特別養護老人ホーム

入所者が抱える大きなストレス、地域密着型特別養護老人ホームが取り除く?

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地域密着型特別養護老人ホームについて見ていきます。

比較的安い値段で利用できるうえに、症状の悪化によって退所となることがとても少ない特別養護老人ホームは、とても便利なものです。

しかし、この特別養護老人ホームに入所した人が、抱くストレスがあるのも事実です。それについてみていきましょう。

また、これらの解消策として有効とされている「地域密着型特別養護老人ホーム」についてもお話します。

1.特別養護老人ホームの入所者が抱えるストレスとは?

特別養護老人ホームに入所することにより、さまざまな変化がもたらされます。「環境の変化」というのは、特別養護老人ホームに限らず、大きなストレスとなってのしかかるものです。

1-1.住環境の変化

特別養護老人ホームは、「基本的には住み慣れた家にいて、そこから施設に通う」というものではありません。「住むところ」自体が変わるわけですから、住環境は激変します。

「引っ越し」は、うつ病のきっかけともなるほど、非常に大きなストレスになるものです。

特に、住み慣れた家を離れ、基本的には特別養護老人ホームで最期まで過ごすことになる、というのは、大変な精神的負担でしょう。

1-2.全く異なるコミュニティ

また、住環境の変化に伴い、コミュニティの在り方も変化します。今までは、「家族」「町内の人」が身近な存在であったのに対し、特別養護老人ホームでは、「スタッフ」「入所者」が身近な存在に切り替わります。人間関係の変化によるストレスも、決して軽視できません。

2.そもそも地域密着型特別養護老人ホームとは?

「特別養護老人ホームにおけるストレス」について触れました。しかし、施設に詳しくない人の場合、「そもそも特別養護老人ホームとは何?」という疑問が出てくるでしょう。これについてお話します。

2-1.地域密着型特別養護老人ホームの特徴

特別養護老人ホームは、「家での介護が難しい、中重度の人が入る施設」を指します。

住居型になっており、特段の事情がなければ、最期のときまでここで過ごすことができます。

認知症などにも対応しているため、実質的な「最期の居場所」として利用することができます。

地域密着型特別養護老人ホームは、特に「小規模であり、そこに住んでいる人を対象とした介護サービス」の一つとして、2006年に始まりました。

2-2.地域密着型特別養護老人ホームの入所条件

平成27年4月以降は、「基本的には、要介護3以上」の人が対象となりました。しかし、要介護1~2であっても、経済的な事情を含む、特別な理由があれば利用できます。

入所優先度は、経済的な状況や要介護のレベルなどから総合的に判断されます。

関連記事:入所難易度が高くなっている?特養老人ホームの入所条件とは入居困難な養護老人ホーム|入居条件とサービス内容について

2-3.地域密着型特別養護老人ホームの料金

公のサービスであるため、料金は安く、入居一時金は発生しません。毎月の費用も10万円~15万円程度です。

3.地域密着型特別養護老人ホームが果たす役割

上では、「地域密着型特別養護老人ホームの特徴」に触れました。ここから、地域密着型特別養護老人ホームの果たす役割も見えてきます。

3-1.住み慣れた地域での生活が続く

名前からもわかるように、地域密着型特別養護老人ホームは、住み慣れた地域で過ごすことのできる施設です。そのため、家族なども足を運びやすく、「まったく知らない土地」で過ごす、という恐怖感はありません。

3-2.小規模が可能にする家庭的なサービス

地域密着型特別養護老人ホームは、30人未満の人数で運営されています。このため、人間関係に慣れることには時間がかかるものの、それ以降は、家族的で家庭的な雰囲気のなかで過ごすことができます。

4.地域密着型サービスが持つ安心感

地域密着型特別養護老人ホームをはじめとする地域密着型サービスは、それ以外のサービスとは違い、「住環境は変化しても、その周囲は変化しにくく、慣れた街並みのなかで過ごすことができる」というメリットや、「人数が多すぎないため、家庭的な雰囲気で過ごせる」という安心感があります。

これは、地域密着型サービスの持つ、大きなメリットです。

5.まとめ

地域密着型特別養護老人ホームについて見てきました。

地域密着型特別養護老人ホームは、「その地域の人を対象としており」「30人未満で運営される」という特徴を持つ特別養護老人ホームです。そのため、住環境の変化や、コミュニティの変化を最小限に抑えることができます。

入所難易度が高くなっている?特養老人ホームの入所条件とは

特養老人ホーム

特養老人ホームについて見ていきます。

老人ホームにはさまざまな種類があります。今回はそのなかから、「特別養護老人ホーム」について取り上げましょう。

1.特別養護老人ホームとは?

まずは、「特別養護老人ホームとは何か」ということからお話していきます。

1-1.特別養護老人ホームの定義

特別養護老人ホームとは、公的な老人福祉施設です。そのため、費用がそれほど高くなく、利用しやすいというメリットがあります。重い介護レベルの人にも認知症の人にも対応してくれるうえ、一度入ると、退所を求められるケースが少ない、という特徴があります。

関連記事:入居困難な養護老人ホーム|入居条件とサービス内容について

1-2.特別養護老人ホームで提供されるサービス

入浴などの身の周りの世話全般を受けることができます。また、機能訓練も受けることも可能です。ただし、「リハビリによって、今までできなかったことをできるようにさせ、自宅で過ごすことを目指す」という老健(老人保健施設)とは違います。
また、限定的ではありますが、医学的なケアをうけることも可能な施設も多いです。

