症状

ヒートショックの死亡者数は交通事故の4倍!今日からできる7つの対策

ヒートショック

ヒートショックについて見ていきます。

「ヒートショック」という言葉をご存じでしょうか。

ヒートショックとは、急激な温度変化が原因で生じる身体変化のことで、特に高齢者の身近にひそむ死亡要因の一つです。

脱衣所や浴槽などでクラッとした経験をみなさん一度は持っていると思いますが、実はその症状こそヒートショックと呼ばれるものです。

家庭内で高齢者が死亡する原因の4分の1がヒートショックに関係しているとされ、早急な対策が呼びかけられています。

そこで、ヒートショックを予防するために、この症状の注意点と対策を詳しく見ていきましょう。

ヒートショックの特徴を抑えておけば、今日からでも対策することは可能です。

ここでは、ヒートショックの詳しい内容と7つの対策を紹介します。

1.ヒートショックとは?

ヒートショックとは

  • 急激な温度変化によって起こる健康被害
  • 冬場の入浴で多く症状が現れる
  • 年間死亡者数は交通事故による死亡者数の4倍以上

ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる急激な温度の変化によって血圧が上下に大きく変動することをきっかけにして起こる健康被害のことです。

失神や心筋梗塞、脳梗塞、不整脈を起こすことがあります。

入浴時に血圧が急激に低下してしまい、そのまま失神して溺れてしまうケースもヒートショックに当てはまります。

1-1.冬場の入浴時にヒートショックが増える

東京都健康長寿医療センター研究所の調査によると、特に外気温が低くなる12月から1月にかけてヒートショックに関連する入浴中急死は最も高くなり、最も少ない8月の11倍にもなります。

住宅内で暖房をしていない脱衣所や浴室で衣服を脱ぐことで、急激に体温が下げられ、寒冷刺激によって血圧が急激に上がります。

しかし、浴そうにつかっていると温熱効果で血流が良くなるため、急激に血圧が低下します。

そして、温まった身体で寒い脱衣所に戻ることで、再び血圧が上昇します。

この血圧の変動がヒートショックを引き起こす要因となります。

1-2.ヒートショックによる死者は年間1万7000人

東京都健康長寿医療センター研究所がおこなった調査では、2011年に全国で約1万7000人もの人々がヒートショックに関連した入浴中急死にいたった、と推計されました。

交通事故による死亡者数の4倍以上であり、そのうち高齢者は8割を超える1万4000人にもおよびます。

1-3.ヒートショックの認知度は国民の約半数

ヒートショックの要因を認知促進し、予防対策を啓発していく暖差リスク予防委員会は、2014年10月に全国の20~70代の男女2500人を対象に、冬の住宅に関する調査を実施しました。

調査の結果、約半数の人がヒートショックという言葉自体を知らないということがわかりました。

ヒートショックは危険な症状ですがしっかり対策することができます。

そのためには、まずはヒートショックについて知ることが大切です。

2.ヒートショックの影響を受けやすい人

ヒートショックになりやすい人

以下に当てはまる人は、ヒートショックの影響を受けやすいため、特に注意が必要です。

  • 65歳以上の高齢者
  • 高血圧・糖尿病・動脈硬化を患っている
  • 不整脈がある

高齢者は血圧変化をきたしやすく、また体温を維持する生理機能も低下しているため注意が必要です。

高血圧の人は血圧の急激な変化に伴って低血圧を起こしやすいため、意識を失うことが懸念されます。

糖尿病や動脈硬化を患っている人も、血圧のスムーズな維持が難しくなっているため、注意が必要です。

また、飲酒後に入浴をする人、熱い湯・一番風呂を好む人もヒートショックの影響を受けやすいです。

3.ヒートショックを予防する7つの対策

ヒートショックへの対策

ヒートショックの予防には、急激な温度差をなくすことが重要です。

そのための具体的な対策を見ていきましょう。

3-1.脱衣所やトイレに暖房器具を設置

冷え込みやすい脱衣所やトイレをあたためることは効果的な対策の一つです。

居間と浴室の温度差をなくすことで、身体に急激な温度変化を与えないようにしましょう。

高齢になるほど気温や室温に対する感覚は鈍ってくるため、「寒くないからだいじょうぶだ」と何もしないのではなく、暖房器具を置いて入浴前にあたためておくようにしましょう。

ハロゲンヒーターのように、スイッチを入れてすぐあたたかくなる暖房器具が向いています。

3-2.浴室をあたためておく

脱衣所があたためられていても浴室が冷えたままでは効果は半減します。

あらかじめ浴そうのふたを開けておいたり、シャワーを活用してお湯張りをしたりすることで浴室をあたためておきましょう。

高い位置に設置したシャワーから浴槽へお湯を張ると、浴室全体をあたためられるため効果的です。

3-3.お湯の温度を38~41度に設定

シャワーや浴そうの温度が高いと入浴後の体温と浴室・脱衣所との温度差が大きくなるため危険です。

そのため、温度差を小さくするためにもお湯の温度は41度以下に設定しておくことがおすすめです。

3-4.飲酒時には入浴をしない

食後一時間以内や飲酒後は血圧が下がりやすくなっていて、入浴前後の血圧の変動が大きくなるので、ヒートショックになりやすいです。

食事・飲酒の前に入るよう心がけ、もし食後・飲酒後に入浴する場合は1~3時間程度、間を置くようにしましょう。

3-5.夕食前・日没前に入浴する

14~16時頃のように、外気温がまだ高く、人の生理機能が活動的だと温度差へ適応しやすいので、夕食前や日没前の入浴が効果的です。

3-6.家族がいるときに入浴する

家に一人のときに入浴し、万が一ヒートショック状態になってしまった場合、自分ではどうにもできません。

家族がいる時間に入浴するようにし、入浴前には入浴することを知らせてから入るようにしましょう。

ひとり暮らしの人や、家族と時間を合わせるのがむずかしい人は、公衆浴場や銭湯など人の目があるところで入浴するのも一つの方法です。

3-7.入浴前後にコップ1杯の水を飲む

体内の水分が不足すると高血圧になりやすいので、入浴の前後に水分補給をすることがおすすめです。

お湯の中につかっているため気づきにくいですが、入浴中にかく汗の量は500~800mlともいわれています。

1本のペットボトルに水を入れて、浴室に持ち込み、入浴後に飲み切れるよう、入浴前~入浴中に少しずつ飲むのもいいかもしれません。

4.入浴の仕方でもヒートショックを回避

ヒートショックを防ぐ入浴方法

入浴のしかたを一つとってもヒートショックの回避につながります。

急激な温度変化を起こさないようにする意識が大切です。

  1. 徐々に身体を温めるように手や足といった末端の部分にかけ湯をする
  2. 足からゆっくりと湯船に入る
  3. 長湯はせず、ほんのりと汗ばむ程度で出る
  4. 急に立ち上がらず、ゆっくり湯船から出る

5.まとめ

ヒートショックについて見てきました。

ヒートショックを防ぐ6つの対策
1.脱衣所・トイレに暖房器具を設置
2.浴室を暖めておく
3.お湯の温度を38~40℃に設定
4.飲酒時には入浴をしない
5.夕食前・日没前に入浴する
6.一人での入浴を控える

ヒートショックは高齢者の大きな死亡要因です。

冬場の脱衣所・浴室・トイレなど、冷え込みやすく急激な温度変化が生じやすい場所で起こりやすいことを踏まえ、対策をしましょう。

アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

アルツハイマー

アルツハイマーについて見ていきます。

アルツハイマー型認知症は250万人の患者がいるといわれ、もっとも患者数の多い認知症とされています。

しかし、「アルツハイマー」という言葉は聞いたことがあっても、どんな認知症なのかについて知らない人も多いのではないでしょうか?

