済的負担は激減します。このように介護保険がもたらす恩恵は多くの人が思っているより随分と大きなものです。では、介護保険についてもう少し掘り下げてみましょう。

2種類の制度

介護保険は大きく2種類に分けることができます。個別に見ていきましょう。

公的介護保険

市町村などが運営するこの保険は、2000年に誕生した比較的新しい福祉制度です。利用者の介護費は実質料金の1割負担で済むという便利なもの。認知度も年々上昇しており、この恩恵を受ける方は増えてきています。

大きな特徴として挙げられるのが被保険者の区分。被保険者が65歳であれば第1号被保険者となり、いかなる理由で介護が必要になったとしてもサービスを受けることができます。40歳〜64歳までの方は第2号被保険者に区分され、介護が必要になったとしても、その原因次第ではサービスを受けられない可能性があります。各市町村ごとに「介護対象となる疾患」が設定されているので、詳しくはお住まいの市町村役場、もしくは入居予定のサ高住が所属する市町村役場で確認してみてください。

民間保険

こちらはその名の通り、民間企業が運営する介護保険です。主に生命保険などを運営している会社が介護用に提供するもので、介護一時金や介護年金など、公的介護保険にはない保険サービスを提供しています。掛け金は生命保険と同様に年齢などで金額が変動、一時金タイプや年金タイプ、終身介護タイプなどと幅広いタイプが揃っています。利用者が希望に合わせたプランを選べる点が大きなメリットとなるでしょう。

サ高住では「支援」「介護」を受ける時に保険が適用される

サービス付き高齢者向け住宅に入居されている方も介護保険を利用する事ができます。ただし、老人ホームとは違い、あくまでも「住居」という立ち位置のため、介護保険が認められるのは外部の支援、介護サービスを受けるときのみ。また、サ高住の中には介護施設などが併設されている場合もありますので、どのサービスが保険の適応範囲内かをヘルパーさんなどに聞いてみるとよいでしょう。

介護保険を利用するためには

介護保険を利用するためには、「要介護認定」を受けなければなりません。要介護認定とは、支援や介護が必要であることを明確にするもの公的な証明です。認定は、お住まいの市町村役場で申請したのちに実施される「訪問調査」の結果次第となります。各市町村により異なりますが、おおよそ30日程度で結果が届くのが一般的。ただ、民間保険会社を利用することをお考えの方は、企業独自の目線で判断されることもあるので、事前に適応範囲を把握しておくといいかもしれません。

ここまでお話してきた通り、介護保険は充実したセカンドライフを送るためには欠かせないポイントです。サ高住に入居した、もしくはこれから入居予定の方はしっかりとチェックしておきましょう。これは皆さんだけでなく、ご子息やご息女などの精神的負担を減らすという意味でも大きな役割を果たします。もし、ご存じなかった方は、できるだけ早期に調べることをおすすめします。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)には生活保護受給者も住める?

sakoju-livelihood-protection

高齢化が進む現代社会では、お金の問題も多く発生してきています。65歳で定年退職を迎えた方は国から年金が支給されることになりますが、これだけでは生活ができないという人も少なくはありません。その場合、生活保護をもらうことで不足分を補うことになるでしょう。

しかし、生活保護を受けていると、それだけで負い目に感じてしまう方も多く、外に出るのが億劫になってしまう人が意外と多いです。なかには、「生活保護を受けていても、サービス付き高齢者向け住宅に住むことは可能なのか?」という悩みを抱える人もおり、問題は深刻です。そこで、ここではひとつの参考となるように、生活保護とサービス付き高齢者向け住宅の関係性についてご紹介していきます。

生活保護とサ高住の料金

生活保護の仕組み

生活保護は基本的にお金の使い道が決まっています。使い道は、生活と住宅、教育、医療、介護、出産、生業、葬祭の全部で8種類に分けられており、それぞれに必要な額だけが支給されることになります。なかでも生活に関連する「生活扶助」と「住宅扶助」は、大切な項目なので、ここだけをピックアップして見ていくことにします。

まず、生活扶助は日々の生活に必要な費用に対する現金支給で、水道光熱費や衣食費といったお金がこれに該当します。また、介護施設に入っている場合は介護施設入所基本生活費が支給されることになります。

次に住宅扶助についてですが、こちらは家賃や地代が該当します。実際に必要となる費用が支給されることになりますが、限度額は定められており、地域ごとの家賃相場などを考慮した上でいくら支払われるかが決まってきます。ここで大事なことは、住んでいる地域によって地価や賃貸料の相場が変化することから、生活保護で得られる金額は人によって異なるという点です。

サ高住の賃貸料

サ高住の賃貸料は地域によって異なり、都会に近ければ近いほど、料金も高くなる傾向にあります。結論から言ってしまうと、生活保護によって得られる生活扶助や住宅扶助の金額内で、サ高住の賃貸料を支払うことができるのならば、入居しても問題はありません。むしろかなりおすすめできます。アパートなどの一般的な住居とほぼ同じ扱いとなっているので、生活環境に悩まされることもないでしょう。

ただし問題なのは、賃貸の料金が生活保護により支給されるお金で支払えないことが多い点にあります。サ高住の賃貸料はサービスが付けられている分、一般的な住居と比較すると割高になっており、生活扶助や住宅扶助の限度額内には収まらないケースがほとんどです。勿論付けられているサービスはサ高住によって質が異なりますので、これによっても賃貸料が異なってきます。最低限のサービスしか提供してくれない分、料金が安いという住宅もありますし、高い質のサービスが提供されていて、その分費用がかかるということもあります。サ高住や有料老人ホームの中には、生活保護を受けながら入居を希望する際には、特別に割引を行ってくれる事業者もありますので、根気強く探してみてください。

手続き方法等について

今住んでいる地域にあれば

生活保護は現在住んでいる地域によって支給されることになりますので、住む場所を変えれば移り住んだ地域に保護をしてもらわなければなりません。今住んでいる地域にサ高住がある場合には、支給元も変わらないわけですので、限度額内であれば問題無く転居することが可能となります。この場合は、地域に設置されている福祉事務所の職員に相談すると、比較的簡単に転居手続きを行うことが可能です。まずは窓口に相談することから始めることをおすすめします。