1-3.特別養護老人ホームの費用

前述したように、特別養護老人ホームは公的な設備ですから、それほど料金はかさみません。5万円~15万円の月額費用であり、入居金なども必要ありません。

2.入所が難しい?高くなる特別養護老人ホームの入所難易度

このようにさまざまなメリットがある特別養護老人ホームですが、その分、入所難易度が高いのも事実です。

2-1.現在、全国で40万人以上が待機している

この特別養護老人ホームは、非常に入るのが難しいと言われています。「入居を希望しているにも関わらず、入居ができない」という待機者は、40万人を超えると言われおり、1年に2万5千人のペースで増えています。全国で8000近くも特別養護老人ホームはありますが、待機人数は増加する一方です。

2-2.入所にかかる時間が非常に長い

しかも、特別養護老人ホームの場合、「申し込んだら、申し込んだ順番に入ることができる」というわけではありません。入居順位には優先順位もあり、そのため、「後から申し込んだ人の方が先に入る」という事もあり得ます。このため、入所に至るまでの時間というのは、非常にながくなります。

3.特別養護老人ホームの入所条件

このような状況を踏まえ、平成27年から、特別養護老人ホームに入所できる人の条件が新しく定められました。

3-1.原則として要介護3以上の人のみ

今までは、「優先して入所させてもらえる」という「優先条件」の1つとして「要介護状態が重い人」というのがありました。しかし平成27年の4月からは、これが「優先条件」ではなく、「入所するために必要な条件」に変わりました。
具体的に言うと、特別養護老人ホームに入所できるのは、原則として、要介護3以上の人のみになります。

3-1-1.どうして要介護3以上に限定?

要介護が進んでおり、家族や本人に多大な負担がかかっているにも関わらず、特別養護老人ホームに入所できない「待機者」への救済措置として設定されました。

3-1-2.要介護1や2でも入所が認められる場合

しかしながら、要介護1や2でも、特定の条件を満たせば、特別養護老人ホームに入所することは可能です。

  1. 日常生活が危ぶまれるほどの進行した認知症
  2. 知的及び精神的な障害がある
  3. 虐待を受けている疑いがある
  4. 単身者の世帯であり、かつ家族や地域のサービスが十分ではないこと

3-2.優先的に入所させてもらえる条件

特別養護老人ホームの性格上、「介護レベルが進んでいる人」や、「経済的に困窮している」などのケースでは優先されることが多いようです。また、「家族が介護に携われない人」なども、優先されるケースに当てはまります。

3-3.入所することができない条件

基本的には、要支援の人は入所を希望できません。また、要介護1~2の人も、上であげた「特例」にあてはまらない限り、入所することはできないと考えましょう。

4.事前の確認が重要

「なぜ特別養護老人ホームを必要としているのか」「今の状況はどんな感じか」ということを、しっかりと確認しておく必要があります。また、当然ですが、要介護認定をしっかりと受けられるようにしておくこともお忘れなく。

4-1.入所条件を照らし合わせる

「特別養護老人ホームに入ることができる要介護レベルなのか」「そうでない場合は、上記であげた4要素を満たしているか」などをしっかりと考えましょう。

4-2.待機人数や待機期間を施設に問い合わせる

「可能ならば特別養護老人ホームに入りたい、しかしそうでなければ有料老人ホームに入居したい」と考えている人にとって特に重要なのが、特別養護老人ホームの待機人数などを確認することです。

もしこの時点で、非常に多くの人が待機しており、かつ時間がかかる、というようならば、有料老人ホーム探しに焦点を当ててもよいでしょう。

4-3.ケアマネージャーに相談

介護においてキーマンになるのが、介護プランを考えるケアマネージャーです。すべての相談は、ケアマネージャーを交えて行うとよいでしょう。

5.まとめ

特養老人ホームについて見てきました。

特別養護老人ホームの入所条件
1.要介護3以上
2.日常生活が危ぶまれるほどの進行した認知症
3.知的及び精神的な障害がある
4.虐待を受けている疑いがある
5.単身者の世帯であり、かつ家族や地域のサービスが十分ではないこと

特別養護老人ホームは、とてもメリットが多い施設です。しかしその分、入所難易度は高く、待機している人も多くいます。このため、特別養護老人ホームの状況を把握し、ケアマネージャーに相談しながら、善後策を考えることも重要です。

ユニット型特別養護老人ホームとは?従来型との違い・メリット・デメリット

ユニット型特別養護老人ホーム

ユニット型特別養護老人ホームについて見ていきます。

高齢化社会である、と言われて、すでに長い時間が過ぎました。平均寿命が年々長くなってきていること、高齢者の割合が多くなっていること、ライフスタイルが多様化していることなどから、高齢者の入る施設の形や介護サービスというものは、非常に選択肢が増えています。

一昔前なら考えられなかった形態の施設やサービスが出てきたのも、この流れを考えれば、当然であると言えるでしょう。

今回はそのなかから、「ユニット型特別養護老人ホーム」を取り上げようと思います。

1. ユニット型特別養護老人ホームとは?

ユニット型特別養護老人ホームと、従来の「特別養護老人ホーム」では、その形態が違います。ここでは、その2つを差別化することを目的として、話を展開させていきましょう。

1-1.ユニットケアとは?