そこでアルツハイマー型認知症の

  • 概要
  • 前兆
  • 症状
  • 進行
  • 周囲の対応
  • 予防
  • 若年性アルツハイマー

について解説していきます。

気になる点だけ確認してもらうだけでも、アルツハイマー型認知症への理解につながるかと思います。

1.アルツハイマー型認知症とは?

  • もっとも患者数の多い認知症
  • 脳が萎縮する病気
  • 60歳以降に症状が現れる

認知症の中でもっとも患者数が多いとされており、脳の神経細胞が長期間にわたり死んでいき、脳全体が徐々に委縮していく病気です。

そのため、記憶や思考能力が徐々に損なわれ、最終的には単純作業を行う能力さえも失われます。

アルツハイマー型認知症患者のほとんどが60歳以降に初めて症状が現れます。

1-1.日本国内のアルツハイマー型認知症患者数の推移

アルツハイマー型認知症の患者数が増加

  • 患者数は250万人を超える
  • 高齢者の増加に伴い、患者数が増えている

国内のアルツハイマー型認知症患者数は、1995年126万人、2000年156万人、2005年189万人、2010年226万人と年々増え続けています。

2015年は250万人を突破。患者数262万人となりました。

さらに、高齢者人口の増加にともない、今後数十年でより多くの人がアルツハイマー型認知症になると予想されており、2035年には330万人を超えるとされています。

1-2.アルツハイマー型認知症の寿命

アルツハイマー型認知症の寿命は人それぞれ

  • 発症から10~15年以上
  • 人によって期間はさまざま

アルツハイマー型認知症は他の認知症と比較すると、進行がゆっくりとしているため、その寿命は発症から10~15年以上ともいわれています。

とはいえ、あくまで平均的な数値に過ぎず、人それぞれの状態や環境などによって大きく変わってきます。

また、80歳を過ぎてから発症した場合は3~4年といわれています。

2.アルツハイマー型認知症の前触れ・前兆

アルツハイマー型認知症の前触れ

  • 物忘れから始まる
  • 軽度認知障害(MCI)からアルツハイマー型認知症へ移行する
  • 発見は困難

多くのアルツハイマー型認知症は軽い物忘れから始まるといわれています。

認知症と診断される5~7年ほど前から物忘れが多くなります。

アルツハイマー型認知症に移行する前段階として、軽度認知障害(MCI)になるとされていますが、この段階で発見・対策できればアルツハイマー型認知症への移行を止められるといわれています。

アルツハイマー型認知症の前触れ・前兆として見られる具体的な症状は以下のようなものです。

  • 新しいことを覚えられない
  • 人や物の名前が出てこない
  • 気が短くなる
  • スケジュールを立てられない
  • 憂うつになる

2-1.アルツハイマー型認知症になりやすい人は?

肥満女性はアルツハイマー型認知症になりやすい

アルツハイマー型認知症は女性がなりやすい?

以下はアルツハイマー型認知症になりやすい傾向の人です。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 60歳以上の高齢者(高齢になるほどなりやすい)
  • 偏食
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 女性

多く当てはまる人は注意が必要ですが、必ずアルツハイマー型認知症になるというものではありません。

反対に、多くが当てはまらないからといって、アルツハイマー型認知症にならないというものではありません。

3.アルツハイマー型認知症の具体的な症状

アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症は、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。

ここでは、アルツハイマー型認知症の症状の特徴を一緒に確認していきましょう。

3-1.記憶障害

物忘れが起きるようになります。

一般的な物忘れと違い、アルツハイマー型認知症の患者は少し前に起きた事を思い出せません。

会話中に席をはずし、5分後に戻ってきて会話を続けようとしても話題を思い出す事ができないといった例があげられます。

3-2.判断能力の低下

例えば「料理に使う食材を自分で判断出来ない」「部屋の片付け方がわからなくなる」「季節外れで、ちぐはぐな服装をする」などの行動が見られるようになります。

判断力の低下により、悪気なく万引きをしたり、詐欺などの事件に巻き込まれる可能性もあるので注意が必要です。

3-3.見当識障害

見当識障害は、記憶障害と並んで早い段階から現われる症状です。

見当識とは、日付や時間、場所など自分がおかれている状況を認識する能力です。

今日の日付や時間を間違う、通い慣れている場所がわからなくなり、症状が進むと自宅さえもわからなくなります。

また、息子を孫と間違ったり、既に成人した子どもを幼児であると思い込むなど、人に対する認識間違いが起きる事もあります。

3-4.周辺症状

家の中や外をウロウロと歩きまわる「徘徊」と呼ばれる行動がしばしば現れます。

また、大切な物を誰かに盗られたという「物盗られ妄想」を訴え、家族を疑って責めるような症状も見られます。

さらに、薬を嫌がって飲まないなどの「介護拒否」や、家族や自分の顔がわからなくなる事もあります。

4.アルツハイマー型認知症の原因

原因は不明

アルツハイマー型認知症の直接的な原因はまだ解明されていません。

脳に「アミロイドβ」や「タウ」と呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まる事で神経細胞が壊れて減り脳が萎縮するために、身体の機能が失われることがわかっています。

危険因子(アルツハイマー型認知症の発生を高める病気や習慣)としては、

  • 高血圧
  • 高コレステロール
  • 糖尿病などの生活習慣病
  • 偏食
  • ストレス
  • 運動不足
  • 頭部への強い衝撃
  • 慢性期な脳または脳周辺の炎症

などが挙げられます。

5.アルツハイマー型認知症の7つの進行段階

アルツハイマー型認知症の進行段階

  • 不可逆性で時間の経過とともに進行する
  • 7つの進行段階がある

アルツハイマー型認知症は、時間の経過とともに進行する病気で7段階の枠組みに分けられています。

この7段階の枠組みは、ニューヨーク大学薬学部シルバーステイン老化と認知症研究所の臨床部長であるバリー・ライスバーグ博士により考案されました。

5-1.段階(1)正常

記憶能力は低下しておらず、認知機能の障害がない状態です。

5-2.段階(2)年相応(非常に軽度の認知機能の低下)

  • 日頃よく使う言葉や名前を忘れる
  • メガネや財布など日用品の置き場所を忘れる

など。

健康診断で問題となることなく、友人や家族も気づかない程度の軽度の認知機能の低下が見られる段階です。

5-3.段階(3)境界状態(軽度の認知機能の低下)

  • 文章を読んでもほとんど覚えていない
  • 家族や友人が気付くほど言葉や名前を思い出せなくなる
  • 職場での作業スピードの低下に同僚が気付く
  • 計画を立て整理する能力が低下する

などの症状が現れたら、初期段階のアルツハイマー型認知症である可能性があります。

5-4.段階(4)軽度(あるいは初期段階)のアルツハイマー型認知症

  • 「100から7ずつ引く」など難しい暗算が解けない
  • 最近起きた出来事を知らない
  • 清算、支払い管理など複雑な作業ができなくなる
  • 自分の生い立ちの記憶が薄れる

などのはっきりとした症状が現れ始めます。

5-5.段階(5)中等度(あるいは中期段階)のアルツハイマー型認知症

  • 「40から4ずつ引く」あるいは「20から2ずつ引く」などの簡単な暗算が解けない
  • 服を選ぶのに助けがいる
  • 場所・日付・曜日・季節がわからなくなる
  • 現住所・電話番号・卒業した大学など大切な情報を思い出せない

