種類

しっかり理解しておきたい軽費老人ホームの3つの種類

軽費老人ホーム

軽費老人ホームについて見ていきます。

軽費老人ホームの種類とそれぞれの特徴について知ることで、他の介護施設との比較検討に役立ててみてはいかがでしょうか。

1.そもそも軽費老人ホームとは?

軽費老人ホームは、経済的な状況や家庭の環境に起因し家族との同居が困難な高齢者向きの老人施設です。自治体が助成する為、経費で入所する事が出来、「軽費老人ホームA型」「軽費老人ホームB型」「ケアハウス(軽費老人ホームC型)」の3つを総称し「軽費老人ホーム」と呼んでいます。この項では検討にあたってのメリット・デメリットやそれぞれのタイプの違いについて紹介をします。

近年よく名前を聞かれる「ケアハウス(軽費老人ホームC型)」は1990年代以降増設され、反面軽費老人ホームA型(以降略称A型とします)、軽費老人ホームB型(以降略称B型とします)はこの年代以降増設がありません。そして2008年には従来あったA型・B型、ケアハウスがケアハウスの類型に統一されました。(現在A型B型は介護者受け入れの為にケアハウスに建て替えるまでの「経過的軽費老人ホーム」とされています)。

1-1.軽費老人ホームにはどんなメリットがある?

軽費老人ホームのメリットは、読んで字の如く自治体からの助成により安い費用で入所する事が出来るという点です。しかし「自宅で生活できない」「親族による介護を受けられない」という点が条件になります。

入所を検討するにあたっては「家族との同居困難、身寄りがない」高齢者の為の制度という点、福祉のライフラインである事を考える必要があります。

1-2.軽費老人ホームのデメリットは?

軽費老人ホームのデメリットは、原則として家族との同居困難者に限定されること、A型B型では年収制限があり、一定以上の収入がある場合には入所の対象とならないという点です。

つまり同居の家族が高齢者の生活の場として軽費老人ホームを検討するというのは考えづらい事となります。

現在主流を占めているケアハウス(従来のC型)には所得制限はありません。しかし入所時に一時金がかかります。

軽費老人ホームは自治体が資金面を助成し、社会福祉法人や医療法人が事業主体となっています。福祉的側面が大きい為年収が高い、家族間の連携があるなどの部分で選択肢がある場合は、民間事業である有料老人ホームを検討する事になります。

1-3.軽費老人ホームの入所基準

軽費老人ホームの入所基準には、原則として「自分の身の回りの世話が出来る事」とされています。また、A型B型の場合、食事サービスの有無が大きな違いですが、自炊前提の軽費老人ホームもあります。

認知症を患うなど他人との共同生活に困難が生じる場合、退所を余儀なくされる事もあります。しかし軽費老人ホームに入所後にも介護を受ける事が出来るケースもあります。
「介護付きケアハウス」は、介護保険の導入により介護1以上に認定された場合でも入所出来るという点が人気を集めています。しかし、その人気ゆえに入所待ちが発生しているのが現状です。

1-4.軽費老人ホームへの入所手続の手順

軽費老人ホームへの入所手続きは、自治体でなく各施設へ行います。入所にあたっては面談等の手続きが必要です。

  • 入所申込書を作成する
  • 面談(来訪または訪問)
  • 必要書類(収入証明書・住民票・健康診断書など)を提出
  • 介護者状況、介護の必要性、要介護度、資産収入額等から総合的判断の上入所決定

以上が大まかな手続きの流れです。状況は申込者の数などにも左右されます。

入所にあたっては事前に下調べをし、必要書類などをしっかりと準備する事が必要です。また、A型B型は建て替えの途上にある為、施設数が減少している反面長期入居者が高齢化しています。その為新規の入居は難しい場合が多いですが、施設によっては定員に満たない場合もあり入居可能な事もあります。