そのためには、まずは、「ユニットケアとはそもそも何か」ということを考えなければなりません。

ユニットケアとは、「個別ケア」とも言いかえるものができるものです。全室が個室であり、大部屋ではありません。そのため、プライバシーに最大限配慮した部屋作りとなっています。入浴やレクリエーションなどは団体で行うことになりますが、その人数は小規模で、10人以下です。また、スタッフも専任であり、めまぐるしく変わる、ということはありません。

レクリエーションなどでコミュニケーションをとることができる一方で、従来の施設の問題点であった「プライバシー性の配慮」が十分になされているケア形式である、と考えることができます。

2.従来型とユニット型の違い

上記でも触れましたが、もっと細かく見ていきましょう。

2-1.入居者を中心に設計されている

ユニット型特別養護老人ホームが目場とするものは、「入居前と入居後の生活が、連続したものとなること」です。

「介護をしやすい施設」というスタッフ側の目線からではなく、「今までと変わりにくい生活を送れること」を考えて作られたという、入居者中心の構成となっているのです。もちろん、従来の施設がそうではない、というわけではありませんが、ユニット型特別養護老人ホームの方が、より「自分らしく」「自分でやりたいことを」「自分で決めてやる」という性格が強い、と言えます。

2-2.少人数ケア体制

上でも述べましたが、ユニット型特別養護老人ホームの場合、少人数単位でのケアが可能です。大人数を対象とするケアがいけない、というわけではありませんが、少人数ケアが可能なユニット型特別養護老人ホームの方が、きめ細やかな対応を求めることができるでしょう。特に、「その人、その人の生活リズムやパターンにあった介護を受けられる」というのは、ユニット型特別養護老人ホームの大きな特徴です。これこそが、ユニット型特別養護老人ホームをユニット型特別養護老人ホーム足らしめている要素である、ともいえるでしょう。

3.ユニット型特別養護老人ホームのメリット・デメリット

上では、ユニット型特別養護老人ホームの「メリット」を中心としてお話してきましたが、ここからはユニット型特別養護老人ホームのデメリットも含めて、具体的に考えていきましょう。

3-1.ユニット型特別養護老人ホームのメリット

何度か述べてきましたが、プライバシーが確保できる、というのがユニット型特別養護老人ホームの大きなメリットです。加えて、専任スタッフがいたり、関わる人が少人数であったりすることから、入居者やスタッフとの交流が密になり、お互いの理解度を深めたり、仲良くなったりすることが期待できます。

少人数である、という特徴を生かし、できる限り一人ひとりの生活リズムなどにあったケアがなされている、というのも、ユニット型ならではの美点でしょう。
施設側からのメリットもあります。

「徘徊がへった」という報告や、「個別の部屋があるため、風邪などを患ったときでも、他の利用者に移る可能性が低い」という事実もあります。このような観点から、ユニット型特別養護老人ホームには、非常に多くのメリットがある、と言えるでしょう。「家」に近いため、落ち着きやすく、家族が訪問しやすいのも魅力です。

3-2.ユニット型特別養護老人ホームのデメリット

病院における「個室」が高いことからもわかるように、このような少人数制というのは、従来型に比べて、多くの場合は割高になります。個室を確保するための土地や、個室の光熱費、設備の維持費などを考えると、これは想像がつきやすいでしょう。

「入居者やスタッフとの交流が密になること」をメリットとしてあげました。しかしこれは裏を返せば、デメリットにもなり得ます。スタッフの場合はまだ「仕事」だからいいのですが、入居者同士でトラブルが起きた場合、非常に気まずくなってしまいます。そして、「密に関わる」ということは、このようなトラブルを引き起こすリスクをあげることになる、というのは、想像に難くありません。

人間は、それほど付き合いのない人間の行動は気になりませんが、身近にいる人に対しては、欠点も長所も目につきやすくなるからです。このようなトラブルがもとで、せっかく入ったユニット型特別養護老人ホームを退去することになった……ということであれば、次の施設を探すことにも、時間とお金がかかってしまいます。

4.ユニット型特別養護老人ホームの料金

ユニット型特別養護老人ホームの料金は、介護の状態にもよりますが、12万円~14万円程度です。従来型の個室の場合は10万円前後、4人部屋の場合は7万円~9万円ほどです。

施設にもよりますが、その差額は、毎月3万円~5万円程度です。1年間で36万円~60万円の違いです。

5.まとめ

ユニット型特別養護老人ホームについて見てきました。

従来の形とは違い、一人ひとりにあわせたケアが期待できるという意味で、ユニット型特別養護老人ホームは魅力的なものです。密接な人間関係を結べることから、ストレスの軽減も可能です。しかし同時に、料金や人間関係の面ではデメリットもあるのが事実です。

その特徴とメリット・デメリットを踏まえ、「どの形が望ましいか」と考えていくことが、何よりも大切でしょう。

毎月どのくらいかかる?9つの介護施設・住宅の月額費用まとめ

介護施設 費用

介護施設にはさまざまなものがあります。今回はその特徴とともに、その月額費用についてみていきましょう。

1.介護施設・住宅の費用の違い

介護施設(介護住宅)は、サービスが施設によって違います。そのため、当然料金にも違いが出てきます。

2.介護施設・住宅の月額費用の目安

介護施設(介護住宅)の月額費用は、その施設・その施設によって違います。まずは「月額費用」に絞ってみていきましょう。

2-1.食事や介護費用が月額費用に含まれる施設

「介護サービスがついていること」が原則となっている施設の場合は、基本的には介護費用が毎月の月額利用料に含まれています。また、介護が必要な場合は食事の世話も必要であることが多いからか、食事の費用もなかに組み込まれているものも多いようです。

2-1-1.特別養護老人ホーム

長期入所が可能な特別養護老人ホームは、希望者が非常に多く、入るのは難しいです。しかしその分費用も安く、リーズナブルです。毎月の費用は5万円~15万円程度です。

2-1-2.介護老人保健施設

一般的に、「老健」と呼ばれるものがこちらです。家庭への復帰を目指しているため、リハビリテーションなどが組み込まれています。これは6万円~16万円程度で利用できます。

2-1-3.介護療養型医療施設

重い要介護の人であっても受け入れてもらえ、認知症にも対応できます。もっとも大きな特徴は、点滴や痰の吸い出しなどの医療的なケアにも対応している、ということです。それなのに費用は割安で、7万円~17万円程度で利用できます。

