進行

アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

アルツハイマー

アルツハイマーについて見ていきます。

アルツハイマー型認知症は250万人の患者がいるといわれ、もっとも患者数の多い認知症とされています。

しかし、「アルツハイマー」という言葉は聞いたことがあっても、どんな認知症なのかについて知らない人も多いのではないでしょうか?

そこでアルツハイマー型認知症の

  • 概要
  • 前兆
  • 症状
  • 進行
  • 周囲の対応
  • 予防
  • 若年性アルツハイマー

について解説していきます。

気になる点だけ確認してもらうだけでも、アルツハイマー型認知症への理解につながるかと思います。

1.アルツハイマー型認知症とは?

  • もっとも患者数の多い認知症
  • 脳が萎縮する病気
  • 60歳以降に症状が現れる

認知症の中でもっとも患者数が多いとされており、脳の神経細胞が長期間にわたり死んでいき、脳全体が徐々に委縮していく病気です。

そのため、記憶や思考能力が徐々に損なわれ、最終的には単純作業を行う能力さえも失われます。

アルツハイマー型認知症患者のほとんどが60歳以降に初めて症状が現れます。

1-1.日本国内のアルツハイマー型認知症患者数の推移

アルツハイマー型認知症の患者数が増加

  • 患者数は250万人を超える
  • 高齢者の増加に伴い、患者数が増えている

国内のアルツハイマー型認知症患者数は、1995年126万人、2000年156万人、2005年189万人、2010年226万人と年々増え続けています。

2015年は250万人を突破。患者数262万人となりました。

さらに、高齢者人口の増加にともない、今後数十年でより多くの人がアルツハイマー型認知症になると予想されており、2035年には330万人を超えるとされています。

1-2.アルツハイマー型認知症の寿命

アルツハイマー型認知症の寿命は人それぞれ

  • 発症から10~15年以上
  • 人によって期間はさまざま

アルツハイマー型認知症は他の認知症と比較すると、進行がゆっくりとしているため、その寿命は発症から10~15年以上ともいわれています。

とはいえ、あくまで平均的な数値に過ぎず、人それぞれの状態や環境などによって大きく変わってきます。

また、80歳を過ぎてから発症した場合は3~4年といわれています。

2.アルツハイマー型認知症の前触れ・前兆

アルツハイマー型認知症の前触れ

  • 物忘れから始まる
  • 軽度認知障害(MCI)からアルツハイマー型認知症へ移行する
  • 発見は困難

多くのアルツハイマー型認知症は軽い物忘れから始まるといわれています。

認知症と診断される5~7年ほど前から物忘れが多くなります。

アルツハイマー型認知症に移行する前段階として、軽度認知障害(MCI)になるとされていますが、この段階で発見・対策できればアルツハイマー型認知症への移行を止められるといわれています。

アルツハイマー型認知症の前触れ・前兆として見られる具体的な症状は以下のようなものです。

  • 新しいことを覚えられない
  • 人や物の名前が出てこない
  • 気が短くなる
  • スケジュールを立てられない
  • 憂うつになる

2-1.アルツハイマー型認知症になりやすい人は?

肥満女性はアルツハイマー型認知症になりやすい

アルツハイマー型認知症は女性がなりやすい?

以下はアルツハイマー型認知症になりやすい傾向の人です。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 60歳以上の高齢者(高齢になるほどなりやすい)
  • 偏食
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 女性

多く当てはまる人は注意が必要ですが、必ずアルツハイマー型認知症になるというものではありません。

反対に、多くが当てはまらないからといって、アルツハイマー型認知症にならないというものではありません。

3.アルツハイマー型認知症の具体的な症状

アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症は、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。

