「特養」と「老健」はどう違う?理解しておきたいその違いとは?

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特養と老健の違い

専門的な知識がないと、福祉施設の違いというのは分かりにくいものです。そこでここでは、この2つの違いに焦点を当ててみていきましょう。

1.そもそも「特養」と「老健」って何?

特養も老健も、両方とも、高齢者を対象とした施設であることは共通しています。また、いずれもこれが正式名称である、ということではなく、略称です。しばしば並列して語られるこの2つですが、その性質には大きな違いがあります。

1-1.「特養」とは(特別養護老人ホーム)?

まずは、「特養」についてみていきましょう。正式名称は、「特別養護老人ホーム」です。

1-1-1.施設の概要

特養のもっとも大きな特徴は、「死ぬまで入っていられる」ということです。介護つきの施設であり、要介護度が進んだ人であっても利用できるうえに、退所を迫られる可能性が極めて少ない、という特徴を持っています。

1-1-2.入所の条件

特養は、今年(2015年)とそれ以前では、入所の条件が異なります。今までは要介護1以上(つまり「要支援」以外)が対象でしたが、2015年からは要介護3以上が対象となります。ただし、重い認知症の人でも受け入れるという方針を、上の見解が出されたのと同時に(2013年)厚生労働省が固めました。

1-1-3.主な設備

さて、このような特養にはどのような設備があるのかも見ていきましょう。
一概には言い切ることができませんが、基本的には相部屋形式が多いようです。施設には入浴設備や食堂などが設けられています。介護度が進んだ人が多いわけですから、入浴設備やトイレなどにも配慮がなされています。病院との連携も図られています。

1-2.「老健」とは?

老健というのは、「介護老人保健施設」の略称です。「特養」と何が違うの?ということから考えていきましょう。

1-2-1.施設の概要

老健と特養のもっとも大きな違いは、「リハビリテーション」に見ることができます。特養は「最後の住処」という性格が強く、機能訓練室などはあるものの、それほど積極的ではありません。しかし老健の場合は、「機能を回復して、家で介護ができるようにすること」を最終的な目的としています。そのため、入所期間の精査は3か月に一度の頻度で行われます。

1-2-2.利用の条件

要介護度1以上で入ることができます。この点も、特養との違いです。認知症も対応していますが、「入院の必要がなく、かつ、症状が急転する可能性が少ない」かどうかも問われます。

1-2-3.主な設備

設備に関しては特養とそれほど大きな違いはありません。リハビリを前提とする施設のため、それ用の部屋は用意されています。

2.特養と老健の違い

上でも、ところどころで触れてきましたが、ここからはさらに、「2つの違い」に焦点を絞りましょう。

2-1.施設の目的

特養が、「最後のときまで心穏やかに過ごすこと」を目的として作られた施設であるなら、老健は「ここを出て、家でみられるようにするまで機能回復をすること」を目的として作られた施設である、と言えます。この「目的の差」は非常に大きいです。

2-2.施設の(医療)スタッフ

医療スタッフに関しては、「その施設、その施設による違い」がある、と考えるべきでしょう。しかし老健の場合はリハビリを目的としていますから、理学・言語・作業療法士などがその指導を担当することになります。

2-3.違いを押さえ、目的に沿った施設を選択しよう

このような「特養と老健の違い」というのは、老後の生活の場を考えるうえで、とても重要なポイントです。その差を明確化するとともに、本人や家族にとって望ましい施設を選ばなければなりません。

3.現状と問題点

ここからは、それぞれの施設の現状と問題点について考えていきましょう。

3-1.特養の現状

厚生労働省が入所の介護度の条件を引き上げたところからもわかるかもしれませんが、非常に長い待ち時間が必要となります。しかし、1か月で数万円~十数万円程度で入ることができるというメリットがあります。

3-2.特養の問題点

「入所待ち」が起きているのが大きな問題です。また、経済状況や介護度合によって入所速度が左右されます。このため、「空きのある有料老人ホームに入れるほどのお金はない、しかし経済的に優先してもらえるほど貧しくもない。自分たちで見られないこともないけれど、今まで分担して介護をしていた姉の仕事が忙しくなった」というような、「中流層」の場合、早い段階で申し込んでいてもなかなか入所が認められない、ということもあります。

3-3.老健の現状

老健は特養ほどには入所が難しくなく、「特養に入れない人が老健を渡り歩く」という状況が起きているほどです。もちろん、施設や地域によってはこの限りではありませんが、特養に入れない、という人でも老健には比較的入りやすいと考えられています。

3-4.老健の問題点

「なぜ特養よりも老健の方が入りやすいか」というのが、そのまま、老健の問題点にもつながります。老健の場合、3か月ごとに入退所の判断が行われるため、「居続けること」ができないのです。

4.知っておきたいサービス

さまざまな問題点があるとはいえ、それでも、特養や老健が頼りになる施設であることは疑いようがありません。ここからはさらに踏み込んで、もっと便利にこれらの施設を利用する方法を考えましょう。

4-1.特養のナイトケアサービス

「父が認知症を患っている。家でみているが、夜くらいはゆっくりしたい」という人に利用をおすすめしたいのが、特養の「ナイトケアサービス」です。これは、夜だけ特養に頼る、というもの。特養だけでなく、老人短期入所施設でもこのサービスがあります。

4-2.特養のデイサービス

昼間にも短期的に利用することができます。機能訓練や入浴などをみてもらえますが、介護をしている家族向けの教室が行われていることもあります。

4-3.老健のショートステイサービス

老健にも、「ショートステイサービス」と呼ばれているサービスがあります。最大30日間老健に入所できるものであり、家族の負担の軽減に役立ちます。

4-4.老健のデイケアサービス

「昼間に通う」という点では、特養も老健も一緒です。しかし、老健は「機能回復を目的とした施設」です。このため、老健のデイケアサービスでは、リハビリを中心としたサービスを受けることができます。

5.まとめ

特養と老健は、知らない人が聞くと、一緒のもののように思えます。しかし特養には「入所は難しいけれど、一度入ると最後のときまで過ごせるという安心感」が、老健は「3カ月ごとに入退所を精査されるけれども、リハビリなどで機能回復が見込める」という違いがあります。

目的別に選びましょう。

【参考URL】
http://www.shokyukai.or.jp/cgi-bin/page.cgi?PAGE=../html/kesenen01-01
http://www.kaigokensaku.jp/publish/group13.html
http://www.homemate-s.com/useful/grounding/yogo_rh/
http://www.asahi.com/articles/ASH1H6GFQH1HULFA02R.html?google_editors_picks=true
http://www.wamiyama.jp/tokuyo.html
http://kaigo.homes.co.jp/manual/facilities_comment/rouken/
https://info.ninchisho.net/facility/f50
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS3005F_Q3A031C1PP8000/
https://info.ninchisho.net/facility/f10

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