などの症状が現れます。

記憶が欠落し、認知機能に障害が現れ、日常生活でサポートが必要となり始めます。

5-6.段階(6)やや高度(あるいは中期段階)のアルツハイマー型認知症

この段階では、記憶障害がかなり進行し,性格が大きく変化し、日常生活に大幅な手助けが必要となります。

  • 最近の経験および出来事や周囲の環境がわからない
  • 自分の生い立ちを完全に思い出せない
  • 配偶者や顔なじみの介護者の名前を忘れる
  • 着衣・トイレに手助けが必要となる
  • 徘徊し迷う事が増える
  • 尿失禁や弁失禁がたびたび起きる
  • 妄想や、幻覚、強迫的または反復的な行動

などの行動的症状が見られるようになります。

5-7.段階(7)高度(あるいは後期段階)のアルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症の最終段階では、患者は環境や状況に応じて反応し会話することができなくなります。

そして、最終的には体を動かす事が出来なくなります。

時には単語や文章を話す事もありますが、食事やトイレなどの日常生活を1人では出来なくなり介護が必要となります。

筋肉が硬直し、嚥下に障害が出る事もあります。

6.アルツハイマー型認知症の人にどう対応したらよいか?

アルツハイマー型認知症の人への対応

アルツハイマー型認知症にかぎらず、認知症の人には周りのサポートが不可欠です。

家族や周囲の人がアルツハイマー型認知症になった場合、どう対応したらいいのか、考えていきましょう。

6-1.怒らない、許してあげる

アルツハイマー型認知症の人は、同じ話を繰り返すことも多いのですが、怒らずに出来るだけ付き合うようにしましょう。

6-2.約束は書いておく

約束などを忘れないようにカレンダーに書き出したり、メモなどを使うのも有効です。

家族やヘルパーが薬を管理することで、薬の飲み忘れなどを防げます。

1度にたくさん飲んでしまう事もあるので飲み終わるまで見届けましょう。

6-3.迷うことを前提に対策する

外出先で迷わったときのために、連絡先を服に付けたり、小型GPSをポケットに入れるなどの対策をしておきましょう。

徘徊が始まった場合は、鍵を手の届かない場所に格納し、民生委員などにも連絡して協力をしてもらいましょう。

6-4.話を合わせてあげる

幻視や物取られ妄想などの訴えを否定すると興奮する事があるので話を合わせることも大切です。

6-5.お互いに嫌な気持ちにならないように

どちらかが我慢していると、ストレスがたまっていってしまい、後々のトラブルにつながってしまいかねません。

介護の合言葉は「使えるものは使う」。

介護サービスを使えるだけ使い、介護者と介護される側のどちらも快適に過ごせるように気をつけましょう。

7.アルツハイマー型認知症の予防と改善策

アルツハイマー型認知症の予防に運動

  • 予防には生活習慣の見直しが重要
  • 生活習慣の見直しは発症後の改善にもつながる

アルツハイマー型認知症は時間の経過とともに発症の可能性が高まり、絶対にかからないようにする、という方法は現在のところありません。

ただし、生活習慣の見直しによって、認知症発症の予防につながると考えられています。

また、アルツハイマー型認知症は、早期発見、早期治療により進行が緩やかになる事がわかっています。

異変に気付いたらすぐに、認知症専門病院、神経内科、物忘れ外来、老年病内科などに行きましょう。

大きな総合病院が近くにない場合は、かかりつけ医に相談して専門医を紹介してもらうのも良いでしょう。

7-1.生活習慣の改善

脳の状態を良好に保ちアルツハイマー型認知症を予防するには、食習慣や運動習慣を見直すことが大切です。

認知機能を重点的に使うには、知的行動習慣を意識した日々を過ごすことが重要だと言われています。

7-2.食生活の見直し

野菜・果物を食べてビタミンC、E、βカロチンを摂取し、ポリフェノールを含んだ赤ワインを飲みましょう。

青魚やカマンベールチーズを食べると発症リスクが下がるとも言われています。糖尿病患者はアルツハイマーの発症リスクも高いと言われています。

食べる時は腹八分に抑え、甘い物ばかり食べないように注意し、糖尿病を防ぎましょう。喫煙、飲酒も控えるようにしましょう。

関連記事:今日から実践できる!認知症の予防に効果的な16の食材と食事

7-3.定期的な運動

週3日以上の有酸素運動を心がけましょう。食べた後すぐ横になって寝る生活を改善し、日常的に小まめに体を動かす事も有効です。

7-4.十分な睡眠の確保

睡眠不足もまた認知症と関係があるとされています。

ストレスが原因の睡眠不足に注意し、夜更かしし過ぎないで早く寝る習慣をつけましょう。

また、30分未満の昼寝や起床後2時間以内に太陽の光を浴びるのも良いでしょう。

7-5.脳を活性化させる活動

脳の状態を良好に保つため意識的に、文章を書く・読む、囲碁・将棋・マージャンなど頭を使うゲームをするなどの知的行動習慣を身につけましょう。

  • 数日遅れの日記をつける
  • 旅行の計画を立てる
  • 料理を何品か同時進行で作る
  • 新しい事にチャレンジする

など、脳機能を集中的に鍛える行動は、発症を遅らせる効果的な方法であることがわかっています。

8.若年性アルツハイマーとは?

64歳以下の人もアルツハイマー型認知症になる可能性があります。

64歳以下のアルツハイマーは若年性アルツハイマーと呼ばれます。

若年性アルツハイマーの患者は、大事な予定を忘れたり、書類に日付を書けないなどの症状の他に、例えばドアが見えているにも関わらず部屋から出られなくなり室内を歩き回るなどの視空間失認が起きることがあります。

8-1.若年性アルツハイマー型認知症を扱った作品

若年性アルツハイマー型認知症と宣告された主人公とその家族を描いた映画をご紹介しましょう。

8-1-1.「アリスのままで」

50歳で若年性アルツハイマーを発症した女性を描いた作品。高名な言語学者でありニューヨークコロンビア大学の教授を務めるアリスは、若年性アルツハイマーを宣告され闘病の日々が始まります。

8-1-2.「ビューティフルレイン」

ある日突然、若年性アルツハイマーと診断される父親と幼い娘の親子愛を描く人間ドラマ。

8-1-3.「明日の記憶」

若年性アルツハイマー型認知症と診断された夫と、それを受け止めいたわる妻。痛みを共有し共に病と闘う夫婦の情愛を描いた感動作。

9.認知症とは?

認知症とは、後天的原因で起こる知能の障害です。

生後、正常に発達した精神機能が減退・消失し正常な日常・社会生活ができなくなる状態を指します。

10.まとめ

アルツハイマーについて見てきました。

アルツハイマー型認知症の原因は未だ不明ですが、予防方法は少しずつ解明されています。

食習慣や運動習慣など、生活習慣全般を見直すことで糖尿病、高血圧、脳卒中などの生活習慣病の発症リスクが低下すると同時に、アルツハイマー型認知症も予防可能であることがわかっています。

自身の生活習慣を今一度見直し、健康的な日々を送るように心がけましょう。

もしかして若年性認知症?チェックしておきたい7つの症状

若年性認知症 20代

若年性認知症の症状について見ていきます。

認知症は、年をとってからなることが圧倒的に多いです。しかし、若年性認知症という形で、若いときに出るものもあります。

1.若年性認知症とは?