手続きは各施設の状況と個別に対応している点を留意すると良いでしょう。

2.軽費老人ホーム3つの種類

軽費老人ホームは、A型、B型及びC型(ケアハウス)に分かれています。2008年以降全てC型のケアハウスと同形式になる方向で建て替えが進んでいますが、現在もA型、C型は機能している為一度全ての違いを把握しておけば検討時に有効です。

以下でそれぞれの特徴をみます。

2-1.軽費老人ホームA型

軽費老人ホームA型は老人福祉法の下、老人ホームとして定められた福祉施設です。
運営補助資金の助成は、地方自治体や国が行います。

2-1-1.軽費老人ホームA型のサービス内容

A型のサービス内容は、自立はしているものの自炊が出来ない高齢者向けの老人ホームです。身の回りの事は自分で対処できるものの、身体能力の低下などにより自立した日常生活を営むことに不安がある方で、入所すれば食事サービスがつくという点がB型との相違です。

2-1-2.軽費老人ホームA型の対象者

対象者は以下の通りです。

  • 60歳以上の高齢者(夫婦の場合、どちらか一方が60歳以上)
  • 家族との同居困難、または身寄りがない事
  • 身の回りの事が自分で出来る
  • 利用者の生活費に充てられる資産・所得・仕送り等合算が施設利用料の2倍程度(35万円以下)

2-1-3.軽費老人ホームA型の利用料

A型の費用は、一般的に生活費と介護サービス費を合算して月々3~17万円程度です。平均では5万円程度と考えて良いでしょう。

生活費の内訳は居住費・サービス提供費・日常生活費・食費となります。

初期費用は0円~数十万円で、必ず初期費用のかかるケアハウス(C型)と異なり特に必要ない場合もあります。

この金額は、負担出来る能力に応じて入居者本人並びに扶養義務者(配偶者・子供等)が負担します。自己負担額がどれ位になるのかは自治体により異なります。

また、福祉的色合いの強いシステムの為、扶養義務者もしくは本人が生活保護対象者などの場合には、サービス提供費が低くなります。この点は検討の際に留意しておくと良いでしょう。

2-1-4.軽費老人ホームA型の設備

A型の設備として、居室は原則として一人入居前提の個室です。施設により夫婦入居用の2人部屋が用意されている事もあります。居室内にトイレが用意され、通常浴室付です。食事サービスがある為キッチンはついていません。そのかわり食事をとる食堂が設置されています。理容室等は外部サービスを利用する必要があります。基本的にバリアフリー設計です。

2-2.軽費老人ホームB型

B型もA型と同じく、老人福祉法の下老人ホームとして定められた福祉施設です。運営等はB型とほぼ同じであり、2008年以降はケアハウス(C型)に建て替えが進んでいるのが現状です。

2-2-1.軽費老人ホームB型のサービス内容

B型のサービス内容はA型のサービスから食事提供を無くしたものです。そのかわりキッチン設備が居室についています。身の回りの事は自分で対処できるものの、身体能力の低下などにより自立した日常生活を営むことに不安がある方、なおかつ自炊が出来る方を対象としています。

2-2-2.軽費老人ホームB型の対象者

対象者はA型と殆ど同じです。食事サービスがつかない為、

  • 60歳以上の高齢者(夫婦の場合、どちらか一方が60歳以上)
  • 家族との同居困難、または身寄りがない事
  • 身の回りの事が自分で出来る(自炊の可能な程度)
  • 利用者の生活費に充てられる資産・所得・仕送り等合算が施設利用料の2倍程度(35万円以下)

2-2-3.軽費老人ホームB型の利用料

施設利用料は、A型に比べると自炊の分費用が少なくなります。入居一時金はかからないかかかっても定額の場合が多く、福祉サービス費を含めても10万円以下程度の施設が一般的です。

2-2-4.軽費老人ホームB型の設備

A型と概ね同じであり、相違点としては自炊の為のキッチン設備が用意されています。食事をつくる事が困難で無い方にとって、自炊は大きな老後の楽しみの一つです。食堂は設置されていません。基本的にバリアフリー設計となっています。

2-3.ケアハウス(軽費老人ホームC型)