他の地域に転居する場合

問題は、現在の地域にサ高住が無く、他の地域に移り住んで生活保護を受ける場合です。この場合には移管の手続きをしなければならず、移り住む予定の地域にある福祉事務所に移管の申請をしなければなりません。

また、現在受けている保護を継続するという方法があります。前に住んでいた地域から受給しながら転居をすることも可能ですが、この場合にも福祉事務所へ申請をしなければなりません。

どちらにしても、福祉事務所との連携は必要不可欠となりますので、必ず相談をするようにしてください。諸事情によって相談よりも転居が先になってしまった場合にも、保護を受けることは可能なので、事後報告であったとしても必ず連絡は取るようにしましょう。

サ高住は制度上、アパート等の一般的な賃貸住居とさほど変わりは無く、生活保護を受けていたとしても入居することは可能です。ただし、住まいや生活に対して支給される金額には限度がありますので、サ高住に住むためには支給限度額内であることが絶対的な条件となります。必要となる手続きは、生活保護を支給してくれる地域の福祉事務所に相談することで解決できますので、サ高住への転居を考えている際には、まず事務所のケースワーカーへの連絡してみてください。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)での生活にかかる費用まとめ

サ高住の費用

快適に安心して老後の生活をしたい、という希望をかなえるためには、介護サービスが充実し、長く住み続けることのできる住宅に住むことです。専門家のケアのもと、緊急時の対応などもしっかりしているところであれば、ご家族も安心ですよね。

しかし、そういった有料老人ホームは非常に高い費用がかかります。その点において、サービス付き高齢者住宅であれば、そこまで料金がかかることはありません。そうはいっても気になる利用料金。一体いくらくらいあれば安泰な老後を過ごせるのでしょうか?

サービス付き高齢者向け住宅で最初に払う金額は?

有料老人ホームでは高いところだと、数百万円や数千万円も用意しなければならないこともありますが、サービス付き高齢者住宅には、初期費用は0円というところもあります。ただ、すべてがそうではなく、なかには敷金がかかる場合も。礼金は徴収してはいけないことになっているので、かかるのは敷金のみ。家賃の2~6カ月という場合が多いようです。

また、支払い方法にも関係してくることですが、居住費の支払い方法には、月々支払っていく月払い方式と入居時に居住費やサービス利用料を一括、または一部を支払う前払い方式があります。入居期間によって支払い総額に違いが出たり、退去する場合の返還金などに違いが生じたりすることがあるので、しっかりと確認することが大切です。

月にどれくらいかかる?

月に支払う金額は基本的に次のような内容になります。

賃料……5万~10万円

賃料は地域の家賃と同じ程度の価格設定になります。都心部やアクセスのいい場所は高くなることが多いです。

共益費……2万~3万円

食堂やレクリエーション室など共有スペースが多いので、通常の賃貸住宅よりも高い傾向にあります。

水道光熱費……1.5万円程度

個室の場合は水道光熱費がかかります。個室でない場合は、共益費などに含まれていることが多いです。

食費……4万~5万円

食堂などを利用した場合にかかる金額です。通常は昼が300~500円、夜が500~1000円前後というところが多いです。自炊の場合は、自分で買い物をした分がかかります。

サービス支援費……2万~5万円

ケアの専門家が日中常駐し、居住者の安否確認と生活相談サービスを提供します。つまりサービス支援費とは、ほぼ人件費です。介護保険でカバーしきれないサービスを別途提供するというケースもあります。

介護保険費用……0~4万円

自立している人にはかからない費用ですが、要介護認定を受けている人が介護サービスを利用した場合は1割の自己負担が必要です。

医療費……1万円程度

サービス付き高齢者向け住宅は、介護・医療サービスについて外部と契約することが多いです。なかでも訪問医との契約が多く、月に2回ほどの検診で1割負担だと5,000円程度です。

オムツ代……0~2万円

オムツが必要になった場合はオムツ代がかかります。

このほか、レクリエーション代や理美容代、電話代、交通費などがかかります。

利用料金で注意したい点

月にかかる利用料金の中で特に注意したいのは、サービス支援費などサービスへの対価として支払う費用です。

基本的に介護保険の対象外となるサービスの費用や限度額を超えるサービスの費用は全額を負担することになります。自分が受けなければならないサービスが介護保険の対象となるかを確認するとともに、入居を希望するサービス付き高齢者向け住宅において、どのようなサービスに対して費用を払うのか、という点を確認しましょう。

サービス支援費は住宅によって考え方が異なるので、詳細をチェックしてみてください。

契約終了時にかかる費用

契約終了時に必要となる費用の一つに、原状回復費用があります。通常は、年月が経ったことに伴う劣化なので事業者が負担するものですが、入居者の過失や故意による汚れや破損などに関しては、費用を請求されることがあります。どのような場合に費用が発生するのか、契約時に確認することが大事です。

また、前払い方式の場合、入居期間などによって前払い金の一部が返還されないこともあります。事業者によって返還金の算出方法が異なるため、注意したいところです。一つ覚えておきたいのは、入居から3カ月以内に契約が終了した場合には、入居期間中の家賃や食費などを除いた全額が返還されることが、法律において決まっているということです。

有料老人ホームに比べて安いのが魅力のサービス付き高齢者向け住宅ですが、費用については事業者ごとに異なります。特に介護サービスの利用などにおいては、自分に合ったところを選ばないと必要のない利用料を支払ったり、かえって高くついてしまったりすることもあります。また、共有スペースが充実しているサービス付き高齢者向け住宅や設備や環境が整っている、部屋が広いなどといったところは利用料金も高くなる傾向にありますので、自分の希望と費用計画を考慮し、適切なサービス付き高齢者向け住宅を選ぶようにしてくださいね。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)でサービスに食事は含まれる?