ここでは、アルツハイマー型認知症の症状の特徴を一緒に確認していきましょう。

3-1.記憶障害

物忘れが起きるようになります。

一般的な物忘れと違い、アルツハイマー型認知症の患者は少し前に起きた事を思い出せません。

会話中に席をはずし、5分後に戻ってきて会話を続けようとしても話題を思い出す事ができないといった例があげられます。

3-2.判断能力の低下

例えば「料理に使う食材を自分で判断出来ない」「部屋の片付け方がわからなくなる」「季節外れで、ちぐはぐな服装をする」などの行動が見られるようになります。

判断力の低下により、悪気なく万引きをしたり、詐欺などの事件に巻き込まれる可能性もあるので注意が必要です。

3-3.見当識障害

見当識障害は、記憶障害と並んで早い段階から現われる症状です。

見当識とは、日付や時間、場所など自分がおかれている状況を認識する能力です。

今日の日付や時間を間違う、通い慣れている場所がわからなくなり、症状が進むと自宅さえもわからなくなります。

また、息子を孫と間違ったり、既に成人した子どもを幼児であると思い込むなど、人に対する認識間違いが起きる事もあります。

3-4.周辺症状

家の中や外をウロウロと歩きまわる「徘徊」と呼ばれる行動がしばしば現れます。

また、大切な物を誰かに盗られたという「物盗られ妄想」を訴え、家族を疑って責めるような症状も見られます。

さらに、薬を嫌がって飲まないなどの「介護拒否」や、家族や自分の顔がわからなくなる事もあります。

4.アルツハイマー型認知症の原因

原因は不明

アルツハイマー型認知症の直接的な原因はまだ解明されていません。

脳に「アミロイドβ」や「タウ」と呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まる事で神経細胞が壊れて減り脳が萎縮するために、身体の機能が失われることがわかっています。

危険因子(アルツハイマー型認知症の発生を高める病気や習慣)としては、

  • 高血圧
  • 高コレステロール
  • 糖尿病などの生活習慣病
  • 偏食
  • ストレス
  • 運動不足
  • 頭部への強い衝撃
  • 慢性期な脳または脳周辺の炎症

などが挙げられます。

5.アルツハイマー型認知症の7つの進行段階

アルツハイマー型認知症の進行段階

  • 不可逆性で時間の経過とともに進行する
  • 7つの進行段階がある

アルツハイマー型認知症は、時間の経過とともに進行する病気で7段階の枠組みに分けられています。

この7段階の枠組みは、ニューヨーク大学薬学部シルバーステイン老化と認知症研究所の臨床部長であるバリー・ライスバーグ博士により考案されました。

5-1.段階(1)正常

記憶能力は低下しておらず、認知機能の障害がない状態です。

5-2.段階(2)年相応(非常に軽度の認知機能の低下)

  • 日頃よく使う言葉や名前を忘れる
  • メガネや財布など日用品の置き場所を忘れる

など。

健康診断で問題となることなく、友人や家族も気づかない程度の軽度の認知機能の低下が見られる段階です。

5-3.段階(3)境界状態(軽度の認知機能の低下)

  • 文章を読んでもほとんど覚えていない
  • 家族や友人が気付くほど言葉や名前を思い出せなくなる
  • 職場での作業スピードの低下に同僚が気付く
  • 計画を立て整理する能力が低下する

などの症状が現れたら、初期段階のアルツハイマー型認知症である可能性があります。

5-4.段階(4)軽度(あるいは初期段階)のアルツハイマー型認知症

  • 「100から7ずつ引く」など難しい暗算が解けない
  • 最近起きた出来事を知らない
  • 清算、支払い管理など複雑な作業ができなくなる
  • 自分の生い立ちの記憶が薄れる

などのはっきりとした症状が現れ始めます。

5-5.段階(5)中等度(あるいは中期段階)のアルツハイマー型認知症

  • 「40から4ずつ引く」あるいは「20から2ずつ引く」などの簡単な暗算が解けない
  • 服を選ぶのに助けがいる
  • 場所・日付・曜日・季節がわからなくなる
  • 現住所・電話番号・卒業した大学など大切な情報を思い出せない