2008年以降、軽費老人ホームは統合されケアハウス(C型)に移行しています。ケアハウスの特徴は、「一般(自立)型」と「介護(特定施設)型」に分かれており、後者では軽度から要介護重度の方までが入所できるという点です。この点がA型B型とは大きく異なります。

2-3-1.ケアハウス(軽費老人ホームC型)のサービス内容

サービス内容はA・B型の内容に加え、「介護(特定施設)型」では生活援助、身体介護が含まれます。これは特定施設入居者生活介護の指定に基づきます。機能訓練(いわゆるリハビリ)や医療ケアが充実した施設もありますが、後に触れるようにこのためケアハウスは入所一時金がA・B型に比べて高くなるという点があります。

2-3-2.ケアハウス(軽費老人ホームC型)の対象者

対象者は一般型のケアハウスと介護型のケアハウスで異なります。

  • 一般型…「60歳以上の高齢者または夫婦のどちらかが60歳以上」
  • 介護(特定施設)型…要介護1以上の65歳以上の高齢者

なお、介護型の場合認知症は一部対応しています。共同生活は必須となります。他はA・B型と概ね同じですが、資産関連の制約はありません。

2-3-3.ケアハウス(軽費老人ホームC型)の利用料

利用料で大きく異なるのは、入所の初期費用がA・B型に比べると高いという点です。しかし、一般(自立)型の場合無料の施設もあります。

介護型の場合、施設によっても異なりますが数十万円から数百万円の初期費用と、16,7万から20万円程度の月額利用料がかかります。一般型についても7万~13万程度の月額利用料になります。しかしこちらも、貧困や生活保護などの条件下では少ない方が優先されます。

2-3-4.ケアハウス(軽費老人ホームC型)の設備

ケアハウスは基本的にバリアフリー設計です。また、共同生活室(食堂・リビング兼用)、居室・浴室・トイレなど共同設備が用意されています。原則として個室となりますが、夫婦用の2人部屋のある施設もあります。

3.軽費老人ホームの入所は難しくなっている?

福祉の色合いの強い軽費老人ホームですが、民間運営の老人ホームに比べると金額が安い為人気があります。また、各施設の状況にも左右されます。

しかし、老人ホームや高サ専など様々な形式の老人施設がある現在、必ずしもケアハウスの入居難易度は高くありません。2000年代にかけて入居者数が増加してから落ち着いた為、比較的すんなりと入居できるケースも多いようです。

4.今後はケアハウスの基準に統一される?

ケアハウス(C型)の特徴はバリアフリーと介護設備が整っている点であり、2008年以降は基本的にこの形式で新規に建てられています。また、従来のA・B型は1990年を境に入居者が減り、民間事業者による介護型ケアハウスへの参入(設立や運営)によってC型のケアハウスに統合されていく形になりました。A・B型は今後はケアハウスの基準に統一されます。

5.まとめ

軽費老人ホームについて見てきました。

介護時に名前を聞く「ケアハウス」は、従来軽費老人ホームC型に分類されており、介護対応できる部分が最大のメリットでした。

現在はこの形に統一される形でA・B型からの移行が進んでいます。

その為、軽費老人ホームを検討する時にはケアハウスの項目をみる事がよく、その中でも入所予定者が「一般(自立)型」か「介護(特定施設)型」かの判断が必要です。

後者の入所一時金と入所施設の使用料を確認した上で、入所決定時には直接各施設への申し込みとなります。

そして、現在様々なタイプの老人施設があり、少子高齢化に伴い金額も安くなっています。

金銭的な事情に限れば福祉的要素の強いケアハウスは比較的安い方ですが、サービスと金額の事を考え入所者のコンディションも考慮すると、ケアハウス以外の選択肢も考えられる場合があります。現在はそれほど入所が立て込まない傾向があります。

他の老人施設検討の時と同様、幾つかの選択肢を並列して検討する事が必要です。

認知症にはどんな種類がある?認知症種類別の特徴まとめ

認知症の種類

認知症の種類について見ていきます。

「認知症」と聞いて、漠然としたイメージをお持ちの方も多いと思います。実は認知症にはその原因や症状によって、種類が分かれており、それぞれに行うべき対処法も異なっています。

ここではまず、認知症にはどのような種類があるのかについてご紹介していきます。

1.認知症とは?