若年性認知症とは、一般的に、64歳までにかかる認知症全般のことを指します。これについてみていきましょう。

関連記事:高齢者だけじゃない!40代50代にも忍び寄る若年性認知症とは?

1-1.若年性認知症の特徴

若年性認知症は、男性の方がなりやすいと言われています。なかには可逆性のものもありますが、不可逆性のものの方が割合としては多いです。不可逆性の場合、高齢者が認知症にかかる場合と比べて、その進行は早いと言われています。

1-2.若年性認知症の種類

若年性認知症と若年性アルツハイマーはしばしば混同されますが、若年性アルツハイマーは若年性認知症の一種にすぎません。それ以外にも、レビー小体型や脳血管性障害型などがあります。なお、アルコールのとりすぎによるアルコール性認知症なども含まれます。

関連記事:関係ないと言わず確認しておきたい若年性アルツハイマー3つの危険信号若年性アルツハイマーは20代でも発症する?

1-3.若年性認知症の原因

若年性認知症の原因は一つではありません。脳卒中などによって起こることもあれば、上記であげたアルコールによるものなどもあります。また、アルツハイマー病で、かつ極めて若い世代(20代など)でかかる場合は、遺伝的な要因も大きいと言われています。

2.確認しておきたい7つの症状

若年性認知症は、高齢者のそれとは違い、周囲の人も自分自身も気づきにくいという特徴があります。ここでは、できるだけ早く発見するために、代表的な症状についてお話します。

2-1.基本症状(中核症状)

脳に起こった障害によって引き起こされる症状全般をいいます。この症状は、若年性認知症を患った人ならば、程度の差こそあれ、すべての人に見られるものです。

2-1-1.①記憶障害

若年性認知症の記憶障害は、基本的に、「近い記憶から失われる」と考えてください。昔のことは覚えているのに、ここ数日のことが思い出せなくなることが多いです。

2-1-2.②見当障害

私たちは常に無意識に、「ここがどこか」「今日は何日か」ということを意識して生活しています。しかし若年性認知症が進むと、それらの感覚が失われていきます。

2-1-2.③判断能力・理解力・思考力の低下

「考える力」も衰えていきます。その結果、今まで当たり前にできたことができなくなります。顕著な例が、「料理のときの手順や、食材の用途の喪失」です。

2-2.日的な症状(行動・心理症状)

中核症状とは違い、これは出てくる人もいれば出てこない人もいます。個人差が大きいです。

2-2-1.④徘徊

「家に戻ろう」「仕事に行こう」などのように、本人には目的があるのですが、「家にいても家に戻ろうして徘徊する」などのような行動が起こります。

2-2-2.⑤妄想

「何かをとられたのではないか」という妄想などにとらわれてしまいます。実際には起こっていないことなのですが、本人の意識としては、それが「真実である」という捉え方になっています。

2-2-3.⑥幻視・幻覚

実際にはそこにないものが見えたり、聞こえたりします。これは本人にとっても大きなストレスです。

2-2-4.⑦抑うつ

本来なら不安になることなどない状況であるのに、強い不安にさいなまれたり、焦燥感にとらわれたりします。

3.早期発見・早期対策が重要

若年性認知症は、上でも述べたように、高齢者のそれに比べると、進行速度が非常に早いです。また、周囲の人も、まさか認知症だとは思わないため、「少し疲れているのだろう」と考えてしまいがちです。

しかし、このようにして見逃していると、症状がもっと進んでから発見することになり、対処が遅れます。進行度が早い若年性認知症だからこそ、早期発見が重要なのです。

関連記事:若年性認知症の予防のために絶対心がけたい12のルール

4.まとめ

若年性認知症の症状について見てきました。

若年性認知症の7つの主な症状
1.記憶障害
2.見当障害
3.判断能力・理解力・思考力の低下
4.徘徊
5.妄想
6.幻視・幻覚
7.抑うつ

若年性認知症は、なかなか気づかれにくい病気です。しかし代表的な症状はいくつかありますから、それに当てはまるようならば、病院に診察にいくようにしましょう。

確認しておきたいレビー小体型認知症の原因と症状

レビー小体型認知症 原因

レビー小体型認知症の原因について見ていきます。

認知症にはさまざまな種類があります。アルツハイマー、脳血管性、レビー小体型認知症など。今回はレビー小体型認知症の原因についてお話していきます。

1.レビー小体型認知症とは?

レビー小体型認知症は、幻覚が見えるという特異な認知症です。これが、アルツハイマー型との大きな違いです。しかしレビー小体型認知症の割合は、認知症全体の20%程度を占めるものであり、決して珍しいものではありません。男性に多い病であり、その男女比は2:1だと言われています。

関連記事:レビー小体型認知症とは?第二の認知症と呼ばれる病

2.レビー小体型認知症の原因

では、この「レビー小体型認知症」の原因は何なのでしょうか?

2-1.特殊なたんぱく質の塊「レビー小体」

レビー小体型認知症の原因は、レビー小体が集中することだと言われています。レビー小体は、アルツハイマーを引き起こす「アミロイドβ」と同じような「タンパク質」に分類されるものです。このレビー小体が、人間の脳において重要な役割を示す大脳皮質や脳幹に集うことによって、レビー小体型認知症が起こると考えられています。

2-2.脳の委縮

レビー小体型認知症を患うと、側頭葉や側頭葉などが委縮していきます。これらは、記憶やさまざまな情報をさばくことに使われている部分ですから、ここが委縮することによって、「情報の処理ができなくなる」という状態になります。幻視や幻覚といったことは、これらによって起きると考えられています。

3.レビー小体型認知症の症状

ここからは、より細かく、レビー小体型認知症の症状についてみていきましょう。

関連記事:幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

3-1.レビー小体型認知症の「3微」

レビー小体型認知症の代表的な症状は、「3微」と呼ばれています。これは、「幻視」「認知機能の動揺」「パーキンソン症状」の3つです。

3-1-1.幻視

レビー小体型認知症のもっとも代表的な症状は、やはりこれでしょう。普通は見えないはずのものが見える、というのが大きな特徴です。また、錯覚が起きることもあります。

これらは周囲の人には見えないため、「何を言っているんだ」と否定してしまいがち。しかし否定されることによって、さらに本人は追い詰められてしまいます。

3-1-2.認知機能の動揺

レビー小体型認知症の場合、症状が進んでも、「意識がはっきりとしており、極めて明瞭であるとき」と、「ぼんやりしていて、理解ができないとき」というのが口語に訪れることがよくあります。「徐々に進んでいく」という症状ではないため、周囲の人のとまどいも大きいです。

3-1-3.パーキンソン症状

パーキンソン病に酷似した症状がでてきます。体の動きが病的に硬くなってしまったり、逆に震え(多くの場合は手)が止まらなくなったりします。また、自律神経機能に障害がみられるようになり、排泄などがうまくいかなくなることもあります。

4.レビー小体が蓄積する理由

レビー小体型認知症になるのを避けたい、と考える人は当然多いでしょう。しかしながら、このレビー小体型認知症が「なぜ」たまるのか、ということは、現在は研究途上であり、まだはっきりしたことはわかっていません。ただ、遺伝的な要因は少ないのではないか、とは考えられています。

5.レビー小体型認知症研究会

認知症自体がそうではありますが、レビー小体型認知症もまだまだ研究途上の病気です。また、「認知機能の動揺」や「幻視」によって、周りの人たちがなかなか理解しにくい病気であることも確かです。