などの症状が現れます。

記憶が欠落し、認知機能に障害が現れ、日常生活でサポートが必要となり始めます。

5-6.段階(6)やや高度(あるいは中期段階)のアルツハイマー型認知症

この段階では、記憶障害がかなり進行し,性格が大きく変化し、日常生活に大幅な手助けが必要となります。

  • 最近の経験および出来事や周囲の環境がわからない
  • 自分の生い立ちを完全に思い出せない
  • 配偶者や顔なじみの介護者の名前を忘れる
  • 着衣・トイレに手助けが必要となる
  • 徘徊し迷う事が増える
  • 尿失禁や弁失禁がたびたび起きる
  • 妄想や、幻覚、強迫的または反復的な行動

などの行動的症状が見られるようになります。

5-7.段階(7)高度(あるいは後期段階)のアルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症の最終段階では、患者は環境や状況に応じて反応し会話することができなくなります。

そして、最終的には体を動かす事が出来なくなります。

時には単語や文章を話す事もありますが、食事やトイレなどの日常生活を1人では出来なくなり介護が必要となります。

筋肉が硬直し、嚥下に障害が出る事もあります。

6.アルツハイマー型認知症の人にどう対応したらよいか?

アルツハイマー型認知症の人への対応

アルツハイマー型認知症にかぎらず、認知症の人には周りのサポートが不可欠です。

家族や周囲の人がアルツハイマー型認知症になった場合、どう対応したらいいのか、考えていきましょう。

6-1.怒らない、許してあげる

アルツハイマー型認知症の人は、同じ話を繰り返すことも多いのですが、怒らずに出来るだけ付き合うようにしましょう。

6-2.約束は書いておく

約束などを忘れないようにカレンダーに書き出したり、メモなどを使うのも有効です。

家族やヘルパーが薬を管理することで、薬の飲み忘れなどを防げます。

1度にたくさん飲んでしまう事もあるので飲み終わるまで見届けましょう。

6-3.迷うことを前提に対策する

外出先で迷わったときのために、連絡先を服に付けたり、小型GPSをポケットに入れるなどの対策をしておきましょう。

徘徊が始まった場合は、鍵を手の届かない場所に格納し、民生委員などにも連絡して協力をしてもらいましょう。

6-4.話を合わせてあげる

幻視や物取られ妄想などの訴えを否定すると興奮する事があるので話を合わせることも大切です。

6-5.お互いに嫌な気持ちにならないように

どちらかが我慢していると、ストレスがたまっていってしまい、後々のトラブルにつながってしまいかねません。

介護の合言葉は「使えるものは使う」。

介護サービスを使えるだけ使い、介護者と介護される側のどちらも快適に過ごせるように気をつけましょう。

7.アルツハイマー型認知症の予防と改善策

アルツハイマー型認知症の予防に運動

  • 予防には生活習慣の見直しが重要
  • 生活習慣の見直しは発症後の改善にもつながる

アルツハイマー型認知症は時間の経過とともに発症の可能性が高まり、絶対にかからないようにする、という方法は現在のところありません。

ただし、生活習慣の見直しによって、認知症発症の予防につながると考えられています。

また、アルツハイマー型認知症は、早期発見、早期治療により進行が緩やかになる事がわかっています。

異変に気付いたらすぐに、認知症専門病院、神経内科、物忘れ外来、老年病内科などに行きましょう。

大きな総合病院が近くにない場合は、かかりつけ医に相談して専門医を紹介してもらうのも良いでしょう。

7-1.生活習慣の改善

脳の状態を良好に保ちアルツハイマー型認知症を予防するには、食習慣や運動習慣を見直すことが大切です。

認知機能を重点的に使うには、知的行動習慣を意識した日々を過ごすことが重要だと言われています。

7-2.食生活の見直し

野菜・果物を食べてビタミンC、E、βカロチンを摂取し、ポリフェノールを含んだ赤ワインを飲みましょう。