人間の活動をコントロールしている脳。脳の細胞がいろいろな原因で壊れてしまったり、働きが悪くなると精神や身体に障害が起こります。認知症とは、そのような障害が約6カ月以上継続し日常生活、社会生活を営めない状態を指します。

65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は2012年時点で約462万人、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の高齢者も約400万人いるとされており、65歳以上の4人に1人が認知症とその“予備軍”であることがわかっています。

さらに2015年1月に発表された厚生労働省の推計によると、2025年の認知症患者は今よりもさらに増え700万人を超えるといわれています。これにMCI患者を加えると、近い将来65歳以上の3人に1人が認知症患者とその予備軍となる時代がやってくるのです。

2.認知症の種類とそれぞれの特徴・症状

認知症には「アルツハイマー型認知症」、「血管性認知症」、「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症(ピック病)」などさまざまな種類があり、原因となる病気によって症状が異なります。中でも最も多いとされる代表的な症状は「アルツハイマー型認知症」です。

2-1.アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβやタウと呼ばれるタンパク質が脳に蓄積することで、神経細胞が壊れ脳の委縮が進行し、体の機能も徐々に失われる病気です。男性よりも女性に多く見られます。

早期の診断が可能で、認知症状の起こる数年前には、紙に立体図形が描けない、時計の図に針を記入できないなどの特徴が認められます。

特徴としては、記憶障害により物忘れがひどくなる、判断能力が鈍り不必要な買い物をする、時計が読めなくなる、家の中のトイレの位置がわからなくなるなどの症状が現れます。病状が進行すると、暴言・暴力・徘徊などの問題行動、幻覚症状などが現れ、身体機能が低下し、すべての生活に介護が必要となります。

関連記事:アルツハイマーとは?250万人以上の患者がいる認知症

2-2.レビー小体型認知症

レビー小体病は、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。認知症全体の2割を占めており、男性の発症率が高く、女性の約2倍と言われています。

脳内に「レビー小体」という特殊なタンパク質が出現し、大脳皮質や脳幹に集まることにより神経細胞が壊れて減少し、認知症の症状が現れます。

アルツハイマーなど他の認知症との大きな違いは、初期の段階で「幻視」が見られることです。「知らない子どもが部屋で遊んでいる」「蛇が部屋にいる」などの幻視が本人にははっきりと見えています。

若い頃と同じように今も働いていると訴えたり、自宅にいながら自分の家ではないと思い込むなどの誤認妄想が見られることもあります。

また、手が震える、筋肉がこわばる、表情が乏しくなるなどパーキンソン病に似た症状が現れるため、パーキンソン病と間違われることもあります。

症状の進行の仕方にも特徴があり、しっかりしている時とぼんやりしている時を繰り返しながら症状が進んでいきます。

うつに似た症状や、食欲がない、眠れないなどの訴えもしばしば見られ、睡眠中に大声を出すなどのレム睡眠行動障害が出ることもあります。

関連記事:レビー小体型認知症の3つの特徴と家族がすぐ実践できるケア

2-3.脳血管性認知症

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害の後遺症として発症し、男性の方が女性よりも多く発症している認知症です。脳血管障害で脳がダメージを受けた部位によって症状が微妙に変わることが特徴です。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの治療を行うことで予防や進行の抑制が可能な認知症です。

脳血管性認知症では、「まだら認知症」と呼ばれる独特の症状が見られます。例えば、物忘れがひどく計算力が低下しているのに、判断力や理解力が正常に保たれているなどの症状があげられます。起きたばかりの出来事をすぐに忘れてしまうほど酷い物忘れがあるのに、理解力が必要な受け答えはしっかりできるなどの、できたりできなかったりする症状を「まだら認知」と呼びます。