2-1-4.グループホーム

認知症の方を受け入れられる施設です。(名称として「グループホーム」という単語を使うこともできますが、この場合は除きます)12万円~18万円程度で使うことができます。

2-1-5.介護付き有料老人ホーム

民間企業によって運営されており、介護サービスが付随しています。料金の差が大きく、12万円~30万円程度です。

2-2.食事や介護費用が別途かかる施設

上であげたものは、食費や介護費用が月額料金に含まれています。ここからは、含まれないことが多い施設についてみていきましょう。

2-2-1.シルバーハウジング

バリアフリーなどが考えられ、高齢者向けに作られた住宅のことを指します。ただし、介護サービスは付随していません。そのため、介護サービスを受けるときは外注することになります。

月額費用は、普通のマンションなどを想像してください。4万円~13万円程度のことが多く、ここに別途費用が積み重なります。

2-2-2.介護付きケアハウス

「軽費老人ホームC型」と呼ばれるものであり、名前の通り、比較的安い費用で利用できます。A型やB型とは違い、認知症患者の人でも受け入れています。8万円~18万円程度で、ここに食費が別途必要になります。ただし、介護サービス費用は利用料金に含まれます。

2-2-3.住宅型有料老人ホーム

ジムなどの設備がしっかり整っており、レクリエーションを重視する人におすすめです。「住宅型」というところからもわかるように、「住むこと」の方に重点が置かれています。介護付き有料老人ホームとは違い、自立~要支援の人(軽い要介護状態の人が含まれることもある)が対象です。介護サービスは外部に委託していますが、食事の世話は、料金を含め、ホームに任せられます。費用は15万円~30万円程度です。

2-2-4.サービス付き高齢者向け住宅

バリアフリーになっており、専門家などによる安否確認が行われるものです。充分な面積も確保されています。介護や食事の世話は、外部スタッフに依頼することになりますが、これはあくまで「原則」です。サービス付き高齢者向け住宅によっては、施設内での提供が行われることもあります。月額費用は9万円~16万円程度が一般的です。(食事や介護費用は別と考えた場合)

3.月額費用以外にかかる費用

施設の費用を考えるとき、「月額費用」以外にも考えたいものがあります。それが、入居一時金などです。

3-1.入居一時金

もっとも大きいのが、これでしょう。特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型施設・シルバーハウジングなどは不要ですが、それ以外のものに関しては、入居一時金が発生することもあります。その料金はまったくの0から数千万円に及ぶケースまであり、施設によって違いがあります。また、入所後間をおかず対処する場合、未償却分が返却されることもあります。

3-2.介護・医療関連費用

介護サービスや医療ケアを外部に委託すると、当然その分の費用がかかります。また、なかには、「要介護度が進みすぎると、外部サービスでは対応しきれなくなるため、退所を促さされる」という施設もあるので、あわせて確認が必要です。

また、介護付きのところであっても、規定以上の介助をお願いしたりする場合は、別途費用が発生します。

3-3.健康管理サービス

定期診断や薬代といったものです。これらについても確認しておきましょう。

3-4.生活支援サービス

これは多岐にわたります。外出時の付き添いから掃除、書類作成まで、実にさまざまです。何に対応しており、どこからが有料で、どんな形でやってくれるのか、ということは、施設によって大きく違うでしょう。そのため、この点をきちんと事前に確認しておくことも、トラブルや、「こんなはずじゃなかった!」という事態を避けることに役立ちます。

なお、「理容・美容代」もここに含まれることがあります。

3-5.娯楽など

お金(材料費)が発生するレクリエーションやサークル活動をする際に発生するものです。しかしこれが求められるケースはそれほど多くはないでしょうし、求められたとしてもそれほど大きな金額にはならない、と考えてよいでしょう。

4.まとめ

高齢者のための施設は、代表的なもので9つほどあります。(もちろん分類にもよります)それぞれに特徴がありますし、費用の面でも違いがあります。

自分たち家族にとって有用なものはどれなのか、金銭的な事情を踏まえてどれを選べばいいのか、ということを考えて、きちんと選択しましょう。また、月額費用だけでなく、それ以外の一時金やサービス費用の換算も忘れてはいけません。不明点は納得がいくまで問い合わせましょう。

「特養」と「老健」はどう違う?理解しておきたいその違いとは?

特養と老健の違い

専門的な知識がないと、福祉施設の違いというのは分かりにくいものです。そこでここでは、この2つの違いに焦点を当ててみていきましょう。

1.そもそも「特養」と「老健」って何?

特養も老健も、両方とも、高齢者を対象とした施設であることは共通しています。また、いずれもこれが正式名称である、ということではなく、略称です。しばしば並列して語られるこの2つですが、その性質には大きな違いがあります。

1-1.「特養」とは(特別養護老人ホーム)?

まずは、「特養」についてみていきましょう。正式名称は、「特別養護老人ホーム」です。

1-1-1.施設の概要

特養のもっとも大きな特徴は、「死ぬまで入っていられる」ということです。介護つきの施設であり、要介護度が進んだ人であっても利用できるうえに、退所を迫られる可能性が極めて少ない、という特徴を持っています。

1-1-2.入所の条件

特養は、今年(2015年)とそれ以前では、入所の条件が異なります。今までは要介護1以上(つまり「要支援」以外)が対象でしたが、2015年からは要介護3以上が対象となります。ただし、重い認知症の人でも受け入れるという方針を、上の見解が出されたのと同時に(2013年)厚生労働省が固めました。

1-1-3.主な設備

さて、このような特養にはどのような設備があるのかも見ていきましょう。
一概には言い切ることができませんが、基本的には相部屋形式が多いようです。施設には入浴設備や食堂などが設けられています。介護度が進んだ人が多いわけですから、入浴設備やトイレなどにも配慮がなされています。病院との連携も図られています。

1-2.「老健」とは?