サ高住の食事

サービス付き高齢者向け住宅での食事は、基本的に必要なサービスとして法的には決められていません。しかし、それぞれの施設によって趣向を凝らしてあったり、必要に応じて選択できるようになったりしています。食事は人が生きる上で非常に大切なものですから、入居する前にどのようなサービスが受けられるかを慎重に調べておく必要があります。

設備は多岐にわたる

サービス付き高齢者向け住宅では、入居者が自分自身で生活を楽しむことができるようになっています。介護認定が軽度の人や、介護や生活の介助があまり必要とはなっていない人が主に暮らしており、食事や日常の身の回りのことなどは自分でするという人が多いです。つまりは、自宅での生活と同様の暮らしが可能であり、好きなものを好きな時に食べられる自由度があるのです。そのなかで、最低限の安全と健康の管理をしてもらえるので、安心して生活できる点がサービス付き高齢者向け住宅の最大のメリットといえるかもしれません。

設備面では、居住スペース内にキッチンが設置されていたり、共同エリア内に調理スペースが設置されたりしており、それぞれの施設によってさまざまなパターンがあります。自分で食事を作れるのはもちろんですが、管理が必要な疾病を持っており、自分で適切な準備をすることができない場合には、特別なサービスを利用することも可能です。施設内に備えているところから、外部に委託しているところまで、その方法もさまざまですので、事前にしっかり確認しておきましょう。

サービス内容と料金

食事サービスは、サービス付き高齢者向け住宅の運営に際して絶対条件とはなっていません。あくまでオプションサービスをしての範囲であるため、施設ごとのサービス幅や内容はさまざまです。食事は、栄養として必要なだけではなく、人生の喜びのひとつでもあります。そのため、入居を決めるにあたっては、この点に力を入れているかどうかの確認を欠かさないようにしましょう。

メニューは重要

高血圧、糖尿病のカロリー、塩分制限などの療養食から、ミキサー食やきざみ食、おかゆなどのメニュー、こういった細かい食事内容も施設によってまったく違います。施設内にサービスが備わっているところは、栄養士が常駐しているか、三食対応してくれるかなどをポイントに、外部の場合はメニューなどを知っておくと良いかもしれません。

また、サービスがどのように行われるかも確認が必要です。個々の居住スペースで食事を取ることになるのか、共同の食堂があるのか、さらに食事の時間についても注意が必要です。自分たちの時間に合わせて自由に取れるシステムのところもあります。たとえ当初は自炊を基本と考えていても、状況は変わることもあります。できれば、試食や体験入居などで実際に味わってみると良いかもしれません。

料金

料金は、利用した分だけを支払うのが基本です。ホームなどとは違い、1食から利用できることが多くなります。施設によっては食費があらかじめ家賃などの毎月の経費の中に組み込まれていることもあります。その場合でも、内訳として消費がいくらかを知ることができますので、適正な料金であるかを調べておきましょう。概ね一日あたりの食費は1500円前後の場合が多く、1食あたり300円から500円前後となっています。

自由度の高いサービス付き高齢者向け住宅のくらし

自立した生活が可能な人の多く暮らすサービス付き高齢者向け住宅では、日常生活での自由が大きく、食生活も比較的自分の裁量で決められる部分が多くなります。サービスを受けるかどうかだけでなく、自炊したり外食を楽しんだりすることも出来る場合が多いようです。

外食とサービス

外食を楽しんだり、自由に食事を選んだりするのは、どんな人にとっても快適な生活をする上での権利です。安全に外出が出来る人であれば、外食を選択することもできるでしょう。食事サービスでは、共同スペースでの談話を楽しみながらすることもありますが、施設によっては通常のレストランと同様な運営をしていることもあったり、入居者であるなしに関わらず入れたりする食堂を持っている場合もあります。

嗜好品の取り扱い

食事の他にも口にすることで楽しめる嗜好品は人生の楽しみのひとつです。お酒やタバコなどがそれにあたります。プライベートな空間も確保しやすいサービス付き高齢者向け住宅では、これらの嗜好品を楽しむことを認めているところもあります。ただ、タバコは居室内を汚すことにつながるため、禁止となっているところも少なくありません。入退去時にクリーニング費用等を請求されることもあるため、タバコのルールについては入居する前に問合せをしておいたほうが安心です。お酒に関しては、外出先やプライベートな居室内のみとなっていることもあります。

サービス付き高齢者向け住宅での食事サービスは、それぞれの入居者の状況や暮らし方に応じて臨機応変に利用することができます。こうしたサービスを利用することなく自炊をしたり、外食を楽しんだりする人もいます。食事は生活の豊かさに繋がる大切なものですから、サービスの利用しやすさを重視した選択が必要となるでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅の他施設との違いは?今後の課題とは?

サ高住の課題

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の他施設との違い、今後の課題について見て行きます。

かつて高齢者が安心して快適な生活ができるとされていた住宅は、制度の複雑化や介護サービスの不十分さなどにより、問題が多く取り上げられていました。

それを解消し、安心して快適な老後が送れるとされるサービス付き高齢者向け住宅には、大きな期待がかかっています。

ますます増えていくサービス付き高齢者向け住宅ですが、今後の課題とはどういったものがあるのでしょうか?

1.サービス付き高齢者向け住宅の現状

増えつつあると言われているサービス付き高齢者向け住宅ですが、現状ではどのくらいの数があるのでしょうか?

サービス付き高齢者向け住宅の数は、2013年2月の時点では、登録件数は3,143件、総登録数は100,925戸です。一方で特別養護老人ホームの数は、2011年1月の時点で施設数が6,638件、定員数が562,777名、有料老人ホームに関しては2011年7月の時点で、施設数が6,244件、定員数が271,286名です。

この数から見ても分かるように、サービス付き高齢者向け住宅の数はまだまだ少ないものです。

行政においては、特別養護老人ホームの不足分をサービス付き高齢者向け住宅で補充しようとしています。目標としては2025年までには60万戸が目標でしたが、さらに改修や建て替えも含め100万戸に増大させるとも言われています。

2.サービス付き高齢者向け住宅は費用が高い?

有料老人ホームと違い、サービス付き高齢者向け住宅は費用が安い、という印象を持っている人も少なくないのでしょう。確かに、初期費用がかからない住宅もあり、月額にかかる費用も15~25万円です。

賃料は地域によって違うこともあり、都心部に近くなれば高くなります。中には月々に50万円ほどかかるケースも。

現在の年金受給額を見てみると8割の人は年に200万円未満です。その金額では月々に20万円もの支払いは簡単ではありません。現在住んでいる場所が都心であれば、住み慣れた地域で探すのは難しいでしょう。そうなると、賃料が安い地方の住宅を探さなければなりません。

3.認知症の人は受け入れが難しい?