また、脳の血流が悪い状態のときは何もできないので、調子の良い時間帯と悪い時間帯があります。朝は1人で何もできなかったのに、お昼を過ぎると介護なして過ごせることもあります。時間帯だけでなく、日によっても症状が変化します。

泣いたり怒ったりなどの感情の変化が激しくなることもあります。さらに、話しづらくなったり、箸や歯ブラシなど日用品の使い方がわからなくなる場合もあります。

2-4.ピック病・前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は前頭葉と側頭葉の委縮によって起こる病気でピック病と呼ばれることもあります。

若い人でも発症する認知症で、原因がいまだ解明されておらず有効な薬も出ていません。アルツハイマー型との違いは、記憶障害よりも人格障害が主な症状として現れることです。そのため性格・行動面の変化が目立つことが特徴です。

同じ言葉を繰り返し発し続ける、決まった時間に家の中を歩きまわる、延々と身体を揺すり続ける、机を叩き続けるなどの行動をとることもあります。

また、食行動にも異常が現れ、毎日同じ料理を食べ続けたり、驚くほど濃い味付けを好んだり、食欲が極端に旺盛になる場合もあります。

他にも、集中力が低下するため落ち着きがなくなる、言葉が出にくくなるため自分から進んで会話をしないこともあります。悪気なく万引きをしてしまうなど反社会的な行動が見られることもあります。

関連記事:働き盛り世代が万引きやモラハラ!? ピック病の症状と2つの対策

2-5.若年性認知症

64歳以下の人が認知症と診断された場合、若年性認知症と呼ばれます。物忘れがひどく仕事でミスが重なっても若いため認知症であることに気付かず、病院で診察を受けてもうつ病や更年期障害と間違われることもあります。発症年齢は平均51歳、女性よりも男性に多く見られる認知症状です。

若年性認知症は、初期の段階で記憶障害や見当識障害が見られます。そのため、大切な予定を忘れてしまったり、書類に今日の日付を書くことができなくなってしまうなどといったことが起きます。また、複数の事柄を一度に考えられなくなるので、部屋の片付けができなくなる、料理の手順がわからなくなる、無謀な車の運転をするといった危険な行動が起きることもあります。

若年性認知症は、脳血管性型とアルツハイマー型が多く、脳血管性型やアルツハイマー型以外にも、前頭側頭葉型やレビー小体型、事故による脳の損傷が原因となる頭部外傷後遺症型、アルコール性の認知症などがあり、現れる症状も型によって違います。

関連記事:高齢者だけじゃない!40代50代にも忍び寄る若年性認知症とは?

2-6.MCI(軽度認知障害)

認知機能には、記憶、決定、理由づけ、実行などがあります。MCIとは、それら認知機能のうち1つに問題が生じているものの、日常生活は支障がない状態を指します。

厚生労働省は、65歳以上の4人に1人は、認知症及びMCIであると発表しています。
また、MCIを放置すると、5年間で約50%の人が認知症へと症状が進行する可能性があると警鐘を鳴らしています。症状の進行を阻止するためにも、MCIの段階で認知機能の低下に気づき予防対策に取り組むことが大切です。

2-7.正常圧水頭症

正常圧水頭症とは、脳脊髄液が脳室に溜まり周囲の脳が圧迫されて障害を起こす病気です。正常圧水頭症が原因で起こる認知症は、早期に発見すれば脳外科手術で治療が可能です。
早期に歩行障害が現れるとともに、バランスを崩し転倒しやすくなります。集中力、注意力の低下とともに意欲が低下し、抑うつ状態が現れます。また、切迫性の尿失禁が見られることがあり、排尿の回数も増えます。

3.認知症は早期発見が重要

「同じことを何度も言っている」「大切な物を置き忘れることが多くなった」といった症状が見られたら早めに医師に相談しましょう。認知症は完治の難しい病気ですが、適切な治療によって症状の進行を遅らせることができます。

また、早めに治療を開始した場合ほど高い治療効果が得られ、症状もゆっくりと進むことがわかっています。そのため認知症は早期診断・早期治療が重要です。

3-1.早期発見するには?