青魚やカマンベールチーズを食べると発症リスクが下がるとも言われています。糖尿病患者はアルツハイマーの発症リスクも高いと言われています。

食べる時は腹八分に抑え、甘い物ばかり食べないように注意し、糖尿病を防ぎましょう。喫煙、飲酒も控えるようにしましょう。

関連記事:今日から実践できる!認知症の予防に効果的な16の食材と食事

7-3.定期的な運動

週3日以上の有酸素運動を心がけましょう。食べた後すぐ横になって寝る生活を改善し、日常的に小まめに体を動かす事も有効です。

7-4.十分な睡眠の確保

睡眠不足もまた認知症と関係があるとされています。

ストレスが原因の睡眠不足に注意し、夜更かしし過ぎないで早く寝る習慣をつけましょう。

また、30分未満の昼寝や起床後2時間以内に太陽の光を浴びるのも良いでしょう。

7-5.脳を活性化させる活動

脳の状態を良好に保つため意識的に、文章を書く・読む、囲碁・将棋・マージャンなど頭を使うゲームをするなどの知的行動習慣を身につけましょう。

  • 数日遅れの日記をつける
  • 旅行の計画を立てる
  • 料理を何品か同時進行で作る
  • 新しい事にチャレンジする

など、脳機能を集中的に鍛える行動は、発症を遅らせる効果的な方法であることがわかっています。

8.若年性アルツハイマーとは?

64歳以下の人もアルツハイマー型認知症になる可能性があります。

64歳以下のアルツハイマーは若年性アルツハイマーと呼ばれます。

若年性アルツハイマーの患者は、大事な予定を忘れたり、書類に日付を書けないなどの症状の他に、例えばドアが見えているにも関わらず部屋から出られなくなり室内を歩き回るなどの視空間失認が起きることがあります。

8-1.若年性アルツハイマー型認知症を扱った作品

若年性アルツハイマー型認知症と宣告された主人公とその家族を描いた映画をご紹介しましょう。

8-1-1.「アリスのままで」

50歳で若年性アルツハイマーを発症した女性を描いた作品。高名な言語学者でありニューヨークコロンビア大学の教授を務めるアリスは、若年性アルツハイマーを宣告され闘病の日々が始まります。

8-1-2.「ビューティフルレイン」

ある日突然、若年性アルツハイマーと診断される父親と幼い娘の親子愛を描く人間ドラマ。

8-1-3.「明日の記憶」

若年性アルツハイマー型認知症と診断された夫と、それを受け止めいたわる妻。痛みを共有し共に病と闘う夫婦の情愛を描いた感動作。

9.認知症とは?

認知症とは、後天的原因で起こる知能の障害です。

生後、正常に発達した精神機能が減退・消失し正常な日常・社会生活ができなくなる状態を指します。

10.まとめ

アルツハイマーについて見てきました。

アルツハイマー型認知症の原因は未だ不明ですが、予防方法は少しずつ解明されています。

食習慣や運動習慣など、生活習慣全般を見直すことで糖尿病、高血圧、脳卒中などの生活習慣病の発症リスクが低下すると同時に、アルツハイマー型認知症も予防可能であることがわかっています。

自身の生活習慣を今一度見直し、健康的な日々を送るように心がけましょう。

アルツハイマー型認知症の7つの進行段階とその症状

アルツハイマー型認知症 症状

アルツハイマー型認知症の症状について見ていきます。

認知症には、さまざまな種類があります。そのなかの一つである「アルツハイマー型認知症」に着目していきましょう。

1.アルツハイマー型認知症はどんどん進行していく

認知症のなかには、「治る認知症」もあります。しかし、治る認知症は、割合としては全体の15パーセントであり、頭のなかに脳髄液がたまったタイプや、事故などで頭を打ち付けた際にできた血栓による認知症などの、限られたタイプです。それ以外のものは、進行速度などや症状には違いがみられますが、不可逆性です。そして、アルツハイマー型認知症も、この「不可逆性の認知症」に当てはまります。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