サービス付き高齢者向け住宅の中には、認知症の方でも入居可能な住宅もあります。それは認知症のケアに対する環境が整っているところに限り、現在ではその数は多くはありません。基本的に認知症の方は入居ができない、または入居できても症状が悪化したり、居住者とトラブルなどがあったりした場合は退去しなくてはなりません。

認知症の行動として、暴れたり、徘徊したり、幻覚やせん妄などの症状があると、共同生活が難しくなるため、通常のサービス付き高齢者向け住宅では受け入れが困難なのです。

また、認知症だけでなく、糖尿病などの持病を持っていると、入居できないケースもあります。認知症や糖尿病は年を重ねると増えてくる病気です。そのような疾患を持つ人も多く、さらに増えていくとされている現在、受け入れてくれる住宅が増えることも必要です。

4.住まいだけの役割ではない住宅を

バリアフリー構造を整え、生活しやすいとされるサービス付き高齢者向け住宅ですが、目的としては自立した老後を送ることです。自立した生活を送ることで、体を動かし、他人とコミュニケーションを取ることで、認知症などの予防や介護が必要ない身体づくりをすることも大切。そのためには、事業者は住まいを提供するだけでなく、入居者が社会や地域とコミュニケーションを取れるような組織を作ることも必要とされます。

住宅の整備も大切ですが、入居者が孤独にならず社会や地域とつながりを持てるサポートをすることも今後の課題の一つと言えるでしょう。

5.補助金目当ての悪徳業者に注意

サービス付き高齢者向け住宅を増やすために、国からは新築したり、改修したりするための補助金や融資などを設けています。しかし、中には補助金目当ての業者も出てくる危険性もあります。

それは施設基準やサービス内容などの基準もあいまいな点が多いことが、理由の一つです。登録基準は定められていていますが、内容に関しては事業者ごとに異なり、事業者ごとの基準になっていることも多く、そのせいで本当に必要とされるサービスが提供されていない、などといった問題も出てくると言われています。基準に関するより明確な指針が必要となってくるでしょう。

補助金を目当てとしている業者が運営するサービス付き高齢者向け住宅などを選ばないためにも、入居者はしっかりと選択する目を持つことが大事です。

現在サービス付き高齢者向け住宅を運営している業種もさまざまで、事業者の方針もいろいろです。そのため、サービス内容や建築、環境などにおいてさまざまな違いがあります。それぞれに特徴がありますので、それをしっかりと確認し、自分に適切かどうかを見極めることが必要となります。

6.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の他施設との違い、今後の課題について見てきました。

登録基準がしっかりと守られていることは当然ですが、さらに入居者のためにどのようなサービスを提供してくれるのか、緊急の時や介護度が変わった時の対応はどうか、など内容を確認し、後悔のない住まい選びをしたいものですね。

サービス付き高齢者向け住宅とケアハウス、グループホームを比較する

ケアハウスとグループホーム

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とケアハウス、グループホームを比較して見て行きましょう。

60歳以上の方が快適に老後を送れる住み家としては、いろいろな選択があります。

中でも需要が多く、戸数が増えているサービス付き高齢者向け住宅にはさまざまなメリットがありますが、それが最もよい選択になるとは限りません。

老後を安心して暮らすための住まいは、以前よりも整備されてきました。ケアハウスやグループホームなども、より快適に生活できる整備が整ってきています。

住宅や施設の内容が類似していてもすべてが同じとは限らないので、自分の身体的なことや将来的なことを見据え、適切な選択をすることが望ましいです。

1.ケアハウスの特徴とメリット

ケアハウスとは1990年に新設されや施設で、経費老人ホーム(C型)と言われる施設です。全室が個室で食事の提供があり、体調や年齢に応じた食事が提供されます。

個室という点でプライバシーも確保され、食事の提供もあり、快適な生活を望める住まいと言えるでしょう。

現在では居室にトイレやキッチンなどが設置されているものもあります。共同設備としてレクリエーション設備なども整備されていることも。

2010年4月には「都市型経費老人ホーム」の設備・運営基準の法改正により、施設の定員が20名以下となり、必要な居室面積も21.6平方メートルから7.43平方メートルになりました。

これにより、ますますケアハウスも増えていくと思われます。

1-.1ケアハウスの選び方

ケアハウスに入居できるのは、60歳以上の個人、または夫婦のどちらかが60歳以上で、家庭の事情などにおいて宅で生活できない方が対象となります。基本的に自立して生活出来る人が対象となりますが、介護が必要となった場合には、サービス付き高齢者向け住宅同様、個人で居宅介護支援事業者と契約することができます。

ただし、認知症などを患い、他の入居者との間にトラブルなどが起こることが予想される場合は、転居しなければならないこともあります。

1-2.ケアハウスの種類

ケアハウスには自立型だけではなく介護型ケアハウスがあります。介護型においては、入浴や食事の介助、機能訓練、高度な医療ケアに対応する施設もあります。

自立型では介護が上がると転居しなければならないことがありますが、介護型であれな、重度の介護状態になった場合でも継続して入居することが可能です。介護型の場合は、65歳以上で要介護度1以上の認定を受けていることが入居対象となります。

どのようなケアが受けられるのか、施設によって異なるので、詳細は確認が必要です。

2.グループホームとは?