認知症を早く見つけて対処するためのチェックリストがあるので積極的に活用しましょう。下記は「家族の会」の会員が、日常の暮らしの中で認知症ではないかと思われる言動をまとめたものです。

思い当たる言動・行動が多い場合は迷わず医師に相談しましょう。

家族がつくった 「認知症」早期発見のめやす

もの忘れがひどい
1 今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
2 同じことを何度も言う・問う・する
3 しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
4 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
判断・理解力が衰える
5 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
6 新しいことが覚えられない
7 話のつじつまが合わない
8 テレビ番組の内容が理解できなくなった
時間・場所がわからない
9 約束の日時や場所を間違えるようになった
10 慣れた道でも迷うことがある
人柄が変わる
11 些細なことで怒りっぽくなった
12 周りへの気づかいがなくなり頑固になった
13 自分の失敗を人のせいにする
14 「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた
不安感が強い
15 ひとりになると怖がったり寂しがったりする
16 外出時、持ち物を何度も確かめる
17 「頭が変になった」と本人が訴える
意欲がなくなる
18 下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
19 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
20 ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる

公益社団法人認知症の人と家族の会作成のものを引用)

3-2.認知症にはどんな相談窓口がある?

家族が認知症かもしれないと思ったときは、早めにお住まいの市町村の相談窓口を利用しましょう。ここでは、認知症に関する悩みや疑問を専門家に相談できる窓口をご紹介します。

3-2-1.地域包括支援センター

「地域包括支援センター」は、介護保険法で定められた全国約4000カ所にある相談センターです。病院や介護サービスの情報提供の他に、地域の専門家と連携して総合相談・支援を行い、地域の介護相談の最初の窓口の役目を担っています。認知症の悩みや困り事は、まずは「地域包括支援センター」に相談するのが良いでしょう。

3-2-2.社団法人認知症の人と家族の会

全国47都道府県に支部がある「社団法人認知症の人と家族の会」も相談窓口を設けています。研修を受けた介護経験者が認知症についての相談・疑問への対応、解決に向けてのサポートを行っています。

■認知症の電話相談(社団法人認知症の人と家族の会)

電話受付(月曜~金曜 10:00~15:00)
0120-294-456

【社団法人認知症の人と家族の会ホームページ】
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=146

3-2-3.介護支え合い電話相談(社会福祉法人浴風会)

社会福祉法人浴風会「介護支え合い電話相談」でも相談を受け付けています。介護の経験があり研修を受けた相談員が正確な情報提供を行い、地域ネットワークとの連携支援などを行っています。

■介護支え合い電話相談(社会福祉法人浴風会)

電話受付(月曜~金曜 10:00~15:00)
0120-070-608

【社会福祉法人浴風会ホームページ】
http://www.yokufuukai.or.jp/call/index.html

4.まとめ

認知症の種類について見てきました。

認知症にはさまざまな種類があり、それぞれ違った症状が現れます。中には予防や治療が可能な認知症もあるので、早めに症状に気付き治療を開始することが重要です。完治が難しい認知症であっても早期に適切な治療を施すことによって進行を遅らせることが可能です。

認知症についての相談は、市町村に設置されている「地域包括支援センター」などの電話相談窓口で受け付けています。「認知症かもしれない」と少しでも不安を感じたら迷わず相談しましょう。

参考:
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a01.html
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a05.html
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html
http://www.ninchishoucare.com/kind/
https://info.ninchisho.net/type
http://www.isshogaiine.com/about/type.html
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=2196
https://info.ninchisho.net/check
http://sodan.e-65.net/check/
http://www.mental-navi.net/ninchisho/shindan/sohki.html
http://www.yokufuukai.or.jp/call/index.html