しかし現在は、「レビー小体型認知症研究会」というページが開かれており、さまざまな知識を紹介しています。一度覗いてみるとよいでしょう。

6.まとめ

レビー小体型認知症の原因について見てきました。

レビー小体型認知症の原因
「レビー小体」が集中することだと言われています。レビー小体は、アルツハイマーを引き起こす「アミロイドβ」と同じような「タンパク質」に分類されるものです。

アルツハイマー型認知症と同じく、認知症の代表的な例である「レビー小体型認知症」。幻覚が見えたり、症状の出方がバラバラであったりするため、周囲の人にとってもなかなか理解しにくい病気です。しかしながら、この病気を正しく理解することにより、対策も講じやすくなります。まずは知ることから始めましょう。

参考:
http://www.d-lewy.com/
http://shizunami-kokoro-clinic.com/ninchi/lewy/
http://sodan.e-65.net/basic/ninchisho/lewy.html
https://info.ninchisho.net/mci/k30

アルツハイマー型認知症の7つの進行段階とその症状

アルツハイマー型認知症 症状

アルツハイマー型認知症の症状について見ていきます。

認知症には、さまざまな種類があります。そのなかの一つである「アルツハイマー型認知症」に着目していきましょう。

1.アルツハイマー型認知症はどんどん進行していく

認知症のなかには、「治る認知症」もあります。しかし、治る認知症は、割合としては全体の15パーセントであり、頭のなかに脳髄液がたまったタイプや、事故などで頭を打ち付けた際にできた血栓による認知症などの、限られたタイプです。それ以外のものは、進行速度などや症状には違いがみられますが、不可逆性です。そして、アルツハイマー型認知症も、この「不可逆性の認知症」に当てはまります。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

2.アルツハイマー型認知症は進行状況によって7段階に分けられる

さて、このアルツハイマー型認知症ですが、これは進行状況によって、7つの段階に分けられています。

2-1.段階①正常段階

通常の状態です。アルツハイマー型認知症の症状は見られません。

2-2.段階②年相応(非常に軽度の認知機能の低下)

年を取ると、誰でも物忘れが多くなります。その段階です。ただ、この段階のときは、「症状」としてはっきりわかるものではありません。

2-3.段階③境界型(軽度の認知機能低下)

この段階から、「アルツハイマー型認知症である」と言われるようになります。周囲の人も気づき始めます。

「この人はだれか」ということが分からなくなったり、新しく知り合った人を覚えられなくなったり、スケジュール管理能力が落ちていったりします。

2-4.段階④軽度(あるいは初期段階)

段階3よりも明確にわかり始める段階です。3桁の安産ができなくなったり、経理事務などの能力が減退したりします。これらに伴い、引きこもりがちになったり、人と触れ合うことにためらいを感じるようになります。

2-5.段階⑤中等度(あるいは中期段階)

この段階になると、人の手による支援が必要になります。現在の日時が思い出せなかったり、2桁の暗算ができなくなったりするため、仕事はもとより、日常生活を営むことも難しくなります。

しかし身体的な機能、身の周りのことを自分で行うこと自体には問題なく、習慣化している行動については、サポートは必要としません。

2-6.段階⑥やや高度(あるいは中期段階)

ここしばらくの記憶があいまいであり、排泄にも手助けが必要となります。近親者の顔は忘れてしまいますが、「近親者か、否か」の違いは判ります。また、自分の名前までは喪失しないことが多いようです。

人格的な変化が現れるのはこの段階です。

2-7.段階⑦高度(あるいは後期段階)

日常生活のほぼすべてを、人にゆだねている状態です。寝たきりなどになることもあり、自分自身のコントロールはほぼできません。食事をとることのみならず、「飲み込むこと」にも問題がでてきます。・

3.低い段階での発見と段階に応じた対応が必要

アルツハイマー型認知症は、確かに治らない病気です。しかし、薬などによって、進行を遅らせることができます。

家族にとって、「大切な人がアルツハイマー型認知症になった」ということを認めるのは、勇気がいることです。しかし早期に気づき、対応していくことは、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせることに寄与します。

4.進行段階とアルツハイマー型認知症の寿命の関係性

アルツハイマー型認知症と寿命の関係については、いろいろと意見が出されています。若年性アルツハイマー型認知症の場合は10~15年と言われていますが、高齢者のアルツハイマー型認知症の場合、「平均寿命」に関しては諸説あり、断定するのが難しいのが現状です。7年~15年程度とも言われていますが、個人差によるでしょう。

5.まとめ

アルツハイマー型認知症の症状について見てきました。

アルツハイマー型認知症の症状の進行7段階
1.正常段階
2.年相応(非常に軽度の認知機能の低下)
3.境界型(軽度の認知機能低下)
4.軽度(あるいは初期段階)
5.中等度(あるいは中期段階)
6.やや高度(あるいは中期段階)
7.高度(あるいは後期段階)

アルツハイマー型認知症の場合、7段階にわけられています。早期に発見―治療することによって進行を遅らせることはできますが不可逆性の病です。早めに気づいて対処していくことが重要となります。

その症状もしかして?アルツハイマーが持つ3つの特徴的症状

アルツハイマー 症状

アルツハイマーの症状について見ていきます。

アルツハイマーは、とても難しい病気です。この病気の特徴などについてみていきましょう。

1.アルツハイマーとは?

アルツハイマーとは、認知症の種類のうちの一つです。記憶障害などをもたらす病であり、1907年に、精神科医により報告されました。その原因についてはまだはっきりとは断定できませんが、βアミロイドというタンパク質がたまることによって起こる、と考えられています。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

2.代表的な3つの症状

アルツハイマーには、代表的な3つの症状があります。ここからはそれについてみていきましょう。

2-1.①記憶障害

記憶障害は、アルツハイマーの代表的な症状のうちの一つです。物忘れが頻繁に起こるようになります。スケジュールの管理が難しくなり、約束した日時などを思い出しにくくなります。

この「物忘れ」はしばしば、加齢や疲れによる単純な「思い出せないこと」と間違えられます。しかしアルツハイマーの場合、周りの人から、「この日に約束したよね」「この日の会議のことを覚えている?」と聞かれても、「その約束(会議)があったことそのものを忘れ、思い出せなくなる」という形で見られます。

2-2.②判断能力の低下

判断能力の低下も起こります。これによって、「今までできていたことが分からなくなる」という症状がみられます。代表的なのは、「料理」でしょう。料理というのは、なれてくれば、目分量や感覚で調味料の量がわかるようになります。しかしアルツハイマーを患ってしまうと、今まで作れていた料理が作れなくなったり、極端な味になったりします。これはただの「料理の失敗」で片付けられるものではなく、明らかな異常性がみられるものです。

2-3.③見当識障害

私たちは日常の生活のなかで、意識することなく、「現在いる場所」「今日の日時」などを把握して生きています。アルツハイマーにかかると、それらの認識が乱れてしまいます。これを「見当識障害」と呼びます。

「今日の日付」「今いる場所」などがわからなくなります。また、症状が進むと、一緒に住んでいた家族の顔やその人の立場(娘や夫といった続柄)もわからなくなってしまいます。アルツハイマーが家族にとって非常につらい病気であるのは、「自分の大切な家族が、私のことを認識できなくなる」という、この「見当識障害」によるところもあります。

3.さまざまな周辺症状

上であげた3つの例は、アルツハイマーの代表的な症状です。しかしそれ以外にも、「妄想」が出てくることもあります。よくあるのは、「財布を盗まれた」のような症状です。また、自分の家にいるにも関わらず、「自宅に帰るために」と徘徊が始まったりすることもあります。