認知症高齢者グループホーム、認知症対応型共同生活介護と呼ばれる施設がグループホームです。入居できるのは要介護認定を受けている認知症患者です。

グループホームでは、認知症に対する専門的知識を持つスタッフが、共同生活を送る中で自立に向けて症状の改善を図るためのサポートをします。グループホームでは、介護や機能訓練、レクリエーションなどのサービスを提供する施設です。

少人数に対する対応をするため、一人ひとりへの配慮が行き届くのがメリットです。

認知症に関する専門的なケアを受けることができるのも魅力。ただし、症状が進行し共同生活を営めなくなった場合や、長期間に渡す医療が必要となった場合は退去しなければならないこともあります。

関連記事:グループホームとはどんな施設なのか?8つのポイントから解説

2-1.認知症ケアの難しさ

認知症の人というのは一見、健常者のようで身体的には自立した生活をしていても、時に驚くような行動を取ることがあります。

徘徊や不眠、独り言、せん妄、幻覚、昼夜逆転、虚飾、興奮、抑うつ、不潔行為などの行為によって、共同生活ができなくなることもあるのが、認知症の人やその同居者の悩みです。

サービス付き高齢者向け住宅においては、認知症の人を受け入れているところもりますが、そういった行動により、退去せざると得なくなることもあるのです。

サービス付き高齢者向け住宅においては、認知症患者を受け入れていないところもありますが、積極的な受け入れをしているケースもあります。

そういったところでは、認知症患者のエリアを設け、認知症に対する専門的なケアを提供しています。適切なケアにより、自立を促すサポートをしているのです。

グループホームはまだ施設の数が少なく、すぐに入居できるとは限りません。

その場合には、一時的にでも認知症患者の受け入れを行っているサービス付き高齢者向け住宅を探し、そこを利用しながら、専門的なケアをしてくれるグループホームの入居を待つ、という方法もあります。

どういった住まいが一番適切なのか、というのは身体状態によっても異なります。

また、体は変化していくものですから、病気になり要介護度が上がったり、認知症が発症しさらに進行してしまうことも考えられます。

そうなった時に、どのような対応をしてくれるのか、という点も住まい選ぶにおいては大切なこと。

サービス付き高齢者向け住宅のように、制度が整えられ快適な老後を送れる住宅が増えているとともに、ケアハウスやグループホームなどにおいても、整備が進められています。

それぞれの特徴を知ることで、選択の幅も広がるでしょう。

3.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とケアハウス、グループホームの比較を見てきました。

介護施設選びの検討材料としてお役立て下さい。

サービス付き高齢者向け住宅の運営基準は運営事業者によって異なる?

サ高住の運営基準

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の運営基準について見て行きましょう。

サービス付き高齢者向け住宅を運営するには、事業者が守らなければならない運営基準があります。

もちろんその基準を満たしていない事業者サービス付き高齢者向け住宅の登録をすることができませんし、行政の立ち入り検査などにおいて基準を満たしていない場合は、登録の取り消しなどもあります。

また、運営基準を満たしているからといって、すべてが優良なものかどうかは判断しにくいものです。後悔しない選択をするためにも、運営面における判断もポイントとなるので、入居前の確認が大事です。

1.サ高住の安否確認と生活相談サービスの内容

サービス付き高齢者向け住宅の「サービス」にあたる、居住者の「安否確認」と「生活相談サービス」。これらの内容については基準というものがなく、それぞれの事業者によってさまざまです。

多くの事業者では定期的に居室を訪問するという内容が多く、1日に3回、という頻度で行われていることが多いようです。緊急時の対応に関しては、救急車による搬送のほか、主治医や契約している医療機関への通報、または自ら医療機関に搬送するということも。

生活相談に関しては、介護に関する相談が多いようです。ほかには医療や日常生活に関すること、他の入居者との人間関係や家族に関する悩みも多いようです。

生活支援サービスは、事業者によってさまざまな違いが出てくるものです。通院への付き添いや買い物の代行、清掃代行、ゴミ出しなどを実施しているところも多いようです。

2.サ高住の職員体制について

サービス付き高齢者向け住宅においては、ケアの専門家が最低でも日中に常駐して、安否確認と生活相談サービスを提供するということになっています。

ケアの専門家というのは、社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業所などの職員、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、介護職員初任者研修課程修了者のことです。日中の配置人数としては1人が多いようです。中には3人の配置をしている事業所もあります。

3.独自の運営基準

地域によって運営基準に違いがあります。特に東京都では「高齢者の住居の安定確保に関する法律に規定する基準」のほかに、さらに強化している基準があります。

サービス付き高齢者向け住宅の安否確認サービスと生活相談サービスのほか、救急時対応サービスを実施すること。また、虐待や権利利益の不当な侵害を防止するための対策を講じること、などが決められています。

また緩和している基準もあります。一つは各住戸の面積基準を25平方メートル以上から20平方メートル以上に、また、常駐する資格として、国が定めている資格を有するものに加えて、高齢者向け住宅において生活援助員などの業務に2年以上従事し、入居者への適切なサービスを行うことができると認定された者でも可とする、といった基準になっています。

4.サービス付き高齢者向け住宅を運営するさまざまな業種

サービス付き高齢者向け住宅を運営しているのは、医療・介護関連の事業所だけではありません。電気関連の企業や鉄道会社、不動産会社、建設会社、コンサルティング会社などさまざまな業種が、サービス付き高齢者向け住宅の運営に着手しだしています。

サービス付き高齢者向け住宅の運営基準は業種によっても異なります。特徴的なのは、介護関連の事業所では介護サービスが充実しているところが多く、介護の質も期待できるでしょう。自立よりも介護を重要視していることも多いです。

医療関連の事業所は、さまざまな医療行為に対応しているのがメリットです。医療法人などにおいてバックボーンがしっかりしていて、安心感があります。

不動産会社や建設会社関連においては、住宅の質が高いことが多くあります。部屋も広く、生活しやすい設計となっているところが多いと言えます。

このようにサービス付き高齢者向け住宅は、運営する業種によって、運営方針やサービス内容、どのような点に重点を置いているか、などに違いが出てきます。それぞれの事業者の経営理念や方針、サービス付き高齢者向け住宅に関する考え方なども確認することで、自分に合ったサービス付き高齢者向け住宅を選ぶことができるのではないでしょうか。

かつての65歳以上の方を対象にした住宅においては、基準もあいまいでサービス内容も統一されず、介護支援に関しても義務化されていなかったため、充実したサービスを受けることができない住宅が少なくありませんでした。そういったことからトラブルも後を絶たなかったものです。

それらを改善し、作られたのがサービス付き高齢者向け住宅ですが、運営基準はしっかりとあるものの、内容に関しては事業者によってさまざまです。近年においては、医療や介護関連だけではなく、さまざまな業種が参入し、いろいろな方針や考え方においてサービス付き高齢者向け住宅の運営をしています。それぞれには特徴があり、それぞれメリットやデメリットもあります。運営方針や内容などをしっかりと確認し、自分に合った住宅を見つけることをお勧めします。