介護施設と高齢者住宅にはどんな種類がある?代表的14タイプまとめ

介護施設の種類

「老いてからはどこに住むか」という選択肢は、現在では非常に多くなっています。

今回は、代表的な14種類の介護施設について特徴をまとめました。

それぞれについてみていきましょう。

1.「老後の住まい」としての施設・住宅

老後の住まいは、介護に特化したものから、シニア向けに工夫が凝らされた住宅まで、多岐にわたります。

介護の状況やライフスタイルにあわせて選びたいところです。

2.代表的な14種類の介護施設・高齢者住宅

特に代表的な14種類の介護施設・高齢者住宅について考えていきましょう。

2-1.老人ホーム

「老後の住まい」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのがこの選択肢ではないでしょうか。しかし、一口に「老人ホーム」といっても、実はその種類はさまざまです。

2-1-1.有料老人ホーム

これはその名前の通り、有料の老人ホームです。基本的にはどのような団体が運営しているものであれ、費用は発生します。

しかし、一般的に、「有料老人ホーム」といった場合は、民間業者が運営しているものを指します。

2-1-1-1.①介護付き有料老人ホーム

認知症にも対応できる、介護付きの有料老人ホームです。

介護レベルが重度であっても入ることができ、しかも希望すれば比較的簡単に入ることができます。

ただし、料金は少々高め。

2-1-1-2.②住宅有料老人ホーム

軽度の認知症までは対応できたり、中程度の介護度には対応してくれたりするものです。

介護者が常駐しないため、費用は「介護付き有料老人ホーム」よりは若干お買い得。

その一方、症状が悪化した場合は、退去などを迫られることも。

2-1-1-3.③健康型有料老人ホーム

介護がまったくなされないわけではありませんが、基本的な考え方としては、「家事などの煩雑なことをスタッフに任せられる」というものがあります。

スポーツジムなどの設備が整っており、食事の世話などもしてもらえるため、どちらかというとホテルのイメージに近いかもしれません。

費用が高めですが、この形式の場合、「介護を必要としないこと」が基本となるため、重度の介護状態になってしまうと、退去が求められます。

2-1-2.軽費老人ホーム

民間ではなく、自治体などによって管理されている老人ホームです。

民間とは違い、補助金を受けることができるため、安い料金で利用できます。

2-1-2-1.④軽費老人ホームA型

軽費老人ホームは3つの種類があります。

いずれの場合でも、民間の有料老人ホームに比べればかなり割安です。

「A型」の方は、生活の見守りに加えて、食事の世話をお願いできます。

2-1-2-2.⑤軽費老人ホームB型

A型の場合、食事の世話をスタッフが行います。しかしB型の場合は、自分で賄うことになります。

その分、月額費用がとても安く、A型の費用の25%~50%で利用できます。

2-1-2-3.⑥軽費老人ホームC型(ケアハウス)

軽費老人ホームのなかでも、「ケアハウス」に分類されるものです。

一般型(自立はしているものの、一人で生活するには少し不安が残る人を対象とするもの)と介護型に分けられていますが、いずれも費用は安く、月額利用料は7万円~20万円程度です。

2-2.介護保険施設

日常生活において、何らかの手助けが必要となる人が主に利用する施設です。

2-2-1.⑦介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

介護度が進んでも退去を求められることなく住み続けられるのが、この「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」です。