老健というのは、「介護老人保健施設」の略称です。「特養」と何が違うの?ということから考えていきましょう。

1-2-1.施設の概要

老健と特養のもっとも大きな違いは、「リハビリテーション」に見ることができます。特養は「最後の住処」という性格が強く、機能訓練室などはあるものの、それほど積極的ではありません。しかし老健の場合は、「機能を回復して、家で介護ができるようにすること」を最終的な目的としています。そのため、入所期間の精査は3か月に一度の頻度で行われます。

1-2-2.利用の条件

要介護度1以上で入ることができます。この点も、特養との違いです。認知症も対応していますが、「入院の必要がなく、かつ、症状が急転する可能性が少ない」かどうかも問われます。

1-2-3.主な設備

設備に関しては特養とそれほど大きな違いはありません。リハビリを前提とする施設のため、それ用の部屋は用意されています。

2.特養と老健の違い

上でも、ところどころで触れてきましたが、ここからはさらに、「2つの違い」に焦点を絞りましょう。

2-1.施設の目的

特養が、「最後のときまで心穏やかに過ごすこと」を目的として作られた施設であるなら、老健は「ここを出て、家でみられるようにするまで機能回復をすること」を目的として作られた施設である、と言えます。この「目的の差」は非常に大きいです。

2-2.施設の(医療)スタッフ

医療スタッフに関しては、「その施設、その施設による違い」がある、と考えるべきでしょう。しかし老健の場合はリハビリを目的としていますから、理学・言語・作業療法士などがその指導を担当することになります。

2-3.違いを押さえ、目的に沿った施設を選択しよう

このような「特養と老健の違い」というのは、老後の生活の場を考えるうえで、とても重要なポイントです。その差を明確化するとともに、本人や家族にとって望ましい施設を選ばなければなりません。

3.現状と問題点

ここからは、それぞれの施設の現状と問題点について考えていきましょう。

3-1.特養の現状

厚生労働省が入所の介護度の条件を引き上げたところからもわかるかもしれませんが、非常に長い待ち時間が必要となります。しかし、1か月で数万円~十数万円程度で入ることができるというメリットがあります。

3-2.特養の問題点

「入所待ち」が起きているのが大きな問題です。また、経済状況や介護度合によって入所速度が左右されます。このため、「空きのある有料老人ホームに入れるほどのお金はない、しかし経済的に優先してもらえるほど貧しくもない。自分たちで見られないこともないけれど、今まで分担して介護をしていた姉の仕事が忙しくなった」というような、「中流層」の場合、早い段階で申し込んでいてもなかなか入所が認められない、ということもあります。

3-3.老健の現状

老健は特養ほどには入所が難しくなく、「特養に入れない人が老健を渡り歩く」という状況が起きているほどです。もちろん、施設や地域によってはこの限りではありませんが、特養に入れない、という人でも老健には比較的入りやすいと考えられています。

3-4.老健の問題点

「なぜ特養よりも老健の方が入りやすいか」というのが、そのまま、老健の問題点にもつながります。老健の場合、3か月ごとに入退所の判断が行われるため、「居続けること」ができないのです。

4.知っておきたいサービス

さまざまな問題点があるとはいえ、それでも、特養や老健が頼りになる施設であることは疑いようがありません。ここからはさらに踏み込んで、もっと便利にこれらの施設を利用する方法を考えましょう。

4-1.特養のナイトケアサービス

「父が認知症を患っている。家でみているが、夜くらいはゆっくりしたい」という人に利用をおすすめしたいのが、特養の「ナイトケアサービス」です。これは、夜だけ特養に頼る、というもの。特養だけでなく、老人短期入所施設でもこのサービスがあります。

4-2.特養のデイサービス

昼間にも短期的に利用することができます。機能訓練や入浴などをみてもらえますが、介護をしている家族向けの教室が行われていることもあります。

4-3.老健のショートステイサービス

老健にも、「ショートステイサービス」と呼ばれているサービスがあります。最大30日間老健に入所できるものであり、家族の負担の軽減に役立ちます。

4-4.老健のデイケアサービス

「昼間に通う」という点では、特養も老健も一緒です。しかし、老健は「機能回復を目的とした施設」です。このため、老健のデイケアサービスでは、リハビリを中心としたサービスを受けることができます。

5.まとめ

特養と老健は、知らない人が聞くと、一緒のもののように思えます。しかし特養には「入所は難しいけれど、一度入ると最後のときまで過ごせるという安心感」が、老健は「3カ月ごとに入退所を精査されるけれども、リハビリなどで機能回復が見込める」という違いがあります。

目的別に選びましょう。

【参考URL】
http://www.shokyukai.or.jp/cgi-bin/page.cgi?PAGE=../html/kesenen01-01
http://www.kaigokensaku.jp/publish/group13.html
http://www.homemate-s.com/useful/grounding/yogo_rh/
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http://www.wamiyama.jp/tokuyo.html
http://kaigo.homes.co.jp/manual/facilities_comment/rouken/
https://info.ninchisho.net/facility/f50
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS3005F_Q3A031C1PP8000/
https://info.ninchisho.net/facility/f10

入居困難な養護老人ホーム|入居条件とサービス内容について

養護老人ホーム

養護老人ホームについて見ていきます。

養護老人ホームは経済的に豊かでなかったり、身よりがなかったりして行く所がない65歳以上の方を受け入れている施設です。しかし、入所には自治体の審査が必要で入所するにはなかなか困難なのが現状。

養護老人ホームに入れないとなると、介護保険を利用して他の施設に入所しなければなりません。

しかし低料金で入れる特別養護老人ホームなどは、何年も待たないと入れない状況です。最後の砦とも言える養護老人ホームについて知っておきましょう。

1.社会復帰を目指す公的な施設

養護老人ホームは経済的な理由や身よりのない人、身体的にも一人で生活できない人、家庭で虐待などを受けているなどトラブルを抱えている人を対象とした、福祉施設です。自立した生活や社会復帰を目的に、必要なケアや訓練を行います。

自立した人が対象となるのでサービス内容としては、介護や生活支援というより、食事の提供やクラブ活動、地域交流活動など社会とのコミュニケーションを取るような活動内容がメインとなります。事業者によりますが、介護が必要な場合は介護サービスを受けられることもあります。

1-1.入居条件は厳しい?