5.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の運営基準について見てきました。

入居の検討の際には、事前によく利用者などの声や情報を集め、必ず見学して確認することが重要そうですね。

サービス付き高齢者向け住宅ができた背景とは?超高齢化社会の現状

できること

超高齢化社会の現状、そしてサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のできた背景について見て行きましょう。

「高齢者住まい法」の改正により、60歳以上の方が安心して、安全に暮らせる賃貸住宅がつくられるようになりました。

それがサービス付き高齢者向け住宅です。低料金でサービスも充実している特別養護老人ホームの入居待ちをしている人は50万人以上という現状の中、その希望となるのが、サービス付き高齢者向け住宅です。

こちらでは、このような住宅が必要とされている背景について見ていきましょう。

1.超高齢社会化が進む日本

超高齢社会を迎えている日本では、2025年には65歳以上の人が3600万人を超え、総人口に占める65歳以上の割合は30%を超えると言われています。

1-1.60歳以上のみの家庭が増えている

さらに、核家族化が進んでいる中、60歳以上の人が一人で、または夫婦だけで生活しているケースも少なくないのが現状です。正常に生活ができているうちはまだよくても、誰でも年を取れば体の自由がきかなくなり、買い物にも行けなくなります。

日常生活においても食事の支度や洗濯、掃除などをするのも簡単ではなくなるでしょう。それは食事の宅配サービスなどの利用が増えていることからも分かることです。

1-2.家族だけで支えきれない介護状態の人が増えている

さらに、加齢や病気などで、介護が必要になってくるケースもあります。しかし、夫婦や家族だけで介護をするのは精神的にも身体的にも限界があります。そういった中、介護施設や老人ホームなど、居宅系の住まいに移る、という選択肢がでてくるでしょう。

2.人気が集中している特別養護老人ホーム

家族に迷惑をかけずに心身の安全を守ってくれて、安心して生活できる住み家が欲しい、という希望を叶えてくれる住まいにはさまざまな種類があります。

しかし、要介護2までしか入居できない、賃料が高いなど、条件が合わずに入れないことも多いもの。その中で人気が集中しているのが、特別養護老人ホームです。

2-1.特別養護老人ホームの人気の理由は安さ

特別養護老人ホームの人気の理由の一つは、費用の安さです。公的補助がでる特別養護老人ホームでは、居住費、食費、介護保険の自己負担費用などを含めて10万円程度です。有料老人ホームなどと比べると、非常に低料金で、入浴や食事、排せつなどの介助、健康管理、緊急時の対応などのサービスも充実しています。さらに、介護度の高い人でも入れるというのも魅力ですよね。

2-2.入居待ちは50万人超

しかし、魅力的な施設は人気が出て当然です。入居待ちは全国で約52万人。早くて1年、長いと11年も待たなければ入居できない、というのが現状なのです。

3.受け皿となるサービス付き高齢者向け住宅

上記のように、11年も入居を待つのはどう考えても無理があります。そこでこういった人たちの受け皿の一つとなるのが、サービス付き高齢者向け住宅。

3-1.これまでの高齢者向け住宅

しかし、今までも60歳、65歳以上の方が入れる住宅はありました。高齢者の入居を拒まない高齢者円滑入居賃貸住宅、65歳以上の方を対象にした高齢者専用賃貸住宅、バリアフリー構造などを設置し快適で住みやすい環境を整えた高齢者向け優良賃貸住宅といったものがあったのです。しかし、これらの住宅は制度が複雑でトラブルが多く、バリアフリーなどの環境が整っていない住宅が多い、生活支援サービスなどの義務化がなかったことで、介護や医療との連携が取れていないことなどが問題となっていました。

3-2.いままでの問題を解決するためにうまれた

そういった問題を解消するために、高齢者円滑入居賃貸住宅、高齢者専用賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅を廃止し、一元化したものがサービス付き高齢者向け住宅なのです。

4.増加するサービス付き高齢者向け住宅

有料老人ホームでも、条件が整っていればサービス付き高齢者向け住宅に登録することが可能です。なかでも6万戸あったとされる高齢者専用賃貸住宅などが進んで登録しているようです。

さらに住宅を新築したり、条件に見合った住宅に改修する場合は補助金が出たり、融資が受けられたり、税制の優遇措置があることなどから、医療法人をはじめ、不動産や介護サービス企業などによる登録が増えています。そういった背景において、サービス付き高齢者向け住宅は着実に数を増やしています。

入居者の安否確認が行われること、生活相談などのサービスを提供すること、バリアフリー構造などの環境を整えること、といった条件があり、費用も高くないと言われているサービス付き高齢者向け住宅は、安心して生活ができる住宅です。今後もその数は増えていき、多くの方の受け皿となるに違いありません。

しかし、基本的な条件はあるものの、事業者によって提供される設備や環境などにはさまざまな違いがあります。特にサービスの提供においては、介護サービス施設などが併設されているものもあれば、外部と契約をしなければ受けられないサービスがあるなど、さまざまです。もちろん、費用や支払い方法なども異なります。

5.まとめ

超高齢化社会の現状と、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のできた背景について見てきました。

後悔しないためにも、自分に必要な介護サービスを認識し、それが利用できる住宅を選ぶ必要があります。安心して長く住むことができる住宅が増えているのは非常にうれしいことですが、選択を誤らないように、事前に内容や状況をしっかりとチェックするようにしてくださいね。

介護施設と高齢者住宅にはどんな種類がある?代表的14タイプまとめ

介護施設の種類

「老いてからはどこに住むか」という選択肢は、現在では非常に多くなっています。

今回は、代表的な14種類の介護施設について特徴をまとめました。

それぞれについてみていきましょう。

1.「老後の住まい」としての施設・住宅

老後の住まいは、介護に特化したものから、シニア向けに工夫が凝らされた住宅まで、多岐にわたります。

介護の状況やライフスタイルにあわせて選びたいところです。

2.代表的な14種類の介護施設・高齢者住宅

特に代表的な14種類の介護施設・高齢者住宅について考えていきましょう。

2-1.老人ホーム

「老後の住まい」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのがこの選択肢ではないでしょうか。しかし、一口に「老人ホーム」といっても、実はその種類はさまざまです。