なかなか入居できない代わりに、一度入ってしまえば長く利用することが可能です。

人生の最後の居場所としての利用価値が高く、初期費用も発生しません。

2-2-2.⑧介護老人保健施設

重度の介護が必要となる人であっても受け入れてもらえるのが最大のメリットです。

介護老人福祉施設同様、入居金は必要ありません。

また、医学的なケアもしっかりしてもらえる上に、利用料金は安いです。

ただし、3か月に1度というとても短いスパンで入居継続の可否が決められるため、長期の利用は難しいでしょう。

2-2-3.⑨介護療養型医療施設

重度の介護が求められる人でも入居可能です。

ただし、ここはあくまで「療養のための」施設であり、位置づけとしては「医療機関」にあたります。

医療機関である以上、状態が改善すれば退去する必要があります。

「病気で入院していたけれど、居心地がいいからずっといたい」というのはできない、と考えるとわかりやすいかもしれません。

2-2-4.⑩介護療養型老人保健施設

介護療養型老人保健施設はしばしば、「新型老健」とも呼ばれます。

流動食を管を使って摂取したり、痰を吸い出したりといった行為が可能です。

介護療養型医療施設との違いは、介護療養型老人保健施設の場合、「病院に入り、専門的な治療を必要とするほどではない人を対象としている」というところにあります。

2-2-5.認知症グループホーム

「グループホーム」という名称はさまざまなところで使われている単語ではありますが、主に認知症の方を対象とした施設を指すことが多いようです。

対象者が認知症の人なので、それに対する手厚いフォローが望めます。

認知症に関する知識なども豊富なスタッフがそろい、安心して任せられるでしょう。

関連記事:グループホームとはどんな施設なのか?8つのポイントから解説

2-3.⑫シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは便宜上の呼び方であり、明確な定義が存在するものではありません。

ただ、いずれの場合でも、「高齢者にとって住みやすいかどうか」を念頭に作られています。

家事を委託できたり、設備が整っていたりするため、要支援の段階の高齢者には住みやすいでしょう。

また、今まで紹介してきた施設とは違い、分譲型であるため、「資産」として運用することが可能です。

しかし、重度の介護には対応していないケースが多いです。

2-4.賃貸住宅

「シニア向け分譲マンションは確かにいいんだろうけれども、そんなお金はない」という人におすすめなのが、賃貸住宅です。

高齢者を対象としたものは、賃貸住宅であっても、高齢者が住みやすいようにという理念のもとで作られています。

2-4-1.⑬シルバーハウジング

シルバーハウジングは、公営住宅のうちの一つです。

バリアフリーになっているほか、緊急通報装置なども用意されています。

サービスに関しては、それぞれ特色があります。

デイサービスなどのような介護サービスを受けられるものもあれば、安否確認や「何かあったときに連絡したりサポートしたりする」という程度にとどまっているものもあります。

基本的には「介護施設」の位置づけではないので、要介護の度合いが進んだ人の場合は難しいでしょう。

また、「医療機関」でもないため、病院のような治療は受けられません。

2-4-2.⑭サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、非常に新しい考え方です。

このサービス付き高齢者向け住宅の登録が始まったのは、平成23年の10月です。

国土交通省と厚生労働省がとりまとめている「高齢者住まい法」によってスタ-トしました。

このサービス付き高齢者向け住宅は、

  • 25㎡以上の広さであること(例外はあります)
  • 基本的に、台所や水洗トイレ、バスルーム、洗面スペース、収納スペースが専有部分にあること
  • 手すりが備え付けられていたり、段差がない床になっていたりするなど、バリアフリー構造になっていること
  • 安否確認及び生活に関する相談を受けられるサービスがあること
  • 専門家が建物内にいること(夜間は任意)
  • 敷金や家賃、サービスに関する対価以外は発生しない
  • 入居後3か月以内に退去や入居者の死亡があった場合、前払い金が返還されること

などの条件があります。

費用は設備によって大きく異なります。安いところから高いところまであるため、一概に「安い」とも「高い」とも言い切ることができません。

ただ、料金面でも選択肢が多いのは嬉しいポイントです。

このタイプの住居の場合、「サービスは受けられるけれども、そのサービスはあくまで『訪問介護』のレベルにとどまる」ということは覚えておかなければなりません。

常に介護スタッフがいて、きめ細やかな対応を望めるか、というとそうではありません。

これは、シルバーハウジングにも共通しているデメリットであり、シニア向け賃貸住宅の特徴と言えます。

3.まとめ

「老後の住居」というのは、主に14の種類に分けられます。

それぞれ特徴とメリット・デメリットがあるので、慎重に選ぶようにしましょう。今現在の状況も大切ですが、「今後のこと」や「費用」も考えて、後悔のない選択をしたいものです。