2.アルツハイマー型認知症は進行状況によって7段階に分けられる

さて、このアルツハイマー型認知症ですが、これは進行状況によって、7つの段階に分けられています。

2-1.段階①正常段階

通常の状態です。アルツハイマー型認知症の症状は見られません。

2-2.段階②年相応(非常に軽度の認知機能の低下)

年を取ると、誰でも物忘れが多くなります。その段階です。ただ、この段階のときは、「症状」としてはっきりわかるものではありません。

2-3.段階③境界型(軽度の認知機能低下)

この段階から、「アルツハイマー型認知症である」と言われるようになります。周囲の人も気づき始めます。

「この人はだれか」ということが分からなくなったり、新しく知り合った人を覚えられなくなったり、スケジュール管理能力が落ちていったりします。

2-4.段階④軽度(あるいは初期段階)

段階3よりも明確にわかり始める段階です。3桁の安産ができなくなったり、経理事務などの能力が減退したりします。これらに伴い、引きこもりがちになったり、人と触れ合うことにためらいを感じるようになります。

2-5.段階⑤中等度(あるいは中期段階)

この段階になると、人の手による支援が必要になります。現在の日時が思い出せなかったり、2桁の暗算ができなくなったりするため、仕事はもとより、日常生活を営むことも難しくなります。

しかし身体的な機能、身の周りのことを自分で行うこと自体には問題なく、習慣化している行動については、サポートは必要としません。

2-6.段階⑥やや高度(あるいは中期段階)

ここしばらくの記憶があいまいであり、排泄にも手助けが必要となります。近親者の顔は忘れてしまいますが、「近親者か、否か」の違いは判ります。また、自分の名前までは喪失しないことが多いようです。

人格的な変化が現れるのはこの段階です。

2-7.段階⑦高度(あるいは後期段階)

日常生活のほぼすべてを、人にゆだねている状態です。寝たきりなどになることもあり、自分自身のコントロールはほぼできません。食事をとることのみならず、「飲み込むこと」にも問題がでてきます。・

3.低い段階での発見と段階に応じた対応が必要

アルツハイマー型認知症は、確かに治らない病気です。しかし、薬などによって、進行を遅らせることができます。

家族にとって、「大切な人がアルツハイマー型認知症になった」ということを認めるのは、勇気がいることです。しかし早期に気づき、対応していくことは、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせることに寄与します。

4.進行段階とアルツハイマー型認知症の寿命の関係性

アルツハイマー型認知症と寿命の関係については、いろいろと意見が出されています。若年性アルツハイマー型認知症の場合は10~15年と言われていますが、高齢者のアルツハイマー型認知症の場合、「平均寿命」に関しては諸説あり、断定するのが難しいのが現状です。7年~15年程度とも言われていますが、個人差によるでしょう。

5.まとめ

アルツハイマー型認知症の症状について見てきました。

アルツハイマー型認知症の症状の進行7段階
1.正常段階
2.年相応(非常に軽度の認知機能の低下)
3.境界型(軽度の認知機能低下)
4.軽度(あるいは初期段階)
5.中等度(あるいは中期段階)
6.やや高度(あるいは中期段階)
7.高度(あるいは後期段階)

アルツハイマー型認知症の場合、7段階にわけられています。早期に発見―治療することによって進行を遅らせることはできますが不可逆性の病です。早めに気づいて対処していくことが重要となります。

レビー小体型認知症の3つの進行段階と予後|初期~中期~末期

レビー小体型認知症のケア

レビー小体型認知症の進行と予後について見ていきます。

レビー小体型認知症にはさまざまな症状が見られ、中には他の病気と誤診されてしまうケースもあるのだとか。

レビー小体型認知症の進行度によってどのような症状の変化があるのか、またどのようにケアをしていけばよいかについてみていきましょう。

1.レビー小体型認知症の進行は速い

レビー小体型認知症の進行

3大認知症と言われる「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」の中でも、レビー小体型認知症は進行が速いと言われていて、発症からの全経過が10年未満とされています。