4.症状の段階

人にもよりますが、アルツハイマーは、比較的ゆっくりと進行します。しかし不可逆性のものであり、治ることはない、と考えるべきでしょう。ここからは、「進行の段階」についてお話していきます。

関連記事:アルツハイマー型認知症の7つの進行段階とその症状

4-1.きわめて早期(アルツハイマーの前触れ)

言葉が出にくくなったり、軽微な記憶障害が起こったりします。しかしこのような症状というのは、単に「仕事をやめて、人とあまり話さなくなった人」などにも起こりうる症状であるため、その症状は、なかなか周りにはわかりにくいでしょう。

4-2.軽度

迷子になったり、同じ質問を繰り返したりするようになる段階です。忘れ物が増えてくるのもこの段階です。この状況になると、周りの人も、「何かおかしいかな?」と気づき始めます。しかし、自分の親などがアルツハイマーになったとはなかなか受け入れがたいことであるため、病院に連れていくことにためらいを感じるケースもあります。

4-3.中等度

この段階になると、記憶の混乱が起こりやすくなります。妄想などが出てくるのも、中等度以降です。日常生活を自分の力で行うことが難しくなります。

アルツハイマーには、しばしば「周囲への暴力」「大声」などの症状が伴います。これは軽度のときにも起こりうることではありますが、中等度から深刻化していくことが多いです。

4-4.高度

この段階になると、「周囲と関わる能力」そのものが衰え、身体的にも、寝たきりに近い状態になります。体重が減っていったり、飲み込む能力が衰えたりするため、人の手を借りなければ生活することができなくなります。

5.まとめ

アルツハイマーの症状について見てきました。

アルツハイマーの代表的な症状
1.記憶障害
2.判断能力の低下
3.見当識障害

アルツハイマーは、「今まで頼っていた人が変わっていく」という病気であり、親しい人であればあるほど、受け入れることが難しいものです。

しかしアルツハイマーは、徐々に進行していくものです。代表的な症状を知り、早期の段階で受診し、対策に努めるようにしたいものです。

参考:
http://www.ninchisho.jp/kind/01.html
https://info.ninchisho.net/type/t10
http://www.mental-navi.net/ninchisho/rikai/shojo1.html

幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

幻視症状

レビー小体型認知症の症状について見ていきます。

三大認知症のひとつ、レビー小体型認知症。認知症の種類は数多く、厳密に分類すると数十に及びますが、このレビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症・脳血管性認知症と並んで、発症例が比較的多い種類です。

レビー小体型認知症にはさまざまな症状があるため、別の疾患と勘違いされてしまうことが多くありました。そのため、早期発見が遅れてしまいがちでした。しかし、レビー小体型認知症にも手がかりとなるような特徴を持つ症状はあります。

では、どのような症状の場合に専門医に相談するべきなのか? その点を一緒に学んでいきましょう。

1. レビー小体型認知症の特異な症状

レビー型認知症の症状認知症は少しずつ進んでいく疾患で、周囲がすぐに気が付かないことが多い点が厄介です。とはいえこの疾患の場合、「とてもリアルな幻視・幻覚」が初期症状から目立つという点でアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症とは異なります。

関連記事:レビー小体型認知症とは?第二の認知症と呼ばれる病

2. レビー小体型認知症の主な症状「3徴」

レビー小体型認知症の症状はさまざまですが、中でも、認知機能の動揺・幻視症状・運動機能障害(パーキンソン症状)の3つは発症率が高いです。そのため、これらの症状はレビー小体型認知症の「3徴」と呼ばれています。家族がレビー小体型認知症を患っているかどうかを確かめたいときは、最初にこの3つの症状の有無をチェックするとよいでしょう。

これらの症状は、発症する時期としない時期を繰り返すという特徴を持ちます。1日の中で症状が出たりおさまったりと、短時間で変動するケースもあれば、月単位で変化するなど長期的なケースもあります。

2-1. 認知機能の動揺

認知機能の動揺認知機能とは、目や耳を通して入ってきた情報を正確に認識し、実行に移す際に欠かせない能力全般を指します。判断力や見当識、記憶力や計算力等、この機能に含まれる能力は広範囲に及びます。

レビー小体型認知症を発症して認知機能が不安定になると、以下のような判断ミスを繰り返します。

2-1-1. 人を正しく判断できなくなる場合

「家族のような極めて近しい人物の顔を見極められなくなる」「家族を赤の他人と間違える」といったケースがよく報告されています。

2-1-2. 場所を正しく判断できなくなる場合

「自宅にいながら、どこかよその場所にいるような思い違いをする」「突然、トイレや浴室の場所を思い出せなくなってしまう」といったケースがよく報告されています。

2-1-3. 時間を正しく判断できなくなる場合

「真夏なのに、今が冬であるように思い込んでしまう」、「自身が若かったころに戻ったかのような言動を見せる」といったケースがよく報告されています。

これらの誤った認識が原因で、それまで当たり前のようにできていたことが突然できなくなってしまいます。症状が進むと、誤った認識に基づいたまま判断するようになるため、思い込みが強くなります。

2-2. 幻視症状

幻視症状幻視とは、目の前にないものが実在するように見えてしまうことです。脳の一部(後頭葉)の機能が正常に働かなくなることが原因です。発症者の目には、他人や小動物が映ることが多いようです。「誰もいない場所に向かって話しかけていた」、「何もいないところで必死に払いのけるような行動をしていた」といった例が多く報告されています。知らない人が見えることもあれば、知り合いが見えることもあり、また、小動物が見えるケースでは犬や猫、昆虫や蛇等が多く幻視症状として現れるそうです。

これらの幻視症状は、発症者の妄想を強めてしまうことがあります。知らない異性が見えてしまうことで、「夫(あるいは妻)が自分に隠れて浮気をしている」といった思い違いをしたケースが報告されています。そのほか、幻聴・錯視・変形視といった症状を伴うことがあります。

2-3. 運動機能障害(パーキンソン症状)

こけるパーキンソン病とは、手足の震えや筋肉の固縮のような運動機能の異常をもたらす病気です。このパーキンソン病と共通する症状が相次いでみられることがあります。

2-3-1. 振戦(手足の震え)

じっとしているときでも、手や足が震え出してしまいます。

2-3-2.無動

動作全体が緩慢になり、声を大きく出せなくなったり抑揚のない話し方しかできなくなったりと、会話に支障が生じます。そのほか、まばたきの減少を伴うことがあります。

2-3-3.筋肉の固縮

筋肉が固くこわばります。そのため、関節がスムーズに動かなくなります。

2-3-4.姿勢反射障害

立って歩くときに全身のバランスをうまくとれなくなります。だんだん歩幅が小さくなり、小股で歩くようになりま す。悪化すると、何もないところでも躓いてしまい、転んで大けがをしてしまうといった危険性が生じます。