養護老人ホームに入居できるのは、介護を必要としない65歳以上の方です。心身に障害があり日常生活を営むことができない、住むところがない、住むところがあっても環境が悪い、家族との同居が困難である、といった場合や生活保護を受けている、などの低所得であることで生活ができないといったことが入居条件となります。また、要介護1以上の認定を受けている人は入居できません。

特別養護老人ホームと異なり介護施設ではなく、地方自治体の措置によって入所について判断されます。審査結果によって必要性の高い人から優先的に入所できることとなっています。しかし、入居については条件が厳しいのが特徴。介護が必要な人は入居できず、一定以上所得がある人や入院治療が必要な人も入居できないことが多いです。

年を重ねれば多くの人が持病を持っており、部分的な介護が必要となるケースもあります。そういった人たちでさえも入居できないのが現実です。

1-2.自立を促すサービス内容

養護老人ホームは自立を促し、社会復帰を目指すことを目的としています。そのため、入居者に対してどのようなケアをしたら、自立を促すことができるか、という点がサービス内容の重要なポイントとなります。

ケアの方法はそれぞれの施設によって異なりますが、入浴、掃除、洗濯など日常生活において自分でできることは自分で行うのが基本。スタッフは見守りを大切にしたサポートが求められます。

もちろん、手を差し伸べるべきところはおさえ、寄り添ったケアを行うことも大切です。入居者の中には自らコミュニケーションを取れない人もいるでしょう。孤独にさせることは避けなければなりません。

さらに人の輪の中に自然と入っていけるようなサポートが必要です。人との触れ合いの場を提供するのも施設の役割です。イベントなどを開催し、仲間と一緒に楽しむ時間を提供することが必要です。

快適な環境を作っているかという点も大事です。キッチンやリビングなどは快適に過ごせる広さと環境を保っているか、部屋の居心地はどうか、といった点も入居者にとって大切なこと。

健康管理の面においてのケアについてもチェックしておきたいものです。養護老人ホームを選ぶ際には、スタッフの対応や施設の環境などを確認することが必要です。

1-3.数の少ない養護老人ホーム

老後の生活を送る場所において、多くの選択肢を持たない人も少なくありません。そういった人たちにとって、行政措置である養護老人ホームは救いとなる場所でもあります。

しかし、実際には養護老人ホームの数が少なく、定員数も多くはありません。さらに入居条件が厳しいとあっては、入居するのは簡単ではありません。
地方自治体によっては、予算の問題などにより施設や定員を増やすのは難しいところも少なくないようです。自治体によっては、条件が異なり入所できるケースもあります。まずは地域の介護福祉課や地域包括支援センターなどに相談してみるといいでしょう。

養護老人ホームに入居してかかる月額利用料は、それぞれの自治体によっても異なりますが、0~10万円程度。他の施設などと比べると安い費用で入居できるものです。

しかし、条件が厳しくなかなか簡単に入居できないのが現実です。さらに、行政措置としての施設である養護老人ホームは、数も定員数も少ないもの。低所得で他に行く場所が見つからない人にとっての最後の砦とも言える施設なのですが、安心できる状況ではありません。

しかし、自立を促すサポートをする施設ですから、一人で孤独になりがちな人や人とうまくコミュニケーションを取れない人などを、上手にケアし支援してくれる施設でもあります。年を重ねていても、体が健康であればさまざまな楽しみ方ができるもの。それを教えてくれるのも養護老人ホームなのではないでしょうか。そういった施設に入居するためにも、あきらめずに自治体などに相談してみることをお勧めします。

2.まとめ

養護老人ホームについて見てきました。

「入居したい」と言ったからといって、すぐに入れる施設ではないですが、自分や家族に必要ならば早期に申し込み等の手続きを開始することをおすすめします。

3つの介護保険施設|それぞれの特徴と違いとは?

介護保険施設

介護保険施設について見ていきます。

老後の蓄えが充分にある、という人でない限り、介護保険サービスで利用できる施設を探す人が多いでしょう。介護保険サービスで利用できる施設には種類があり、それぞれ目的やサービス内容が異なります。

少しでも快適な生活をするためには、介護保険施設について違いを理解しておく必要があります。それぞれの概要や目的、特徴について紹介しましょう。

1.介護保険施設とは?

介護保険施設とは、介護保険サービスで利用できる施設です。介護保険法に基づき、当道府県知事の指定を受けた施設で、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)介護老人保健施設(老人保健施設)介護療養型医療施設(療養型病床群など)の3種類があります。

それぞれの施設の概要や目的は次のような内容です。

1-1.人気の高い特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは要介護の高齢者のための生活施設です。65歳以上の方で、身体上、精神的に著しい障害がり、常時の介護を必要とし、居宅において介護を受けることが困難なため、施設において養護することが目的。要介護度の高い人が生活する施設です。

特別養護老人ホームにおいては、介護スタッフによる食事や排せつなどの介助を中心に提供されます。機能訓練やカウンセリング、掃除や洗濯、買い物などの生活援助も受けることができます。寝たきり状態の人が生活できる環境が整い、さまざまな介護のほか、レクリエーションなども提供されます。