2-1-1.有料老人ホーム

これはその名前の通り、有料の老人ホームです。基本的にはどのような団体が運営しているものであれ、費用は発生します。

しかし、一般的に、「有料老人ホーム」といった場合は、民間業者が運営しているものを指します。

2-1-1-1.①介護付き有料老人ホーム

認知症にも対応できる、介護付きの有料老人ホームです。

介護レベルが重度であっても入ることができ、しかも希望すれば比較的簡単に入ることができます。

ただし、料金は少々高め。

2-1-1-2.②住宅有料老人ホーム

軽度の認知症までは対応できたり、中程度の介護度には対応してくれたりするものです。

介護者が常駐しないため、費用は「介護付き有料老人ホーム」よりは若干お買い得。

その一方、症状が悪化した場合は、退去などを迫られることも。

2-1-1-3.③健康型有料老人ホーム

介護がまったくなされないわけではありませんが、基本的な考え方としては、「家事などの煩雑なことをスタッフに任せられる」というものがあります。

スポーツジムなどの設備が整っており、食事の世話などもしてもらえるため、どちらかというとホテルのイメージに近いかもしれません。

費用が高めですが、この形式の場合、「介護を必要としないこと」が基本となるため、重度の介護状態になってしまうと、退去が求められます。

2-1-2.軽費老人ホーム

民間ではなく、自治体などによって管理されている老人ホームです。

民間とは違い、補助金を受けることができるため、安い料金で利用できます。

2-1-2-1.④軽費老人ホームA型

軽費老人ホームは3つの種類があります。

いずれの場合でも、民間の有料老人ホームに比べればかなり割安です。

「A型」の方は、生活の見守りに加えて、食事の世話をお願いできます。

2-1-2-2.⑤軽費老人ホームB型

A型の場合、食事の世話をスタッフが行います。しかしB型の場合は、自分で賄うことになります。

その分、月額費用がとても安く、A型の費用の25%~50%で利用できます。

2-1-2-3.⑥軽費老人ホームC型(ケアハウス)

軽費老人ホームのなかでも、「ケアハウス」に分類されるものです。

一般型(自立はしているものの、一人で生活するには少し不安が残る人を対象とするもの)と介護型に分けられていますが、いずれも費用は安く、月額利用料は7万円~20万円程度です。

2-2.介護保険施設

日常生活において、何らかの手助けが必要となる人が主に利用する施設です。

2-2-1.⑦介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

介護度が進んでも退去を求められることなく住み続けられるのが、この「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」です。

なかなか入居できない代わりに、一度入ってしまえば長く利用することが可能です。

人生の最後の居場所としての利用価値が高く、初期費用も発生しません。

2-2-2.⑧介護老人保健施設

重度の介護が必要となる人であっても受け入れてもらえるのが最大のメリットです。

介護老人福祉施設同様、入居金は必要ありません。

また、医学的なケアもしっかりしてもらえる上に、利用料金は安いです。

ただし、3か月に1度というとても短いスパンで入居継続の可否が決められるため、長期の利用は難しいでしょう。

2-2-3.⑨介護療養型医療施設

重度の介護が求められる人でも入居可能です。

ただし、ここはあくまで「療養のための」施設であり、位置づけとしては「医療機関」にあたります。

医療機関である以上、状態が改善すれば退去する必要があります。

「病気で入院していたけれど、居心地がいいからずっといたい」というのはできない、と考えるとわかりやすいかもしれません。

2-2-4.⑩介護療養型老人保健施設

介護療養型老人保健施設はしばしば、「新型老健」とも呼ばれます。

流動食を管を使って摂取したり、痰を吸い出したりといった行為が可能です。

介護療養型医療施設との違いは、介護療養型老人保健施設の場合、「病院に入り、専門的な治療を必要とするほどではない人を対象としている」というところにあります。

2-2-5.認知症グループホーム

「グループホーム」という名称はさまざまなところで使われている単語ではありますが、主に認知症の方を対象とした施設を指すことが多いようです。

対象者が認知症の人なので、それに対する手厚いフォローが望めます。

認知症に関する知識なども豊富なスタッフがそろい、安心して任せられるでしょう。

関連記事:グループホームとはどんな施設なのか?8つのポイントから解説

2-3.⑫シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは便宜上の呼び方であり、明確な定義が存在するものではありません。

ただ、いずれの場合でも、「高齢者にとって住みやすいかどうか」を念頭に作られています。

家事を委託できたり、設備が整っていたりするため、要支援の段階の高齢者には住みやすいでしょう。

また、今まで紹介してきた施設とは違い、分譲型であるため、「資産」として運用することが可能です。

しかし、重度の介護には対応していないケースが多いです。

2-4.賃貸住宅

「シニア向け分譲マンションは確かにいいんだろうけれども、そんなお金はない」という人におすすめなのが、賃貸住宅です。

高齢者を対象としたものは、賃貸住宅であっても、高齢者が住みやすいようにという理念のもとで作られています。

2-4-1.⑬シルバーハウジング

シルバーハウジングは、公営住宅のうちの一つです。

バリアフリーになっているほか、緊急通報装置なども用意されています。

サービスに関しては、それぞれ特色があります。

デイサービスなどのような介護サービスを受けられるものもあれば、安否確認や「何かあったときに連絡したりサポートしたりする」という程度にとどまっているものもあります。

基本的には「介護施設」の位置づけではないので、要介護の度合いが進んだ人の場合は難しいでしょう。

また、「医療機関」でもないため、病院のような治療は受けられません。

2-4-2.⑭サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、非常に新しい考え方です。

このサービス付き高齢者向け住宅の登録が始まったのは、平成23年の10月です。

国土交通省と厚生労働省がとりまとめている「高齢者住まい法」によってスタ-トしました。

このサービス付き高齢者向け住宅は、

  • 25㎡以上の広さであること(例外はあります)
  • 基本的に、台所や水洗トイレ、バスルーム、洗面スペース、収納スペースが専有部分にあること
  • 手すりが備え付けられていたり、段差がない床になっていたりするなど、バリアフリー構造になっていること
  • 安否確認及び生活に関する相談を受けられるサービスがあること
  • 専門家が建物内にいること(夜間は任意)
  • 敷金や家賃、サービスに関する対価以外は発生しない
  • 入居後3か月以内に退去や入居者の死亡があった場合、前払い金が返還されること