2-3-5.その他

「食事の際に、噛んで飲み込むことがうまくできなくなる」、「大きくてはっきりした字を書けなくなる」といった症状が出る場合も。

2-4. レビー小体型認知症に見られるその他の症状

鬱自律神経障害や記憶障害が出ることもあれば、睡眠中に奇声を発したり激しく暴れまわったりするレム睡眠行動障害という症状が出ることもあります。

2-4-1. 自律神経障害

自律神経は、内臓や血流といった人体の重要な器官の機能をコントロールしています。この機能にトラブルが生じてしまうと、以下のような症状が発生します。

2-4-1-1. 抑うつ

初期の段階で見られる症状のひとつです。うつ状態と誤認されることが多いです。食欲の低下や不眠症、行動意欲の低下にめまいといった症状が中心です。

2-4-1-2.血流に関する障害

血圧の変動が激しくなる、起立性低血圧(立ちくらみ)が頻発する、といった症状があります。

2-4-1-3.発汗障害

多汗症(暑くないときでも、大量の汗が出るという症状)が有名です。また、その反対で汗の量が極端に減ってしまうケースもあります。

2-4-1-4.排尿障害

尿失禁をはじめ、尿の調節ができなくなります。

2-4-1-5.消化機能の障害

便秘やイレウス(腸閉塞)を引き起こすがあります。

2-4-2. 記憶障害

「だんだんと物忘れが激しくなっていく」といった記憶の混乱は、レビー小体型認知症では珍しくありません。ただし、そのほかの症状と同時に進行します。初期段階においては、幻視や認知機能の動揺等と比べると目立たないことが多いです。その点が、アルツハイマー型認知症との大きな違いです。アルツハイマー型認知症の場合は、あくまでも記憶障害が症状の中心になっています。

2-4-3. レム睡眠行動障害

人間の睡眠はレム睡眠・ノンレム睡眠に分けられ、夢を見ている間はレム睡眠に入っていることがほとんどです。レビー小体型認知症になると、このレム睡眠の最中に、夢の内容に合わせた行動を見せることがあります。

睡眠中に大声を出したり、暴れまわったりするようになるのですが、その規模は単なる寝言や、寝相の悪さという範囲を超えています。極端な場合、起き上がって歩き出すことまであります。

3. 早期発見が重要!

早期発見早期発見は、症状改善のケアプランをいち早く立てることができるため、非常に重要です。しかし、レビー小体型認知症は別の疾患と誤解されやすく、早い段階での適切な診療は容易ではありません。そのため、「3徴」の傾向が見られたら、速やかに専門の窓口に相談されることをおすすめします。

レビー小体型認知症には現在、症状に合わせてさまざまな治療法が確立されています。適切な治療法を突き止めるためにも、早期発見による専門医の診察は大切です。

4. まとめ

レビー小体型認知症について見てきました。

早期発見をレビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症と比べると認知度が高くありません。そのため、初期の段階では違う病気と誤解され、適切な診療が遅れる傾向がありました。

しかし、幻視症状をはじめとした特徴があります。アルツハイマー型ほど顕著ではない記憶障害、認知機能や運動機能といったその他の症状も、早期発見の大きな手がかりです。こうした正確な情報を把握し早めに症状を見抜いて、的確な治療に乗り出すことが重要でしょう。

参考:
http://www.kikuchi-nhp.jp/pdf/rebi-syotai201206.pdf
http://www.d-lewy.com/index.html
https://info.ninchisho.net/type/t20
http://www.ninchisho.jp/kind/06.html
http://www.aricept.jp/alzheimer/e-clinician/vol59/no608/sp08_01.html
http://www.juntendo-koshigaya.jp/clinic/neurology/dlb.html
http://www.eisai.jp/medical/region/phar/hospha/2013_3/visual.pdf

働き盛り世代が万引きやモラハラ?ピック病の特徴・症状と状況に応じたケアとは

ピック病

ピック病について見ていきます。

「ピック病」は家族や周囲の人が驚いてしまうほどその人の人格を変えてしまう病気で、万引きや痴漢行為をするといった異常行動も見られます。

決定的な治療方法もないと言われているピック病に自分や家族がかかっていることを発見するために何をし、症状をどのように和らげることができるのでしょうか。

ピック病の症状や原因などの詳しい情報を確認した上で、早期発見や患者に対するケアといった対策について見ていきましょう。

1.ピック病とは?

ピック病で万引き?

ピック病とは、脳の前方にある前頭葉と横側にある側頭葉が萎縮する(やせてしまう)ことで引き起こされる神経変性の病気です。

人格や言動に障害が表れるのが特徴で、初老期(40~60歳)に起こりやすく、詳しい原因はいまのところ判明していません。

「前頭側頭型認知症」の一種と考えられているピック病は、アルツハイマー型認知症などと比較すると、社会的な認知度が極めて低く、初めて耳にされる方も少なくないでしょう。

また、現状では明確な診断基準がないため、実際にかかっても気づかれなかったり、場合によっては他の病気と誤診されてしまったりすることもあります。

参考:脳のピック病前頭側頭型認知症

2.ピック病の症状

2-1.人格障害

暴力性

  • 認知症の中で最も強い人格障害
  • 反社会的行動にも及ぶ
  • 栗田貫一さんもピック病が原因でモラル・ハラスメント?

ピック病の最も大きな特徴とも言うべきは人格障害です。

アルツハイマー型や脳血管性の認知症でも確認されることがありますが、ピック病の場合は非常にこの症状が強く表れます。

普段おとなしかった人が大声を出して騒がしくなったり、明るく社交的だった人がふさぎがちで部屋にひきこもってしまったり、と周囲から見ると急に変貌したかのように人格が変わってしまうことがあります。

また、一般的に反社会的ともとれる行動を起こすことも少なくありません。

周囲に暴言を吐いたり、万引きをしたり、痴漢をしたり、運転時に高速道路を逆走したり、といったことを悪気もなくしてしまいます。

それらについて注意する、咎めるなどしても、本人は気にも留めず、場合によって怒りだしてしまうこともあります。

ピック病患者は自分の病気に対する病識(病気であることの認識)がなく、かつ社会的な通念による「抑制」に対し無関心になるため、本能的な行動が目立つようになることが原因となっています。

残念ながら、社会全体にピック病に対する理解がないため、上記のような反社会行動によって、失職するなど社会的地位を失うケースもピック病の人には珍しくないと言われています。

声優、ものまねタレントとして知られる栗田貫一さんもテレビ番組でピック病の疑いがあると診断されました。

番組内では、栗田さんと妻・大沢さやかさん(女優)の生活の様子が取り上げられ、そこでは乱暴な言葉を浴びせたり、急に怒り出したりなど、「モラル・ハラスメント」と思われる言動が見られました。

他にも、いきなり車を購入するといった一見異常行動とも思える場面も。

脳検査の結果、「前頭側頭型認知症(ピック病)」の疑いがある、と診断されていました。

実際のところ罹患しているかどうかについてはわかりませんでしたが、栗田さんの様子は正にピック病の人に見られる障害に似たものでした。

2-2.行動障害(常同行動)

時間を気にする

  • 時刻表的生活
  • 滞続言語

ピック病では行動障害として「常同行動」の傾向が見られます。

常同行動とは、特定の行動や発言を何度も繰り返す状態のことを指し、手を叩くなどの単純な行動から、いつも同じものを持ちたがる、など繰り返される「行動」の範囲は非常に広いです。

この行動は自閉症患者や精神分裂症患者にも見られるため、誤解や誤診されるケースがあります。

常同行動の主だったものとして以下の2点が挙げられます。

  • 時刻表的生活

時刻表的生活とは、毎日「時刻表通り」のように決まった時間に決まった行動をすることです。

時間軸は分や時間単位のケースもあれば、「木曜日はお昼に近くのパン屋でフランスパンを買ってくる」といった曜日で考えるという場合もあります。

  • 滞続言語

滞続言語も常同行動に見られる特有の症状です。

滞続言語とは、話の流れや質問に関係なく同じフレーズ(単語、文章など)を繰り返す症状を指します。

参考:脱抑制行動、常同行動

2-3.失語症症状(進行性失語症)