利用料が安く、入居一時金などもなく、手厚い介護が受けられる特別養護老人ホームですが、医学的なケアは限定的で、入居難易度が高いのがデメリット。

基本的に部屋にはトイレやキッチンはなく、多床室、ユニットが設定されない従来型個室、ユニットが設定されるユニット型個室があり、費用は部屋のタイプによって異なります。

入所希望の多い特別養護老人ホームは、財源不足のために新設の制限が行われています。そのため、全国では52万人以上の人が入居待ちの状態と言われています。

1-2.長くは入所できない介護老人保健施設

要介護の人にリハビリなどを提供し、社会復帰を目指すことが目的です。施設サービス計画に基づき、看護や医学的管理のもと、介護や機能訓練や医療、日常生活におけるケアをすることが目的の施設です。

介護老人保健施設は、医療法人や社会福祉法人などが運営する公的な介護保険施設。リハビリや医療を必要とする要介護度の高い65歳以上の方のための施設です。入所できるのは要介護度1以上、65歳以上といった基本的な条件のほか、病状が安定している、入院治療の必要がない、といった条件もあります。

食事や排せつなどの介助を受けられる施設ですが、目的は在宅復帰です。そのため、提供されるサービスは在宅復帰を目的としたケアです。入浴や排せつ、食事などの介護のほか、医師や看護師による医療ケア、理学療法士や作業療法士による回復期のリハビリテーションで、掃除や洗濯、買い物などの生活支援はほとんど提供されていません。

特別養護老人ホームとの違いは、「終の棲家」になれる施設ではないということ。入所期間は3ヵ月で、3ヵ月ごとに退所、入所継続の判定が実施され、退所できると判定された場合は、退所しなければなりません。

利用料が安く、入居一時金などがなく、機能訓練が充実しているのがメリット。長期入院はできないので、社会復帰に向けてがんばろう、という人に向いている施設です。
介護老人保健施設は、初期費用はありませんが月額利用料が必要となります。部屋のタイプや世帯収入などによって違いがありますが、利用料は8~13万円程度。特別養護老人ホームより少し高めですね。

1-3.医療機関の施設であることが多い介護療養型医療施設

介護療養型医療施設は、医療ケアが必要な要介護の年齢を重ねた人のための長期療養施設です。特別養護老人ホームや介護老人保健施設よりも重度の要介護者を受け入れているのが特徴です。

基本的には医師や看護師による医療・看護のケアです。急性期から回復期にある寝たきりの状態の人に対する医学的ケアを中心に行われます。胃ろうや痰の吸引、酸素吸入、経鼻栄養などといった医学的ケアは充実していますが、掃除や洗濯などの生活支援サービスの提供はほとんどありません。介護療養型医療施設も、長期的な入所ではなく、症状が改善した場合は退所しなければなりません。

初期費用などはないものの、月額利用料は9~17万円程度と介護保険施設の中では少し高めです。

入居一時金もなく、比較的低価格で利用できる介護保険施設ですが、3種類の施設はそれぞれ目的やサービス内容が大きく異なります。長期的に入所できるのは特別養護老人ホームだけで、他の2施設は目的が異なるため必要がなくなれば退所しなければなりません。退所後はどのような介護が必要で、どのような生活を希望するか、資金面なども含めて考えておく必要があります。もし、在宅で療養ができない場合は施設などについても家族と相談し早めに決めておくことが大事です。

2.まとめ

介護保険施設について見てきました。

3種類の施設の中から検討している方は、自身に合ったものを選べるようにそれぞれを把握しておきましょう。

介護施設と高齢者住宅にはどんな種類がある?代表的14タイプまとめ

介護施設の種類

「老いてからはどこに住むか」という選択肢は、現在では非常に多くなっています。

今回は、代表的な14種類の介護施設について特徴をまとめました。

それぞれについてみていきましょう。

1.「老後の住まい」としての施設・住宅

老後の住まいは、介護に特化したものから、シニア向けに工夫が凝らされた住宅まで、多岐にわたります。

介護の状況やライフスタイルにあわせて選びたいところです。

2.代表的な14種類の介護施設・高齢者住宅

特に代表的な14種類の介護施設・高齢者住宅について考えていきましょう。

2-1.老人ホーム

「老後の住まい」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのがこの選択肢ではないでしょうか。しかし、一口に「老人ホーム」といっても、実はその種類はさまざまです。

2-1-1.有料老人ホーム

これはその名前の通り、有料の老人ホームです。基本的にはどのような団体が運営しているものであれ、費用は発生します。

しかし、一般的に、「有料老人ホーム」といった場合は、民間業者が運営しているものを指します。

2-1-1-1.①介護付き有料老人ホーム

認知症にも対応できる、介護付きの有料老人ホームです。

介護レベルが重度であっても入ることができ、しかも希望すれば比較的簡単に入ることができます。

ただし、料金は少々高め。

2-1-1-2.②住宅有料老人ホーム

軽度の認知症までは対応できたり、中程度の介護度には対応してくれたりするものです。

介護者が常駐しないため、費用は「介護付き有料老人ホーム」よりは若干お買い得。

その一方、症状が悪化した場合は、退去などを迫られることも。

2-1-1-3.③健康型有料老人ホーム

介護がまったくなされないわけではありませんが、基本的な考え方としては、「家事などの煩雑なことをスタッフに任せられる」というものがあります。

スポーツジムなどの設備が整っており、食事の世話などもしてもらえるため、どちらかというとホテルのイメージに近いかもしれません。

費用が高めですが、この形式の場合、「介護を必要としないこと」が基本となるため、重度の介護状態になってしまうと、退去が求められます。

2-1-2.軽費老人ホーム

民間ではなく、自治体などによって管理されている老人ホームです。

民間とは違い、補助金を受けることができるため、安い料金で利用できます。

2-1-2-1.④軽費老人ホームA型

軽費老人ホームは3つの種類があります。

いずれの場合でも、民間の有料老人ホームに比べればかなり割安です。

「A型」の方は、生活の見守りに加えて、食事の世話をお願いできます。

2-1-2-2.⑤軽費老人ホームB型

A型の場合、食事の世話をスタッフが行います。しかしB型の場合は、自分で賄うことになります。

その分、月額費用がとても安く、A型の費用の25%~50%で利用できます。

2-1-2-3.⑥軽費老人ホームC型(ケアハウス)