ただし、症状や進行は個人差が大きく、治療やケアによって進行を遅らせることができると考えられています。

関連記事:レビー小体型認知症とは?第二の認知症と呼ばれる病

2.レビー小体型認知症の進行度別の症状とケア対策

レビー小体型認知症では、進行の初期、中期、末期に症状や身体の状態に変化が見られます。

2-1.レビー小体型認知症の初期症状

初期からさまざまな症状が見られますが、特にレビー小体型認知症で特徴的な症状は「3徴」といわれるものです。

関連記事:幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

2-1-1.レビー小体型認知症の「3徴」

レビー小体型認知症の3徴

「3徴」といわれる3つの特徴的な症状は、

  • 認知機能の動揺
  • 幻視症状
  • 運動機能障害[パーキンソン症状]

の3つの症状です。

上記のいずれかの症状が認められる場合には、レビー小体型認知症を疑った方が良いでしょう。

2-1-1-1.認知機能の動揺とケア対策

「認知機能の動揺」は高頻度で起こりやすい症状で、一日の中で数分から数時間、急にボーッとしたり、はっきりした状態を繰り返したりします。

家族、介護者の方はいまどちらの状態にあるのかを把握することが重要です。

あまり状態が良くない場合は無理に働きかけしないようにしておきましょう。

関連記事:幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

2-1-1-2.幻視とケア対策

幻視症状

レビー小体型認知症の中でも最も特徴的な症状で、人物や動物、虫などの幻視が繰り返し現れます。

本人には本物にしか見えないほど具体的に現れるため、ひどく不安におそわれたり、混乱してしまったりすることもあります。

幻視が見えている方には、「そんなものはいない!」などと否定しないことです。よく話を聞き、その話の内容に合わせて声かけや対応をしてあげるようにしましょう。

そうすることで落ち着きを取り戻すことができます。

例えば、「寝室に知らない人がいる」と言っている場合、「玄関はこちらですよ」と「知らない人」を玄関まで誘導してあげます。

そして、「間違って入ってきちゃったみたいだから、帰ってもらったよ」と本人には説明してあげましょう。

不安を感じると幻視が現れやすくなるため、夕方以降の暗くなる時間帯に多く現れる傾向があります。

屋内を明るく保つよう工夫をしたり、日中に散歩して夜に早い時間に寝られるようにしたりしましょう。

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2-1-1-3.パーキンソン症状とケア対策

筋肉がこわばることがあり、日常生活の動作が遅くなったり、歩くのがゆっくりになったりすることがあります。

ちょっとしたものにつまづいてしまうことが多くなるので、転倒しないように注意が必要です。

  • 家の中のつまづきやすいものを片づける
  • 後ろから話しかけない(振り向きざまにバランスを崩してしまう)
  • 歩くときは無理せずにステッキ・杖などを使う
  • 手すり、スロープ、滑り止めなどできる範囲で家をバリアフリー化する(介護保険サービスの住宅改修が利用可能な場合も)
  • 動きやすい服装にする

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2-1-2.「3徴」以外の症状

2-1-2-1.認知機能障害や記憶障害とケア対策

レビー小体型認知症の認知機能障害

他の認知症と同様に、物忘れのような記憶障害や、判断力の欠如、注意力の散漫などが目立ってくるようになります。

認知機能の障害が見られる場合には、ゆっくりとしたスピードで話をするように気をつけましょう。

また、一度にたくさんのことを伝えたりせず、ひとつひとつ説明し、必要があれば繰り返し確認するようにしましょう。

運動をしたり、他人との交流がこういった認知機能障害の進行を和らげることもあるので、症状が落ち着いている間は、積極的に外出をしてもいいかもしれません。

2-1-2-2.レム睡眠行動障害とケア対策

レム睡眠行動障害

睡眠中に寝言とは思えないような大声を出したり、手足をバタバタと激しく動かしたりすることがあります。

症状が出たら、部屋を明るくし、起こしてあげるようにしましょう。

ただし、身体をゆすったり、叩いたりして無理に起こしてしまうと、夢と現実の区別がつかなくなってしまい、ひどく混乱してしまうことがあるので、懐中電灯を顔に当てるなどの工夫が必要です。