ピック病では、失語症の症状が表れることがあります。

スムーズに言葉が出てこず、そういった機会が徐々に増えていきます。

2-4.ピック病のその他の症状

その他の症状

  • 意味性認知症
  • 自発性の低下
  • 注意の転動性の亢進、維持困難(影響されやすい)

ピック病では上記のような症状も現れます。

意味性認知症では、言葉の意味がわからなくなってしまったり、物の名前がわからなくなったりします。

自発性の低下により、常同行動以外には何もしなくなることがあり、また、質問を投げかけても特に考えることなく「適当に」答えるような場合があります。

また、注意がそれやすく、外部からの刺激にすぐ反応してしまい、他者が話したことをオウム返ししたり、書いてある文字を読み上げたり、外部の刺激が無くても、落ち着いていられないということもあります。

このように様々な症状がピック病では発症します。

3.ピック病の症状段階

ピック病の経過

3-1.ピック病の初期症状

常同行動や人格障害は、発症初期の頃から目立ちます。

これらを止めようとすると怒りだして、暴力を振るったりすることもあるため、この病気について知っていればわかりやすいとも言えるかもしれません。

ピック病の疑いがある場合は、早期に専門機関に相談されることをおすすめします。

3-2.ピック病の中期以降の症状

ピック病が進行するにつれ、自発性の低下が顕著になり、活動性や意欲が無くなっていきます。

対して、初期症状としてみられた、粗暴な言動は減っていきます。

常同行動は続きますが、複雑な行動が減っていき、単純行動の反復が増えていきます。

徐々に運動機能も低下していくため、何もせず寝たままで一日を過ごすようになっていきます。

4.ピック病の治療方法

具体的な治療法や、進行を抑えるための薬は現状ではありません。

一般的には対症療法として、行動障害の症状を抑えるために抗うつ薬や抗精神病薬を利用することは多くあります。

参考:脳のピック病

5.ピック病の原因

前頭葉と側頭葉

「ピック球」と呼ばれる異常な構造物が神経細胞内に溜まっていくという状態が確認されますが、ピック病の詳しい原因というのは判明していません。

アルツハイマー型認知症が少しずつ病気の原因が解明されているのに対して、ピック病はピック球以外の特徴的な病理がないため、研究が遅れています。

5-1.診断基準がなく、誤診されやすい

日本国内にピック病の人は約1万人いると推定されていますが、明確な診断基準がなく、誤診が多い病気であるため、実際にはもっと多いとも考えられています。

アルツハイマー型認知症や、うつ病、統合失調症と誤診されるケースがあり、適切ではない治療を受けることで症状の進行を早めてしまう可能性が危惧されています。

5-2.若年層に多い傾向

働き盛りともいえる40代~50代に発症するケースが多く、他の認知症と比較すると、若年層に多いと言えます。

6.ピック病と他の認知症との違い

ピック病と他の認知症ではどのような違いがあるのか、確認してみましょう。

6-1.症状の違い

症状の違い

症状の違いとしては、特に「人格障害」が大きく目立ちます。

時に反社会的な行動をとってしまうこともあり、周囲からは「人が変わった」と見られることが少なくありません。

他の認知症では「もの忘れ」が顕著に出るケースが多いですが、ピック病の場合はあまり目立ちません。

参考:アルツハイマー型認知症の7つの進行段階とその症状幻視が危険信号!レビー小体型認知症に見られる主な3つの症状

6-2.病気の部位

脳の前頭葉や側頭葉に萎縮が起きることが特徴です。

ほぼ同義と考えられていますが、ピック病は「前頭側頭型認知症」の一つであるとされています。

7.ピック病になりやすい人

中年期の男女

7-1.ピック病の平均発症年齢は49歳

40代~60代の働き盛りの世代に多く見られ、平均発症年齢は49歳です。

7-2.ピック病に性差は見られない

他の認知症に性差があるのとは異なり、ピック病に性差はほぼ見られません。

7-3.ピック病は遺伝する?

日本ではピック病の家族歴(患者の家族や近親者の病歴)はほとんど確認されていませんが、海外では家族歴を認めるケースがあり、判断がわかれるところです。

ただし、家族同士は生活環境・生活様式が非常に似通っていることが多いので、そのことが影響している可能性も否定できません。

8.ピック病と介護~家族がピック病になったら~

家族のケア

8-1.ピック病の「人格障害」へのケア

行動はワンパターンであることが多いため、2回目以降は行動の予測がしやすいです。

一人での外出はさせないようにし、問題行動を起こす場所では先回りして周囲に理解をもらうようにしましょう。

周囲に暴力などの迷惑行為をはたらくようなことでもないかぎり、本人の行動を遮るようなことはせずに、見守るようにしましょう。止めようとすると、かえって興奮させてしまうことになります。

また、外部からの刺激に非常に「影響されやすい」ため、こちらが感情的になってしまうと、さらに興奮してしまう可能性が高いです。

ピック病の人を寛容に受け入れる姿勢が重要と言えるでしょう。

8-2.ピック病の「常同行動」へのケア

常同行動は遮ったり乱したりしなければ、むしろスケジュール通りに規則正しく過ごせるため、本人のためにもなるとも言えます。

本人の常同行動にうまく合致するように、作業的な日課を用意してあげて、うまく同じような行動を続けてもらうようにしましょう。

「気分転換に」と言って、色々なところに連れ出したり、新しいことをさせたりすると、急激な変化や刺激に弱いので、機嫌が悪くなるなどピック病の人にとってあまり良くありません。

いい意味で常同行動を「利用」しましょう。

8-3.決して無理はしない

ピック病は、前述の通り、暴言を吐く、暴力をふるうなどの激しい言動が見られる傾向もあるため、介護者にとっても非常に負担となります。

決して無理はしないようにし、デイサービスや老人ホームの短期入所を利用したり、ケアマネージャーに来てもらったりするなど、外部の施設やサービスにお願いすることも選択肢の一つに入れるようにしましょう。

9.ピック病の早期発見のためにできること

できること

ピック病の初期症状で見られる常同行動や人格障害、粗暴な言動は、他の認知症と比較すると表に出る症状としてわかりやすいとも言えます。

自分の家族や周囲の人が、いままでとまるで変わってしまったように感じられたら、できるかぎり早い段階で病院、専門機関に相談するようにしましょう。

10.まとめ

ピック病について見てきました。

この記事のまとめ

1.ピック病は若年層に見られ、診断基準が曖昧なために他の病気と誤診されやすいという特徴を持つ

 

2.ピック病では人格障害・行動障害・失語症などの症状が見られる

 

3.ピック病では人格障害や行動障害に合せた理解・ケアと、決して無理はしない(させない)という姿勢が重要

ピック病を知らない人からすれば驚くような症状ですが、知っていることで対処もしやすくなるのではないでしょうか。

また、遠慮せずに専門家の意見を聞くようにしましょう。

参考:
http://www.aricept.jp/alzheimer/e-clinician/vol59/no608/sp06_02.html
http://www.kikuchi-nhp.jp/pdf/monowasure_gairai/monowasure_gairai2.pdf
http://www.ninchisho.jp/kind/04.html
http://www.juntendo-koshigaya.jp/clinic/neurology/ftd.html
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000300/hpg000000264.htm
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20150511-OHT1T50112.html
http://www.benesse-kaigo.jp/kaigo-chie/vol12