軽費老人ホームのなかでも、「ケアハウス」に分類されるものです。

一般型(自立はしているものの、一人で生活するには少し不安が残る人を対象とするもの)と介護型に分けられていますが、いずれも費用は安く、月額利用料は7万円~20万円程度です。

2-2.介護保険施設

日常生活において、何らかの手助けが必要となる人が主に利用する施設です。

2-2-1.⑦介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

介護度が進んでも退去を求められることなく住み続けられるのが、この「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」です。

なかなか入居できない代わりに、一度入ってしまえば長く利用することが可能です。

人生の最後の居場所としての利用価値が高く、初期費用も発生しません。

2-2-2.⑧介護老人保健施設

重度の介護が必要となる人であっても受け入れてもらえるのが最大のメリットです。

介護老人福祉施設同様、入居金は必要ありません。

また、医学的なケアもしっかりしてもらえる上に、利用料金は安いです。

ただし、3か月に1度というとても短いスパンで入居継続の可否が決められるため、長期の利用は難しいでしょう。

2-2-3.⑨介護療養型医療施設

重度の介護が求められる人でも入居可能です。

ただし、ここはあくまで「療養のための」施設であり、位置づけとしては「医療機関」にあたります。

医療機関である以上、状態が改善すれば退去する必要があります。

「病気で入院していたけれど、居心地がいいからずっといたい」というのはできない、と考えるとわかりやすいかもしれません。

2-2-4.⑩介護療養型老人保健施設

介護療養型老人保健施設はしばしば、「新型老健」とも呼ばれます。

流動食を管を使って摂取したり、痰を吸い出したりといった行為が可能です。

介護療養型医療施設との違いは、介護療養型老人保健施設の場合、「病院に入り、専門的な治療を必要とするほどではない人を対象としている」というところにあります。

2-2-5.認知症グループホーム

「グループホーム」という名称はさまざまなところで使われている単語ではありますが、主に認知症の方を対象とした施設を指すことが多いようです。

対象者が認知症の人なので、それに対する手厚いフォローが望めます。

認知症に関する知識なども豊富なスタッフがそろい、安心して任せられるでしょう。

関連記事:グループホームとはどんな施設なのか?8つのポイントから解説

2-3.⑫シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは便宜上の呼び方であり、明確な定義が存在するものではありません。

ただ、いずれの場合でも、「高齢者にとって住みやすいかどうか」を念頭に作られています。

家事を委託できたり、設備が整っていたりするため、要支援の段階の高齢者には住みやすいでしょう。

また、今まで紹介してきた施設とは違い、分譲型であるため、「資産」として運用することが可能です。

しかし、重度の介護には対応していないケースが多いです。

2-4.賃貸住宅

「シニア向け分譲マンションは確かにいいんだろうけれども、そんなお金はない」という人におすすめなのが、賃貸住宅です。

高齢者を対象としたものは、賃貸住宅であっても、高齢者が住みやすいようにという理念のもとで作られています。

2-4-1.⑬シルバーハウジング

シルバーハウジングは、公営住宅のうちの一つです。

バリアフリーになっているほか、緊急通報装置なども用意されています。

サービスに関しては、それぞれ特色があります。

デイサービスなどのような介護サービスを受けられるものもあれば、安否確認や「何かあったときに連絡したりサポートしたりする」という程度にとどまっているものもあります。

基本的には「介護施設」の位置づけではないので、要介護の度合いが進んだ人の場合は難しいでしょう。

また、「医療機関」でもないため、病院のような治療は受けられません。

2-4-2.⑭サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、非常に新しい考え方です。

このサービス付き高齢者向け住宅の登録が始まったのは、平成23年の10月です。

国土交通省と厚生労働省がとりまとめている「高齢者住まい法」によってスタ-トしました。

このサービス付き高齢者向け住宅は、

  • 25㎡以上の広さであること(例外はあります)
  • 基本的に、台所や水洗トイレ、バスルーム、洗面スペース、収納スペースが専有部分にあること
  • 手すりが備え付けられていたり、段差がない床になっていたりするなど、バリアフリー構造になっていること
  • 安否確認及び生活に関する相談を受けられるサービスがあること
  • 専門家が建物内にいること(夜間は任意)
  • 敷金や家賃、サービスに関する対価以外は発生しない
  • 入居後3か月以内に退去や入居者の死亡があった場合、前払い金が返還されること

などの条件があります。

費用は設備によって大きく異なります。安いところから高いところまであるため、一概に「安い」とも「高い」とも言い切ることができません。

ただ、料金面でも選択肢が多いのは嬉しいポイントです。

このタイプの住居の場合、「サービスは受けられるけれども、そのサービスはあくまで『訪問介護』のレベルにとどまる」ということは覚えておかなければなりません。

常に介護スタッフがいて、きめ細やかな対応を望めるか、というとそうではありません。

これは、シルバーハウジングにも共通しているデメリットであり、シニア向け賃貸住宅の特徴と言えます。

3.まとめ

「老後の住居」というのは、主に14の種類に分けられます。

それぞれ特徴とメリット・デメリットがあるので、慎重に選ぶようにしましょう。今現在の状況も大切ですが、「今後のこと」や「費用」も考えて、後悔のない選択をしたいものです。