などの条件があります。

費用は設備によって大きく異なります。安いところから高いところまであるため、一概に「安い」とも「高い」とも言い切ることができません。

ただ、料金面でも選択肢が多いのは嬉しいポイントです。

このタイプの住居の場合、「サービスは受けられるけれども、そのサービスはあくまで『訪問介護』のレベルにとどまる」ということは覚えておかなければなりません。

常に介護スタッフがいて、きめ細やかな対応を望めるか、というとそうではありません。

これは、シルバーハウジングにも共通しているデメリットであり、シニア向け賃貸住宅の特徴と言えます。

3.まとめ

「老後の住居」というのは、主に14の種類に分けられます。

それぞれ特徴とメリット・デメリットがあるので、慎重に選ぶようにしましょう。今現在の状況も大切ですが、「今後のこと」や「費用」も考えて、後悔のない選択をしたいものです。

サービス付き高齢者住宅の概要とは?どのような制度から生まれた?

サ高住の制度や概要

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の制度と概要について見て行きましょう。

有料老人ホームは高い、サービス付き高齢者向け住宅は要介護度が高いと入居できない、または認知症の人は入れない、などといった印象を持たれている方も多いでしょう。

しかし、有料老人ホームにも低価格のものはありますし、サービス付き高齢者向け住宅であっても、介護サービスを手厚くしている所や認知症の人のことを考えた環境を整えているところもあります。

イメージだけにとらわれず、制度や概要について、よく把握することも大切なことです。

1.サービス付き高齢者向け住宅ができた経緯

年を重ねると身体の自由がきかなくなったり、転倒などが原因でケガをしたり、起き上がれなくなったりすることもあります。一人で、もしくは夫婦だけで生活をするのは、不安がつきまとうもの。そういった人たちが安心して住める住宅への需要が高まっているのが、日本の現状です。

そういった現状を改善するために、「高齢者住まい法」の改正によって生まれたのが、サービス付き高齢者向け住宅です。

サービス付き高齢者向け住宅は、国土交通省・厚生労働省が所管する「高齢者住まい法」に基づく制度で、介護・医療と連携し、60歳以上の方が安心して生活できる要素を組み込んだ賃貸住宅です。

これまでも高齢者向けの住宅というのは存在していました。しかし、介護が必要となった場合に住み替えが必要だったりするなど、医療・介護事業者との連携がうまくできていなかったのが現実です。

行政の指導も行き届かず、さまざまなトラブルが発生していました。住まいの制度が複雑であったことも、トラブルの原因と言えるでしょう。

そういった問題を改善するために「高齢者住まい法」の制度が改正され、サービス付き高齢者向け住宅ができたのです。

2.「高齢者住まい法」制度の内容は?

サービス付き高齢者向け住宅の特徴は、身体のことを考えたハード面と安心して暮らせる見守りサービスです。

施設面においては段差のない床、手すりの設置、車いすなどを使うにあたって不自由さがない廊下の幅の確保などといったバリアフリー構造であることが一つ。

また、各専用部分の床面積が、原則25平方メートル以上であること。ただし居間や食堂、キッチンそのほかの住宅の部分が共同して利用するため十分な面積を有する場合は18平方メートル以上です。さらに各専用部分に、キッチン、水洗トイレ、収納設備、洗面設備、浴室を備えたものであること、といった条件があります。

安心して生活できるためのサービスというのは、安否確認・生活相談サービスを入居者全員に行うこと、ということ。

社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所などの職員、医師や看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、介護職員初任者研修課程修了者といったケアの専門家が行ってくれます。

サービス付き高齢者向け住宅には、さらにこういったサービスの他、医療・介護・生活支援サービスが併設されているケースもあります。

また、長期入院を理由として事業者から一方的に解約ができない、敷金や家賃、サービス対価以外の金銭を徴収しないなど居住者が安心して住むことができる契約をすることが定められています。

3.サービス付き高齢者向け住宅登録事業者に対する制度の概要

サービス付き高齢者向け住宅の登録事業者に対しても、さまざまな義務を課しています。誤解を招くような広告をしないこと、契約を結ぶ前にサービスの内容や費用について書面を用意し、説明すること、登録事項の情報開示、契約に従ったサービスを提供すること、などが義務付けられています。

行政は事務所や住宅への立ち入り検査をし、業務に関して改善する点について指示をしたり、もし違反や登録基準に不適合の場合には登録を取り消したりすることもあります。

また、サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進するため、住宅の供給者には融資や補助などの制度もあります。住宅や施設の建設、改修などに対する補助を民間事業者、医療法人、社会福祉法人、NPOなどに国が直接行います。

もちろん、サービス付き高齢者向け住宅として10年以上登録する、必要となる家賃が近傍同種の住宅とあまりにかけ離れていない、などといった条件をクリアしていなければなりません。他にも、融資の実施、税制における優遇措置もあります。

核家族化が進み、60歳以上の方が一人で住んでいる、夫婦で住んでいる、という家庭は増え続けています。

しかし、住んでいる家がすべてバリアフリー構造で安心して、楽に生活できている住宅かというとそうではないでしょう。確かに現在ではバリアフリー住宅にする家庭もありますが、経済的なことなどで、家全体をかえるのは簡単なことではありません。

高齢者住まい法は、年を取っても安心して快適に過ごせる住宅を増やすこと、安全に暮らせる住宅を用意すること、を重要視したもので、その試みの一つがサービス付き高齢者向け住宅です。サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー構造を採用することで、要介護者を増やさない予防策になりえます。

4.まとめ

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の制度と概要について見てきました。

つくられた経緯などは、サ高住を選ぶ直接的なポイントにはならないかもしれませんが、費用や契約内容、ルールなどを知る上でも知っておいて損はないのではないでしょうか。