また、ベッドから落ちてケガなどしないように、ベッドの周りにクッションを置いたり、柵を設置したりしましょう。

転落しないように、布団に寝るのもひとつの方法です。

2-1-2-3.うつ症状とケア対策

うつのような症状が見られ、「元気がない」「食欲がない」ということがあります。

うつ症状は、レム睡眠行動障害と同様にレビー小体型認知症の最初期に見られる傾向があります。

これらの症状が同時期に確認されるようになった場合は、認知症の専門医に相談されることをおすすめします。

うつに対しては、絶対に本人の意思に反して無理をさせるようなことのないよう注意してください。

「がんばれ」「自分でやれ」などと対応しないようにしましょう。

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2-2.レビー小体型認知症の中期の症状

この段階になると、日常生活の中で支援を必要とする場面が出て(増えて)きます。

目を離せない状態が続くので、家族だけで面倒を見ている場合は無理をせず、ケアマネージャーなどに相談されることをおすすめします。

2-2-1.パーキンソン症状の悪化とケア対策

レビー小体型認知症のパーキンソン症状

歩行が困難になり、一人で外出しようとすると転倒してしまう危険性が高いです。

外出には付き添いが必須です。

また、付き添いをしても通行する道によっては困難に感じられることがあると思われますので、目的地までどのように向かうと負担が少ないのかを事前に考えておくことが大切です。

時には多少の遠回りをしてでも、負担の少ない方を選ぶようにしましょう。

2-2-2.認知機能障害の進行とケア対策

認知機能障害について、より悪化の傾向が見られます。徐々に認知機能が低下してしまう時間帯の方が長くなってきます。

この影響もあり、幻視で見た内容からネガティブな妄想をしてしまうことがあります。妄想に伴って暴れるようなこともあるので、注意が必要です。

本人の言うことを否定したり、動きを制止しようとしたりするのはかえって余計に興奮・混乱してしまう原因となりやすいため、できるかぎり見守ることが重要です。

ある程度の「慣れ」が必要になるかと思われますが、対応が困難と感じたら専門家に相談するようにしましょう。

2-3.レビー小体型認知症の末期の症状

認知機能障害が進行し、物事の判別などが非常に困難になるケースが多く見られます。

パーキンソン症状の影響もあり、車いす生活や寝たきり生活になってしまうこともあります。

末期に症状が重くなることが多いため、場合によっては入院して治療を行うことも。

この段階になると家族が行えるケアは生活の支援などに限定されるかもしれません。

3.レビー小体型認知症の予後

レビー小体型認知症の予後

レビー小体型認知症の平均的な罹患期間は3~7年程度と幅はあるものの、他の認知症に比べて短い傾向があることが確認されています。

ただし、寿命まで初期症状のままであるケースもあれば、1~2年で症状が一気に悪化してしまうケースもあるため、非常に個人差があるといえます。

少なくとも早期に発見、対策することで進行の緩和は見込めますので、小さな変化も見過ごさず、専門家・専門機関に相談するようにしましょう。

4.まとめ

レビー小体型認知症の進行と予後について見てきました。

ケアのポイントは、「本人の意思の尊重」です。

無理はさせず、否定をせず、共感・同意・協力を行っていけるようにし、少しでも困難に感じたり、ストレスを感じたりした場合は、他者の助けを借りることが本人や家族のためになることを覚えておきましょう。